パイプクリーナーの使い方を分かりやすく解説します。キッチンや浴室など、水回り箇所ごとのおすすめパイプクリーナーも紹介していきます。

 

パイプクリーナーは、注ぐだけで気軽に排水口の汚れを除去可能です。しかし、間違った使い方をすると、逆効果になってしまうことも。

 

正しい方法で、効果的に排水口のつまりや悪臭を解消しましょう。パイプクリーナーの選び方、おすすめの商品も紹介しますので、どれを使えば良いか分からない方も参考にしてみてください。

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パイプクリーナーを使った排水口の正しい洗浄方法

パイプクリーナー

パイプクリーナーを使って排水口を洗浄する際は、窓を開けて換気をよくしてから始めましょう。窓のない洗面所の場合は、換気扇を使用してドアは閉め切らないでください。

 

なお、パイプクリーナーは、以下のような他の洗剤と一緒に使うと危険です。

  • 酸性タイプの洗剤
  • 塩素系の排水口ヌメリ取り剤
  • 食酢
  • アルコール

必ず単独で使い、使用後は水を流しましょう。

 

パイプクリーナーの正しい使い方は、以下のとおりです。

1.排水口の目皿などを取り外す

キッチンの排水口

排水口の目皿など、取り外せるものを全て取り外します。ただし、力任せに取り外さないでください。壊してしまう可能性があります。

 

取り外したものは、水を張ったバケツに入れて古い歯ブラシ等で掃除しましょう。洗剤を使うときは、中性洗剤がおすすめです。

2.パイプクリーナーを注ぐ

注ぐ量は、パイプクリーナーの種類や目的で異なります。ボトルに記載されている説明を読んで、必要量を注ぎましょう。

 

使用量(ボトルを押す回数)を守り、ゆっくり排水口全体に注いでください。

 

アルミやホーロー、真ちゅう、銅といった金属製のものにかかると変色する可能性があるので、注意が必要です。

3.放置する

パイプクリーナーを排水口に注いだら、放置します放置時間は、説明通りにしてください。

 

長時間放置しても、効果が出るわけではありません。むしろ、取れた汚れが再度固まってしまい、さらに詰まってしまいます。

 

規定通りの時間放置して、つまりがとれない場合は、水を流したあとで再度パイプクリーナーを注いだ方が効果的です。

4.水をたっぷり流す

最後に水を流します。ただし、つまりが残っている可能性があるので、一気に流すとあふれてしまうかもしれません。

 

様子を見ながら、少しずつ流してみてください。つまりが取れているようなら、たっぷり水を流します。

 

パイプユニッシュの公式サイトでは、洗面器2杯分程度の水を流すように記載されています。

 

ただし、より汚れを流したいからと、熱湯を流すのは絶対にやめましょう。熱湯を流すと洗剤の分解が急激に起こり、塩素系ガスが発生する可能性があるためです。

 

塩素系ガスは有毒で、吸い込むと肺気腫の可能性もあるほど。最悪の場合は、死にいたるケースもあります。

排水口向けのパイプクリーナーを選ぶときのポイント

排水口向けのパイプクリーナーを選ぶ際に、チェックしたいことを解説します。

 

パイプクリーナーには、液体のほか、粉末やタブレットタイプなどがありますが、今回は使いやすい液体パイプクリーナーを紹介します。

 パイプクリーナーの成分を確認する

パイプクリーナーのボトルの裏側に記載されている成分表を確認しましょう。成分表には、成分割合の高い成分から順に記載されています。

 

パイプクリーナーには主に、次の3つの成分が含まれているはずです。

  • 水酸化ナトリウム
  • 次亜塩素酸ナトリウム
  • 界面活性剤

水酸化ナトリウムは「苛性ソーダ」とも呼ばれる成分で、油や皮脂を起源にするヘドロ状の汚れを分解します。ヘドロ状の汚れは、つまりや悪臭の原因です。

 

成分に続いて、括弧内に(1%)などと割合が記されています。水酸化ナトリウムは、濃度が濃いものは主に業務用で、家庭用としては0.5〜2%が一般的です。1%以上含まれているパイプクリーナーがおすすめです。

 

次亜塩素酸ナトリウムは、タンパク質を分解する成分で、毛髪などを溶かします。界面活性剤は水と油(汚れ)をつなげるため、多くのパイプクリーナーに含まれている成分です。

粘度の有無を確かめる

パイプクリーナーを選ぶ際は、粘度の高いものがおすすめです。粘度が低く、さらっとした液体は、汚れを分解する前に流れてしまいます。

 

以下のような表示のあるタイプがおすすめです。

  • 高粘度
  • 濃密
  • ジェル

ただし、粘度が高すぎると、排水管の奥まで行かないという弊害も。

 

排水口近くの排水管の汚れを粘度の高いパイプクリーナーで洗浄してもつまりが残ったら、粘度の少し低いタイプも試してみてください。

使いやすさをチェックする

気軽に使える使いやすさも大切なポイントです。以下の点をチェックして、使いやすさを判断しましょう。

  • 放置時間の長さ
  • はからなくてもプッシュの回数で量がわかる
  • 注ぎやすさ

パイプクリーナーを注いで放置している間は、水回りを使えません。放置時間が15分〜30分程度のパイプクリーナーから選ぶと、使いやすいでしょう。

 

パイプクリーナーは、肌につくとかぶれる可能性があります。「◯ml注ぐ」と書かれていると、はからなければならず非常に危険です。

 

「つまり解消には◯回プッシュする」と説明しているパイプクリーナーがおすすめです。また、注ぎ口にも工夫があり、思いもかけない箇所に飛び散らないかどうかも確認してください。

おすすめのパイプクリーナー【水回り箇所ごと】

おすすめ

ここからは、水回り箇所ごとに、おすすめのパイプクリーナーを紹介します。

 

キッチンや浴室・洗面所など、それぞれでおすすめの商品をお伝えしますので、参考にしてみてください。

キッチンには油汚れを除去する「 サニボン泡パワー」

サニボン泡パワーは、水酸化ナトリウムを3.5%も含み、油汚れをしっかり落とすパイプクリーナーです。泡状になって注がれるため、排水口や排水管にとどまり、キッチンの油汚れも分解します。

 

1ヶ所につき10回注ぐシステムなので、計量が不要です。注いだ後で30分放置します。排水パイプの素材にダメージを与えないので、安心してお使いください。

 

メーカー希望価格は1本(400ml)で375 円(税別)です。通販サイトのまとめ買いや、スーパーでもっと安く購入できます。

 

キッチンの排水管の掃除方法は、以下の記事を参考にしてください。パイプクリーナーを使った方法以外の掃除方法も解説しています。

浴室・洗面所には「パイプハイター 高粘度ジェル」

パイプハイター 高粘度ジェルは粘度が高く、汚れに密着して分解していきます。特に、毛髪やヌメリの分解に優れており、悪臭にも効果が期待できます。

 

ボトルにくびれがあるので、持ちやすく使いやすいパイプクリーナーです。横向きノズルで、浴室や洗面所の排水口にも直接かけられます。

 

計量する必要がなく、消臭やつまり予防には5~6回押して使います。つまり解消には、1本全部使うことも可能です。放置時間は、15分〜30分とさほど長くはありません。

 

500g入りボトルが、メーカーの公式通販サイトで税込253円です。

 

以下の記事で、浴室の排水口を掃除する方法をわかりやすく解説しています。家にあるものを利用したつまり解消方法も説明しているので、参考にしてみてください。

洗濯機の排水口の悪臭を防止する「パイプユニッシュPRO」

パイプユニッシュPROは水酸化ナトリウム2%配合の、油や皮脂汚れに強いパイプクリーナーです。1本400gで細身のボトルなので、注ぐ際に負担がほとんどありません。

 

その上、ボトルの中央がくびれたデザインなので持ちやすく、収納もしやすい点が魅力です。放置時間は15分〜30分。値段はオープン価格で、通販サイトで350〜400円で購入できます。

 

つまり予防やヌメリ除去、臭い予防には、7〜8回ボトルを押します。つまり解消も20回押すだけなので、計量不要です。

 

洗濯機の排水口の臭いが気になるときも、パイプユニッシュPROは注ぎやすいため、重宝するでしょう。

トイレの排水口にパイプクリーナーは効果が期待できない

パイプクリーナーはアルカリ性の洗剤で、毛髪・油汚れ・皮脂・石鹸カスなどに効果が期待できます。トイレットペーパーや排泄物が原因になりやすいトイレつまりには対応していません。

 

また、尿に含まれるアンモニアとパイプクリーナーが混じると、有毒ガスが生じる可能性も。

 

さらに、トイレつまりの原因の一つ、尿石はパイプクリーナーでは除去できません。サンポールなど、トイレ専用の洗剤を使って尿石を除去しましょう。

 

以下の記事で、パイプユニッシュがトイレ掃除に不向きな理由をわかりやすく説明しているので、参考にしてください。

汚水桝の掃除にもパイプクリーナーが利用できる

外にある汚水桝には、各水回りからさまざまな汚れが流れてきます。

 

パイプクリーナーで以下のような効果が期待できるので、汚水桝の掃除にもおすすめです。

  • ぬめり・つまりを予防する
  • 刺激臭が少ないので使いやすい
  • 放置するだけで汚れを分解する

 

以下の記事で、パイプユニッシュを使った汚水枡の掃除方法を説明しています。注意事項も含め、わかりやすく解説しているので、参考にしてください。

パイプクリーナー以外の排水口つまり解消法

パイプクリーナー以外の排水口つまりの解消法を紹介します。

 

パイプクリーナーでは落ちなくても、パイプクリーナーを使用したことで柔らかく取れやすくなっている可能性があります。

 

次の2種類の道具を使用して、つまりを解消しましょう。

  • ラバーカップ
  • ワイヤーブラシ

ただし、パイプクリーナーを流しても、全く反応が見られないなら、固形物が詰まっている可能性があります。もし固形物が原因のつまりなら、ラバーカップやワイヤーブラシでは対処できません。

 

つまりの原因が固形物なら、業者に相談してください。

ラバーカップを使う

ラバーカップを使う

ラバーカップのワン(カップ)のサイズは、排水口より一回り大きいサイズがおすすめです。大きすぎるとつまりを解消できないので、排水口に合わせたラバーカップを用意しましょう。

 

ラバーカップ使用時に水が飛び散る可能性があるので、周囲にビニールシートやバスタオル等を敷いて、水の飛び散り対策をしておきましょう。

 

【ラバーカップを使った排水口つまり解消法】

  1. 排水口にフタ、ゴミ受けなど取り外せる部品があれば取り外す
  2. 排水口にラバーカップを密着させる
  3. カップが隠れるくらいまで水位を調整する
  4. ラバーカップをゆっくり押す
  5. 勢いよく引っ張る
  6. 4、5を数回繰り返す

排水管でゴボゴボと音がしてつまりが解消できた手応えを感じたら、水を少しずつ流してみます。

ワイヤーブラシを使う

ワイヤーブラシを使う

ワイヤーブラシには、ワイヤーの先に金属製、または樹脂製のブラシがついています。排水管の内部をブラシでこすりながら、汚れやつまりを除去する道具です。

 

家庭用として1m〜10mのものが、コーナン、カインズ、コメリといったホームセンターやオンラインショップで購入できます。安いもので、1,000円〜3,000円程度が相場です。

 

また、セリアやダイソーといった100円ショップでも購入可能です。ワイヤーの長さが65cmと少し短めですが、排水口周辺につまりがある場合には問題ないでしょう。

 

【ワイヤーブラシの排水口洗浄方法】

  1. ワイヤーブラシを排水口に差し込む
  2. 少しずつ奥に進めていく
  3. ワイヤーブラシが進めなくなったら、回転・上下運動して汚れをこすり落とす
  4. 汚れが落ちた感触があったら、ワイヤーブラシを取り外す
  5. 水を少しずつ流し入れて、つまりが解消したか確認する

 

以下の記事で、ワイヤーブラシの選び方や使う際の注意点を解説しているので、参考にしてください。

業者に相談する

パイプクリーナーを注いでも、全く変化が見られないなら、固形物が入り込んで詰まっているのかもしれません。

 

固形物が原因なら、ラバーカップやワイヤーブラシでは解消できないので、プロの水道修理業者へ相談することをおすすめします。

 

作業料金の相場は以下のとおりで、つまりが軽度なら1万円以下で対応するケースが大半です。

 

つまりの状況 費用目安
軽度 5,000円〜8,000円
中度 12,000円~25,000円
重度 30,000円〜50,000円

また、つまりがなくても定期的に排水管を洗浄すると、さまざまなトラブルを回避できます。マンションなどの集合住宅は、管理会社により年に1度洗浄していますが、戸建て住宅の場合は忘れがちです。

 

戸建て住宅も3年に1回程度、排水管の洗浄を水道修理業者に依頼すると安心です。以下の記事で、排水管の洗浄について、わかりやすく解説しています。

パイプクリーナーで排水口のつまりを解決できないときは

排水口のつまりや悪臭におすすめのパイプクリーナーや、正しい使い方をご紹介しました。

 

パイプクリーナーは、日頃のお手入れに特におすすめです。しかし、重症の排水口つまりは解消できないことも。

 

パイプクリーナーを使っても排水口のつまりを解消できずお困りなら、『クリーンライフ』にご相談ください。全国300以上の自治体で、水道局指定工事店に登録された業者です。

 

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