排水管の油つまりを解消する方法や、注意点を解説します。
油による汚れは少しずつ蓄積して、排水管のつまりが生じます。油つまりというとキッチンの排水口を思い浮かべますが、排水管は繋がっており、トイレや浴室のつまりの原因にもなるので注意が必要です。
あわせて、業者に依頼した際の料金相場や、油つまりが起きないための予防法も解説するので、参考にしてください。
排水管の油つまりを解消する方法
排水管の油つまりを解消する、以下の方法を解説します。
- お湯を流す
- 液体パイプクリーナーを流す
- ラバーカップを使う
- 真空式パイプクリーナーを使う
- シンク下の排水パイプを分解して掃除する
下の方法ほど難易度が高いため、まずはお湯を流す方法から試してみましょう。
トイレ用のラバーカップしかなく、「キッチンなどで使うのはちょっと…」という方のために、ラバーカップの代用品としてペットボトルを使用する方法も紹介するので、参考にしてください。
タオルとお湯を使う
特別な道具が家になくても、タオルとお湯を用意すれば、油つまり解消に使えます。お湯の温度と水圧を利用して、解消する方法です。
キッチンの排水管を例にして、解消方法を説明します。
【タオルとお湯を使った油つまり解消方法】
- 排水口のフタ・目皿・ゴミ受け・排水トラップを取り外す
- タオルを排水口に詰め込んで、水が流れないようにする
- シンクに50℃程度のお湯をためる
- タオルを勢いよく抜き取る
- つまりが解消したか確認する
タオルを詰めるときは後で引き抜きやすいように、タオルの端っこを排水口から出してシンクのフチに置いておきましょう。
お湯の温度は50℃前後、熱くても60℃を超えないようにしましょう。熱湯を絶対に使わないでください。塩ビ製パイプが変形する可能性があるためです。
トイレの排水管が詰まってお湯を流す際は、以下の記事が参考になります。
液体パイプクリーナーを流す
排水管の油つまりにおすすめの液体パイプクリーナーは、水酸化ナトリウムが主成分のタイプです。以下の点を確認して、購入しましょう。
- 成分配合の割合が高い
- 粘度の高い
粘度が高い、どろっとしたタイプなら、排水管の壁に粘着して汚れを分解しやすくなります。
【液体パイプクリーナーを使った油つまり解消方法】
- 排水口のフタ・目皿・ゴミ受け・排水トラップを取り外す
- 排水管に50℃前後のお湯を流して、汚れが取れやすい状態にする
- 液体パイプクリーナーを注ぐ
- 説明書に書かれている時間どおりに放置する
- 水を流し、つまりが解消できたか確認する
放置時間を長くしすぎると、剥がれたつまりが流れて、さらに奥深くでつまりが生じる可能性があります。放置する時間は、指定された時間を守りましょう。
ラバーカップを使う
トイレつまりによく利用されるラバーカップ(スッポン)は、油つまりにも有用です。キッチン用やトイレ用、洗面所用と箇所専用のラバーカップが販売されています。排水口の大きさに合わせて選びましょう。
ラバーカップは排水管内を真空状にして、油汚れなどこびりついたつまりの原因を移動することで、つまりを除去する道具です。
【ラバーカップを使った油つまり解消方法】
- 排水口の部品を取り外して、排水管が見えるようにする
- 排水口にラバーカップのワン部分をしっかり押し付ける
- ラバーカップのワン部分が浸かる程度に水を調整する
- ラバーカップをゆっくり押して、一気に引っ張る
- 4を数回繰り返す
- 排水管の内部でゴボッと音がしたら、水を流してみる
- つまりが解消されていたら、排水口の部品を元に戻す
換気をよくして、作業しましょう。
ラバーカップ(すっぽん)の使用方法は、以下でより詳しく紹介しているので、参考にご覧ください。
ラバーカップの代わりにペットボトルを使う
ラバーカップがない場合は、ペットボトルで代用できます。1.5~2Lサイズのペットボトルが、排水口の大きさに合い、効果が期待できます。
【ペットボトルを使った油つまり解消方法】
- 部品を取り除いた排水口にペットボトルを差し込む
- ペットボトルを両手で押して、ペットボトル内の空気を排水口に送り込む
- 2を数回繰り返す
水を流してみて、解消されていたら終了です。
真空式パイプクリーナーを使う
真空式パイプクリーナーは、ラバーカップより強い圧力をかけられるつまり解消アイテムです。先端に接続されている部品が交換可能なので、水回り箇所によって交換できます。
2,000円〜3,000円程度でホームセンターや通販サイトで購入可能です。
【真空式パイプクリーナーによる油つまり解消方法】
- 排水口の部品を取り除いて、排水管が見える状態にする
- ワン部分で排水口を覆う
- ハンドルを徐々に押して、水圧をかける
- 一気にハンドルを引き上げる
- 3と4を繰り返す
- 排水管の奥でゴボッと音がしたら水を流し、水が流れたら終了
3回程度繰り返しても変化がなければ、他の方法を試してください。
真空式パイプクリーナーの使い方は、以下でより詳しくお伝えしています。
シンク下の排水パイプを分解して掃除する
キッチンの排水管が分解できるタイプなら、分解して直接汚れをこすり洗いすれば、油つまりを解消できる可能性があります。ただし、失敗すると水漏れの原因になるので、慎重に行ってください。
以下のものを用意します。洗剤は、食器用洗剤で十分です。
- バケツ
- ゴム手袋
- 古い歯ブラシ
- 食器洗い用の中性洗剤
- 雑巾数枚
- 養生用のビニールシート・タオルなど
作業時に水が飛び散る場合があるので、ビニールシートやタオルで養生しておくと安心です。また、油が手に付くのを防ぐために、ゴム手袋を装着しましょう。
【排水パイプを分解して掃除する方法】
- 床に近い部分から順番に、接続部のナットを反時計回りに回して外す
- 分解したパーツをバケツに順に入れる
- パーツを古い歯ブラシなどで軽くこすり洗いする
- 洗剤と水を注ぎ入れ、1時間程度つけ置きする
- 再度、ブラシでこすり洗いする
- きれいになったパーツを組み立てる
水漏れが起きないように、ナットをきっちりと固定させます。組み立ての順序を間違えないように、分解する際に覚えておきましょう。
水漏れにならないか不安な方は、水道修理業者への依頼がおすすめです。
以下の記事に、排水管のつまり解消法を詳しく記載しています。紹介した方法以外も紹介しているので、参考にしてください。
排水管に油を流すとつまる原因
油は液体なので、つまりの原因になると考えない方もいらっしゃいます。しかし、以下の理由から油はつまりの原因になりやすいことがわかります。
油は水より軽いため排水管にとどまる
油は水より軽いので水だけでは油は押し流せずに、排水管にとどまります。そのため、少しずつ油が蓄積していき、つまりの原因になるのです。
油は冷たくなると固まる
油は温度が低くなると固まります。
特に注意したいのは、動物性の油です。バターは10〜20℃、ステーキを焼くときの牛脂などは40℃ほどで固まります。固まった動物性油脂は、排水管の壁に付着して、つまりの原因になります。
植物性油脂は液体状ですが、水で流されないので排水管にとどまります。冷たくなると動物性油脂ほどではないにせよ、他の汚れを取り込んでドロドロした状態になるので注意が必要です。
排水管の油つまり解消で注意したいこと
排水管の油つまり解消をご自分でする際に、気をつけることを解説します。
ワイヤーブラシなどで塩ビ製の排水管を傷つけない
今回は、ワイヤーブラシを使った解消方法を紹介しませんでした。油つまりが起きやすいキッチンでは、塩ビ製の排水パイプが設置されていることが多いためです。
それでもつまりが重度ですと、ワイヤーブラシなどを使ってつまりをこそげ落としたいと思う方も多いでしょう。排水管を分解するより簡単だと感じるのも、一つの理由です。
しかし、ワイヤーブラシなどを排水口から挿入し、排水管を掃除すると、誤って排水管を傷つけてしまうことがあります。下手をすると穴を開けてしまうことも。
万が一ワイヤーブラシを使う場合は、力を入れすぎて排水管を傷つけないようにしてください。
油が原因のつまりはキッチンだけとは限らない
油つまりは、基本的にはキッチンで起こります。しかし、排水管は繋がっているので、キッチンの油つまりが他の箇所にも影響を与える可能性が高いです。
また、各水回りには排水を一時的に溜める汚水桝(排水桝)が設置されています。各汚水桝は排水管で繋がっているので、キッチンの汚水桝に油つまりが生じると、隣接する汚水桝にも影響が出るかもしれません。
油が排水管に蓄積していることが原因のつまりは、排水管の洗浄が必要です。排水管の清掃方法は、以下の記事を参考にしてください。
頑固な排水管の油つまりは業者に依頼する
ご紹介した解消法は、軽微なつまりなら解消できますが、頑固な油つまりは解消できないことがあります。排水管の分解も、難しそうと感じたら無理せずに、業者に依頼した方が安心です。
業者に依頼した場合の料金相場
業者に油つまりの解消を依頼した際の料金相場をお伝えします。
作業内容 | 料金目安 |
軽度の排水管つまり解消 | 5,000円〜8,000円 |
中度の排水管つまり解消 | 15,000円〜25,000円 |
高度の排水管つまり解消 | 30,000円〜60,000円 |
薬剤使用によるつまり解消 | 6,000円〜 |
トーラー作業 | 10,000円~35,000円 |
高圧洗浄 | 28,000円~60,000円 |
排水パイプ(塩ビ製)交換 | 6,000円〜10,000円 |
頑固な油つまりは、高圧洗浄で解消することが多い傾向です。高圧洗浄について、以下の記事が参考になります。
作業料金以外の料金相場
つまり解消の作業料金に加えて、業者ごとに基本料金などの定額が加算されます。作業に関係なく加算されるので、公式サイトや問い合わせ時で確認可能です。
項目 | 料金目安 |
基本料金 | 3,000円~5,000円 |
見積もり | 0円〜 |
出張費 | 0円~5,000円 |
夜間・休日の割増料金 | 0円~8,000円 |
契約後のキャンセル料金 | 見積もりの0〜100% ※キャンセルする時期によって変動 |
出張による現地での見積もりは、無料で行うことがほとんどです。しかし、業者によっては、点検時間が長引くと有料になる場合もあるので、どこまで無料なのか確認しておくと安心です。
業者の選び方
水道修理業者に依頼する際は、慎重に業者を選びましょう。ポストに入ってくるチラシを見て安易に選んだために、トラブルになるケースが少なくありません。
以下のポイントを押さえて、信頼できそうな業者を3社以上ピックアップして、相見積もりを依頼してください。
- 公式サイトに会社の情報が記載されている
- 水道局指定工事店に指定されている
- 見積もりが無料ですぐに対応してくれる
- 口コミで高く評価されている
- 電話で問い合わせた際、質問に丁寧に答えてくれる
相見積もりをすると、本当に必要な作業がわかり、高額請求する業者を見分けられます。
業者選びに不安のある方は、以下の記事も参考にしてください。
排水管の油つまりを予防する簡単な方法
油つまりが起きないように、日頃から気をつけましょう。つまりが起きないようにする方が、つまりが起きて解消するよりずっと簡単です。
排水管の簡単な油つまり予防方法は、以下の3つです。
- 排水口に油を流さない
- 定期的に液体パイプクリーナーを使う
- 排水口にアルミボールを設置する
それでは、一つずつ説明していきます。
排水口に油を流さない
排水口に使用済みの油を流さないことがもっとも重要です。それだけではなく、食器やフライパンを洗う際に気をつけないと、油分が排水管に流れ込んでしまいます。
食器やフライパンに油がついていたら、キッチンペーパー等で拭き取ってからシンクに入れてください。それだけで、排水口に流れ込む油の量が少なくなります。
定期的に液体パイプクリーナーを使う
液体パイプクリーナーは、頑固なつまりにはあまり効果が見られません。しかし、定期的に液体パイプクリーナを使うことで、排水管の油つまりを予防できます。
例えば、パイプユニッシュの公式サイトでは、つまり予防のために2週間に1度使うことを推奨しています。
2週間に1度だと忘れがちという方には、頻繁に50℃程度のお湯を流すのもおすすめです。油料理のときは、フライパンやお皿をお湯で洗うようにしてもよいでしょう。
排水口にアルミボールを設置する
お手入れを毎日するのが大変なら、排水口のゴミ受けにアルミボールを3個程度入れておくと、排水管に汚れが蓄積しにくくなります。
アルミは水をかけると、金属イオンが発生します。金属イオンには抗菌効果があるため、ヌメリなど雑菌の発生を抑えます。
アルミボールは、アルミホイルをくしゃくしゃにして、直径2〜3cmの球形にしたものです。あまり小さいと、排水口に入り込んでしまう可能性があります。排水口に入るとつまりの原因になるので、注意してください。
排水管の油つまりでお困りなら
排水管の油つまりの解消法や、注意点をご紹介しました。ご紹介した方法を試しても、排水管のつまりを解消できない場合は、水道修理業者への依頼がおすすめです。
業者選びにお困りなら、私たち『クリーンライフ』にご相談ください。
全国300以上の自治体で水道局指定工事店に指定されている、技術力の高い業者です。年中無休で24時間受け付けているので、お気軽にご相談ください。電話のほか、LINEやメールの利用が可能です。