トイレの給水管からの水漏れに気づいたなら、早急に対処する必要があります。原因によっては、自力で修理することも可能です。
今回は、トイレの給水管の水漏れについて、その原因と水漏れの位置ごとの修理方法について解説します。
また、自力で直せないときに依頼する水回りの修理業者についても、修理の費用や選び方のポイントなどをお伝えします。
トイレの給水管の仕組み
給水管の水漏れの修理をする前に、まずはトイレの給水管まわりの仕組み・構造を確認しておきましょう。
トイレの給水管は壁から出ていて、トイレタンク内のボールタップ(タンク内の水を給水・止水する部品。別名:定水位弁)へと接続しています。
接続部分は、基本的には2カ所、温水洗浄便座を付けている場合は3カ所あります。
- 止水栓との接続部分
- タンクと給水管の接続部分
- 給水管と分岐水栓の間
トイレの給水管まわりで水漏れが起きた場合、これらの接続部分から水が漏れている可能性が考えられます。
トイレの部品にも寿命がある
トイレの水漏れを経験した方の中には「トイレって一生使えるものと思っていた」という方もいるでしょう。しかし、給水管を含め、トイレタンク内外の部品はいずれも経年劣化し、寿命があります。
一般的に、どのメーカーの部品でも10年を過ぎると寿命がくることが多いといわれています。
水漏れの原因は、いろいろな可能性が考えられます。まず、トイレまわりの設備・器具にも寿命があり、劣化するということ。水漏れは決してレアなトラブルではなく、10年以上が経過すると、誰にでもトラブルが起きる可能性があることを、頭に入れておきましょう。
トイレの給水管の水漏れの原因
トイレの給水管から水漏れする場合、考えられる原因は大きく3つあります。
ナットの緩み
給水管に衝撃を与えたり、トイレタンクや便器を揺らしたりした振動で、ナットが緩んでしまうことがあります。ナットの緩みが原因であれば、ナットを締め直すだけで、簡単に水漏れを解消することができます。
ただし、ナットそのものが錆などで劣化してしまっている場合、無理矢理締め直すのはNGです。新しいナットへの交換も含めて、検討する必要があります。
パッキンの劣化
給水管の接続部分から水漏れが起きている場合、パッキンの劣化が原因であることが多いです。パッキンは消耗品で、寿命は5年~15年といわれています。10年以上経過すると、水漏れを起こしやすくなってきます。
パッキンの劣化が水漏れの原因だった場合、新しいパッキンに交換するだけで直すことができるので、自力でも対処可能です。
大切なのは、「どこのパッキンが劣化して水漏れしているのか?」を確認することです。サイズの合わないパッキンを付けると、それも水漏れの原因になってしまいます。後程詳しく解説します。
給水管の劣化・損傷
ナットも緩んでおらず、新しいパッキンに交換しても水漏れが直らない場合は、給水管や接続部分などの劣化や損傷が疑われます。
原因や場所によっては、新しい部品を自分で買って交換することも可能ですが、専門的な知識がなく、あまり自信のない方は無理をせず、専門業者に修理・交換を依頼するのがおすすめです。
トイレ給水管の繋ぎ目から水漏れした際の修理
ここからは、トイレの給水管から水漏れが起きてしまった場合の、自宅でもできる修理方法を原因別に紹介します。
水漏れ修理で準備するもの
まず、水漏れ修理で準備すべきものをピックアップしました。作業前に準備しておきましょう。
- 交換用パッキン
- マイナスドライバー
- モンキーレンチ
- ウォーターポンププライヤー
- ゴム手袋
- タオル
- バケツ
給水管のサイズを測る方法
交換用のパッキンを用意する際、サイズや種類に要注意です。サイズ・種類が違うものを設置してしまうと、水漏れが防げないことがあります。
給水管のサイズは「ノギス」という道具を使って計測できます。あまり聞きなれない道具かもしれませんが、100円ショップでも購入できるので、もしものために1本準備しておくと良いでしょう。
ノギスでの計測が難しい場合は、取り外した古いパッキンをホームセンターなどに持っていき、店員さんに同じものを探してもらってください。サイズにピッタリ合うものを購入しましょう。
修理1:ナットを増し締めする
まずは、給水管の水漏れの原因が「ナットの緩み」だった場合、ナットを増し締めしましょう。
締め直すだけではありますが、必ず正しい手順で行ってください。
- 止水栓を閉める
- ナットを増し締めする
- 止水栓を少しずつ開けて確認する
手順1.止水栓を閉める
トイレの水漏れの修理をする前には、必ず止水栓を閉めてから作業を開始してください。止水栓を閉めずに作業をしてしまうと、給水管から水が溢れ、トイレが水浸しになってしまいます。
止水栓はマイナスドライバーで閉めることができ、時計回し(右回し)に動かなくなるまで絞れば、一時的に水を止めることができます。
手順2ナットを増し締めする
増し締めとは、固定されているナットやボルトなどをさらに締める行為のことです。モンキーレンチを使って、水漏れしている位置のナットを少しずつ増し締めしてみましょう。
締めるときは、給水管や給水ホースを支えながら、ナットを強く締めすぎないように注意してください。
手順3.止水栓を少しずつ開けて確認する
増し締めできれば、先ほど締めた止水栓を少しずつ開けてみてください。
それでもなお水漏れが続く場合は、次に解説している「パッキンの交換」を検討してください。
修理2:パッキンを交換する(位置別)
トイレの給水管のパッキンは、複数個所に設置されています。ここでは、水漏れの位置別に、自分でできる水漏れ修理方法をご紹介します。
タンクと給水管の接続部分からの水漏れ修理
まずは、トイレタンクと給水管の接続部分から水漏れが起きているときの修理手順を解説します。
<使うもの>
- 交換用パッキン
- モンキーレンチ
- バケツ
- 止水栓を閉める
- 修理位置の下に、水受け用のバケツを置いておく
- モンキーレンチを使い、トイレタンクと給水管の接続部分のナットを緩める
- ナットを外すと古いパッキンが出てくるので、新しいパッキンに交換する
- ナットを元に戻す
- 止水栓を少しずつ開け、水漏れが解消できたか確認する
モンキーレンチでナットが緩めにくいときは、トイレタンクの中のボールタップを固定しながら行うとやりやすくなります。
止水栓との接続部分からの水漏れ修理
次は、止水栓と給水管の間から水漏れが発生している場合の修理方法です。
<使うもの>
- 交換用パッキン
- ウォーターポンププライヤー
- バケツ
- 水道の元栓を閉める※
- 修理位置の下に、水受け用のバケツを置いておく
- ウォーターポンププライヤーを使い、止水栓のナットを緩める(左回し)
- ナットを取り外すと三角パッキンが出てくるので、新しいパッキンに交換する
- 三角パッキンを取ると出てくるスピンドルも左に回して取り外す
- さらに中から出てくるパッキンを新しいものに取り換える
- 分解した流れと逆の手順で、各部品を戻す
- 水道の元栓を開けて、水漏れがないか確認する
※止水栓部分から水漏れしている場合、止水栓を閉めても水を止めることはできません。家の水道の元栓を閉める必要があります。しかし、トイレ以外の水回りも一時的に使えなくなるので、注意してください。
また、スピンドルが劣化している場合は、スピンドルを交換する必要があるかもしれません。
給水管と分岐水栓の間からの水漏れ修理
最後に、給水管と分岐水栓の間から水漏れしている場合の修理方法です。
<使うもの>
- 交換用パッキン
- モンキーレンチ
- バケツ
- 止水栓を閉める
- 修理位置の下に、水受け用のバケツを置いておく
- モンキーレンチを使い、分岐水栓側のナットを緩める
- ナットを外すと古いパッキンが出てくるので、新しいパッキンに交換する
- ナットを元に戻す
- 止水栓を少しずつ開け、水漏れが解消できたか確認する
ナットを緩めるとき、配管がフレキシブルホースで作業しにくいと感じた場合は、無理せず、タンク側のナットを取り外して作業してください。
トイレ給水管の水漏れ修理での注意点
トイレの給水管の水漏れ修理は、ある程度自分でもできるとお伝えしましたが、気を付けてほしいこともあります。
給水管自体が劣化している場合がある
何十年も給水管を使っていると、配管自体が劣化し、壊れやすくなっている場合があります。
パッキンを交換する際、あまりにも強い力を加えすぎてしまうと、劣化した配管が力に耐えきれず、折れてしまうこともあります。
万が一、給水管の劣化が疑われる場合は、自分で無理に手を出さず、専門業者にパッキンの交換・給水管の交換を依頼する方がおすすめです。
少しでも不安を感じたら作業ストップ
トイレや給水管まわりの構造に関する知識があれば、ある程度は水漏れの対応をできます。しかし、とにかく少しでも作業に不安を感じたら、それ以上は作業をせず、手を止めてください。
ちょっとした作業の誤りでも、水漏れの症状が余計に酷くなる可能性は大いにあります。症状が悪化すると、業者の修理費用は高くなってしまうので、「少しでも不安を感じたら作業ストップ」を頭に入れておきましょう。
業者が来るまでの水漏れ応急処置
給水管から水漏れしている状態を放置していると、トイレが水浸しになってしまいます。
修理ができるまでの間の応急処置として、耐水性のある水漏れ用テープを使えば、一時的に水漏れを止めることができます。勢いよく吹き出る水漏れには効果が薄いですが、じわじわと染み出る、ポタポタ落ちる程度であれば対処できるはずです。
ただ、見た目上は水が止まってもあくまで応急処置で、根本的な解決にはなっていませんので、業者に依頼することは忘れないでください。
トイレの給水管トラブルは専門業者に相談
ここまで自力でできる給水管の水漏れの修理方法を紹介してきましたが、一人で作業する自信がない方や、自分で修理を試しても水漏れが直らない場合は、すぐに専門業者へ修理を依頼しましょう。
専門業者に依頼した場合の修理費用の目安
ここでは、トイレの給水管の水漏れ修理を専門業者に依頼したときにかかる修理費用について、紹介します。
今回は、弊社『クリーンライフ』で修理をした場合の料金事例を、修理時間の目安とあわせて紹介しますので、参考にしてください。
作業内容 | 修理時間目安 | 修理料金目安 |
トイレの水漏れ | 30~60分 | 3,300円 |
ポールタップ交換 | 30~60分 | 8,800円 |
フロートバルブ交換 | 30~60分 | 8,800円 |
上水栓交換 | 30~60分 | 13,200円 |
タンクレバー交換 | 30~60分 | 8,800円 |
給水管交換 | 30~60分 | 13,200円 |
トイレの蛇口交換 | 30~60分 | 13,200円 |
フレキ管交換 | 約30分 | 8,800円 |
※トイレの水漏れの原因は、あらゆる可能性が考えられます。交換部品によって修理費用は変動するので、上記表ではトイレの水漏れにかかわる、さまざまな修理パターンを記載しています。
素人目には給水管から水漏れしているように見えても、実は「ボールタップ」や「フロートバルブ」、「上水栓」など、給水管以外の設備・備品が劣化し、水漏れの原因になっているケースも十分考えられます。
専門業者選びのポイント
水回りの専門業者であれば、自力では直せない水漏れを直してくれますが、どの業者に依頼してもよいわけではありません。
スタッフの対応がいい加減、修理内容の説明が適当、過剰な修理費を請求してくるなど、悪質な業者も残念ながら存在します。
ここでは、専門業者を選ぶときに最低限確認しておくべきポイントを3つお伝えします。
- 料金プランは適切・明快か?
- 事前見積もりに対応してくれるか?
- 即日対応は可能か?
必ず「水漏れの修理にいくらかかるのか?」を作業開始前に把握しておきましょう。なるべく複数社、できれば3社以上の業者に相見積もりを依頼して、修理費用・作業内容を比較しましょう。
料金の内訳にも注目
相見積もりで比較すべきなのは、修理費用だけではありません。料金の内訳、修理内容も必ずチェックすべきです。
- 見積書の金額以外にかかる費用はないか?
- 作業終了後に追加費用は発生しないか?
- 余計な追加オプションが勝手につけられていないか?
悪質な業者の場合、水漏れとは直接関係ない部品の交換を要求されることも考えられます。提示された修理内容をすべて丸呑みしないためにも、相見積もりで比較することは重要なのです。
トイレの給水管の水漏れにお困りの方へ
トイレの給水管の水漏れトラブルは、パッキンの劣化が原因なのであれば、自力でも対処可能です。
しかし、パッキンを交換しても水漏れが直らなければ、専門業者に修理を依頼する必要が出てきます。
私たち『クリーンライフ』は24時間365日お問い合わせに対応でき、最短30分で駆けつけることができます。
早急に解決したいトイレの水漏れトラブルのご相談は、弊社にお任せください。現地調査・出張見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
FAQ トイレの給水管の水漏れでよくある質問
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Qトイレの給水管の水漏れは自分で修理できる?
パッキンの劣化など、水漏れの原因によっては、自分で修理できます。
新しいパッキンに交換しても水漏れが直らない場合、水漏れの原因が分からない場合は、無理せず専門業者に修理を依頼するのがおすすめです。 -
Q交換用のパッキンはどこで買えますか?
交換用のパッキンは、ホームセンターやネットショップで購入できます。購入する際は、必ず同じサイズ・種類のものを選ぶように気を付けてください。
サイズの違うパッキンでは水漏れは直りません。 -
Q専門業者を選ぶときのポイントは?
必ず複数社に見積もりを依頼して、修理費用や作業内容を比較しましょう。
また、トイレの水漏れは早急に対処する必要があるので、早朝や深夜含めて、即日対応してもらえる業者を選ぶのがおすすめです。