トイレつまりが起きたとき、水が完全に流れないのではなく、少しずつ流れることがあります。
「少しずつでも流れているからいいか」と放置していると、つまりが悪化して水漏れや悪臭の原因になる可能性があります。
そこで今回は、トイレつまりで水が少しずつ流れる原因や対処法を紹介します。
トイレの水が少しずつ流れるのを放置するリスク、予防法も分かりやすく解説しますので、参考にしてください。
トイレつまりで水が少しずつ流れる原因と対処法
トイレの水が少しずつ流れるときは、完全にはつまっていない状態です。
完全にはつまっていないものの水が勢いよく流れないときは、以下の原因が考えられます。
水に溶ける物を大量に流してつまっている
本来流れるはずの物でも、一度に大量に流すとつまることがあります。
- トイレットペーパー
- お掃除シート
- 流せるトイレブラシ
- 排せつ物など
このなかでもつまりの原因で多いのが、トイレットペーパーです。
このような水溶性のものが原因でトイレつまりが起きているときの対処法を、4つ紹介します。
対処法1:ラバーカップでつまりを解消する
トイレットペーパーなどがつまっているときは、ラバーカップ(すっぽん)を使ってつまりを解消させましょう。
- ラバーカップをゆっくり押し込む
- カップがへこんだら、勢いよく引き戻す
- 1~2の作業を数回繰り返す
以上の手順で、トイレつまりが解消される可能性があります。
ラバーカップ(すっぽん)の使い方については、以下の記事で詳しく紹介しています。ラバーカップの選び方もまとめていますので、これから購入される方は参考にしてください。
対処法2:お湯でトイレットペーパーを溶かす
2つ目の対処法は、お湯でトイレットペーパーを溶かす方法です。特別な道具を用意する必要がないので、緊急事態にも役立ちます。
- 便器に溜まった水をバケツを使って抜いておく
- 45℃~60℃程度のぬるま湯を少し高い位置からゆっくり注ぐ
- 30分ほど放置して、水位が正常になったか確認する
ぬるま湯を流して放置することで、トイレットペーパーの塊がほぐれやすくなります。
この際、必ずぬるま湯を用意してください。熱湯を使用すると、便器が破損する恐れがあります。
お湯でトイレつまりを解消する方法は、以下でさらに詳しく解説しています。
対処法3:洗剤で溶かしてつまりを直す
洗剤をぬるま湯に溶かして、つまりを分解する方法もあります。
洗剤を使用するときは、汚れの種類に合わせて適したものを選びましょう。
中性洗剤 | 排せつ物・吐しゃ物など |
アルカリ洗剤 | トイレットペーパー・流せるお掃除シートなど |
塩素系洗剤 | 排せつ物・吐しゃ物・トイレットペーパー・流せるお掃除シートなど |
洗剤を使用する手順は次の通りです。
- 洗剤を100ml便器に流し込む
- 45℃~60℃のぬるま湯をゆっくり注ぐ
- 30分放置して、水が流れるか確認する
塩素系の洗剤を使用する際は、十分に換気をしてから行いましょう。また、塩素系と酸性タイプの洗剤を混ぜると有毒ガスが発生するため、必ず単体で使用してください。
洗剤以外にも、重曹を使ったトイレつまりの解消法も以下のページで紹介しています。重曹が手元にある方はぜひお試しください。
対処法4:ワイヤーブラシでつまりの原因を引っかける
固まった対象物は、ワイヤーブラシでひっかけてつまりを解消させる方法もあります。
- 便器にワイヤーブラシを伸ばして入れる
- つまりをワイヤーの先端に引っ掛ける
- ワイヤーを前後させて、つまりをほぐしたり削ったりする
- 対象物を押し流すか、引っ張り出す
- 水を流してみて、流れるか確認する
無理にワイヤーを入れたり前後させたりすると、便器を傷つけてしまう可能性があります。
無理やり押し込むのも詰まりを悪化させる可能性があるため、使い方には十分注意してください。
水に溶けない固形物を誤って流してつまっている
トイレットペーパーなどとは別に、何かしらの固形物を誤って流してしまうケースも考えられます。
- スマホ
- おもちゃ
- オムツ
- 生理用品
固形物のつまりで多いのは、上記のものです。
水に溶けない固形物を誤って流してつまっている場合は、早急に対処しないとつまりが悪化する恐れがあります。
対処法1:ゴム手袋をして手で引っ張り出す
便器の見える位置に固形物がある場合は、ゴム手袋をして手で引っ張り出しましょう。
水を流してしまった後でも、手前で引っかかって残っている場合があります。
無理に流すと完全につまってしまい、水が流れなくなったり、溢れたりする可能性があります。奥に押し込まないよう、十分注意して取り出しましょう。
対処法2:水道修理業者に相談する
水に流れないものがつまった場合は、水道修理業者に相談するのがおすすめです。
素人が無理に直そうとすると、かえってつまりが悪化する恐れがあります。
固形物がつまると薬剤を使用してもつまりは解消できませんので、完全につまる前に水道修理業者に修理を依頼してください。
水を流す量が少なくてつまっている
水を流す量が適切でない場合、トイレットペーパーや排せつ物が流れ切らないケースもあります。
水の量が少なくてつまっている場合は、以下の対処法をお試しください。
対処法1:トイレの水を「大」で流す
いつも「小」や「節水」で水を流している場合は、トイレの水を「大」で流してみましょう。
トイレットペーパーやお掃除シートなどを「小」で流すと、水量が少ないためにトイレがつまるケースがあります。
トイレットペーパーを使用した際は「大」で流すことを心がけましょう。
対処法2:節水対策をしている場合は止める
トイレタンクにペットボトルを入れるなど、節水対策をしている場合はやめましょう。
節水をしていると十分な水が流れないため、トイレがつまりやすくなります。また、タンクに不必要なものを入れると、タンクの故障の原因にもなります。
節水は家計にも環境にも優しいものですが、つまりやタンクの故障を防ぐためにも注意してください。
トイレつまりが自然に直るケース
トイレつまりで少しずつ水が流れる場合、放置しても自然に直る可能性があります。
- トイレットぺーパー
- 排せつ物
- 吐しゃ物
上記のものがつまった場合、2~3時間放置すると自然にほぐれて直るケースがあります。
お掃除シートなどはトイレに流せるものでも水に溶けにくいため、しばらく放置してからラバーカップなどを試すのがおすすめです。
トイレつまりが自然に直るケースについては、以下の記事でより詳しく触れています。
放置しても自然に直らないケース
放置しても自然に直らないトイレつまりは、以下のものが原因のケースです。
- スマホやおもちゃなどの固形物
- オムツ
- 生理用品
トイレに流してはいけないものがつまった場合、基本的には自然に直りません。
おむつや生理用品は早く取り出さないと吸水し、つまりを悪化させる可能性が高いので、すぐに取り除く必要があります。
トイレつまりで少しずつ流れるのを放置するリスク
「少しずつでも水が流れるなら、トイレつまりを放置しても良いのでは?」と考える方もいるでしょう。
しかし、少しずつ水が流れる状態でも、つまっていることは確かです。軽度のつまりでも放置すると、症状が悪化する可能性もあります。
ここからは、トイレつまりで少しずつ流れるのを放置するリスクを解説します。
汚水が逆流して溢れる
トイレつまりを放置すると、汚水が逆流して水が溢れる恐れがあります。
逆流するとトイレが水浸しになり、床や壁が汚れ、腐食することも。汚水が逆流することで、衛生的なリスクも考えられるでしょう。
トイレの逆流した水が傷や目に入ると、感染症のリスクもあります。トイレが少しずつ流れるのであれば、完全につまる前に対処すべきです。
もしトイレの水が逆流した場合は、以下の対処法をお試しください。
悪臭が発生する原因になる
放置していてトイレつまりが解消されることもありますが、もし解消されなかった場合、悪臭が発生する可能性があります。
通常便器には水が溜まっていますが、トイレがつまると便器の水位が下がり、下水管の臭いが逆流してきます。
その結果トイレから悪臭が発生する原因になりますので、トイレつまりを丸一日放置するのはやめましょう。
もし「トイレが臭い」と感じたら、原因や対処法をまとめた次の記事が参考になります。
階下に被害が及ぶ可能性がある
トイレつまりが起きて一番怖いのが、階下への水漏れです。
アパートなどの集合住宅の場合、下の部屋の住人に迷惑をかけることになり、場合によっては高額な賠償金を請求されるケースもあります。
トイレつまりを放置すると被害が拡大する恐れがあるので、放置せずにできるだけ早く管理会社に相談してください。
アパートのトイレつまりで少しずつ流れるときの対処法
アパートでトイレつまりが起きて水が少しずつ流れるときは、最初に大家さんか管理会社に連絡をしてください。
自分で修理業者を呼んだり、勝手に修理をしたりすると、修理費用を全額負担しなければならない可能性があります。
大家さん、または管理会社に相談すれば、提携している業者に連絡をしてくれるでしょう。
アパートによっては自分で業者を探して修理するように指示されるケースもありますので、指示に従って対処しましょう。
トイレつまりを予防する方法
トイレつまりを起こさないためには、トイレを正しく使うことが大切です。
トイレを使う際の注意点を押さえて、トイレつまりを未然に防ぎましょう。
トイレの水はこまめに流す
トイレの水はこまめに流して、トイレのつまりを防ぎましょう。
トイレットペーパーを大量に流すと、トイレはつまりやすくなります。「トイレットペーパーはトイレに流しても良いものだから大丈夫」と思いがちですが、複数回に分けて流すなど工夫することが大切です。
「大」で流すときはシングルなら10メートル、ダブルなら5メートルを目安に、一度に流す量を調節してください。
トイレに流しても良いもの以外は流さない
トイレに流して良いもの以外は、トイレに流さないようにしましょう。
どんなに小さなものでも、故意に流すとトイレをつまらせる可能性はあります。排水管がつまると、修理のために大掛かりな工事になる場合もあります。
おむつや生理用品などは、排水管内で給水して膨らみ、取り出すのが困難になることもあるので注意してください。
古いトイレは交換も視野に入れる
長年トイレを使っていると、洗浄水の出口が汚れで狭くなり、洗浄不良が起きてつまりやすくなります。
修理をしてもつまりを繰り返すときは、トイレの交換も視野に入れると良いでしょう。
トイレには最低限の機能しか備わっていないものや、タンクレストイレ、多機能トイレなどさまざまな種類があります。
修理業者に相談して、修理するか交換すべきか、交換するならどのようなタイプのトイレにするかを相談してみましょう。
不具合を感じたら早めに対処する
トイレつまりで水が少しずつ流れるときは、完全にはつまっていない状態です。
軽度のつまりなら簡単な修理で直る可能性もありますので、不具合を感じたら早めに対処してください。
つまりを放置していると、完全にトイレがつまってしまい、工事が大掛かりになる可能性があります。
簡単な修理なら費用は安く済むので、トイレつまりが悪化する前に解消させましょう。
なお、トイレつまりの修理料金の相場は、以下でまとめています。修理を検討する際、参考にご覧ください。
トイレつまりで水が少しずつ流れてお困りなら
トイレつまりで水が少しずつ流れるときの対処法を紹介しました。
水が少しずつでも流れるときは自然に直る可能性がありますが、つまりが悪化して水漏れにつながるケースもあるので注意が必要です。放置するとつまりが進行する可能性もあるので、できるだけ早く対処しましょう。
トイレつまりで水が少しずつ流れるときは、私たち『クリーンライフ』にご相談ください。現地調査や見積もりは無料ですので、お困りの際は気軽に連絡してください。