汚水枡の種類や役割を分かりやすく解説します。

 

汚水枡は排水枡の1種ですが、一般的に排水枡のことを汚水枡と呼んでいます。排水桝には、次の3つの種類があります。

  • 排水枡(汚水枡)
  • 雨水枡
  • 公共枡

このうち、特にメンテナンスで気をつけたいのが、排水枡(汚水枡)です。

 

今回は、汚水枡の構造や仕組み、素材などについても説明するので、参考にしてください。

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汚水枡(排水枡)の種類・役割

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汚水枡は排水枡の1種ですが、一般的に汚水枡と排水枡は同じものを指していることがほとんどです。汚水枡の他に、雨水枡と公共枡が敷地内に設置されています。

 

汚水枡・雨水枡・公共枡、この3種類の排水枡について、役割や仕組みを簡単に説明していきます。

水回り箇所ごとに設置されている「汚水枡(排水枡)」

汚水枡は、お風呂、キッチン、トイレなど水回り箇所ごとに設置されて、排水を受け取ります。「インバート桝」「トラップ枡」とも呼ばれ、汚物が沈澱して水分だけを下水に流す仕組みです。

 

複数の汚水枡が排水管で繋がっており、排水管が少し傾斜しているので、少しずつ排水(汚水)が下水管に向かって流れていきます。

 

汚水枡がつまる原因は、それぞれ異なります。お風呂の汚水枡は毛髪や皮脂、石鹸カス、キッチンは食品カスや油汚れなどが汚れの原因です。

大雨が降っても浸水被害を抑える「雨水枡」

住宅によっては、雨水枡と汚水枡が合体している場合もあります。ベランダの排水口や屋根から続く雨どいなどを伝って、雨水が集められます。

 

浸水のリスクを抑えることが、雨水枡の役割です。雨水枡には、以下の2種類があります。

  • 浸透枡
  • 非浸透枡の泥溜枡

雨水枡2種類の仕組みと特徴を説明します。

浸透枡

浸透枡と呼ばれるように、雨水を地面に浸透させて処理するシステムです。枡の側面や底面に「浸透孔」と呼ばれる穴が空いており、浸透孔から溜まった雨水が地面に浸透していきます。

 

降水量の多い地域では、複数の雨水浸透枡を設置すれば、浸水のリスクを最小限に抑えることが可能です。

泥溜枡(どろだめます)

浸透枡ではない、非浸透枡は汚水枡と同様に、枡の底部に泥などの異物が沈澱するシステムです。泥溜枡と呼ばれることがほとんどですが、会所桝(かいしょます)とも呼ばれる場合もあります。

 

浸透式ではないので、大雨が降るとあっという間に許容量を超えてしまう可能性があるのが欠点です。

 

ハウスメーカーでは、新築する際は浸透枡を推奨しています。浸透桝と泥溜枡で、費用は大きく変わらないようです。

自治体が管轄になる「公共枡」

敷地内の汚水枡や雨水枡から流れてくる汚水などは、下水管に流れる前に一旦公共枡に注ぎ込まれます公共枡は最終枡と呼ばれるように、下水管に入り込む前の最後の枡です。

 

公共枡に接続する排水管までは、水道・下水の所有者(契約者)が管理します。公共枡の設置・管理は、自治体の水道局に義務付けられます。

 

自治体によっては、公共枡のフタが壊れた場合は住んでいる人に交換が義務付けられているので、注意が必要です。フタが壊れてしまったら、水道局に問い合わせてください。

汚水枡の素材による種類は2つ

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汚水枡を素材で分けると、主に以下の2種類です。

  • コンクリート枡
  • 塩ビ枡

それぞれについて、特徴を説明します。

古い住宅で使用されている「コンクリート枡」

コンクリート枡とは、古い家屋で主に使われているコンクリートで作られた枡です。枡本体は、コンクリートで作られており、鋳物(いもの)製のフタが設置されています。

 

基本的にコンクリート枡の寿命は20年程度です。コンクリート枡が設置されて15年以上なら、トラブルが起き始めている可能性があります。

 

コンクリート枡の弱点は以下のとおりです。

  • 劣化や衝撃(地震など)でヒビが入る
  • 排水管との接続部に隙間ができる

隙間ができると汚水が漏れたり、木の根が入り込んだりしてトラブルが頻繁に起きるようになります。住宅内の水回りが詰まりやすくなる原因の1つです。

耐久性のある「塩ビ枡」

最近では、ポリ塩化ビニルで作られた塩ビ枡を設置する住宅が増えています。塩ビ枡は、耐久性に優れており、50年以上の寿命をもつと期待されています。

 

また、地震などの衝撃にも強く、衝撃でヒビができることもほぼありません。トラブルが発生しにくいので、公共枡も含めて多くの排水枡では、塩ビ枡がコンクリート枡に代わって利用されています。

コンクリート枡から塩ビ枡への交換

コンクリート枡の劣化が原因で、水回りのトラブルが増えてくると、コンクリート枡から塩ビ枡への交換を検討している方も多いようです。

 

コンクリート枡にヒビが入って汚水が漏れると、住宅内の水回りのトラブルが起きるだけではなく、悪臭がご近所に迷惑になります。また、害虫も増えるなどさまざまなトラブルの原因になるので、交換がおすすめです。

 

交換費用の相場は、概ね1個につき40,000円~50,000円です。交換する汚水枡の数や汚水枡が設置してある深さなどで、費用が上下します。必ず複数の業者に相見積もりをして、じっくり検討してから契約しましょう。

 

交換の手順や交換費用については、以下の記事で詳しく説明しています。

汚水枡とは

汚水枡

マンションなどの集合住宅に住んでいると、汚水枡のことはあまり考えずに済みます。しかし、戸建てに住んでいると、どこにあるのか、何のためにあるのかを知っておく必要があります。

汚水枡の設置場所は住空間の外

汚水枡は、住宅の水回りごとに複数設置されています。ほとんどの場合は、庭や駐車スペースなど敷地内の地面に設置されており、複数のフタが点在しています。

 

トイレやキッチン、浴室の排水管に接続されているはずなので、探してみてください。あまりフタを開けることはないので、上に大きな植木鉢などを置いて見えなくしているケースも少なくありません。

 

土が被さって、見えなくなっている場合もあります。マイナスドライバーなどで地面を突いていると、金属のフタに当たって見つけられるでしょう。

汚水枡の役割は「異物の分離」「排水管の点検」

汚水枡の役割は、主に以下の2点です。

  • 異物を分離する
  • 排水管の点検に使う

それぞれについて、具体的に説明するので参考にしてください。

異物を分離する

汚水枡は、住宅の水回り(キッチン、トイレ、お風呂など)からの排水が流れる場所です。

 

排水が下水に流れる前に汚水枡に入り、油汚れの塊や排泄物などの異物を沈澱させて、できる限り水分だけを下水に流す役割をしています。

 

汚水枡には、少しずつ異物が沈澱していくので、定期的に異物の除去が必要です。そのため、定期的にメンテナンス(掃除)をしないと、トラブルになります。

 

マンションは年に1度など定期的に掃除をしていることがほとんどなので、汚水枡が原因のトラブルは稀です。しかし、戸建ての場合、所有者が自分でメンテナンスをしなくてはいけないので、うっかり忘れたことがトラブルにつながります。

排水管の点検に使う

排水管のどの部分にトラブルがあるのかを、汚水枡を使って点検します。

 

汚水枡がなければ、排水管は1本の管でしかありません。しかし、汚水枡を通して内部を確認し、どの部分に詰まりが生じているのか点検できます。

汚水枡の構造・システム

排水管から入った排水は、一旦、汚水枡の中に入り、固形物と液体に分離します。汚水桝からの排出に使われる排水管には、エルボというL型の管がついており、分離された液体をさらに公共枡方面に流していきます。

 

汚水枡に入った排水は、油分のような水より軽いものは表面に浮かび、排泄物などの固形物は沈澱するシステムです。

 

汚水枡で分離するので、公共枡、ひいては下水道に余計な汚物が入り込まず、下水道のトラブルを抑制しています。

汚水枡とマンホールの違い

汚水枡とマンホールは、システム的には同じ構造です、しかし、以下の点で大きく異なります。

  • 大きさ
  • 設置されている深さ
  • 設置されている場所

マンホールは、名前のとおり人(マン)が入る大きさです。地下に設置されている下水管や、電源ケーブルを点検して修理するために使われます。

 

また、設置されている深さはマンホールが10m程度に対し、汚水枡は1mに満たない場合がほとんどです。

 

マンホールの設置場所は個人の敷地内ではなく公道で、管理は自治体が行います。一方、汚水桝(排水枡)は、個人の敷地内に設置されており、大きさはそんなに大きくありません。

 

下の記事で汚水枡の仕組みやトラブルについて、詳しく解説しているので参考にしてください

汚水枡のメンテナンス不足で起きるトラブル

注意

汚水枡のメンテナンスは、住宅内の水回りをスムーズに使うためにとても重要です。メンテナンスを怠ると、以下のようなトラブルの可能性があるので、注意してください。

  • 住宅内の水が流れにくくなる
  • 排水溝が臭くなる
  • 汚水枡があふれる

それぞれについて、説明します。

住宅内の水が流れにくくなる

住宅内の排水は、汚水枡に流れ込むシステムです。汚水枡に異物が溜まっていれば、排水が流れ込む余地が少なく、流れが悪くなります。

 

生活スタイルにもよりますが、特にキッチンの汚水桝が詰まりやすい傾向です。しかし、つまりが生じるとキッチンの汚水枡だけの問題にとどまらず、キッチンの汚水枡の前後の排水管が詰まります。

 

最初は、キッチンの排水口だけが流れにくい状態でも、だんだんと他の排水口にも影響が出てきます。住宅全体で水が流れにくくなるので、迅速な対応が必要です。

排水口が臭くなる

汚水枡は「トラップ枡」とも呼ばれるように、内部に水を溜めて臭いが出ない役割をもつ装置です。

 

しかし、以下のような状態で、トラップ枡としての役割が果たせなくなって、排水口が臭くなる場合があります。

  • 汚水枡が劣化してヒビが入り、水分がヒビから流れ出てしまった
  • 汚物が溜まりすぎて、排水管からの水の流れに問題がある

汚水桝のフタを開けると、状況が把握できます。

お風呂の排水トラップ

排水口には排水トラップが設置されており、下水の悪臭が室内に入り込めないようになっているはずです。しかし、あまりにもひどい臭いが排水管を辿ってくると、排水トラップだけでは阻止できません。

 

排水口から悪臭が入るようになると、住宅全体が臭くなってしまいます。掃除をしても、悪臭が抜けない原因は、汚水枡にあることがほとんどです。

 

排水口の臭いでお困りの方は、以下の記事を参考にして解決しましょう。

汚水枡があふれる

メンテナンスを怠ると、汚水枡内の汚物が蓄積して排水管をふさぎ、汚水枡から汚物が溢れ出てきます。

 

汚水枡はフタをしているので、内部の圧力が高まり、汚物が逆流する可能性も。逆流すると、キッチンやお風呂の排水口、トイレから汚物があふれて出てきてしまいます。

 

汚水枡のフタから汚物がにじみ出て、周囲が悪臭に包まれてしまうと、ご近所にも迷惑がかかってしまう可能性も出てくるので、自宅だけの問題ではありません。

汚水枡のメンテナンス方法

やり方

汚水枡のトラブルが起きないためにも、定期的なメンテナンスが必要です。汚れが蓄積していなければ、ご自分でメンテナンス(掃除)できます。

 

しかし、時間のない方や臭いに敏感な方は、水道修理業者への依頼がおすすめです。

自分でメンテナンスする方法

汚水枡のメンテナンスの流れは、以下のとおりです。汚れが衣服に付着するので、汚れても問題ない服を着用して作業してください。

  1. 汚水枡のフタをマイナスドライバーなどを使って開ける
  2. 汚水枡の表面に浮かんでいるゴミをひしゃくですくい取る
  3. 内部が見えるように、エルボを外す
  4. 底に沈んでいるゴミをこそげ取る
  5. 汚水枡に接続している排水管を、散水ホースまたは高圧洗浄機で洗浄する
  6. 汚水枡の壁面を柄のついたタワシ等を使って洗浄する
  7. たっぷり水を流して、エルボを設置する

エルボはL字型の、排水管に設置されたパイプです。エルボを設置する前に、ついでに洗浄しましょう。

 

掃除の仕方は、以下の記事でさらに詳しく説明しています。フタが開けにくい場合のコツなども説明しているので、参考にしてください。

業者に依頼した場合の流れ

長期間、放置していた汚水枡は汚れが蓄積しており、悪臭もひどいので、ご自分でするよりも業者への依頼がおすすめです。

 

業者への依頼がおすすめの理由は、以下のとおりです。

  • 道具類などの用意が不要
  • 肉体的な負担がない
  • トラブルを見つけて、対応してもらえる

業者の作業料金の目安は、以下のとおりです。

作業内容 料金の相場
汚水桝の清掃 1ヶ所につき2,000円〜
高圧洗浄機によるつまり除去(3mまで) 27,000円〜
トーラーによるつまり除去(3mまで) 30,000円〜
薬品洗浄 8,000円~15,000円
汚水桝に入り込んだ木の根の除去 7,000円〜10,000円

長い間メンテナンスをしていない汚水枡は、高圧洗浄が必要なケースがほとんどです。高額になる可能性もあるので、必ず複数の業者で相見積もりをして、じっくり検討して依頼してください。

 

業者に依頼した際の料金や、業者の選び方などは以下の記事で紹介しています。

汚水枡のトラブルかなと思ったら

汚水枡の種類や構造などを紹介しました。トラブルの原因が汚水枡の場合も少なくありません。

 

汚水枡のフタを開けられなかったり、どのように対処していいのか分からなかったりする場合は、業者への相談がおすすめです。

 

クリーンライフ』も汚水枡のメンテナンスや修理に対応しています。24時間年中無休で稼働しているので、お困りの際は最短30分でお伺い可能です。出張による見積もりは無料なので、お気軽にご相談ください。

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