トイレの流れが悪い原因や対処法をご紹介します。以下のような原因別に、簡単な対処法を説明していくので参考にしてみてください。
- タンク内の水量が少ない
- 便器内のつまり
- 排水管のつまり
- 汚水枡のつまり
- 水圧不足
- マンションなど集合住宅は他の住宅のつまりが影響
「修理業者に依頼するほどでもないけど、すっきりしない」という場合に、流れを良くする方法や予防法を知っておくと安心です。こまめにケアしていくと、重症化して困ることもありません。
トイレの流れが悪い原因・対処法
トイレの流れが悪い原因別に、それぞれの解決方法を解説していきます。参考記事も添付しているので、さらに詳しい方法を知りたい方は、そちらも参考にしてください。
タンク内の水量が少ない
タンク内の水が少ないために、水の流れが悪くなることがあります。上の図を参照して、どの部分に問題があるのかを確認してみましょう。
対処法1:止水栓を調節する
まずは、止水栓を確認してください。トイレやウォシュレットの点検や掃除のときに、止水栓を閉めて開け忘れたり、開け方が十分でなかったりすることがあります。
止水栓が十分に開いてないと、水量が制限されてトイレタンクに水が溜まりにくくなります。止水栓を調節して、水の流れがスムーズになるようにしてください。
対処法2:ゴムフロートを交換する
ゴムフロートは、タンクの底にあり便器に流れる水を調節する部品です。ゴム製がほとんどですがプラスチック製もあります。フロートバルブと書かれていることもありますが、ゴムフロートのことです。
ゴムフロートが劣化して、タンクの底の便器に水を流す穴をしっかり塞いでないと、タンクに水が溜まりにくくなります。
ゴムフロートが劣化しているかどうかは、見ただけではわかりません。ゴム手袋を着用して、触ってみてください。ゴム手袋に黒い汚れがついたり、ひび割れが見つかったりしたらゴムフロートを交換します。
ゴムフロートの交換方法は、以下の流れです。
- 止水栓を閉めて、水の流れを止める
- タンク内の水が空になるまで、レバーを使って水を流す
- レバーとゴムフロートを繋いでいるチェーンを外す
(※オーバーフロー管を外すと、作業しやすい) - 古いゴムフロートを外す
- 新しいゴムフロートを設置する
- オーバーフロー管を設置し、チェーンをレバーに繋ぐ
- チェーンの長さを調節する
- 止水栓を開けて、水をタンクに入れる
ゴムフロートの寿命は、約10年です。10年を過ぎていたら、交換を検討しましょう。
対処法3:ボールタップ・浮き玉の調節・交換する
ボールタップ(浮き玉)が故障すると以下のような症状が出てきます。
- 手洗い管の水が止まらない
- タンクの水量を調節できない
- レバーを回しても水が流れない
まずは、チェーンの緩みを確認し、調整してみましょう。
ボールタップそのものが劣化してる場合は、交換します。ホームセンターなどでボールタップなどの交換部品を購入できます。
便器内のつまり
便器内のつまりにも注意が必要です。つまりの原因は以下が考えられます。
- トイレットペーパーを大量に使った
- 水に溶けないものを落として、うっかり流した
- 尿石が溜まっている
- 気温の低下
寒い時期は便が硬くなったり、水が冷たいためにトイレットペーパーが溶けにくくなったりします。冬の方がトイレ詰まりが起きやすくなるので、注意が必要です。
対処法1:ラバーカップを利用する
大量のトイレットペーパーといった溶けるものであれば、ラバーカップで解消できます。
- カップ部分がきちんと水に浸かる程度の水位にする(少ないときは水を足す)
- カップを便器にぎゅっと押し付けて、密着させる
- 図を参照してゆっくり押し込み、勢いよく引っ張る
- つまりが解消してゴボゴボと音がするまで、作業を繰り返す
- バケツで水を少し流して、つまりが改善したかどうか確認する
紙おむつやおもちゃ類など、溶けないものは奥に押し込まれてつまりが悪化してしまいます。つまりの原因がわからないときは、ラバーカップを使わないようにしましょう。
対処法2:ぬるま湯を流す
寒い時期は、水温が低下してトイレットペーパーが溶けにくくなっている可能性があります。バケツで、ぬるま湯を流してみましょう。勢いをつけて流すと、水圧も手伝ってつまりの原因が流れていく可能性も。
ただし、溶かしてしまうために熱湯を使うのはNGです。高温の水を流すと、陶器製の便器にヒビが入ってしまう可能性があります。50度前後の、やっと手を入れられる程度のお湯を使ってください。
対処法3:重曹を利用する
固すぎる便でトイレの流れが悪いなら、重曹で解消します。重曹を使ったつまり解消方法は、以下の通りです。
- 便器内の水をポンプや使い捨てコップで取り除く
- 重曹2分の1カップ(100cc)を便器に注ぐ
- ぬるま湯(45度程度)を注ぐ
- 1時間放置する
- バケツで水を勢いよく流す
水が流れるようになったか、水位の高さを見て確認してください。
対処法4:サンポール・デオライトなどを利用する
アルカリ性の尿石がつまりの原因なら、酸性の洗剤「サンポール」や尿石除去剤「デオライト」がおすすめです。添付の説明書を読んで、正しい使い方をしてください。
トイレ詰まり解消の薬剤として「パイプユニッシュ」を思い浮かべる方もいらっしゃいます。しかし、パイプユニッシュはアルカリ性の洗剤なので、トイレつまりの多くの原因には対応できません。また、パイプユニッシュのメーカーも使用しないようにと注意を促しています。
パイプユニッシュは、酸性の洗剤や熱湯と混じると有毒ガスを発生するので、危険なことも一つの原因です。トイレは比較的酸性の洗剤を使用する可能性が高いので、パイプユニッシュの使用はおすすめできません。
対処法5:水道修理業者に対応を依頼する
以下の状況であれば、水道修理業者に相談しましょう。
- 対処してもトイレの流れが悪いまま
- トイレつまりの原因がわからない
- おもちゃや紙おむつなど、溶けないものが原因
流れにくい程度の軽微なトイレつまりなら、修理代はそんなに高くありません。放置して重症化すると数万円になることもあるので、早めの相談がおすすめです。
水道修理業者を選ぶ際は、慎重に選びましょう。トイレの流れが悪いときなら、緊急ではないのでじっくり選べるはずです。
排水管のつまり
排水管の奥につまりがあれば、ラバーカップでは対応できません。ワイヤーブラシや高圧洗浄機で、しっかり洗浄する必要があります。
対処法1:ワイヤーブラシでつまりを改善する
ワイヤーブラシは、排水管の奥につまっているものを除去できるアイテムです。まずは、上図のように針金ハンガーを利用して試してみましょう。
もっと奥につまりがあるなら、ワイヤーブラシを試してみてください。
- ブラシの先端を便器に挿入し、ハンドルを回して排水管の壁を清掃する
- 先端に汚れなど固形物を感じたら、ブラシを前後にゆする
解消しない場合は、プロの水道修理業者への依頼がおすすめです。プロに依頼すると、トーラーと呼ばれるワイヤーブラシをさらに長くした道具で対応します。
対処法2:高圧洗浄機でつまりを改善する
以下のようなものがつまっていれば、高圧洗浄機でつまりを解消します。
- トイレットペーパー
- ティッシュペーパー
- 大量の排泄物
- 嘔吐物
- 水に流せるトイレクリーナー
ただし、水圧を適切に調整しないと、便器を壊してしまう可能性があるので注意が必要です。
また、おもちゃなど固形物が原因のときは、悪化する可能性があるため、原因がわからない場合はおすすめできません。
なお、高圧洗浄機は数万円するので、わざわざ購入するなら水道修理業者への依頼がおすすめです。
汚水枡のつまり
戸建ての場合、汚水桝のメンテナンスを放置しているためにトイレの流れが悪くなることが少なくありません。新築でも4年くらい放置していると、汚れが蓄積しています。
基本的には、マンションなどの集合住宅は汚水枡の清掃を定期的にしています。トイレに問題がある場合や清掃のお知らせがない場合は、管理会社に確認してください。
汚水枡の汚れを放置すると、周辺の地面が陥没し、排水管や汚水枡の変形などさまざまな問題が生じます。問題が重症化すると、修理金額が跳ね上がるので早めの対応が必要です。
対処法1:汚水枡の掃除を自分でする
汚水枡はご自分でも掃除可能です。ただし、汚れや臭いがつくので、捨てても良いような服を着用してください。
以下は汚水枡の掃除の流れです。
- 汚水枡のフタを開ける
- 汚水枡の表面に浮いている汚れをスコップなどで取り除き、ゴミ袋に入れる
- 表面の汚れが除去できたら、エルボを取り外す(エルボは下向きに曲がったパイプ)
- 汚水枡の底に溜まっている汚れを除去する
- ホースで水を流して洗浄する
- ブラシで汚れをこすり取り、再度水を流す
- エルボを再度設置して終了
終了後はすぐにお風呂に入って、体についた汚れを除去しましょう。
対処法2:汚水枡の掃除を業者に依頼する
定期的な汚水枡の掃除は、ご自分でしても大きな負担はありませんが、長い間放置していた汚水枡の掃除は大変です。
水道修理業者に依頼した方が、ご負担が少なくてすむだけではなく、汚れを完全に除去してくれるので安心です。また、汚水枡にヒビがあるなど問題がある場合も、すぐに対応してもらえます。
水圧不足
水圧は、お住まいの地域によって差があります。しかし、止水栓を使って調節することが可能です。
対処法1:止水栓で調節する
止水栓は水を止める・流すだけではなく、水圧の調節ができます。止水栓の位置を確認して、調整してみましょう。
対処法2:節水しない
節水のためにペットボトル等をタンク内に入れると、水圧も低くなります。ペットボトルをタンクに入れている方は、取り出すだけで水圧が上がります。
対処法3:タンクレスならブースターを設置する
タンクレストイレは、水圧の低い場所では設置できませんでした。しかし、最近ではブースター(加圧装置)付きのタンクレストイレなら、可能です。
また、すでに設置されている場合も、もっと加圧するようにブースターを後付けできるようになったので業者に相談してください。本体価格は、約35,000円です。
マンションなど集合住宅は他の住宅のつまりが影響
集合住宅は排水管がつながっているので、トイレつまりの原因が階下の住宅の場合もあります。もし上記のような対策を取ってもトイレつまりが改善しない場合は、管理会社に相談してください。
賃貸でトイレの流れが悪いときは大家さん・管理会社に連絡
賃貸のマンション・アパートにお住まいなら、水道修理業者に依頼する前に大家さんや管理会社に連絡しましょう。
入居者に非がない場合は、修理料金はオーナーが負担しますが、連絡していないで勝手に修理をすると支払ってもらえません。
また、修理によってつまりが悪化してしまうと責任を取らなくてはいけない場合もあるので、余計なことをせずにすぐに相談した方がいいでしょう。
トイレの流れが悪い状態にならない予防法
トイレの流れが悪くならないうちに、予防しましょう。
- トイレットペーパーの質と量に注意する
- 水を流す回数を増やす
- こまめに掃除する
- つまりの前兆に注意する
以上のことを心がけていると、トイレつまりを防げます。
トイレットペーパーの質と量に注意する
トイレットペーパーは水に流れる性質のはずですが、大量に使うとつまりの原因になります。少しずつ流しましょう。
また、最近では海外製の安いトイレットペーパーが、オンライン通販で出回っています。海外製のトイレットペーパーの中には、水に溶けにくいものもあるので注意が必要です。トイレットペーパー代を節約しても、つまりがひどくなって業者に依頼すると節約になりません。
トイレットペーパーだけではなく、「水に流せる」と書かれているお掃除シートや赤ちゃんのおしり拭き、ペットのトイレ用砂なども大量に流すとつまりの原因になりやすいので、注意が必要です。
水を流す回数を増やす
大量にトイレットペーパーを使ってしまう状況もあります。大量に使う必要がある場合は、途中で水を流して何度かに分けて流すようにしてください。
また、節水のために水を常に「小」の方で流している方もいらっしゃいますが、トイレットペーパーや便の量が多いときは「大」の方を使って十分な水を流すことが大切です。
こまめに掃除する
つまりの原因が尿石や水垢というケースもあるので、尿石や水垢が蓄積しないようにこまめな掃除をしましょう。
こまめに掃除をすると、ちょっとした変化にも気がつき、詰まらないようにすぐに対処できます。
つまりの前兆に注意する
以下のようなつまりの前兆があれば、完全に詰まらないうちに対処しましょう。
- ゴボゴボという音
- 水を流すと、一瞬水位が上がる
- 異臭
前兆があり、ある程度流れるならご自分での対処も可能です。また、修理業者に依頼したとしても、比較的安い料金で解消できます。
トイレの流れが悪いなら
トイレの流れが悪い原因や対処法をご紹介しました。
原因はさまざまですが、どうしてもご自分での対応が難しいと感じたらプロの修理業者への依頼がおすすめです。軽微なつまりのうちに依頼すれば、修理料金を抑えられ重症化しません。
私たち『クリーンライフ』は、軽微なトラブルでもすぐに対応可能です。お見積もりは無料なので、お気軽にご相談ください。年中無休で24時間、電話・LINE・メールで受け付けています。