最近寒波の話をよく聞くけれど、我が家の水道は大丈夫?
実際どのくらい寒いと水道管が凍結したり破裂したりするの?
そんな不安や疑問を持つ方のために、ご自宅で水道管の凍りやすい場所や、オススメの予防法をお伝えしていきます。
うちは雪も降らない地域だから大丈夫では?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、水道管の凍結は豪雪エリアでなくとも起こる案外身近なトラブルです。
対策が十分でないと、大きな出費につながるかもしれません。
なにより、一度起こってしまうとライフラインの水が使えず非常に不便します。
後半で、安く手軽に取り組める方法についても、しっかり解説していきます。業者視点かつ価格に厳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
霜柱を見かけるような時期になったら、もう冬本番です!
寒い冬に備えて、早めに対策しておきましょう!
なぜ?どこで?水道管が凍結する条件
寒くて水が凍るのは分かるけれど…。
具体的にどのくらいの気温だったら凍るのか、知りたいですよね。
水はマイナス4度程度になると凍ることが知られていますが、実際の水道管凍結トラブルを見ると、それ以上の外気温で発生することも、それ以下の外気温で発生することもあります。
それは、水道管の内部を流れる水が、配管周りの状況に大きく左右されるからです。
天気予報の気温が高めの日でも、水道管の中が凍る可能性は十分にあることが分かります。
予報や観測気温の落とし穴
日本全国の気温は全国約840地点で観測されています(日本気象協会:アメダスについて)。
私たちはそのデータをもとにした気温を様々なメディアで見聞きしているわけです。
しかし、観測地点と家とでは、実際の気象状況も標高も違うことが多いです。
そのため、天気予報や現在の観測地点の気温が、すぐに水を凍らせるほど低くなくても、凍結に注意しなければならない場合があります。
家の気温差
夏場、南側の部屋が蒸し暑くて息苦しくても、浴室や北側の部屋に移動すると案外涼しかった、というような経験はないでしょうか。
同じ家の中や同じ家の周囲でも、日差しや風など細かな条件によって気温や物の表面温度が全く違ってきます。
配管のおかれた環境によって、そこを流れる水の温度は全く変わってきます。
冬季にこれだけ凍結や破裂のトラブルが多いのは、これら「予報」や「観測地点の外気温」にとらわれて対策を怠ってしまうためとも考えられます。
北海道をはじめ、もともと水道管を凍結させるような外気温の地域では、水道に水抜きが付いていたり、凍結しにくい場所を配管が通してあるなど、予め対策して設計されていることが普通です。
そのため、外気温が通常凍結するほど低くなく、つい安心してしまう地域こそ危険だと言えます。
「予報」や「観測地点の外気温」にまどわされず、凍結対策をして真冬を迎えましょう!
凍結しやすい場所
水道管の凍結対策にあたって、まずは家の中でも特に凍結しやすい場所を押さえましょう。
凍結しやすい場所、凍結防止すべき場所の代表例を表にまとめました。
<凍結しやすい場所>
建物北側の日陰 | 真南向きの建物の反対側は一日中陽が当たらないことも |
冷たい風の吹き付けている場所 | 風の温度変化で凍結と氷解を繰り返すと破裂しやすい |
地底であっても十分に深くない部分 | 地表に近ければ近いほど凍りやすい。地域や標高により基準が全く異なる |
配管が地表でむき出しになっている場所 | 古い建物ではよくあるが最近の建物ではまずない。屋外の蛇口・立水栓には注意 |
屋内であっても壁穴で冷気が遮断できていない部分 | 古い建物では台所の蛇口根元が外気に触れているようなことも |
このように、配管の位置や構造など、細かな条件の組合せにより配管の凍結や破裂が発生することが分かっていただけたかと思います。
家の北側が冷え込むのは体感でも分かりますが、室内にいると気づかないことも多い「風の吹き付け」には要注意です。
水道管凍結の予防法
水道管凍結の予防法には、大きく分けて3つあります。
- 凍らないように「温める」
- 凍りやすい場所に貯まる水を「取り除く」
- 「水を流して」凍りにくく
対策する場所に合ったものを、ご自身の予算・手間に応じて選択しましょう!
「温めて」凍結予防
温める方法にもいくつかありますので、それぞれのメリット・デメリットを表にまとめてみました。
<温めて水が凍るのを防ぐ方法>
凍結の防止法 | メリット・デメリット |
① 凍結防止ヒーター(凍結防止帯)巻きつける | ・初期費用が少しかかる
・電気代がかかる ・取り付けが容易 ・かなり効果が高い |
② 保温チューブ(凍結防止カバー、パイプカバー)を設置する | ・施工に手間がかかる
・適切な商品の選択が難しい ・比較的効果が高い |
③ 保温テープを巻きつける | ・多少手間がかかる
・施工が簡単 |
④ タオル、毛布や空気層のある緩衝材(プチプチ)などをビニールテープなどで配管に巻きつける | ・見た目は悪い
・効果はあるがあくまで応急処置的 ・身近なもので対応可能 ・費用がかからない |
⑤ 浴室のお湯を貯めておく | ・一番冷え込む早朝までにはかなり冷めてしまう
・効き目があるのはお風呂の配管だけ ・追いだき機能付きのお風呂では、凍結防止運転ができる ・手間がかからない |
表の①〜③は、いずれも水道管を覆うように巻きつける方法です。
凍結防止ヒーターや保温チューブ、保温テープは、ホームセンターや一部のスーパーなどで購入することができます。
保温チューブは材質も厚みも様々ですが、最近ではワンタッチで取り付け可能なポリエチレンフォームの保温チューブも販売されています。
表の④〜⑤、タオルや緩衝材のプチプチを防水のテープで巻きつける方法、夜に貯めた浴槽のお湯をそのまま貯めておく方法はお手軽ですね。
原始的な対策に感じられるかもしれませんが、十分効果が期待できます。
「凍る水を取り除いて」凍結予防
水道管に水抜き栓(「不凍栓」、「不凍水抜栓」などとも)がついている場合は、それを使用します。
水抜き栓がついていない場合も、水道メーターの元栓を閉めた後に、水道の蛇口を開け水を排出することで簡易的に水抜きができます。
しかし、完全に水を抜くことはできないため、これだけでは十分な対策とは言えないかもしれません。
また、凍ってしまう水を凍らない液体に入れ替えてしまうのも対策の一つです。
ネットやホームセンターなどで購入できる「不凍液」や「凍結防止剤」はトイレなどの凍結予防に幅広く使用されます。
冬場家を数日あけるような場合は、しっかり対策してお出かけしましょう!
「水を流して」凍結予防
屋外の立水栓や、北側の浴室・キッチンなど、特に凍りやすい場所にある蛇口の水を流しっぱなしにします。
これは、流れている水が凍りにくいという性質を活かした対策です。
対策グッズを買いに行く余裕がない場合、冷え込みそうな夜だけ凍結対策したいような場合におすすめです。
水がもったいないような気がしてしまいますが、一晩ちょろちょろであれば意外と費用負担が少なく、簡単なわりに効果の高い方法です。
費用比較・対策費用相場
これまで紹介した対策を費用相場をまとめました。
ご自身で対策される場合の参考にしてみてください。
凍結防止の方法 | 対策費用の相場 |
「温めて」凍結予防
|
0円(※)〜3万円
① 凍結防止ヒーター:約1500円〜3万円/m ② 保温チューブ:約200円〜3000円/m ③ 保温テープ:約50円〜/m ※④⑤のように毛布や残り湯など、身近なもので対策する場合 |
「水を空にして」凍結予防
|
水抜栓の設置工事:10万円〜
不凍液・凍結防止剤:600円/L |
「水を流して」凍結予防
|
1晩120円程度
※次の条件で算出:流量0.5L/分「ちょろちょろ」、夜間22時〜8時出しっぱなし、上下水道料金それぞれ200円/m3 |
凍結や破裂が発生してしまったら?
応急処置
応急処置の方法を凍結の場合と破裂の場合に分けてご紹介します。
凍結の場合
凍結した水が自然に溶けるのを待つ。これが一番配管に負担の少ない方法ではあります。
しかし、早く凍結を解消したい場合には、蛇口を開けた状態にしタオルで水道管を覆った上からぬるま湯をかけます。
部屋の温度を上げたり、軽くドライヤーをかける方法もあります。
この際、直接熱風やお湯をかけるのは厳禁です。配管を傷めてしまいます。
特に、賃貸やアパート・マンションの共用部分で誤った対策を講じてしまうと、思わぬトラブルに繋がりかねません。
管理会社に問い合わせるなどして慎重に対応しましょう。
破裂の場合
まず、破裂箇所近くの止水栓か、メーターボックス内の水道メーター横にある止水栓を締めます。
それでも溜まった水などが破裂部分から漏れてくる場合は、発生箇所をタオルなどでしっかり縛って、バケツなどで水を受けます。
破裂した水道管を放置すると、周囲が水浸しになって床や家具を傷めてしまうことはもちろん、部屋の壁紙やキッチンの紙製品をダメにしてしまう場合もあります。
たとえばトイレの水浸しを放置して、床材まで被害を拡大させてしまうようなケースはよくあります。
トイレの水漏れについての詳細はこちらの記事をご覧ください。
修理依頼・再発防止
上記応急処置を済ませた上で、落ち着いて業者に修理を依頼しましょう。
賃貸の場合、自分に大きな過失がなければ費用負担はないことも多いです。
事態を悪化させる前にすみやかに対応しましょう。
また、一度凍結した箇所は再発する危険性が高いので、予防策を講じましょう。
次も凍結で済むとは限りません。
破損までしてしまうと修理費用がかかってきますので、業者に相談することをおすすめします。
水道管の凍結防止対策まとめ
近くの観測所での予測気温が凍結するほどの気温でなくても、ご自宅の条件は全く異なり、日陰や風などの悪い条件が重なると凍結を引き起こす場合があります。
雪国以外でも寒波が来るなどすると水道管は凍結してしまうものです。
一般的に、凍結防止ヒーターの保温開始温度は3〜5度ほどと言われています(各社異なります)。
天気予報や近くの観測地点の気温を参考にする場合、凍結対策を始めた方が良い外気温の目安になるでしょう。
また、寒い時期になると「水道凍結指数」というものが発表されているので、参考にしてみてもいいかもしれません(日本気象協会:水道凍結指数)。
ご自身で対策を行う場合の流れは以下の通りです。
- 凍結しやすい場所の特定
- 適切な凍結防止法の選定
- 対策に必要な道具の購入
- ご自身で施工
また、実際に凍結や破裂が起きてしまった場合は、
- 応急処置
- 管理会社や大家への問合せ
- 業者への修理依頼
の手順を踏みましょう。
水道管凍結に困ったら
ここまで見てきたように、水道管の凍結防止は、対策すべき箇所が多く、それぞれについて適切な処置が異なるため、なかなか自分で必要性や対策法を決めるのが難しいものです。
ご自身で実施することが難しそうだと感じたら、無料で見積もりをとってくれる水道業者に依頼しましょう。
寒い地域にお住まいで頻繁に凍結を繰り返しているような場合は、水抜き栓の設置もおすすめです。
また、凍結防止機能のついた給湯器への交換など、設備ごとに凍結防止対策は数多くあります。
水道管の凍結が起こると修理費用がかかるだけでなく、生活に必須の水が使えなくなってしまいます。
凍結、破裂させてしまう前に、専門家に相談しましょう!
私たち『クリーンライフ』では水道管の凍結等のトラブルも24時間365日ご相談可能です。
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水道管の凍結トラブルで何かお困りの際は、ぜひご相談ください。