凍結による水道管破裂などで漏水した場合に、保険でカバーできるのかどうかを解説します。

 

漏水すると水道管の修理費用だけではなく、漏水によってダメージを与えた壁紙や床材、家具類の修復費用も必要です。また、マンションなど集合住宅にお住まいの場合、階下への賠償責任が生じてしまうことも。

 

水道修理業者へ依頼する前に、火災保険の適用条件等を確認しておくと安心です。申請に必要な書類や申請手順も解説するので、参考にしてみてください。

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水道管が凍結して漏水した際に使える保険の特約

ご自宅の火災保険を確認して、以下のような特約があるかどうかを確認してください。

  • 水道管凍結修理費用保険金
  • 水濡れ損害補償
  • 残存物取片付け費用保険金
  • 臨時費用保険金
  • 個人賠償責任保険

それぞれの特約がどのようなトラブルに対応しているのかを、説明します。

水道管凍結修理費用保険金

水道管が凍結したことにより破裂などが起きた際に、水道管の修理費用(実費)が支払われる特約です。「1回の凍結で、1敷地内で10万円」など限度額を設定しています。

 

保険会社によって、契約内容に多少の差異はあります。限度額に関してソニー損保、東京海上日動火災保険、損保ジャパンの公式サイトを見ると、いずれも限度額に関しては同じでした。

水濡れ損害補償

「水漏れ」と「水災」は混同しやすい案件で、補償内容は全く異なります。「水濡れ」補償は、給排水設備の事故で水漏れが起き、水濡れなどの損害が発生してしまった際に支払われる補償です。

 

「水災」は、台風などで直接的に水の被害が生じた場合を指します。凍結によって給排水管が破裂して水漏れが起き、家具類や住宅にダメージが与えられた場合の損害補償です。

 

家具類や壁・床材などのリフォーム費用は支払われますが、水道管の修復費用は支払われません。

残存物取片付け費用保険金

「残存物取片付け費用保険金」とは、トラブルによって被害を受けた壁材や床材、家財道具といった残存物を片付ける際に必要な、清掃費用や搬出費用の実費を支払う保険です。

 

具体的には、以下のような場合に支払われます。

  • 水漏れで濡れた床材がめくれてしまって、交換が必要になった際の古い床材の搬出費用
  • マットレスが濡れてしまい、処分しなくてはいけなくなった際のマットレス処分費用

迅速に支払いが進むために、損害保険金としてまとめられている保険会社もあるので、確認してください。

臨時費用保険金

「臨時費用保険金」とは、損害保険金が支払われるまでの間に、生活のために必要な金銭が支払われる保険です。

 

水道管が凍結して破裂した場合、住んでいる住宅全体に被害が生じて住める状態ではなくなる場合があります。ご自宅が住めない状態になったら、別の住居を探さなくてはいけません。

 

臨時の住居など、一定期間に生活するために必要な雑費が支払われます。

個人賠償責任保険

「個人賠償責任保険」は過失によって他人に損害を与えた際に、損害を賠償するための保険です。

 

凍結した水道管が破裂して水漏れが起き、階下に水が落ちて、家財道具や壁・床材などにダメージを与えてしまった際に支払われます。

 

火災保険に特約として設定されていなくても、意外と契約をしている方が多い保険です。個人賠償責任保険は、カードや自動車保険等に付帯されていることがあるので、確認してください。

凍結による漏水は火災保険でカバーできない場合も

火災保険

火災保険には、さまざまな特約を付与していることがほとんどです。

 

特約によって、保険金が支払われる要件は変わってきます。特約がない場合は基本的に、凍結による漏水で水道管を修理する場合の費用はカバーできないことがほとんどです。

火災保険とは

火災保険は、火災が起きたときはもちろん、破裂・爆発、風災、雪災、盗難といったアクシデントで損害が生じた際に、保険対象の建物や家財に補償を与える保険です。

 

火災保険には、さまざまな種類があり、補償の対象も異なるので、契約を確認してどのような災害に対応しているのかを確認してください。

「破裂・爆発補償」は適用されない

火災保険の多くは、特約のない保険でも「破裂・爆発補償」があることがほとんどなので、「水道管の凍結による破裂」が適用されるのではないかと考える方も多いようです。

 

しかし、「破裂・爆発補償」とは、気体や蒸気の急激な変化によるトラブルです。具体的には、以下のようなケースで保険金が支払われます。

  • ガス漏れを知らずに、火をつけた途端爆発した
  • カセットコンロのボンベが爆発した
  • 隣家のガス爆発で住宅に被害を被った

補償内容がよくわからないときは、保険会社のお客様センターに問い合わせてみてください。

マンションなどの集合住宅で凍結による漏水が起きたら

マンションでは、管理会社が対応すべき水道管の凍結もあります。寒冷地のマンションは凍結防止をしているかと思いますが、普段比較的暖かい地域ですと、凍結防止対策が完全ではない可能性が高いです。

 

寒冷地のマンションでも、配水設備のサーモスタットなどの凍結防止システムが故障していることもあります。

 

急な寒波で水が出なくなると、ご自分で水道修理業者を手配すべきなのか、管理会社に連絡すべきなのか迷ってしまう方に向けて、マンションでの漏水が起きた場合の対処法を解説します。

自宅部分なのか共用部分なのか確認する

戸建て住宅と異なり、マンションは自宅部分かどうかの判断が難しい場合があります。

 

基本的には水道メーターから住宅までなら、自宅の専用部分になりますが、以下の要件によっても微妙に変わるので、不安な方は管理会社に確認してください。

  • マンションの構造
  • 給水システムの種類

また、マンションでは、意外な部分が共用部分になっています。例えば、バルコニー、ベランダ、窓(ガラス)は共用部分なので、勝手にリフォームができません。

 

まずは、どの部分が凍結しているのかを確認して、それが専用部分か共用部分かを確認します。隣人等に確認して、どの住宅も水が出にくくなっていたら、共用部分に問題があると考えられます。

 

トラブルの原因が共用部分なら、管理会社に連絡してください。

火災保険の補償内容を確認する

凍結による漏水が専有部分なら、水道の元栓を閉めて、火災保険を確認しましょう。「水漏れ」といった特約が付与しているかが、重要です。

 

階下に住んでいる方に、トラブルがないかどうかも確認しておきましょう。

賃貸の場合は大家さんか管理会社に確認

賃貸のマンションなど集合住宅にお住まいの方は、大家さんか管理会社に知らせてください。

 

賃貸契約時に、『借家人賠償責任保険』を契約していれば、修理が必要になれば保証される可能性があります。借家人賠償責任保険は火災保険とは異なり、住んでいる人の過失でも保険適用されることがほとんどです。

 

賃貸住宅で借りている室内の水道管が凍結してトラブルが起きた場合は、入居者に責任があります。「水抜きをしていたのに、責任がありますか?」と不満に思う方も多いでしょう。

 

しかし、水抜きをきちんとしていたら、凍結はしなかったはずです。水が少し残っていたことが原因なので、入居者のミスということになってしまいます。

凍結による漏水被害の火災保険申請方法

必要書類

凍結で漏水が起きたら、いち早く火災保険の申請が必要です。申請期間が決まっているので、できるだけ迅速に必要書類を整えてください。

申請手順

凍結で被害があった際の火災保険金の申請は、以下の流れで進みます。

  1. 保険会社に問い合わせをし、申請に必要な書類の用意
  2. 書類を保険会社に送付
  3. 保険会社(損害保険登録鑑定人)による審査・現地調査
  4. 結果の通知、給付金の支払い

保険会社に問い合わせをするときは、次の点をまとめておくとスムーズです。

  • 契約者氏名
  • 保険証番号
  • 水漏れが起き始めた日時と場所
  • ご自分の電話番号(以後の連絡のため)

問い合わせをすると、必要な書類が一式郵送されてきます。内容を確認して、申請の用意を始めましょう。

 

損害保険登録鑑定人が立ち会いして審査・現地調査が行われるまで、修理をしないで状況がわかるようにしておきます。

 

ただし、保険金額が高額ではなく、状況がよくわかるような写真等があれば、現地調査なしで審査が通ることがあります。

申請に必要な書類

申請に必要な書類を見ていきましょう。

  • 保険金請求書
  • 事故内容報告書
  • 損害箇所の写真
  • 修理見積書
  • 損害明細書
  • 建物登記簿謄本

保険内容や状況によっては、以下の書類が必要な場合もあります。

  • 印鑑証明書
  • 住民票

漏れがないように、送られてきた書類を確認して必要書類を揃えましょう。

注意したいこと

被害の状況がよくわかるようにすることが大切です。損害箇所の写真は、状況がよくわかるように5枚くらい用意してください。

 

損害箇所にフォーカスした写真だけではなく、全体像が見えるものも用意しておくとわかりやすいです。念のためにたくさん撮影し、状況を伝えやすい写真を選びましょう。

凍結による漏水で火災保険が下りず納得いかないときは?

納得いかない女性

火災保険金を申請しても、審査が通らない場合があります。そこですぐにあきらめないで、もう一度トライしてみましょう。

 

再度トライして、保険金が支払われたというケースも少なくありません。

追加書類を提出する

火災保険会社の査定に通らなかった原因は、火災保険が下りる条件を満たせなかったと判断されたからかもしれません。

 

追加書類で、火災保険の補償範囲であると証明されれば、再審査で通る可能性があります。

保険会社のお客様センターに相談する

審査をする担当者によって、結果が左右されることがあります。保険会社の申請窓口より、お客様センターに相談することで、火災保険の審査に通る可能性があるので、トライしてみてください。

 

また、お客様センターに相談すると、追加書類についても適切なアドバイスがもらえるかもしれません。各保険会社のお客様センターは、公式サイトか契約書を参照してください。

凍結で漏水が発生してお困りなら

凍結で漏水した場合に、利用できる保険について解説しました。契約しているご自身の保険内容を正しく把握して、利用してください。

 

保険金の申請には、水道修理業者が作成する見積もりが必要です。『クリーンライフ』では24時間年中無休で、電話・LINE・メールを受け付けています漏水でお困りの際は、お気軽にすぐご連絡ください。

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