洗面台の排水管を自分で交換する方法や、注意点を解説します。
洗面台の排水管は、他の水回りよりも難易度が高いので、自分でできるかどうかを見極めることが重要です。洗面台の排水管を自分で交換できるケース、業者に頼むケースをお伝えするので、参考にしてみてください。
交換が簡単なタイプの排水管なら、DIYに慣れている方には簡単な作業です。排水管の交換に必要な道具や、新しい排水管の購入方法も説明します。
洗面台の排水管を自分で交換できるケース
洗面台の排水管の劣化で交換が必要な場合、自分で交換できれば費用を抑えられます。以下のような場合は、自力で交換できる場合がほとんどです。
- 排水栓がゴム栓の場合
- 排水トラップのみを交換する場合
特に、樹脂製の排水トラップのみの交換なら、特別な道具が不要なので自力で交換できるでしょう。
排水管の交換の理由が水漏れなら、以下の記事を参考に、まずは修理をしてください。パッキン交換やナットの締め直しで、トラブルが解決できるかもしれません。
洗面台の排水管を業者に頼むケース
以下のようなケースは、自力での排水管交換より水道修理業者への依頼がおすすめです。
- 自分で排水管を交換する自信がない
- 時間がない
- 排水管と排水口の境目から水漏れしている
- 古いタイプの洗面所の排水管で、交換できる排水管を見つけられない
- 適合する排水管が廃盤になっているため、蛇口の交換もする必要がある
蛇口のそばに設置された棒の操作で排水口を開閉するタイプは、次の2種類です。
- ポップアップ式
- ワンプッシュ式
上記のタイプは排水口と蛇口が連動しており、排水口を含む排水管の交換は自力では難しいので、業者への依頼がおすすめです。
洗面台の排水管の交換を自分でする方法
洗面台の新しい排水管と必要な道具をそろえたら、以下の手順で排水管を交換します。
- 止水栓を閉める
- 排水トラップを外す
- 排水プレートを外す
- 新しい排水トラップと排水管を設置する
- 水を流してみる
新しい排水管を購入する方法や、設置方法をプロセスごとにわかりやすく説明します。
排水管と道具を用意する
以下が、洗面台の排水管の交換に必要なもののリストです。
【用意するもの】
- ウォーターポンプフライヤー
- プラスドライバー
- 軍手
- 雑巾
- 洗面器(バケツ)
- 新しい排水管
ウォーターポンプフライヤーの代わりに、スライドレンチやプライヤーレンチの利用も可能です。樹脂製の排水管・排水トラップなら、手だけでナットを回せるため、ウォーターポンプフライヤーは不要です。
ウォーターポンプフライヤーは、カインズなどのホームセンターや通販サイトで700円〜1,500円で購入できます。また、ダイソーなど百均のお店でも、300円前後で販売しています。
雑巾は汚れや水漏れなどを拭き取るときに使えるため、あると便利です。
洗面所の排水管の選び方
洗面台のボウル下の扉を開けて、排水管の素材や形状を確認します。同じ種類の排水管が交換しやすいです。
【素材別:排水管の一般的な外径】
素材 | 排水管の外径 |
---|---|
樹脂製 | 32㎜ |
金属製 | 25㎜ |
32㎜ | |
38㎜ |
【排水トラップの形状】
- Sトラップ(床につながる)
- Pトラップ(壁につながる)
- ボトルトラップ(L字型)
【排水管の形状】
- ストレート型
- 蛇腹型
洗面台の排水管はコメリやカインズなどのホームセンターや、Amazonなどの通販サイトで購入可能です。
【価格目安】
排水トラップのみ | 樹脂製 | 1,500円〜 |
金属製 | 2,200円〜 | |
排水管と排水トラップがつながったタイプ | 5,000円〜 |
選び方に不安のある場合は、ホームセンターならスタッフに相談できます。
⒈止水栓を閉める
洗面台の止水栓は、洗面ボウル下の扉を開けた内部に設置されているケースがほとんどです。
洗面台の止水栓は、次の2種類です。
- ハンドルタイプ
- マイナス溝タイプ
ハンドルタイプは手で回し、マイナス溝タイプはマイナスドライバーが必要です。いずれも、時計回りに回すと閉まります。
以下のような場合は、水道メーター横に設置されている水道の元栓を閉めましょう。
- 止水栓が見つからない
- 止水栓が固くて動かない
水道メーターが設置されているメーターボックスは、戸建てなら敷地内の地面、マンションなら玄関扉横に設置されたパイプスペース内にあります。
以下の記事で回りにくい止水栓を回すコツを説明しているので、参考にしてください。
⒉排水トラップを外す
排水口の下で曲がった箇所が排水トラップです。主に上下2箇所で、排水管とナットで接続しています。
【排水トラップを外す手順】
- 排水トラップの下にバケツ、または洗面器を設置する
- 排水トラップのナットを緩める
- 排水トラップを外して、バケツに内部の水を注ぐ
排水トラップのナットは、樹脂製なら手で外せます。金属製も最初にウォーターポンプフライヤーを使って緩めたら、あとは手で外せます。
排水トラップのナットを回す際に軍手をすると、手を守れるだけではなく、力を入れやすくなるのでおすすめです。
排水トラップのナットは下から順に緩めていき、上部は最後に外すのがポイントです。
⒊排水プレートを外す
排水トラップの下に続く排水管を外すために、まずは排水管を床に固定している排水プレートを外します。排水プレートは、円形で樹脂製の板状になったもので、ネジで床部分に固定されています。
【排水プレートと排水管の取り外し方】
- プラスドライバーを使って、排水プレートを固定しているネジを外す
- 排水プレートを上に持ち上げて、外す
- 排水管を引き上げて、取り外す
- 排水管に設置されている黒いゴム(防臭ゴム)を外す
ネジをなくさないように、小さな器に入れるなどして保管してください。ネジをなくすと、作業後に排水プレートを設置できなくなるので、注意が必要です。
⒋新しい排水トラップと排水管を設置する
次に、新しい排水管と排水トラップの交換です。最初に、排水管から設置します。
【排水管交換の手順】
- 新しい排水管の長さを調節する
- 新しい排水管に排水プレートと防臭ゴムを設置する
- 新しい排水管を設置する
- 新しい排水トラップをはめる
排水管が長すぎる場合は、パイプカッターで切断して調整します。金属製の排水管も切断可能です。パイプカッターは、カインズなどのホームセンターや通販サイトで1,200円〜で販売しています。
防臭ゴムを、排水プレートの下に設置します。排水トラップの2つのナットは片方だけ締め付けないで、2つを少しずつ締め付けるようにしていきます。パッキンがずれないように、注意が必要です。
⒌水を流してみる
洗面台の排水トラップと排水管が正しく設置されたのかを確認しましょう。水を流してみて水漏れがないなら、作業は完了です。
いきなり大量の水を流すと、交換作業がきちんとできてない場合に水漏れするので、少しずつ様子を見ながら流してください。
水漏れがあったら、パッキンがきちんと設置されているかを確認しましょう。
洗面台の劣化した排水管を放置してはいけない理由
洗面台の排水管が劣化したら、すぐに対処が必要です。洗面台の排水管の劣化を放置した場合、以下のようなトラブルが生じます。
水漏れが悪化する
洗面台の劣化した排水管は、放置しても改善しません。排水管がどんどん劣化していき、水漏れします。水漏れの量もどんどん増えていき、水道料金も高額になっていきます。
洗面台下の排水管からの水漏れは、見つけにくい箇所ではありません。そのため、水道料金が高額になっても、水道料金の減免制度を利用できないことがほとんどです。
以下の記事で、洗面台の水漏れが始まった場合の応急処置や対処法をわかりやすく解説しています。
階下へ水漏れする
マンションなど集合住宅の場合、洗面所の排水管からの水漏れの量が増えていくと、階下にも水漏れが始まります。
階下の住宅だけではなく、家電製品や家具類にダメージを与えると、高額の賠償問題が生じるので注意しましょう。
保険適用できる場合もあるので、以下の記事で万が一のために保険について確認しておくと安心です。
住宅が劣化する
洗面所の排水管からの水漏れは、住宅にも影響します。水が床に染み込んで、建材が腐敗し始めたり、シロアリの増殖が始まったりすると大変です。
状況によっては、住宅のリフォームが必要になるかもしれません。床材だけなら数万円ですが、建材が腐敗したら大がかりなリフォームが必要です。
洗面台の排水管の交換費用の相場
洗面台の排水管の交換を、水道修理業者に依頼した場合の費用相場をご紹介します。水道修理の料金は、作業料金と基本料金の合計です。
【作業料金】
作業内容 | 目安料金 |
---|---|
排水トラップのみの交換 | 6,000円〜15,000円+部品代 |
排水管の交換 | 6,000円〜10,000円+部品代 |
蛇口を含む排水管全体の交換 | 部品代込みで30,000円〜 |
【基本料金】
基本料金 | 0円〜5,000円 |
夜間・早朝の割増料金 | 0円~10,000円 |
出張費 | 0円〜5,000円 |
見積もり | 0円 |
見積もりは、ほとんどの業者が無料で対応しています。いきなり依頼はせず、3社ほどに見積もりを頼み、料金を比較してから依頼するのがおすすめです。
高額になるケース
排水トラップのみの交換は安く済みます。しかし、洗面台の排水管を交換する範囲が広いと、高額な費用が必要です。
排水管の交換費用が高額になるケースは、以下の通りです。
- 排水口も含む排水管の交換を必要とする
- 蛇口に適合する排水管が製造を終了しているために、蛇口の交換を必要とする
- 排水管でつまりが生じている
排水管の交換を安くできる方法はないか業者と相談して、ベストな方法を見つけましょう。
業者の選び方
次の3つのポイントを押さえて、まず見積もりを依頼する業者を選びます。
- 水道局指定工事店に登録されている
- 実績が多い
- 見積もりが無料
上記を確認して3社ほど業者を選び、相見積もりをして依頼してください。
排水管の交換を業者に依頼する流れは、以下のとおりです。
- 3社程度で見積もりを確認する
- 1社を選び、排水管の交換を依頼する
- 交換作業の日時を決定する
- 交換作業する
- 動作確認後に費用を支払う
作業時間は、排水トラップのみの交換なら30分〜60分です。
支払い方法は、業者によって異なります。現金払いやカード決済、銀行振り込み、コンビニ後払いに対応している業者が多い傾向です。
洗面台の排水管を長持ちさせる方法
新しい排水管を設置したら、できるだけ長く使えるように気をつけましょう。以下の2つを心がければ、トラブルが起きにくく長持ちします。
- つまりが生じないようにする
- 2週間に1度の頻度で排水管を洗浄する
それぞれについて、解説します。
つまりが生じないようにする
排水管内でつまりが生じると、排水管を圧迫して接続部のナットが緩んでしまいます。緩んでも締めなおせば良いのですが、何度も繰り返すとナットが摩耗してしまうので、注意が必要です。
つまりが生じないように、以下を心がけましょう。
- 目の細かなヘアーキャッチャーに交換する
- ヘアキャッチャーに使い捨てネットを設置する
- 洗面台の周辺に小物を置かない
- 洗髪したら都度毛髪を取り除く
以上を実行してもつまりが生じたら、以下の記事を参考にして解消しましょう。洗面所の排水管が詰まる原因や注意事項を解説しているので、参考にしてください。
2週間に1度の頻度で排水管を洗浄する
以下のものを利用して、最低2週間に1度の頻度で排水管を洗浄すると汚れの蓄積を防げます。
- クエン酸と重曹
- 液体パイプクリーナー
それぞれの洗浄方法を、以下でお伝えします。
クエン酸と重曹を使う方法
クエン酸と重曹を使った、洗面台の排水管を洗浄する方法です。クエン酸と重曹は食品添加物としても使われている、体にも環境にも優しい成分なので、安心して使えます。
重曹やクエン酸は、スーパーやドラッグストア、ホームセンター、通販サイトで購入できます。重曹1kgは300円〜、クエン酸1kgは800円〜が相場です。セリアやダイソーといった100円ショップでも、小袋で購入できます。
【用意するもの】
- 重曹:1カップ(200ml)
- クエン酸水:クエン酸カップ2分の1(100ml)を200mlの50℃のお湯に溶かす
- 50℃のお湯:洗面器1杯程度
【排水管の洗浄方法】
- 重曹を排水口から投入する
- クエン酸水を重曹の上から回しかける
- 30分~1時間放置する
- 50℃のお湯を洗面器1杯程度流す
洗面所の悪臭防止にも効果が期待できます。
液体パイプクリーナーを使う方法
「パイプハイター 高粘度ジェル」や「パイプユニッシュ」といった液体パイプクリーナーを使用する方法です。パイプクリーナーを使用するときは窓を開けたり、換気扇を作動したりして換気をよくしてください。
説明書で放置時間と使用量を確認して、説明書通りの方法で利用します。つまり解消とトラブル予防では、量が異なるので注意が必要です。
パイプクリーナーは、カインズなどのホームセンターやマツモトキヨシなどのドラッグストアで購入できます。数本購入すると重いので、Amazonやホームセンターの通販サイトの利用もおすすめです。
以下の記事で、おすすめのパイプクリーナーや使い方をわかりやすく説明しています。
洗面台の排水管をすぐに交換したいなら
洗面台の排水管を交換する方法や、業者に依頼した場合の費用について解説しました。
洗面所の排水システムは、他の水回りよりも多様です。ご自分での交換が難しいと感じたら、業者に相談してください。
業者選びに迷っている方は、私たち『クリーンライフ』にぜひご相談ください。年中無休で24時間対応しているので、いつでも相談可能です。お電話をいただいたら、最短30分でお伺いします。