洗面所の排水管が詰まってしまうと、「洗面所の水がスムーズに流れない」「嫌な臭いがしてくる…」などの症状が起こります。
詰まりの原因によっては、自力で対処することが可能です。
今回は、洗面所の排水管の構造や詰まりの原因を解説し、場所別の対処方法についてもお伝えします。
自分で排水管を交換する方法、業者に修理を依頼した場合の費用相場、予防のための掃除方法についても、分かりやすく解説します。
洗面所の排水管の構造
まずは、洗面所で水漏れや詰まりなどの水まわりトラブルが起きたとき、いち早く、そして正しく対応できるように、洗面所の基本的な構造を確認しておきましょう。
1.洗面ボウル
手を洗う、蛇口の下にある水を受ける容器を、洗面ボウルといいます。人によっては、洗面器とも呼びます。
2.排水金具
洗面ボウルから水が流れ落ちていく、穴の部分に取り付けられている機器を、排水金具といいます。
洗面ボウル内に水を溜めたり、排出したりする役目があります。
3.止水栓
洗面所の蛇口に供給する水を調整するためのバルブのことを、止水栓と呼びます。水道の元栓とは違い、洗面所の水のみの供給を調整することが可能です。
止水栓の役割としては
- 故障時や修理時など、一時的に水の供給を止める
- 水勢を調整する
などがあります。
4.排水トラップ
洗面所の下部分にある、管のことを排水トラップといいます。
排水トラップはお使いの洗面所によって「S字」や「P字」のように形が異なり、それぞれ「S字トラップ」「P字トラップ」と呼びます。
いずれの排水トラップも、管が曲がっている部分に水が溜まる仕組みです。排水管に水で蓋をすることで、下水道から害虫や悪臭が逆流してくることを防いでいます。
洗面所の排水管詰まり4大原因
洗面所の排水管詰まりの代表的な原因は、以下の4つがあげられます。
- 髪の毛
- ぬめり
- 水垢
- 固形物
それぞれ単体で詰まりの原因になるわけではありません。
- 皮脂や垢が排水管内に付く
- 雑菌が繁殖し、ぬめりが発生する
- 髪の毛や固形物が絡まり、大きな詰まりになる
上記のように、排水管の中でそれぞれが複合的に絡み合って大きくなり、最終的に詰まりの原因になるのです。
洗面所の排水管が詰まる原因4つについて、もう少し詳しく見てみましょう。
1.髪の毛
当然ながら、髪の毛1本では排水管は詰まりません。人間は1日に100本近く髪の毛が抜けるといわれており、その多くが頭を洗うお風呂場か、ドライヤーをする洗面所で落ちます。
ある程度は、ヘアキャッチャーで受け止めることもできます。しかし、家族と一緒に暮らしている方なら、1日100本以上の髪の毛が洗面所の排水管に流れていくことになるので、髪の毛は詰まりの原因になり得るのです。
2.ぬめり
ぬめり単体でも、詰まりの原因にはなりにくいです。排水管内に付いたぬめりに、髪の毛や汚れやゴミが絡みつくことで、詰まりの核となってしまうのです。
また、ぬめりの原因の多くは、石鹸やハンドソープのカスが元になっています。
3.水垢
水道水は100%純粋な水ではなく、カルシウムやマグネシウムなどの金属イオンも含まれています。この金属イオンが炭酸塩となり、固形化したものが水垢です。
普通に生活しているだけでも、水垢は自然に発生してしまいます。対策として、軟水器などの「金属イオンを除去する装置」を付け、水垢の発生を軽減することは可能です。
4.固形物
洗面所の排水口に固形物を落としてしまった場合も、詰まりの原因になります。
洗面所の場合、歯磨き粉の蓋、ヘアピン、綿棒、カミソリの刃、指輪やピアスなどが原因になることが多いです。落としてしまうとなかなか簡単には取れないので、普段から気を付けましょう。
洗面所の排水管詰まりの場所別対処法
洗面所の排水管における詰まりを解消する対処法を、詰まりが発生している場所別に解説します。
排水口に詰まりの原因がある場合
排水口、ヘアキャッチャー部分が詰まっているだけなら、簡単に対処することができます。
<準備物>
- 歯ブラシ
- ゴム手袋
- 塩素系漂白剤
- ティッシュ
手順もとても簡単です。以下の通りで進めていきましょう。
- 排水口の蓋を取り外す
- ヘアキャッチャーを取る
- ヘアキャッチャーの汚れや髪の毛などを、歯ブラシとティッシュを使って取り除く
- 排水口・ヘアキャッチャーに塩素系漂白剤(カビキラーなど)をかける
- 商品ごとに決められた時間放置し、水で洗い流す
- ヘアキャッチャー・蓋を元に戻す
塩素系漂白剤を使う際は、十分に換気しながら使ってください。このように排水口の詰まりは、専門知識や特別な器具や溶剤がなくても対処可能です。
排水トラップに詰まりの原因がある場合
排水トラップは水を溜める構造上、詰まりが起きやすくなっています。
対処法は複数あるので、それぞれ簡単にご紹介します。
1.清掃口から直接掃除する
<準備物>
- バケツ
- ゴム手袋
- 割り箸・針金のハンガー など
- 排水トラップの清掃口の下にバケツを置く
- 清掃口を開け、排水トラップの中の詰まり・汚れを割りばしやハンガーを使って掻き出す
- 蛇口をひねって水を流し、バケツで受ける
- 清掃口の蓋を閉めて完了
清掃口がないタイプの排水トラップもあります。その場合、ナットを緩めるなどして、排水トラップを分解する必要があります。
しかし、水漏れや元に戻せないなどの危険性もあるので、少しでも不安がある方は他の方法を試すか、専門業者に依頼しましょう。
2.重曹とお酢(クエン酸)で汚れを浮かす
<準備物>
- 排水口に重曹をかけ入れる
- 重曹の上からお酢(またはクエン酸水)をかける
- 炭酸ガスを発生させ、1時間程度放置する
- お湯で排水口を流して完了
熱湯を流すと、排水管を痛めてしまうのでNGです。
3.ワイヤー式パイプクリーナーで汚れをかき出す
<準備物>
- ワイヤー式パイプクリーナー
- 排水口の蓋・ヘアキャッチャーを取る
- ワイヤー式パイプクリーナーを排水口から入れ、汚れをかき出すように掃除する
しぶとい汚れの場合、液体式パイプクリーナーも併用して掃除すると、より効果的です。
4.真空式パイプクリーナーで詰まりを解消する
<準備物>
- 真空式パイプクリーナー
- ガムテープ
- 洗面所の水抜き穴をガムテープで塞ぐ
- 真空式パイプクリーナーを排水口にピタッと押し付ける
- ハンドルレバーを繰り返し動かす
- 詰まりが解消されたか確認する(2~3の作業を繰り返す)
真空式パイプクリーナーがない場合、ラバーカップ(スッポン)で代用が可能です。ただ、サイズが大きすぎると、排水口をきちんと覆うことができないので気を付けてください。
排水管の奥に詰まりの原因がある場合
紹介したいずれの方法を試しても洗面所の詰まりが解消されない場合、排水トラップのもっと奥、排水管の奥の方で詰まっている可能性が出てきます。
この場合、ワイヤー式パイプクリーナーは届かず、下水管近くの排水管を分解するとなると、かなりハードルが上がります。
自分では対処できないと感じた場合は無理に直そうとせず、後ほど解説する、水回りの専門業者に依頼することを検討しましょう。
「分解できたはいいけど、元に戻せなくなった」「水漏れも起きてしまった」では、無駄にトラブルを悪化させてしまいます。
洗面所の排水管の外し方・交換方法
洗面所の排水管詰まりの症状がひどく、思うように直せない場合、もう1つ効果的な対処法が「排水管の交換」です。
排水管を分解して掃除した後に、水漏れが起きることがあります。パッキンの劣化や劣化した排水管にヒビが入ったことが原因と考えられます。もし、新しいパッキンに交換しても水漏れが解消されない場合は、排水管の交換を検討してください。
「排水管を交換する」と聞くと一見難しそうですが、洗面所の排水管は、正しい手順を知っていれば対応可能です。
排水管の交換に必要な道具
- 交換用の排水管
- スライドレンチ(※排水管が金属製の場合)
- 軍手
- バケツ
スライドレンチとは、部品を挟む幅が調整できる工具で、ホームセンターなどで購入できます。
交換するのが樹脂製の排水管の場合は、特別な工具は必要ありません。手を守るために軍手があればよいでしょう。
交換前に確認すべきこと
新しく交換する排水管を準備するため、最初に必ず確認すべきことが2つあります。
1.排水管の種類を確認する
まずは、洗面所の排水管の種類をチェックしましょう。
材質は「金属製」か「樹脂製」、形状は「Sトラップ」なのか「Pトラップ」なのか把握しておきましょう。
2.排水管のサイズを確認する
排水管は種類だけではなく、サイズもいろいろあります。排水管に合うパッキンも種類がたくさんあり、異なるサイズのものを使うとキレイにはまらず、水漏れの原因にもなります。
今使っているものと全く同じサイズ・形状の排水管を購入するよう気を付けてください。
手順1.止水栓を閉める
水の流れを止めるため、まずは止水栓を閉めましょう。
そして、中の水がこぼれてきたときのために、排水トラップの下にバケツを置いておきましょう。
手順2.ナットを緩め排水トラップを外す
排水トラップを接続しているナットを緩め、取り外してください。2つのナットは、片方を一気に緩めるのではなく、両方とも少しずつ緩めていくのがポイントです。
排水トラップを取り外すときは、中に溜まった水がこぼれないように、慎重に動かしてください。
手順3.床の排水プレートを外し排水管を抜き取る
排水管と床の接続部分に、円形の排水プレートが付いています。ネジで留められていることもあるので、その場合はドライバーなどでネジを緩め、プレートを取ってください。
排水プレートを取ると、排水管も抜けるようになります。排水管の先には「防臭ゴム」と呼ばれるパッキンが付いているので、なくさないようにしてください。
もし、防臭ゴムが劣化している場合、水漏れの原因にもなるので、交換することを検討してください。
手順5.新しい排水管・排水トラップと交換する
防臭ゴムを忘れずに排水管の先に着け、新しい排水管・排水トラップを取り付けましょう。
手順6.排水トラップをナットで取り付ける
排水管を外したときの方法とは真逆で、排水管・排水トラップを接続して、もとに戻していきましょう。
この際、水漏れがしないように、ナットの中のパッキンもしっかりはまっていることを確認してください。
手順7.水漏れがないか確認する
全パーツを交換・設置することができれば、止水栓を元に戻します。無事に水漏れや詰まりがなく、水が流れていくか確認しましょう。
問題がなければ、これで作業終了です。
修理できない洗面所の排水管詰まりは業者へ
洗面所の排水管詰まりの対処方法を解説しましたが、詰まりの状態によっては、専門の知識と道具を持った業者に修理してもらう必要があります。
ここでは、
- 専門業者に洗面所の排水管の修理を依頼したときの費用事例
- 専門業者に依頼する際に気を付けてほしい3つのポイント
をお伝えします。
専門業者に依頼した際の修理費用の目安
まずは、洗面所の排水管の詰まり解消を専門業者に依頼した場合の料金事例を、ご紹介します。
今回は、弊社『クリーンライフ』で修理をした場合の料金事例を、修理にかかる目安時間とあわせて紹介します。
作業内容 | 修理時間目安 | 修理料金目安 |
洗面所の詰まり(軽度なつまり) | 30~60分 | 5,500円 |
洗面所の詰まり(中程度の詰まり) | 30~60分 | 16,500円 |
洗面所の詰まり(高程度なつまり) | 30~120分 | 27,500円 |
洗面所の詰まり(高圧洗浄機使用) | 30~60分 | 8,800円~22,000円 |
詰まりの状態によって、使う器具や薬剤が変わります。状態が悪いほど、修理料金が高くなっていくことが分かります。
上記金額は、あくまでも目安です。実際に業者へ依頼する際は、ホームページで料金を確認するだけではなく、必ず現地で症状を見てもらったうえで、見積書を提示してもらうようにしてください。
ポイントは、3社以上の業者に相見積もりを依頼し、比較することです。
また、専門業者に依頼する際の3つのポイントについて解説します。
ポイント1.水道局指定工事店である
「水道局指定工事店」とは、自治体から指定を受け、さまざまな水道工事に従事できる業者のことです。
指定工事店には数多くの条件があり、そう簡単には取得できません。一定のスキルがあり、自治体に認められている証明になるので、業者選びの軸として覚えておくと間違いありません。
ポイント2.料金設定が適正
料金設定は、修理業者によってバラバラです。相見積もりを徹底し、必ず複数社を比較し、作業内容に不明点があればスタッフに直接確認しましょう。
また、見積書の金額以外に、「追加料金が発生することはないか?」と必ず作業前に確認してください。
もし料金内訳などの質問に曖昧にしか答えない業者がいれば、要注意です。
ポイント3.対応スピードの速さ
洗面所が使えなくなってしまうと、日常生活を送る上でとても不便です。できる限り早く解消するためにも、「即日対応可能」な業者を選ぶのがおすすめです。
業者によっては、最短30分で来てくれたり、夜間や早朝の依頼も受け付けたりしているところもあります。自分の都合の良い、最短の時間で依頼することも可能です。
洗面所の排水管詰まりを予防する掃除方法
洗面所の排水管は、比較的詰まりが起きやすい場所といわれます。しかし、その分、日常的に掃除をすることで予防効果も高くなっています。
最後に、洗面所の排水管詰まりを予防する掃除方法をお伝えします。
排水口の掃除(週1回)
洗面所の排水口のヘアキャッチャーは、最低週1回は掃除しましょう。
排水口の詰まり対処法でも解説した通り
- 歯ブラシやティッシュで汚れを取り除く
- 塩素系漂白剤をかけて一定時間放置する
この作業を最低週1回、一緒に住む家族が多い場合は、もう少し頻度をあげて掃除してください。
排水管の掃除(月1回)
排水管・排水トラップの中で溜まっている髪の毛やぬめりを溶かすために、月1回程度のペースで、液状のパイプクリーナーを排水口内に流し入れて、掃除しましょう。
これらの掃除を定期的に行うだけでも、洗面所の排水管の詰まりはかなり予防できます。
洗面所の排水管の修理が必要な方へ
洗面所の排水管のトラブルは、状態によっては自力でも対処可能です。
しかし、詰まりの症状がひどい場合は無理に触らず、専門業者に依頼しましょう。
私たち『クリーンライフ』は年中無休で対応でき、土日祝日はもちろん、深夜や早朝など、お客様ご指定の時間に伺います。即日対応も可能、エリアによっては最短30分で駆けつけることもできます。
現地調査・出張見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
FAQ 洗面所の排水管トラブルでよくある質問
-
Q洗面所が詰まる原因は何ですか?
何か一つが原因になることは少なく、髪の毛やぬめり、水垢や固形物などが複合的に絡み合い、徐々に大きくなることで、排水管内の詰まりになります。
-
Q専門業者に修理を依頼する時の注意点は?
業者に修理を依頼する際は、複数の会社に相見積もりを依頼して、金額・サービス内容を比較することが大切です。
また、水道局指定工事店は自治体に指定されている業者なので、安心です。 -
Q洗面所の排水管を詰まりにくくすることはできる?
洗面所の排水管は詰まりやすい反面、日ごろからしっかり掃除をすれば、きちんと予防できます。
週1回以上の排水口の掃除、月1回以上の排水管の掃除を継続していけば、詰まりは発生しにくくなります。