排水管から音がする原因を、ボコボコ・ブーン・ガタガタといった音の種類別にお伝えします。
音がする原因によっては、自分で対処可能です。排水管の音を自分で対処する方法も、音別に分かりやすく紹介します。
また、排水管から今後音がしないように、後半では音を防ぐ方法も解説しています。簡単な方法ばかりですので、最後までぜひご覧ください。
排水管から音がする原因
排水管から聞こえる音によって、原因が異なります。音がする原因とあわせて、自分で対処できるかを音別にまとめました。
聞こえる音 | 異音の原因 | 自分で対処OKか |
---|---|---|
ボコボコ・ゴボゴボ | ・つまり ・誘導サイホン作用 ・大雨 |
◯ |
ブーン・キーン | ・蛇口のパッキンの劣化 | ◯ |
ガタガタ | ・部品の緩み ・コマパッキンの劣化 |
◯ |
ガンッ・ドンッ | ・ウォーターハンマー現象 | ◯ |
カンカン・トントン・コンコン | ・お湯による熱膨張 | △(業者に点検を依頼) |
シュー | ・地震や凍結などで亀裂 | ✕ |
以下で、音ごとに原因と対処法を解説します。
ボコボコ・ゴボゴボと音がする原因
排水管から「ボコボコ」「ゴボゴボ」と音がする原因は、以下が考えられます。
- 何かが詰まっている
- 誘導サイホン作用が起きている
- 大雨で下水の処理が追いつかない
特に多い原因は、排水管のつまりです。汚れや固形物などが詰まっていると、水がうまく通らずにボコボコ・ゴボゴボと聞こえます。
誘導サイホン作用とは、排水管内に溜まっている水や空気を吸い込む現象です。排水管が縦につながっている集合住宅において、他の階で水を大量に流したときに生じやすい現象といえます。
また、低い土地にある排水管では、大雨で下水の処理に時間がかかり、下水管内の空気が排水管に入り込み、ボコボコ・ゴボゴボと音がする場合もあります。
ボコボコ・ゴボゴボと音がする際の対処法
大雨が降ってボコボコ・ゴボゴボと音がするのであれば、雨がやむと音が消えるか様子を見てみましょう。
集合住宅で起きやすい誘導サイホン作用も、他の階で水を使用したときだけ音がしている可能性があります。一時的に音がするなら大きな問題はないですが、何度も音がする場合は管理会社に相談しましょう。
ボコボコ・ゴボゴボと音がし、つまりが原因のときはご自身で対処が可能で、以下5つの対処法が有効です。
具体的なやり方は、以下で解説します。
お湯を排水口に注ぐ
50〜60℃のお湯を排水管へ流し込み、詰まった油汚れを除去する方法です。油汚れが排水管に詰まって音がしているなら、お湯を流した後にボコボコ音が解消されるでしょう。
キッチンの排水管つまりには、ビニール袋やタオルを使った以下の方法もおすすめです。
- 排水口のフタやゴミ受けなどを取り外す
- ビニール袋またはタオルを排水口に詰め込み、端をシンクの外に出す
※端は持ち手として使う - お湯をシンクの8分目ほど溜める
- ビニール袋またはタオルを一気に引き抜く
キッチンの排水管には油汚れが溜まりやすく、水よりもお湯が効果的です。
液体パイプクリーナーを利用する
髪の毛や石けんカスで排水管が詰まっているときは、液体パイプクリーナーを利用しましょう。
場所別におすすめの液体パイプクリーナーは、以下のとおりです。
キッチン | ドメスト |
---|---|
お風呂 | サニボン泡パワー |
洗面台・洗濯機 | パイプユニッシュPRO |
いずれもドラッグストアやネットショップなどで、300円前後で販売されています。
【液体パイプクリーナーの使い方】
- 液体パイプクリーナーを排水口に適量注ぐ
- 定められた時間だけ、そのまま放置する
- 水を排水口に流す
使用量や放置する時間は、液体パイプクリーナーのラベルに記載された指示に従ってください。
ラバーカップ(すっぽん)を利用する
ラバーカップ(すっぽん)はプランジャーとも呼ばれ、ホームセンター、100円ショップやドラッグストアなどで販売されています。タイプによって値段に幅があり、相場は100〜1,000円前後です。
お風呂やキッチンでラバーカップを使う際は、和式トイレ用を選びましょう。トイレは和式用や洋式用など、選ぶものを間違えないように注意してください。
【ラバーカップの使い方】
- ゴム部分が浸かるように、水を溜める
- 排水口にラバーカップを押し付ける
- ラバーカップを勢いよく引き上げる
- 水を排水口に流し、つまりが解消したか確認する
ラバーカップを引き上げた際、固形物や汚れが出てきたら取り除きましょう。
ワイヤーブラシを利用する
ワイヤーブラシは、ワイヤーが曲がって排水管の奥を掃除しやすく、先端に付いたブラシで汚れをこすり落とせる道具です。
ただし、蛇腹ホースの排水管でワイヤーブラシを使うと、穴があく恐れがあるため、使用はおすすめしません。
ワイヤーブラシは、100円〜2,000円ほどで購入できます。100円ショップのものは耐久性が低いため、ホームセンターで販売されているものがおすすめです。
【ワイヤーブラシの使い方】
- ワイヤーブラシを排水管に差し込む
- ワイヤーブラシが奥に進まなくなったら、上下左右に動かし、汚れをこする
- 汚れを除去し、ワイヤーが貫通したら、排水管から抜き出す
- 水を排水口に流し、つまりが解消したか確認する
ワイヤーが貫通しないときは重度のつまりの可能性が高いため、作業を中止し、業者に相談しましょう。
排水桝を掃除する
外にある排水桝(汚水桝)が詰まっているために、排水管へ汚水が逆流し、詰まっているケースもあります。
これまで紹介した方法で排水管のつまりが解消されないときは、排水桝を確認しましょう。排水桝は屋外にあり、フタに「汚水」「おすい」など書かれています。
【排水桝の掃除方法】
- 排水桝の周りを、新聞紙やゴミ袋などで養生する
- 排水桝のフタを開ける
※手で開かないときは、マイナスドライバーをフタにひっかけて開ける - ひしゃくなどで、排水桝の中に溜まった汚れを取り除く
- エルボ(L字型の部品)を外す
- スコップなどで、底に沈んでいる汚れを取り除く
- 排水管をホースなどで洗う
- エルボを元に戻す
つまりや悪臭が酷く掃除が難しいときは、水道修理業者に依頼しましょう。
ブーン・キーンと音がする原因
排水管から「ブーン」「キーン」と音がするケースは、蛇口のパッキンの劣化が主な原因です。
パッキンは、蛇口の金属部品のすき間を埋める役割があり、ゴムで作られています。蛇口を長期間使うとパッキンが経年劣化し、蛇口の金属部分がこすれ、ブーン・キーンといった異音がします。
パッキンの劣化で音がしている場合、そのまま放置すると水漏れする恐れがあり、注意が必要です。
ブーン・キーンと音がする際の対処法
ブーン・キーンと音がするときは、蛇口内の劣化しているパッキンを交換しましょう。
蛇口で使われているパッキンは、主に以下の5つです。
パッキン名 | 形状 | 使われている場所 |
---|---|---|
平パッキン | 硬貨に穴があいたような形状 | 給水管との接続部分 |
Oリング | 円形 | シャワーヘッドの根元 |
三角パッキン | 断面が三角形 | 蛇口ハンドルの下部 |
Uパッキン | 溝があり、断面がU字型 | 吐水口の根元 |
コマパッキン | コマのような形状 | 蛇口ハンドルの下部 |
【蛇口のパッキンの交換方法】
- 止水栓を時計回りで閉める
- 蛇口のハンドル(レバー)を外す
- カートリッジやスパウト、ナットなどを外す
- 古いパッキンを外し、新しいパッキンを取り付ける
- 外したナットなどを元に戻す
- 止水栓・蛇口を開け、正常か確認する
コマパッキンの交換方法は、後述します。
ガタガタと音がする原因
排水管からガタガタと音がするのは、部品が緩んでいるためです。
水圧の影響を受け、部品が緩んでいるケースは多々あります。付属しているボルトやナットが緩んでいないか、排水管を確認してみましょう。
また、蛇口のコマパッキンが劣化し、金属部分がこすれるために、ガタガタと音がするケースもあります。
ガタガタと音がする際の対処法
排水管からガタガタと音がする際の対処法は、次の2つです。
それぞれのやり方を、以下で分かりやすく紹介します。
ナットやボルトを締め直す
排水管に付いているボルトやナットが緩んでいるときは、締め直すだけでガタガタ音がなくなるでしょう。モンキーレンチやスパナなどを使用し、締め直してみてください。
ただし、強く閉めるとボルトやナットが破損し、水漏れを招く恐れがあります。締め直した後は水を少しずつ流し、問題なく排水されるか、水漏れしていないか確認しましょう。
コマパッキンを交換する
ガタガタ音の原因がコマパッキンの劣化の場合は、コマパッキンを交換する必要があります。
使用している蛇口のメーカーや品番を確認し、適したコマパッキンを購入しましょう。どれが適切か分からないときは、外したパッキンをホームセンターに持って行き、実物と確認するか、店員に聞いてみてください。
【コマパッキンの交換方法】
- 止水栓を時計回りで閉める
- 蛇口ハンドル下のネジを外し、ハンドルを取り外す
- 三角パッキンやスピンドルなどを取り外す
- 古いコマパッキンを外し、新しいものに交換する
- ハンドル・止水栓を元に戻す
コマパッキンを交換した後は水を流し、水漏れしないかチェックしましょう。
ガンッ・ドンッと音がする原因
蛇口を閉め、「ガンッ」「ドンッ」という衝撃音が排水管から聞こえるときは、ウォーターハンマー現象が原因といえます。
ウォーターハンマー現象は、排水管内の圧力が急激に変化すると生じる現象です。蛇口を急に締めるとウォーターハンマー現象が起こりやすく、排水管内で水がぶつかり、音がします。
ウォーターハンマー現象が特に起こりやすい場所は、以下の3つです。
- レバー式の蛇口
- 全自動洗濯機
- 食器洗浄機
いずれも急に水が止まりやすく、圧力が変動しやすい場所です。
ガンッ・ドンッと音がする際の対処法
ウォーターハンマー現象が起きないために、まずは蛇口をゆっくり締めることが重要です。蛇口のハンドルやレバーをゆっくり締めると、水圧の変化を抑えれられます。
蛇口をゆっくり閉めてもガンッ・ドンッと音がする場合は、水撃防止器の設置を検討してみてください。水撃防止器はホームセンターやネットショップで購入でき、相場は5,000円〜2万円ほどです。
【ハンドルタイプの水撃防止器の設置方法】
- 止水栓を時計回りで閉める
- 蛇口のハンドルを外す
- 水撃防止器を設置する
- 音がしないか確認する
水撃防止器には連結タイプもありますが、設置の際に蛇口を外さなければなりません。難易度が低いハンドルタイプがおすすめです。
カンカン・トントン・コンコンと音がする原因
排水管から「カンカン」「トントン」「コンコン」と音がするケースは、原因として熱膨張が挙げられます。
排水管に流すのは、主に水です。排水管に熱いお湯が流れると、管内の温度が急に高くなります。温度が急上昇すると、排水管内の空気が膨張し、排水管を押し広げようとする熱膨張が起こります。
カンカン・トントン・コンコンと音がする際の対処法
排水口からお湯を流したときにカンカン・トントン・コンコンと音がする場合は、お湯を流さないことがポイントです。
「排水管の油汚れを取りたい」といった理由でお湯を流したい場合は、60℃までに留めましょう。
なお、排水管からカンカン・トントン・コンコンと音がする場合は、熱によって排水管がゆがんでいる可能性もあります。
排水管のゆがみで水漏れを招く恐れもあるため、業者に点検を依頼しましょう。
シューと音がする原因
排水管から「シュー」と聞こえる場合は、亀裂が入っている恐れがあります。
亀裂が入る原因は、以下のとおりです。
- 地震
- 凍結
- 経年劣化
排水管は、およそ10〜15年で寿命を迎えます。使い始めて15年以上が経っている排水管は、経年劣化が原因で破損する可能性があり、注意が必要です。
排水管で水漏れしているかどうかは、水道メーターで確認・判断できます。
【水漏れの確認方法】
- すべての蛇口を締める
- 水道メーターのパイロットが動いているか確認する
もしパイロットが動いていれば、どこかで水漏れが起きています。
シューと音がする際の対処法
排水管からシューと音が聞こえる際は、排水管のどこかに亀裂が入っている可能性があります。
亀裂・破損している排水管は交換が必要なため、水道修理業者に依頼しましょう。
排水管の交換は難しく、指定給水装置工事事業者のみが対応を許可されているケースもあります。DIYでの排水管修理は違法行為にあたる恐れもあるため、業者に相談するのが賢明です。
排水管から音がするときの解消費用
排水管から異音がし、業者に修理を依頼するときの相場を以下にまとめました。
排水管のつまり除去 | 8,000円〜2.5万円 |
---|---|
排水管の交換 | ・1m以内:2万円〜 ・全体:20万円〜 |
水撃防止器の設置 | 1.5万円〜3万円 |
つまりの症状が軽いほど修理費用は安く、重度になるほど高額になるのが一般的です。また、排水管の交換は長さや場所により、費用が変動します。
どの音であっても、いきなり修理を依頼するのではなく、必ず見積もりを確認してから依頼しましょう。
排水管から音がするのを防ぐ簡単な方法
排水管から音がするのを防ぐ方法は、以下の3つがあります。
- 熱湯を流さない
- 排水管に汚れを溜めない
- 止水栓を回して水量を減らす
熱湯を排水管に流すと、熱膨張でカンカン・トントン・コンコンという音が聞こえる場合があります。
また、熱湯で排水管が破損し、シューと音が聞こえたり、水漏れしたりする可能性もあるため、流さないでください。熱湯は、排水管の劣化を早める恐れもあります。
排水口にゴミ受けネットを設置し、週1〜2回は掃除して、排水管に汚れが流れないように防ぐことも大切です。
ウォーターハンマー現象による異音を防ぐため、止水栓を回し、水量を減らす方法もあります。
音がする排水管をすぐに直したいときは『クリーンライフ』へ
排水管から聞こえる音によって、原因も対処法も異なります。
原因が思い当たらないときや、対処しても音が止まらないときは、業者に相談するのがおすすめです。業者なら音の原因を突き止め、難しい修理もスピーディーに進めてくれます。
『クリーンライフ』では、排水管トラブルのご相談を年中無休で24時間承っています。最短30分で駆けつけますので、「すぐに音を止めたい!」とお急ぎの方もぜひご相談ください。