給湯器の凍結によってお湯が出なくなると、生活に支障をきたす恐れがあります。
症状が深刻な場合、修理・交換に多額の費用が生じるケースも少なくありません。突然の出費を避けたければ、事前の予防に努めましょう。
今回は、給湯器が凍結する原因や予防対策を紹介します。万が一、凍結してしまった際にお試しいただきたい対処法や注意点もお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
給湯器の凍結防止対策
給湯器の凍結を防ぐには、下記4つの方法が有効です。
- 水を流しっぱなしにする
- 給湯器の水抜きを行う
- 給湯器の凍結防止機能を活用する
- 断熱材(保温材)を巻く
給湯器の凍結修理は、高額な出費を伴うケースが多数。寒波の襲来に備え、事前の対策を心掛けるようにしてください。
以降、具体的な予防対策の仕方を解説していきます。
水を流しっぱなしにする
水を流しっぱなしにするのは、給湯器の凍結対策としてメジャーな方法です。
流動する水ならば、凍結することはありません。給水栓を開き、少量の水を流し続けてみてください。
以下には、具体的な作業手順をまとめました。
- リモコンの運転を切る(※電源プラグには触れない)
- 給湯器のガス栓を閉める
- 給水栓を開く
リモコンがない場合、給水栓の元栓も閉める必要があります。4mmほどの幅で水を流し、流水量は1分間で400ml程度がベストです。
水の代わりに、お湯を流しっぱなしにする手もあります。ガス代や電気代がかさむものの、より高い凍結防止効果に期待できるでしょう。
給湯器の水抜きを行う
以下に該当する場合、給湯器の水抜きするのがおすすめです。
- 給湯器を長期間使わない予定の場合
- 外気温が零下など極端に下がる場合
水抜きは、一般的に次の流れで行います。
- 給湯器の電源を切る(※電源プラグは抜かない)
- ガス栓と給水栓の元栓を閉める
- 蛇口を全開にする
- 水抜き栓を開き切って水を抜く
- 電源プラグを抜く
水抜き栓の設置箇所や形状は、住宅タイプによってさまざまです。
多くの戸建て住宅では、水回りの床などにフタがあります。その中に、水抜き栓のハンドルが設置されていることが多いです。
マンションなどの集合住宅にお住まいの方は、玄関ドア横の鉄製扉内をご確認ください。
再度給湯器を使用する方法
再び給湯器を使用する際は、以下のような方法で給湯器を元に戻す必要があります。
- 水抜き栓とすべての給湯の蛇口を閉める
- 給水栓の元栓を全開にする
- すべての蛇口から水が出ることを確認する
- ガスの元栓を開けて、電源プラグを差し直す
事前に給湯器の取り扱い説明書を一読し、適切な作業を実施しましょう。
給湯器の凍結防止機能を活用する
近年は、以下のような凍結防止機能を装備する給湯器がほとんどです。これらの機能を活用し、凍結対策を施すこともできます。
- 凍結防止ヒーター:給湯器内の給湯回路の配管を保温する機能
- 自動ポンプ運転:給湯器と、浴槽を循環させる追い焚き配管の凍結を防ぐ機能
後者の自動ポンプ運転とは、追い焚き機能があるふろ給湯器に装備されているものです。作動させるには、浴槽に残り湯を溜めておく必要があります。
残り湯は、外気の低下が見込まれる前の晩には用意しましょう。循環金具より、5cm以上は上になる量を溜めておくようにしてください。
断熱材(保温材)を巻く
給湯器の凍結予防対策として、配管周辺に断熱材(保温材)などを巻く方法も効果的です。
具体的な作業内容は、給水・給湯用の配管、両方に断熱材を巻くだけ。必要な道具は、ホームセンターなどですべて入手可能であり、比較的容易にお試しいただけるでしょう。
配管部分の凍結というのは、先ほど触れた凍結防止機能では対策し切れません。一方、断熱材を配管に巻き付けるこの方法であれば、直接的な凍結対策が施せるので大変便利です。
給湯器が凍結する原因
給湯器の凍結予防対策を講じるにあたり、押さえておきたいのが凍結してしまう原因です。主な原因には、下記3つが挙げられます。
- 気温が0℃以下である
- 給湯器を北側に設置している
- 給湯器を久々に使用する
それぞれが原因となり得る理由について、詳しく見ていきましょう。
気温が0℃以下である
当然ながら外気温が著しく低下すると、給湯器は凍結しやすくなります。
中でも、0℃を下回る日は要注意。水が氷になる目安の気温とされており、凍結する可能性が一層高まります。
たとえ0℃以上でも、冷え込む日は何かしら対策を講じておくと安心です。
給湯器を北側に設置している
給湯器は、住宅の裏側に設置されていることが多いです。設置箇所が北側の場合、昼間でも体感が夜間の気温と大差なく、凍結する恐れがあります。
強い北風が吹く日には、給湯器の設置箇所を問わず注意が必要です。冬場は天気予報などを確認し、翌日の気温に合わせて凍結対策を施しましょう。
給湯器を久々に使用する
給湯器を長期間使用せず、水の動きが止まっている間も凍結のリスクは高まりがちです。旅行などで家を長く空けることがあれば、気温の変化に応じた対策を講じましょう。
特におすすめなのが、給水・給湯栓内の水を抜く方法。給湯器によって作業方法が異なるため、取扱説明書を確認したうえで正しく水抜きしてください。
給湯器の凍結が起こりやすい箇所
以下には、給湯器の凍結トラブルが起こりやすい箇所をまとめました。
- 給水用の配管(水道菅)
- 給湯用の配管
- 追い焚き配管
- 給湯器本体と配管の接続部分
破損箇所によっては、修理・交換費用が高額になる恐れもあります。
本項では、給湯器の凍結トラブルが生じやすい箇所とあわせ、それぞれに適した予防方法を紹介。適切な対策を通じ、突然の被害や出費を防ぎましょう。
給水用の配管(水道管)
給水用の配管は、文字通り「水」の通り道。外気の影響で水温が低下すれば、冷えて凍結しやすくなります。
配管凍結には、以下の対策がおすすめです。
- 水を流しっぱなしにする
- 断熱材(保温材)を巻く
断熱材や保温材の巻き付け作業は、自力でも十分行えます。不安を感じるようなら業者などに依頼し、適切な対策を実施してもらうと安心です。
給湯用の配管
給湯用の配管も、凍結する恐れがある箇所の一つ。内部を流れるのが「お湯」であるため、給水用に比べれば、凍結するリスクは低いといえます。
気温が著しく下がる日は、給水用の配管同様に対策を講じるといいでしょう。
追い焚き配管
追い焚き配管とは、給湯用の配管と同じお湯の通り道です。
比較的凍結する頻度は低いですが、外気に触れて冷えてしまう可能性は大いにあり得ます。むき出しになっている箇所には、断熱材や保温材を巻き付けることで、凍結対策を施しましょう。
給湯器本体と配管の接続部分
内部にヒーター機能が装備されているとはいえ、給湯器本体と配管の接続部分は金属製。外気の低下と同時に、凍結する可能性が高いです。
接続部分がむき出しの際は、給湯器内の水と外気の温度差による結露によって、凍結する場合もあります。
このような配管凍結の予防には、配管同様に断熱材を使った方法が有効です。
給湯器が凍結した際の対処法
すでに凍結してしまった給湯器は、下記どちらかの方法で解凍しましょう。
- 自然に解凍されるまで待つ
- ぬるま湯をかける
前者の方が一般的であるものの、緊急時などは後者が役立つ可能性も高いです。
引き続き、具体的な対処法をお伝えします。
自然に解凍されるまで待つ
自然解凍を待つのは、最も安全な対処法です。
給湯器が凍結するトラブルの多くは、夜間に発生。昼間の気温上昇にあわせ、自然と解消されます。
以下は、作業手順の詳細です。
- 給湯器のリモコンの電源を切る(※本体の電源は切らない)
- 自然解凍されるまで待つ
- 水漏れしていないか確認する
リモコンは水回り周辺に設置されていますが、なければガスの元栓を閉めましょう。
解凍するまでの待ち時間は、お住まいの環境によって異なります。日中、給湯栓を開けて問題なく水が出るようになれば、凍結状態が解消されたサインです。
ポタポタと少量の水が漏れ出ている際は、配管破裂の可能性が疑われます。なるべく早く、水道修理業者に連絡しましょう。
ぬるま湯をかける
急ぎで給湯器を解凍する必要があれば、応急処置としてぬるま湯を使う方法があります。作業の手順は、以下の通りです。
- 給湯器のリモコンの電源を切る(※本体の電源は切らない)
- 給湯栓を少しだけ開く
- 給湯器の配管部分にタオルを巻き付ける
- 上から30~40℃のぬるま湯をかける
- 蛇口から水が出ることを確認する
電気コードやコンセント、プラグにお湯をかけないように注意してください。
また、必ずぬるま湯を使い、熱湯の使用は避けましょう。急激な温度変化は、配管破裂を招きかねないためです。
作業後は水気をしっかり取り、再凍結のリスクを抑えてください。
凍結した給湯器を修理依頼する際の料金相場
給湯器の凍結状態は、自然解凍で解消されるケースが多いです。一方で、凍結によって配管もしくは給湯器本体が破損した場合には、修理・交換をする必要があります。
以下は、修理・交換時の主な依頼先候補です。
- リフォーム会社
- ガス・電力会社
- 水道修理業者
- 給湯器のメーカー
本項では、上記のような業者に依頼した際、およそいくらの出費が生じるかを見ていきましょう。
配管が破損した場合
給水・給湯配管が凍結し、修理を依頼を要する際の症状別の料金相場をまとめました。
給水配管の破損修理 | 8,000円~60,000円 |
給湯配管の破損修理 | 8,000円~60,000円 |
破裂した配管の修理 | 35,000円~60,000円 |
配管破損時は、比較的安価で済むケースが多数。費用としては8,000円~が相場となっています。
症状が深刻で破裂してしまった場合は、最低でも35,000円~の出費となることを覚悟しておきましょう。
実際にかかる金額は、給湯器の種類や設置環境によって変動します。相場の幅がかなり大きいので、詳細は依頼先に確認してみてください。
電子基盤が破損した場合
凍結によって漏電した場合、給湯器内の電子基盤が故障する危険もあります。
電子基盤のような複雑な箇所は、修理に多額の出費を要しがち。平均的に、5~10万円程度を見積もっておきましょう。
あまりに高額であれば、給湯器本体を新しいものに交換した方が良いケースもあります。
給湯器本体の交換が必要な場合
給湯器の耐用年数は、約8~10年。給湯器本体が寿命を迎えている場合、交換費用は10~25万円程度を見込んでおきましょう。
金額に幅があるのは、希望するモデルの機能や性能によって販売価格が異なるためです。
かなり高額ではあるものの、場合によっては思い切って交換した方が賢明かもしれません。そのまま使い続けてしまうと、凍結以外の原因によって故障し、結果的により多額の出費を伴う恐れもあります。
金額面で不安を感じる方は、依頼先に見積もりを頼む工程から始めてみてください。
給湯器が凍結して困ったときは
給湯器が凍結した際の対処法は、基本的に自然解凍でOKです。早々の復旧を目指したければ、落ち着いて適切な対処を施すようにしてください。
給湯器の破損状況が酷ければ、修理・交換が必要になることもあります。自力で対処できない方は無理をせず、業者を利用しましょう。
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