「給湯器の水抜き」と聞くと難しそうに感じますが、実は手順さえわかればとても簡単な作業です。
給湯器の水抜きは、快適なバスタイムや凍結予防には欠かせないメンテナンスの一つでもあります。
そこで今回は、給湯器の水抜きについて、手順を分かりやすくまとめました。
簡単にできる方法や水抜きを行う頻度について解説していますので、この記事を参考にぜひお試しください
給湯器の水抜き方法
給湯器の水抜きは、手順通りに行えばそれほど難しくありません。
作業を安全に行うために、以下の道具を用意してください。
- ドライバー
- 軍手
手順を確認したうえで、安全に配慮して行いましょう。
ガス給湯器における水抜き
ガス給湯器の水抜きの手順は、次の通りです。
- 給湯器の電源を切る
- 給湯器の水栓元栓とガス栓を閉める
- 家中のお湯の蛇口をすべて開ける
- 給湯器の水抜栓を開ける
- 給湯器の電源プラグを抜く
ガス給湯器の水抜栓は、給湯器の下部に設置されているのが一般的です。
ただし、水抜栓の場所や水抜きの手順は給湯器のメーカーや機種によって異なるため、取扱説明書で確認してから作業しましょう。
水抜き後に給湯器を使う方法
水抜き後に給湯器を使うときは、以下の手順で作業してください。
- 家中の蛇口を閉める
- 給湯器の水抜栓を閉める
- 給水元栓を全開にし、蛇口を開けて水が出るか確認する
- 給湯器の電源プラグを差す
- 給湯器のガス栓を開け、電源を付ける
- お湯の蛇口を開けて、お湯が出ることを確認する
以上の方法で、水抜き後に給湯器を使えます。
基本的な操作は上記の通りですが、機種によって異なる場合があります。必ず取扱説明書を確認してから作業しましょう。
エコキュートにおける水抜き
エコキュートの水抜きは、基本的に以下の手順で行います。
- 漏電遮断器をオフにする
- 元栓を閉める
- 逃し弁・排水栓を開けて、排水する
- 排水栓を閉める
- 元栓を開けて水を出す
- 逃し弁を元に戻す
- 漏電遮断器をオンにする
- 蛇口からお湯と水が出るのを確認する
排水栓を開けると熱湯が出ることがあるので、火傷に注意して作業してください。
また、感電を防ぐために、漏電遮断器は濡れた手で触らないようにしましょう。
エコキュートはメーカーごとに水抜き方法が異なる場合があるため、取扱説明書やホームページで確認して作業してください。
水抜き以外の給湯器の凍結防止方法
給湯器の凍結防止には、水抜き以外の方法もあります。
- 蛇口の水を出しっぱなしにする
- 給湯器の凍結防止機能を作動させる
- 保温材を巻く
給湯器が凍結しやすいのは夜間ですので、気温が下がりそうな日は上記の方法を試してみましょう。
詳しい方法については、以下の記事を参考にしてください。凍結したときの対処法もあわせてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
給湯器の水抜きが必要な理由
給湯器の水抜きは、定期的に行うことが推奨されています。
ここでは、水抜きが必要な理由を3つお伝えします。
給湯器の凍結を防ぐため
給湯器の凍結を防ぐのに有効な方法が、水抜きです。
とくに、以下の場合は給湯器の水抜きをおすすめします。
- 長期間家を留守にするとき
- 気温が0度以下になるとき
給湯器に水が残っていると凍ってしまい、蛇口からお湯が出なくなってしまいます。
給湯器をしばらく使わないときや、気温が極端に下がるときは凍結しやすいので、水抜きで対策しておきましょう。
ガス給湯器・エコキュートが凍結しやすい気温、場所については、以下の記事も参考にしてください。
給湯器の寿命を延ばすため
給湯器の水抜きには、貯水タンク内の清掃の意味もあります。
水抜きを行わないと汚れが蓄積されていき、機器に悪影響を与える可能性があります。給湯器を安全に長く使うためにも必要な作業ですので、定期的に行うのがおすすめです。
給湯器の寿命は約10年といわれています。給湯器の交換時期の目安や故障のサインについては、以下の記事を参考にしてください。
お湯を清潔に使うため
水抜きしないと貯水タンクに汚れが溜まっていき、お湯に汚れが混じることがあります。
汚れが配管を通り、お風呂の浴槽にまで到達すると、浴槽に黒い汚れが浮いたり、お湯が白く濁ったりする原因にもなります。
お湯を清潔に使うためにも、水抜きは欠かせません。お湯に異変を感じたときは、水抜きすることをおすすめします。
給湯器の水抜きをする頻度とタイミング
給湯器の水抜きは、給湯器の使用頻度にもよりますが、年2~3回行うのが理想です。部品の点検やメンテナンス、水漏れなどの不具合のチェックとあわせて、定期的に行いましょう。
以下のような症状があるときも、水抜きが必要です。
- 凍結する可能性がある
- お湯に汚れが混ざっている
- 断水があった
断水があるときは、貯水タンクに汚れが入り込まないように、給水元栓を閉めておきます。
断水中にお湯の蛇口をひねってしまった場合は、貯水タンクに汚れが混じることがあるので、水抜きをして水を入れ替えましょう。
給湯器の水抜きをしないと起こるトラブル
給湯器の水抜きは、給湯器を安全に長く使うためには欠かせない作業です。
給湯器の水抜きを怠ると、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
凍結する可能性がある
気温が下がるときに給湯器の水抜きを行わないと、給湯器が凍結する可能性があります。
給湯器が凍結すると、お湯が使えなくなります。給湯器から蛇口までの配管まで凍結すると、水も使えなくなります。
給湯器と給湯器の配管が凍結すると、配管内の水が膨張し、配管が破損することもあるでしょう。
給湯器が破損するとお湯が使えないだけでなく、修理費用が高額になりやすいため、水抜きで凍結を防ぐことが大切です。
貯水タンク内に汚れが溜まる
水道水に含まれるミネラルやカルシウムが貯水タンク内に蓄積すると、汚れや水垢の原因になります。
貯水タンク内に汚れが蓄積すると、簡単に落とすことは難しくなります。
貯水タンクの汚れは悪臭や水質悪化につながる場合もあるため、定期的に水抜きを行うことが重要です。
お風呂のお湯が汚れる
貯水タンクの汚れは配管を通って、蛇口から流れます。お風呂やキッチンに到達すると、蛇口からゴミや黒い汚れ、白く濁ったお湯が出ることもあります。
水が汚れると、快適に水回りを使えなくなるうえに、不衛生です。
快適にお風呂やキッチンなどを使うためにも、定期的な水抜き作業とメンテナンスが必要になります。
給湯器が故障しやすくなり寿命が短くなる
貯水タンクが汚れていると、部品の劣化や配管・フィルターの目詰まりの原因になります。
フィルターが目詰まりすると、給湯器の効率の低下や故障につながることも考えられます。劣化や故障を繰り返すようになると、給湯器の寿命が短くなりやすく、注意が必要です。
給湯器が故障する原因は、貯水タンクの汚れだけではありません。以下のページで故障の原因と対処法をまとめていますので、ご覧ください。
水抜きをしても凍結したときの対処法
水抜きをして凍結対策をしていても、給湯器が凍結することがあります。
もし、給湯器が凍結してしまったら、以下の対処法をお試しください。
- 自然解凍を待つ
- 40℃くらいのぬるま湯を配管部分にかける
- 修理業者を呼ぶ
給湯器の凍結は、自然解凍を待つのが安全な方法です。日中に気温が上がれば、多くの場合は自然に溶けてお湯が出るようになります。
解凍を急ぐ場合には、配管部分にタオルを巻き、上から40℃程度のぬるま湯をかけて溶かす方法もあります。
しばらく待ってみても解凍できないときや、水漏れを確認したときは、修理業者を呼んで対応してもらいましょう。
給湯器の凍結については、以下の記事で対処法を解説しています。修理費用の相場もあわせて紹介していますので、ご確認ください。
給湯器の水抜きをしても故障・凍結したときは
給湯器の水抜き方法を紹介しました。
給湯器は定期的に水抜きなどのメンテナンスを行うことで、より長く安全に使用できます。凍結予防にも有効ですので、気温が下がると予想されるときには対策しておきましょう。
水抜きをしても給湯器が故障や凍結したときは、できるだけ早く修理をするのが望ましいでしょう。
『クリーンライフ』でも、給湯器の修理を行っています。給湯器の修理、交換は電話やWebで相談を受け付けていますので、お困りの際は気軽にご相談ください。