お風呂の排水管詰まりは、どう対処すべきなのか分かりにくいものです。
落ち着いて対処するには、まず、お風呂の排水管の構造、詰まりやすい原因や箇所を理解しておくのが肝心です。
今回は、お風呂の排水管詰まりの際に自分でできる対処法5つを解説します。
また、お風呂の排水管詰まりの予防に役立つ掃除の仕方、業者の費用目安についてもご紹介します。お風呂の詰まりで困ったら、ぜひ参考にしてください。
まずお風呂の排水管の構造を理解
お風呂の排水管詰まりが発生する原因や対処法を知る前に、まず排水管の構造をご紹介します。
構造から理解しておくと、詰まりの原因や直す方法を把握しやすくなります。
お風呂の排水トラップの役割
お風呂には、排水トラップがあります。排水トラップ部分を開けてみると水がたまっているでしょう。水をためることで、浴槽の排水栓と洗い場の排水口の悪臭、害虫の侵入を防ぐ役割を果たしています。
排水トラップの種類は、主に3つです。ご自宅の排水トラップを確かめておくと、部品を外す際にもよく理解できるはずです。
- 椀トラップ:目皿の下にお椀状の被せものがついている
- ドラムトラップ:貯水部分がドラム状になっている
- 管トラップ:排水管が途中でS字になっている
お風呂の排水口から排水管は詰まりやすい構造
お風呂には、浴槽と洗い場の排水口がそれぞれあります。
- 浴槽の排水口から水が流れ、洗い場の排水口で合流する
- 合流した水が排水管へと流れる
現在のお風呂はこのような構造が主流で、排水口から排水管は詰まりやすい構造なのです。
排水口は汚れや髪の毛などが詰まりやすく、定期的な掃除が必要です。さらに、排水管を長く使用するにつれて、ぬめりや汚れが付着して詰まりが発生しやすくなります。
詰まりやすい箇所と自己対処の難易度
お風呂で詰まりが発生する箇所と、難易度をまとめてみました。奥へ行くほど、自分で対処する難易度が上がります。
お風呂つまりの箇所 | 難易度 |
浴槽の排水栓・洗い場の排水口 | 低め |
排水トラップ | 中くらい |
排水管 | 高め |
特に、水をためておくための構造が複雑になっている排水トラップは、詰まりが発生しやすいので注意しましょう。逆に、排水トラップの詰まりを予防すれば、排水管詰まりを起こしにくくできるわけです。
排水管詰まりの程度や原因によっては、業者の依頼が必要になる場合もあります。
お風呂の排水管詰まりの症状は?
お風呂で普段と違う症状があれば、排水管詰まりが起きている可能性があります。思い当たる症状がないか、確かめてみましょう。
浴槽・洗い場の水の流れが悪い
お風呂で水の流れが悪いときには、排水口や排水管で詰まりが起きていると考えてください。
浴槽や洗い場を毎日掃除をしていても、排水トラップ、ヘアキャッチャー、排水口周りの掃除ができていないと、髪の毛が固まって残ってしまいます。塊にぬめりが絡むと、さらに水の流れが悪化します。
浴室や脱衣所が臭い
浴室や脱衣所でいつもと違う臭いがするときは、排水管の詰まりが原因で症状が出ていると考えられます。
排水口の掃除をしているのに臭うときは、ヘアキャッチャーの目から抜けていった髪の毛や汚れなどが、排水管で詰まっている可能性を疑いましょう。
水が逆流する
お風呂でお湯が流れないばかりか逆流してくるときは、排水管詰まりが起きているための症状です。逆流の症状があり、排水管詰まりの原因物が見えるときは、取り去ることもできるでしょう。
しかし、原因物が目視できないときに無理に除去しようとするのは避けてください。かえって排水管を傷めたり、原因物を奥に押しやったりする恐れもあるためです。
お風呂の排水管詰まりの原因
ここからは、お風呂の排水管が詰まってしまう原因をご紹介します。
髪の毛や石鹸カス、皮脂の詰まり
お風呂の排水管詰まりの原因で、特に問題となるのが髪の毛です。
髪の毛は、シャンプーのたびに想像以上に抜け落ちます。髪の毛が固まってぬめりが起きたり、石鹸カスや皮脂と絡んだりすると、詰まりはさらに広がるばかり。
ヘアキャッチャーをすり抜けると、それらの原因物がたまって排水管詰まりを引き起こしてしまいます。
固形物の詰まり
気づかないうちに、ヘアピンやキャップ、アクセサリー、おもちゃ、石鹸などの固形物を流してしまい、排水管詰まりを起こすこともあります。
すぐに気づいたときは、排水トラップを確認して除去しましょう。もし、排水トラップに固形物がなければ、排水管へ進んだために詰まりが起きている可能性が高いです。
屋外の排水桝の詰まり
一戸建ての場合は、屋外に設置している排水桝で詰まりが起こっている場合もあります。お風呂側で思い当たる原因がないときは、排水桝の汚れも確認してみましょう。
お風呂の排水管詰まりの対処法5つ
お風呂ですでに排水管詰まりが起こっているときには、自分でできる5つの対処法があるのでぜひお試しください。
自分でお風呂の排水管詰まりに対処する際の費用目安は、ご覧のように安く済みます。
薬剤や道具 | 費用目安 |
パイプクリーナー | 300円~800円 |
クエン酸 | 100円~600円 |
重曹 | 100円~600円 |
ラバーカップ | 500円~1,500円 |
真空式パイプクリーナー | 1,000円~1,500円 |
ワイヤーブラシ | 500円~1,500円 |
針金ハンガー | 0円~100円 |
薬剤を使う方法
排水管詰まりに薬剤を使う方法は、3つあります。手軽な方法を探している場合におすすめです。
髪の毛にはパイプクリーナー
パイプクリーナーは、次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウムが含まれています。この成分は、髪の毛のタンパク質を溶かす作用があるので、詰まり除去におすすめです。
パイプクリーナーは、以下のように使います。
- 排水口から見える内壁にそって、パイプクリーナーを注ぐ
- 15~30分程度放置する
- 水でしっかりと流す
改善しないときは、何度か繰り返してみてください。頑固な詰まりの場合は、徐々に詰まりが解消される場合もあるためです。
長時間放置すると詰まりが固まったままで剥がれ、かえって奥で詰まる可能性もあるので、メーカーでもおすすめしていません。
手軽な方法ですが、パイプクリーナーを使う際には注意点があります。
- 肌に付着しないよう手袋をして作業する
- 他の薬剤と混ぜると有毒ガスが発生する恐れがあるため、混ぜない
石鹸カスにはクエン酸
石鹸カスの詰まりは酸性ですので、クエン酸やお酢で対処します。クエン酸は、かんきつ類に含まれる有機化合物です。
浴槽や洗い場に付いた石鹸カスをクエン酸で除去するには、以下の手順で行います。
- 水200mlにクエン酸を小さじ1を入れて、クエン酸スプレーを作る
- 石鹸カスが付着している箇所にスプレーをする
- キッチンペーパーを当てて10分程度放置する
- キッチンペーパーをはがしてブラシでこする
ただ、お風呂の詰まりの場合は原因が複数あることや排水口での作業になるため、クエン酸を単独で使うより、このあと説明する重曹と合わせて使う方法がおすすめです。
皮脂汚れには重曹
皮脂や垢の汚れには、重曹で対処します。皮脂や垢は弱酸性であり、弱アルカリ性の重曹が詰まりの解消に効果的です。
重曹とクエン酸を使うと、皮脂や石鹸カスの両方を除去できるのでおすすめです。
- 重曹2:クエン酸1の割合で準備する
- 重曹をまんべんなく排水口に振りかける
- 次にクエン酸を同様にかけると発泡が始まる
- 60分程度そのまま放置する
- しっかりと水を流す
この方法は、軽度の排水管詰まりにおすすめです。ただし、上手く発泡させるためには、重曹とクエン酸を入れる順番を守ってください。
ラバーカップを使う方法
トイレ詰まりの際に活躍するラバーカップ(スッポン)は、お風呂の詰まりでも使えます。お風呂やキッチンなど、排水口用のラバーカップを入手してください。
- 排水口のパーツを外す
- ラバーカップを排水口に密着させ圧力をかける
- 勢いをつけてラバーカップを引き上げる
- 水を流して詰まりの解消を確認する
浴槽の排水口で使う場合は、ラバーカップを当てた際に少し上まで水をためておくと、水圧で吸引力を強めやすくなります。
真空式パイプクリーナーを使う方法
ラバーカップと同じ原理の道具で、より吸引力が強いのが真空式パイプクリーナーです。それだけ排水管詰まりの解消に高い効果が期待できます。
- 排水口のパーツを外す
- 真空式パイプクリーナーを排水口に密着させ圧力をかける
- レバーを押し引きする
- 水を流して詰まりの解消を確認する
ラバーカップの場合、ラバー部分を水に浸かるようにしなくてはなりませんが、真空式パイプクリーナーは水の調整は不要なので楽です。
ワイヤーブラシを使う方法
先端にブラシがついているワイヤーブラシ(3~5mほど)を使って、排水管詰まりを直す方法もあります。
ワイヤーが細く、狭い排水管の詰まりや汚れを削り落とす際に役立つ道具です。
- 排水口からワイヤーブラシを曲げたり回転させたりして入れる
- 進まなくなったら、ハンドルを回して入れ込む
- ハンドルを動かしながら、詰まりの原因を削るように落とす
- 水を流して詰まりの解消を確認する
排水管の詰まりがひどく解消できない場合は、早めに業者に相談しましょう。
針金ハンガーを使う方法
ワイヤーブラシがすぐに入手できないときは、針金ハンガーを代用してみましょう。長さは短いものの、ハンガーを加工することで似たような使い方ができます。
まず、ペンチを準備しハンガーを加工してみてください。その後の手順や要領はワイヤーブラシとほぼ同じです。
- ハンガーのフック近くの片方を切る
- ハンガーを伸ばし、先端に輪っかを作る
- 加工したハンガーを排水口に入れる
- ハンガーの向きを変えたり曲げたりして奥に入れる
- 小刻みに動かして詰まりを取り除く
- 水を流して詰まりの解消を確認する
ハンガーが取り出せなくなる恐れもあるので、奥へ進めるときには慎重に手加減をしてください。
解消できないお風呂の排水管詰まりは業者へ
自分で解消できないお風呂の排水管詰まりの場合もあります。
- 長期間たまった排水管詰まりがある
- 固形物が詰まり排水管の奥へ行ってしまった
- 自己対処しても詰まりが直らなかった
このようなときは無理をするよりも専門業者に相談し、プロの技術で対処してもらいましょう。
排水管詰まりを業者に依頼した際の費用相場
実際にお風呂の排水管詰まりを業者に依頼する場合、「費用がどの程度かかるのか?」は気になる点でしょう。詰まりの程度・状況により使用機材や修理内容が変わるため、費用相場がそれぞれ違います。
費用相場を把握しておくと、業者の見積もりを比較する際に判断しやすくなります。
ローポンプ使用の場合
ローポンプは吸引力の強い、排水管詰まりの業者専用の道具です。家庭用は前述のように、真空式パイプクリーナーで市販されています。
- 費用相場:8,000円~15,000円
高圧洗浄機使用の場合
高圧洗浄機は、水の圧力で詰まりの原因を洗い流す機材です。長く蓄積された汚れを取り除くことで、詰まりを解消するだけではなく、詰まりの予防にも効果が期待できます。
- 費用相場:30,000円~70,000円
排水口から詰まりまでの距離、戸建てまたはマンション(集合住宅)で費用の算定が変わってきます。
薬剤使用の場合
薬剤を使って排水管詰まりを直す方法です。家庭用薬剤と違い、詰まり解消の効果が高いものを使います。
- 費用相場:4,000円~10,000円
道具を使わずに済む方法なので、詰まり修理では比較的費用は抑えられています。
排水管交換の場合
老朽化している排水管の場合には、破損や劣化で詰まりが頻繁に起こることもあります。状況次第では、排水管の交換が必要です。
- 費用相場:1m以内で20,000円~30,000円、1m加算ごとで5,000円~6,000円
お風呂そのもののリフォームを行う際に、排水管を含めて交換するケースが多いでしょう。
お風呂の排水管詰まりの予防法3つ
お風呂の排水管が詰まらないようにするには、普段からの予防が大事です。排水管詰まりは、汚れが蓄積され続けることで起こりやすくなるためです。
日頃から排水口の状態を確認して、詰まらないように予防を心がけましょう。
定期的に排水トラップの掃除をする
排水口の掃除は、ついおろそかになりがちです。しかし、排水口や排水トラップの掃除をさぼっていると、日々汚れがたまっていくばかり。
1週間に1回でも、定期的に排水トラップの掃除を習慣づけて行きましょう。そうすることで、掃除の時間や手間をそれほどかけずに済みます。
- ゴム手袋
- 歯ブラシ
- スポンジ
掃除する際に、必要なものを揃えておくとすぐに取り掛かれます。
定期的にパイプクリーナーを使う
排水口から排水管の掃除にパイプクリーナーを使うと、詰まりの除去ができます。
日頃から目にしない箇所なので、排水口の掃除のついでに定期的にパイプクリーナーを使うと決めておくとよいでしょう。
ヘアキャッチャーにネットを被せ頻繁に交換
ヘアキャッチャーで髪の毛や石鹸カスなどを流さずに済みますが、目をすり抜けていく場合も少なくありません。
目の細かいネットをヘアキャッチャーに被せると、すり抜けるゴミをかなり減らせます。さらに、掃除の際にネットを取り外して捨てるだけなので、簡単です。
百均やスーパーなどで販売されているので、ぜひ活用してみてください。ヘアキャッチャーのサイズや型を見て、合うネットを探しましょう。
お風呂の排水管詰まりを早く直したいなら
お風呂の排水管詰まりで自力での対処が無理な場合や不安がある場合は、お風呂から排水管まで修理・交換に精通している専門業者へ依頼した方が賢明です。
水道局指定工事店の『クリーンライフ』は24時間365日、排水管詰まりの修理を受け付けています。最短30分で駆けつけ、迅速な修理が可能です。
現地調査や出張見積もりは無料ですので、どうぞお気軽にご相談ください。
FAQ お風呂の排水管詰まりでよくある質問
-
Qお風呂の排水管詰まりは自力で直せる?
お風呂の排水管の軽度な詰まりなら、自力で対処できるケースもあります。しかし、難易度が高いときや自力で上手くいかないときには、業者へ依頼することも検討しましょう。
-
Qお風呂の排水管詰まりを業者に依頼する際の注意点は?
複数の業者で相見積もりを取りましょう。金額や内容を比較すると、良質な業者を見つけやすくなります。 また、水道局指定工事店かどうかも確認しておきましょう。
-
Qお風呂排水管詰まりを防止するために普段からできることは?
排水トラップの掃除、パイプクリーナーの使用、ヘアキャッチャーの手入れを普段からこまめに行いましょう。詰まる前から、定期的な掃除やお手入れを習慣づけると詰まりにくくなります。