家庭で使う水の供給に欠かせない給水管。普段あまり目にしない部分であるうえ、各家庭に取り付けられた給水管の種類などにより、交換の適期が異なります。経年劣化による変化、異常に気付かない方も多いと思います。

 

しかし、水漏れやつまりといった問題をそのまま放置してしまうと、さらに被害が深刻化する恐れもあるため、注意が必要です。

 

今回は、給水管の種類や素材別の特徴についてご紹介します。また、交換時期の目安や工事の費用相場、業者選びのポイントなども解説します。給水管の交換工事を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

トイレつまり・水回りのトラブルにお困りですか?
cta tel woman
自分で直すもしくは依頼する? まずはお気軽にご相談ください!
電話アイコン0120-423-152
24時間年中無休 相談・見積もりは無料!
クリーンライフのサービス・料金はこちら

給水管(水道管)とは?

2151080 m

私たちの生活に欠かせない水は、ダムや池などからあらゆる水道管を通じて家庭まで届いています。中でも家庭の近くの本管から分岐し、各家庭の配管と繋がっているのが給水管。場合によっては、水道管と呼ばれることもあります。

 

給水管は、上本管を通ってくる水を各家庭に引き込み、飲料水として供給する役割を担っています。マンションなどでは、給水管を通ってきた水は、一度「貯水槽」という場所に送られます。そこから蛇口に供給するには給水ポンプを通過する必要があります。そのポンプも給水管の一つに分類されるものです。

給水管と排水管の違い

上本管を通ってくる水を各家庭に引き込み、飲料水として供給する給水管。

 

それに対し、排水管にはトイレやお風呂、キッチン、洗面所といった生活設備から流れる汚水などを下水処理場へ送るという役割があります。これらが同時に機能しているからこそ、私たちの生活に必要な水が、いつでも手に入る仕組みが整っているのです。

給水管の種類

 

9f37bff2c8b6b8f5984bf9451925f4ef

給水管というと、金属製の固い物体をイメージする方が多いのではないでしょうか。あながち間違いではありませんが、最近の建物の施工では樹脂製のものを採用するのが定番化されています。

 

ここではさまざまな給水管の種類や、それぞれの特徴について一挙解説していきます。

 

本来給水管工事というのは業者に依頼するものですが、自宅の給水管に用いられている素材などを押さえておけば、いざというときにも安心です。

鉄管(鋼管)・鉛管

日本の家庭に水道が普及し始めた頃、主に使われていた鉄管(鋼管)。金属特有の性質として、丈夫で耐久性に優れている点が長所とされてきました。

 

しかし、内部の錆びによって小さな穴があいたり、蛇口から出る水が赤くなったりと、さまざまなトラブルが発生。また、加工のしにくさといったデメリットも確認されるようになったため、近年はあまり使用されなくなりました。

 

鉛も鉄に並ぶ定番の素材でしたが、水漏れトラブルの多さや飲料水に鉛が溶け出す危険性が懸念されるようになり、最近では樹脂製などの他の素材に乗り換える人が増加中です。居住地域によっては、鉛管の交換に補助金制度を設けている自治体もあります。

ステンレス鋼管

錆びにくく、鉄のような強度もあわせ持つ、ステンレス鋼。衛生的で飲料水などが赤く染まる危険がないうえ、再利用が可能というサステナブルな素材としても注目されています。

 

他の素材と比べて値段が跳ね上がってしまう点は気になりますが、元々の耐久性の高さゆえにメンテナンスはほぼ不要。長期的な目で見た際に修理費用の軽減も期待でき、ランニングコストに優れた素材といえるでしょう。

 

近年はゴムシール材を活用するなどの工夫により、初期費用が抑えられている傾向にあるため、今後ますます需要が高まっていくかもしれません。

銅管

名前から想像できる通り、銅を素材とする給水管のことです。鉄や樹脂製よりも耐熱性に優れていることから、給湯管に使われることが多く、地域によっては給水管などにも使用されています。

 

表面を覆う保護膜の効果により、マイナス50度ほどの環境にも耐える耐食性を備えているのも魅力です。しかし、腐食の可能性が全くないわけではありません。

 

局部腐食で空いてしまった「ピンホール」と呼ばれる小さな穴から水漏れしてしまうリスクもあるため、その際は修理・交換などの工事が必要となることを覚えておきましょう。

 

また、パイプと継手の接続作業で「はんだ付け」を行う必要があり、修理などの際に手間がかかるのもデメリットに挙げられます。

VP管

金属製の給水管よりもメリットが多いとされ、注目され始めたのがこのVP管。プラスチック樹脂をメイン素材としてつくられたもので、錆びにくさと水漏れの心配がないのが特徴です。また、加工がしやすいというメリットもあります。

 

一方で衝撃に弱いという性質をあわせ持っており、修理などの施工中に破損してしまう可能性があります。低温下ほどそのようなトラブルが発生しやすくなるため、寒冷地にはあまり向いていません。

HIVP管

HIVP管とは、VP管の素材に手を加え、耐衝撃性を大幅にグレードアップしたものです。聞き慣れない方も多いと思いますが、給水管ではメジャーな部類に入ります。

 

通常の塩化ビニルは透明ですが、強化剤として加えている耐衝撃性改良剤によって、紺色に変化しています。VP管同様に錆びにくく、水漏れしにくいのが特徴。衝撃にも強くなりましたが、急な温度変化には弱く、冬季に水漏れや給水管破裂といったトラブルを発生する可能性があります。

 

紫外線や高温にも弱いため、給湯管の素材には不向きです。しかし、加工のしやすさゆえに修理などの工事費用を安く抑えられるというメリットもあり、一般家庭では重宝されています。

ポリ管

ポリ管ことポリエチレン管も、メジャーな給水管の種類です。取り外しや取り付けが非常に楽な点で人気を集めています。多くの給水管工事では、接着剤や工具を用いる接続の工程を踏む必要がありますが、ポリ管は手ではめ込むだけの作業で繋げることが可能です。

 

耐熱性と耐震性に優れ、さらに化学物質に強いという特徴もあります。ただ、日光には弱く、紫外線の影響でピンホールが開くこともあるため、そういった場合には取り外しや取り付けをする必要が出てきます。

 

他の素材に比べて多少値段が高いことから、用途に応じてHIVP管と使い分けている家庭が多く見られます。

ライニング鋼管

ライニング鋼管は、亜鉛メッキ鋼管の内部に、硬質塩化ビニルやポリエチレンをライニングしたものです。

 

耐久性と耐食性に優れているほか、取り付けもねじ接合で簡単。メリットの多さとは裏腹に、値段が比較的安いのも魅力です。

エルメックス管

近年登場したばかりのエルメックス管は、給水管に使用された例がそう多くありません。その最大の特徴は、耐熱性と体感性が圧倒的に優れている点です。

 

マイナス75〜95度ほどまでの幅広い温度下で使えるだけでなく、凍結時も破損のリスクが少ないです。塩素水への耐久性を備えているほか、内部の酸化のしにくさもあり、安心の水質を維持できます。

 

接続には電気の力を用いた「電気融着工法」を採用。これは専用の電気融着器を使う特殊な工法で、一般的な接続作業よりも簡単なうえ、水漏れしにくい配管が可能な点で話題を集めています。

給水管の口径(口径サイズ)について

水道の口径(口径サイズ)は、各家庭の配管と繋がる給水管の大きさを示すもので、具体的には給水管の内寸(内径)のことを指します。

 

サイズ展開は、13mm、20mm、25mm、40mm、50mm、75mm、100mm、150mm…と幅広いのが特徴です。数値が大きくなるほど一度に流せる水量が多くなり、それに伴って基本料金も上がっていく仕組みとなっています。ちなみに、一般家庭に採用される給水管は20mmがメジャーです。

 

数値を決めるのは自分ではなく、工事を手掛ける業者側。最大使用水量などの条件を考慮し、ベストなサイズを決定しています。それを自治体が審査したうえで、正式な口径が決まる流れになっています。

給水管の交換時期の目安

良質な水道業者

ここまでご紹介してきたように、給水管は種類が豊富で、耐久性などもさまざまです。そのため、確実な交換時期がいつ頃かと言い切ることはできません。

 

ただ、東京都水道局や給水管修理などを手掛ける業者の見解によると、設置してから15年ほど経ったものは交換が必要という考え方が一般的だといいます。

 

また、その目安に達していないものであっても、下記のような変化や異常が見られた場合には、迅速に工事を依頼する必要があります。

水の変色が見られる

水の変色は、金属製の給水管を使っている家庭にありがちなトラブルです。

 

取り換えてから時間が経つほど、錆びや腐食などが進みます。錆びや腐食といった部分が剥がれ落ちることで、蛇口から出る水の色味に変化が見られるようになります。

 

このような異常が見られた場合、その給水管から供給される水には衛生上の問題が生じる恐れもあるため、早めの修理が肝心です。

水漏れが発生している

給水管そのものが古くなったり、パッキンに劣化・ゆるみがあったりすると、水漏れのような深刻なトラブルが発生することもあります。

 

そのまま放置してしまうと、

  • 水道料金の高騰
  • つまりによる水量の減少

といった、さまざまな問題に繋がりかねません。

 

また、水漏れした箇所によってカビの発生、付近の木材の腐敗といった二次被害が引き起こされる可能性もあるため、早期に交換する必要があります。

給水管の交換工事の費用相場

給水管の交換工事にかかる費用相場は、10〜30万円ほどです。交換時の状態、新たに取り付ける給水管の種類によって費用が大幅に変動することから、相場の上限と下限の差が大きくなっています。

 

一部の交換で済む場合は費用を安く抑えられることが多いですが、給水管全体の修理が必要な際は20万円を上回るケースも少なくありません。施工前には、必ず詳細な見積もりを出してもらいましょう。

 

ちなみに、内訳は基本料金に工事費用、給水管の本体代金を足した金額になるのが一般的です。基本料金は工事を依頼する業者によって異なるため、ホームページや問い合わせを通じてチェックしておくと安心です。

 

複数の業者の見積もりをとっておくと、費用を比較してより安い方に頼むこともできます。

給水管の交換工事はDIYでできる?

自宅で安くDIYできるなら、DIYで済ませたいと思う方も多いかもしれません。

 

しかし、給水管の交換工事は素人には到底難しいうえ、配管の工事はそれに関わる資格を持っていなければ行ってはいけないという決まりもあります。

 

パッキン、カートリッジの交換程度ならDIYで対応できるケースもありますが、基本的にはプロの業者に依頼するのがおすすめです。

給水管工事の業者選びのポイント

専門業者の選び方 3つのチェックポイント

いざ給水管の工事が必要になった場合、DIYという選択肢がないのであれば、依頼先の業者を選ぶ必要が出てきます。

 

しかし、どの業者が信頼できて品質の高い施工を行ってくれるのかは、実際に任せたことがなければ見極めるのが難しいのが現実ですよね。そんな時に判断材料となる、業者選びのポイントをご紹介します。

水道局の指定工事店である

前提条件としてチェックすべきなのは、その業者が水道局の指定工事店であるかどうかです。

 

指定工事店以外の業者に依頼した場合、見積もりになかった追加工事で高額な費用を請求されたり、施工直後の水漏れに対応してもらえなかったりと、さまざまなトラブルが発生することも。

 

一方、水道局が指定した業者には丁寧な施工、充実のアフターサポートを提供してくれるところが多く、安心できます。

有資格者がいる

給水管の工事に着手するには、原則として「給水装置工事主任技術者」という資格が必要です。特に配管に関わる工事は、有資格者以外は行ってはいけないという決まりがあります。

 

資格の認定を受けているかどうかは、その業者が位置する自治体のホームページを見ればチェックできます。

説明が分かりやすい

給水管の工事に限らず、担当者が分かりやすい説明をしてくれる業者ほど信頼性が高く、不明点などを質問しやすい傾向があります。

 

逆に、専門用語を多用して依頼主が納得していない状態のまま、施工に入ろうとするような業者は後々トラブルを起こしやすいです。

 

決して安いとはいえない給水管の交換工事を任せるのですから、納得いくまでしっかり説明してくれる業者を選びましょう。

見積もり書の詳細がハッキリしている

工事内容別に、内訳がハッキリ出ている見積もり書を発行してくれるかどうかも要チェックです。

 

業者によっては、合計金額を記載するだけという大雑把な見積もりを出すところもあります。合計金額だけでは、各サービスの価格が適正なのか全く見当がつきません。

 

見積もり作成まで無料で対応してくれる業者は多いので、最低3社は見積もりを出してもらうようにしましょう。サービスの詳細や料金をよく比較したうえで、ベストな1社を選ぶようにしてください。

対応が迅速である

水回りのトラブルには緊急性の高いものが多いため、何かあったときに迅速な対応をしてくれる業者を選ぶことも非常に重要です。

 

給水管全体を交換する場合、深刻な問題に繋がるリスクは低いですが、一部の交換時には接続の甘さなどが理由で水漏れを引き起こす可能性があります。

 

修理後もすぐに連絡がつき、誠実な対応で問題解決に向けてベストな姿勢で向き合ってくれる業者を選ぶと、いざというときも安心です。

給水管の種類別の交換時期に悩んだら

本記事内で触れたように、給水管を設置してから15年ほど経つと、交換のタイミングを迎えるといわれています。ただ、あくまで目安であり、実際には種類の違いなどを理由に、もっと早い段階で修理しなければならないケースも多いです。

 

いつもより水道料金が高い、水量に変化が見られる…など、自宅の給水管に少しでも異常が見られた場合には、早めに水道局の指定工事店に相談しましょう。依頼先に悩んだ際は、今回ご紹介した業者選びのポイントなども活用してみてくださいね。

 

私たちクリーンライフでも給水管の修理を受け付けています。多くの地域の水道局指定工事店で、24時間365日お問い合わせ可能ですので、給水管トラブルにお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

 

⇒クリーンライフに給水管のつまり・水漏れの相談をしてみる