洋式トイレの構造や、水が流れる仕組みを解説します。

 

洋式トイレの構造を知ると、トラブルが生じた際に原因を特定しやすくなるので、適切な対処も可能です。特に、タンク内の部品の種類と役割の知識は、大切です。

 

そこでこの記事では、便器やトイレタンク、タンクレストイレの構造をわかりやすくお伝えします。手洗い管やボールタップといった部品の役割もそれぞれ解説するので、参考にしてみてください。

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洋式トイレの構造・仕組み

洋式トイレ

洋式トイレは、タンクの有無で次の2つの種類があります。

  • タンク式トイレ
  • タンクレストイレ

以下のようにタンク式トイレは便座・便器・タンク、タンクレストイレはウォシュレット(便座)・便器で構成されています。

 

タンク式トイレとタンクレストイレ

タンクと便器の形状で、さらに、次の2種類に分かれます。

  • タンクと便器が別々の組み合わせ型
  • タンクと便器がつながっている一体型

組み合わせ型は各部位が別々になっており、タンクの不具合が生じたときにタンクのみの交換が可能です。

 

一方、一体型はデザインがすっきりしていますが、タンクに不具合が生じると便器も交換しなくてはいけません。

 

タンクレストイレは、タンクのないトイレです。タンクがないため、デザイン的に優れていますが、手洗い器を別に設置する必要があります。

便器の構造

横から見た洋式トイレ

洋式トイレの便器の構造を説明します。

 

【封水の役割】

便器の底には水がたまっており、「水たまり」「封水」と呼ばれています。

  • 便器に汚れがつきにくい
  • 下水管からの悪臭・害虫を室内に入り込ませない

水がたまっている箇所は、排水管につながっています。

 

 

【せき】

封水から排水管につながる箇所には、「せき」があります。排水管が少し上がって、それから下がっていきます。このカーブによってできる、水をせき止めるように高くなった箇所が「せき」です。

 

【排水管の種類】

  • 壁排水:便器の後ろ側の壁につながっている
  • 床排水:便器から床に排水する

汚水が流れ出る排水管の設置位置は、2ヶ所です。

トイレタンクの構造

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トイレタンクのレバーを操作すると、次々と部品が連動します。排水弁から便器に水が流れると同時に、給水が始まり、適切な位置まで水がたまると給水が止まるシステムです。

 

以下の各部品について、解説していきます。

  • 手洗い管
  • ボールタップ・浮き玉
  • 止水栓
  • レバー
  • ゴムフロート・鎖
  • オーバーフロー管
  • 排水弁

各部品について知っていると、水の流れ方などに問題がある際に、どの部品に不具合があるのか想定しやすくなります。

手洗い管

手洗い管は、トイレタンクのフタに設置された水の出てくるパイプです。

 

手洗い管のないタイプもあります。手洗い管がないタイプの方が、フタが簡単に開けられます。しかし、手洗い器を別に設置しなくてはいけません。

ボールタップ・浮き玉

ボールタップは、タンク内に給水・止水するための部品です。ボールタップと給水管がつながっており、ボールタップは、さらにアームによって浮き玉とつながっています。

 

水を流すと水位が下がるため、水に浮いている浮き玉の位置が下がります。浮き球が下がると、ボールタップが作動して、給水が始まる仕組みです。

止水栓

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トイレの止水栓は、給水管とタンクの間にあり、主にタンクの横か床に設置されています。役割は、以下のとおりです。

  • 給水の停止
  • 水勢の調整

 

止水栓は、以下の3種類です。

  • ハンドルタイプ
  • 外ネジタイプ(ドライバー型)
  • 内ネジタイプ

外ネジタイプも内ネジタイプも、開閉にマイナスドライバーが必要です。いずれも時計回りに回すと、閉まります。

 

下記の記事で、種類ごとの違いをさらにわかりやすく説明しています。参考にしてください。

レバー

レバーは、水を流すための部品です。レバーアームを介して、トイレタンク内の鎖とつながっています。

 

レバーを操作すると、タンク内の水が便器に流れ始めます。

ゴムフロート・鎖

ゴムフロートは「フロートバルブ」とも呼ばれ、排水弁をふさいでいるパーツです。鎖とつながっており、レバーを引くと持ち上がり、排水弁が開きます。

 

もともとはゴム製だったため、ゴムフロートと呼ばれていました。最近ではEVA樹脂、フェノール樹脂などの樹脂製が増えています。樹脂製は、ゴム製よりも劣化しにくいことが特徴です。

オーバーフロー管

オーバーフロー管とは、筒状のパーツで、タンクの水があふれ出ないために設置されています。オーバーフローとは、「あふれ出す」という意味です。

 

オーバーフロー管には、標準水位が刻まれています。タンク内の水位が正常かどうか判断したい際に、標準水位のマークを確認してください。ほとんどの場合、「W.L」と書かれています。

 

トイレにトラブルがない場合は、特に何もしません。トラブルが生じて水が止まらず、タンクから水があふれ出てしまいそうなときに、水が筒状のオーバーフロー管を通って便器に排出されます。

排水弁

排水弁は、トイレタンクの底にある水の通路口です。レバーを動かすと、鎖につながった排水弁をふさいでいるゴムフロートを引き上げて、排水弁が開きます。

 

タンクレストイレの構造

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タンクレストイレは、水を溜めるタンクがないタイプのトイレです。水道から直接、便器に水を流します。水が渦を巻くように流れるため、少ない水で汚れを落とします。

 

ただし、水圧が低い住宅の場合は、水圧不足を補うための加圧装置である「低水圧対応ブースター」が必要です。以下のような場合は、水圧が低い可能性があります。

  • マンションの高層階に住んでいる
  • トイレが戸建住宅の2階にある
  • 古い住宅で給水管が細い

 

タンクレストイレのメリット・デメリットを、以下の記事で解説しています。タンクレストイレへの交換を検討している方は、参考にしてください。

洋式トイレの水が流れる仕組み

タンク式トイレで水が流れる仕組み

洋式トイレの水が流れる仕組みは、以下のとおりです。

  1. レバーを操作する
  2. レバーにつながった鎖がフロートバルブを持ち上げる
  3. フロートバルブが上がると排水弁が開く
  4. タンクの水が便器に流れる
  5. タンク内の水が減り、浮き玉の位置が低くなる
  6. 浮き玉とアームでつながっているボールタップが作動し、給水が始まる
  7. 同時に、フロートバルブが閉じる
  8. 水位が上がり、浮き玉が押し上げられる
  9. 一定量水が溜まると、ボールタップからの給水が止まる

鎖が切れたりねじれたりしただけで、上記のプロセスに不具合が生じます。

 

フタを開けて、どの段階で不具合が生じるのかを確認すれば、どの部品に問題があるのかがわかるはずです。

タンク内の適切な水位

オーバーフロー管の適切な水位

トイレタンク内の水位が適切でないと、部品に不具合が生じている可能性があります。トイレタンクのフタを開けて、水位を確認しましょう。

 

タンク内の適切な水位は、オーバーフロー管に「-WL-」と刻まれた箇所です。「-WL-」の表示がない場合は、オーバーフロー管の先端から約2~3cm下が適切な水位といえます。

洋式トイレが構造上つまりやすい理由

洋式トイレが構造上なぜつまりやすいのか説明します。主な原因は、以下の3つです。

  • 便器に封水がたまるように「せき」があり、流れにくい
  • 排水路から排水管に接続する箇所で直角に曲がっている
  • 節水型トイレは水量が少ない

大量のトイレットペーパーを流すと、排水管でつまりやすいので注意しましょう。

 

トイレメーカーでは、トイレットペーパーの使用量が2m以下の場合は小洗浄を、2mを超えたら大洗浄を使って水を流すことを推奨しています。

 

また、水量が不足しているとトイレットペーパーや排泄物がうまく流れず、排水管でつまってしまいます。

 

トイレつまりの原因は以下でさらに詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

洋式トイレは構造上複数のトラブルに注意

タンクには部品が複数あり、連動してトイレの水を流したり止めたりしています。部品が1つでも不具合を生じると、トラブルが起きるので注意が必要です。

 

よく起きるトラブルは以下のとおりです。

水が流れない ・鎖が切れている
・絡まっている
便器内の水が止まらない ・フロートバルブの破損・劣化
・オーバーフロー管の亀裂
タンクに水がたまらない ・浮き球の不具合
・フロートバルブのずれ・破損
・オーバーフロー管の破損

 

トイレタンク内の部品が劣化すると、トラブルが起きやすいため注意が必要です。部品の寿命は約10~15年なので、劣化していないかを確認しましょう。

 

以下の記事で、トイレでよく起きるトラブル、自分でできる解消法をわかりやすく説明しているので、参考にしてください。

洋式トイレのつまりを防ぐポイント

洋式トイレのつまり予防方法を説明します。簡単な方法で詰まりにくくなるので、参考にしてください。

水に溶けるものだけを流す

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トイレには基本的に、トイレットペーパーと排泄物のみを流してください。トイレットペーパーは、JIS規格で100秒で溶けるように作られています。

 

水に溶けるとされる以下のような製品は、トイレットペーパーよりも溶けにくいので、注意が必要です。

  • お尻ふき
  • 猫砂
  • トイレクリーナー

水に流れる製品でも、大量に流しすぎないようにしましょう。

 

なお、水に溶けるものによるつまりなら、ほとんどの場合、自力で解消できます。以下の記事を参考にして、つまりを解消しましょう。

タンクには節水グッズを入れない

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タンクにペットボトル等を入れて、節水するアイデアを取り入れている方は、すぐにやめましょう。

 

ペットボトルを入れると、以下のようなトラブルにつながります。

  • 水量が減って、詰まりやすくなる
  • ペットボトルがタンク内の部品に当たって壊れる

また、節水のために、常に小洗浄のみを使用していると詰まります。大のときは、大洗浄を使いましょう。

部品を定期的に確認する

タンクの部品、便器など、洋式トイレが故障・劣化していないか、定期的に確認しましょう。部品の故障や劣化がつまりにつながる場合もあります。

 

トイレタンクのフタを開けて、タンク内を確認しましょう。鎖が絡まっているだけで、不具合が生じます。

 

タンクのフタを開けた状態でレバーを引いて、一連の動きが滞りなく行われるかチェックしてみましょう。

洋式トイレのタンクのフタを外す方法

洋式トイレのタンクには、手洗い管のあるタイプとないタイプがあります。

 

【手洗い管のあるタンクのフタの外し方】

  1. 止水栓を時計回りで閉める
  2. 手洗い金具と管をつなぐナットを外す
  3. フタを持ち上げる

 

【手洗い管のないタンクのフタの外し方】

  1. 止水栓を時計回りで閉める
  2. フタを持ち上げる

陶器製のトイレタンクのフタは重いので、取り扱いに注意が必要です。落とすと割れてしまうので、慎重に扱ってください。

 

また、部品が長持ちするように、定期的にトイレタンク内の掃除をすることをおすすめします。以下の記事を参考にして、正しくメンテナンスをしましょう。

洋式トイレのトラブルでお困りなら

洋式トイレの構造や仕組みをご紹介しました。

 

原因によっては、簡単に対処が可能です。しかし、タンク内を見ても何が原因かわからない場合は、業者への相談がおすすめです。

 

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