洗面所の水の流れが悪い原因や、対処法をお伝えします。
洗面所の流れが悪い原因は、髪の毛やぬめりなど、さまざまです。また、つまりが生じているのが排水口付近か排水管かでも、対処法が異なります。
水が全く流れなくなったり、水が逆流したりする前に、今回紹介する方法をお試しください。
あわせて、洗面所のつまり予防法も解説します。ぜひ最後までお読みください。
洗面所の流れが悪い原因
洗面所の流れが悪い原因をご紹介します。どのようなものが排水口や排水管にとどまってしまうのか、確認しましょう。
髪の毛・ヒゲ
洗面台でくしを使ったときの毛髪、ヒゲ剃りで排水管内に入り込んだヒゲが原因でつまりが生じると、水が流れなくなります。
特にヒゲの濃い方や、髪の長い方は注意が必要です。毛髪はヘアキャッチャーの掃除で取り除けますが、ヒゲはヘアキャッチャーをすり抜けて排水管の奥に流れていきます。
固形物
固形物はどんなに小さいものでも水に溶けないため、排水口に入り込むと排水管の途中でとどまり、水の流れが悪い原因になります。
洗面所で落としやすい固形物は、以下のものです。
- 歯ブラシ・歯間ブラシ
- ピアス
- ヘアピン
- ヘアゴム
- コンタクトレンズ・ケース
- 歯磨き粉のキャップ
洗面台でピアスを取り外したり、洗面台にヘアピンなど小さな固形物を置いたりしないでください。
歯磨き粉・化粧品類のかけら
以下のものは排水口に入り込んでそのまま固まって、水が流れない原因になります。
- 歯磨き粉
- 化粧品のかけら(アイシャドウやチークなど)
- 石けん・化粧落とし・シェービングクリーム
石けんやシェービングクリームなどは、使いすぎないようにしましょう。余った成分が溶けずに、石鹸カスやぬめりになってしまいます。
ぬめり・石けんカス・水垢
ぬめりは、バイオフィルムと呼ばれる細菌の表面に発生する膜です。汚れに水分が結びついて生成されます。
石けんカスは石けんと水道水のミネラルが結びついて生成された、水に溶けにくい汚れです。石けんカスには、次の2種類があります。
- 酸性石けん
- 金属石けん
酸性石けんは酸性、金属石けんはアルカリ性とそれぞれ液性が異なるので、それぞれに合った洗剤で掃除する必要があります。
水垢は、水道水のミネラル成分が少しずつ蓄積されてできる物質です。
ぬめり・石けんカス・水垢は、いずれも濡れた状態を放置したことで生成し、水に溶けにくいことが特徴です。洗面所の排水管内部にできると、水の流れが悪くなります。
外の汚水枡のつまり・汚れ
つまりの原因になるものがないのに洗面所の水の流れが悪いのは、外に設置している汚水枡のつまりが原因かもしれません。
住宅内の排水は、下水に流れる前に一旦、敷地内の汚水枡で固形物を除去します。汚水枡は、住宅内の水回り箇所ごとに設置されています。
特に、戸建てにお住まいの場合、汚水枡がつまりの原因になるケースが少なくありません。外に設置された汚水枡をチェックしてみましょう。
外の汚水枡に関して、以下の記事でわかりやすく解説しています。汚水枡がどこにあるのか、どのようにメンテナンスをすれば良いのかわからない方は、参考にしてください。
流れが悪い洗面所の解消法
洗面所の水の流れが悪いときは、これから紹介する解消法を順に試してください。排水口から始まって、少しずつ排水管奥のトラブルを解消していきます。
排水口を掃除する
洗面所の排水口のヘアキャッチャーを取り出して、汚れを落とします。入り込んですぐの毛髪等は、ぬめりがないなら水洗いのみでも効果が期待できます。
【排水口の掃除方法】
- ゴミ受け(ヘアキャッチャー)を取り出す
- 古い歯ブラシなどで、排水口周辺とゴミ受けをこすり洗いする
- ゴミ受けを元に戻す
- 水を流してみる
汚れが気になる場合は、中性洗剤(台所用洗剤など)を使ってこすりましょう。
ゴミ受け(ヘアキャッチャー)の取り出し方
ヘアキャッチャーの取り出し方は、排水栓の種類によって異なります。
排水栓の種類 | 排水栓とヘアキャッチャーの外し方 |
---|---|
ゴム栓 | 手で排水栓とヘアキャッチャーを外す |
プッシュ式 | 排水栓を押して開け、上に引っ張るとヘアキャッチャーも取り外せる |
ポップアップ式 | 引き棒を押して排水口を開き、手でヘアキャッチャーを外す |
そのほか、洗面台下に操作システムが付いているタイプもあります。洗面台下で操作するタイプは再設置が難しいので、取り外さない方が良いでしょう。ゴミ受けを取り外さないで、細いブラシを入れて洗浄してください。
重曹とクエン酸を注ぐ
クエン酸と重曹を使った洗浄は、刺激臭に弱い方におすすめの方法です。クエン酸も重曹も食品添加物として利用される成分で、手軽に手に入ります。
スーパーやホームセンター、100円ショップなどのお掃除コーナーで、1kgあたり重曹は約300円、クエン酸は約800円です。100円ショップなら100円分の小袋で売っているので、試してみたい方におすすめします。
【必要なもの】
- 重曹:50ml
- クエン酸水:100ml(半カップ)のお湯にクエン酸大さじ1を溶かす
クエン酸水の代わりに、食酢の利用も可能です。
【クエン酸・重曹を使った洗浄法】
- 排水栓を外し、排水管が見える状態にする
- 排水栓と排水口に重曹を注ぐ
- クエン酸水を重曹の上にかける
- 発泡し始めるので、そのまま約30分以上放置する
- 手で触れる程度の温度(50℃)のお湯を少しずつかける
お湯を洗面器一杯程度、流したら終了です。ニオイが気になるときにも、お試しください。
液体パイプクリーナーを注ぐ
液体パイプクリーナーの主成分は、以下の2種類です。液体パイプクリーナーによって異なるので、選ぶ際に確認してください。
液体パイプクリーナーの成分 | 分解できる汚れ |
---|---|
次亜塩素酸ナトリウム | 毛髪や皮脂などのタンパク質 |
水酸化ナトリウム | 油汚れ |
液体パイプクリーナーは、ホームセンターやドラッグストア、通販サイトで購入可能です。カインズなどのホームセンターではオリジナルブランドもあり、10回以上利用できるサイズが約200円でお得です。
液体パイプクリーナーの使用量や放置時間は、添付の説明書通りにしてください。長く放置しても、効果が上がるわけではありません。むしろ、一度溶けた汚れがつまりの原因になるケースがあります。
【液体パイプクリーナーを使った排水管の洗浄方法】
- 排水栓の部品を取り外し、ゴミを除去する
- 指定された量の液体パイプクリーナーを注ぐ
- 説明書通りの時間、放置する
- 洗面器一杯の水をゆっくり流す
水が流れたら、終了です。
以下の記事で、液体パイプクリーナーの選び方や、おすすめの液体パイプクリーナーを紹介しています。
ラバーカップを使う
ラバーカップは、スーパーやドラッグストアの家庭用品売り場、通販サイトで600円〜で売っています。セリア、ダイソーなどの100円ショップでも購入可能です。
つまりの原因を重曹とクエン酸、または液体パイプクリーナーで柔らかくした状態でラバーカップを使うと効果がさらに期待できます。
洗面台の蛇口の下にある「オーバーフロー口(くち)」と呼ばれる穴を、濡れた布で塞いでおきましょう。
【ラバーカップを使ったつまり解消法】
- 排水栓のゴミ受けを外す
- ラバーカップを排水口に密着させる
- ラバーカップのカップが水にすっぽり包まれる程度に水を注ぐ
- ラバーカップをゆっくり押し付けた後、勢いよく引き上げる
- 4を数回繰り返す
水を流して、つまりが解消できたか確認しましょう。
ペットボトルでも代用できる
ラバーカップがないときは、ペットボトルを代用可能です。ペットボトルは、手で簡単につぶれる柔らかいタイプを使用してください。
ペットボトルの場合も、洗面台で蛇口の下にある「オーバーフロー口(くち)」と呼ばれる穴を濡れた布やテープで塞いでおくと効果が上がります。
【ペットボトルを使ったつまり解消法】
- ゴミ受けを外す
- 水を排水口に少し注ぐ
- ペットボトルの口を排水口に差し込む
- 水を溜める
- ペットボトルの底部分を手で押して、空気を送り込む
- 5を数回繰り返して、ペットボトルを勢いよく引き抜く
ペットボトルと排水口の間に隙間を作らないことが、重要です。最後に水を流して、つまり解消できたか確認しましょう。
以下の記事で、わかりやすく解説しているので参考にしてください。
排水トラップを分解して掃除する
洗面台下の扉を開いて、排水トラップを確認してください。S字トラップやU字トラップなら、ナットを外して分解すれば内部を洗浄できます。
ただし、組み立て方が悪いと水漏れの原因になるので、自信のない方は業者に依頼してください。
【排水トラップの洗浄方法】
- 分解した際に水が漏れるので、トラップ下にバケツを設置する
- ナットを反時計回り(左回り)で回して外す
- 取り外した部品を別のバケツか洗面器に入れて、内部を確認する
- 古い歯ブラシなどで内部を掃除する
- 排水トラップを組み立てる
ナットは樹脂製なら手で回せます。ゴム手袋や軍手をはめた方が、力が入れやすいのでおすすめです。しかし、金属製や固くなって動かない場合は、モンキーレンチやプライヤーを使用してください。
汚水枡を掃除する
排水口や排水管を洗浄しても流れが悪いなら、外にある汚水枡が汚れている・詰まっているのかもしれません。以下の流れで、汚水枡の掃除をしましょう。
- 汚水枡のふたを開ける
- 枡内の汚水に浮かぶゴミをひしゃくやスコップなどで取り除いて、ゴミ袋に入れる
- エルボ(L字型の突き出ている配管)を外して、枡の底が見えるようにする
- 汚水桝の中を硬めのブラシでこすり洗いする
- ホースを排水管に入れて、洗浄する
- エルボを元に戻して、ふたを閉める
ただし、汚水枡の掃除は悪臭があり、大変な作業です。ご自分では難しいと思ったら、業者に依頼してください。
流れが悪い洗面台の修理を業者に頼むケース
洗面台で水の流れが悪い場合、以下のケースでは水道修理業者への相談がおすすめです。
- いろいろ試しても改善しない
- 原因がわからない
- 固形物を落としたが、排水トラップを分解できない
- 悪臭がする
- 逆流する
- 汚水枡の掃除を依頼したい
無理に自力でするより、業者に任せる方が短時間で解消できることがほとんどです。また、自力で対処して悪化すると、水漏れなどの被害が広がります。
業者を選ぶ際のポイント
郵便受けに入っているチラシなどで安易に業者を選んで依頼すると、高額請求などのトラブルが起きる可能性があります。トラブルにならないように、信頼できる業者を選んでください。
以下をネットで確認して、3社以上の業者に相見積もりを依頼し比較して選びましょう。
- 水道局指定工事店に登録されている
- 実績が多い
- 口コミで高評価されている
料金が高額すぎる、安すぎる業者は悪徳業者の可能性があります。適正価格で運営している業者がおすすめです。
以下の記事で、排水管洗浄を依頼する業者の選び方をわかりやすく説明しているので、参考にしてください。
修理費用の目安
洗面所の水の流れが悪い場合の修理費用の目安をお伝えします。
軽度のつまり除去 | 5,000円〜8,000円 |
---|---|
中度のつまり除去 | 12,000円~25,000円 |
重度のつまり除去 | 30,000円〜50,000円 |
水の流れが悪い程度なら、一般的に軽度のつまり除去の費用で済むケースがほとんどです。しかし、汚水枡や排水管の奥に原因があれば、中度〜重度のつまりで、高額になる可能性があります。
作業料金以外に、業者によっては以下のような料金が加算されます。
基本料金 | 0円〜5,000円 |
---|---|
夜間・早朝の割増料金 | 0円~10,000円 |
出張費 | 0円〜5,000円 |
見積もり | 0円 |
契約後のキャンセル料 | キャンセルする時期によって料金の0〜100% |
依頼前に見積もりを取って、料金に納得してから依頼してください。
洗面所の流れを悪くしないための予防法
洗面所の水の流れが改善したら、以下を実行してつまりを予防してください。
- ゴミ受けを掃除する
- 排水口に使い捨てネットを設置する
- 月に1度パイプクリーナーを注ぐ
それぞれについて解説します。
ゴミ受けを掃除する
ゴミ受けに残っているゴミ(毛髪など)をそのままにしていると、水を流すたびに少しずつ排水管に汚れが入り込んでしまいます。
できるだけ頻繁に、ゴミ受けを空にしましょう。髪の長い人は毛髪が特に詰まりやすいため、くしを使ったり、洗髪したりするたびに毛髪を取り除いてください。
排水口に使い捨てネットを設置する
排水口に使い捨てのネットを設置すれば、コンタクトレンズなどが流れていくのを防げます。ゴム栓用の排水口にすっぽり入るタイプもあります。
購入時は、排水栓のシステムに合うものを選んでください。専用のネットがない場合は、どのシステムにも合うシールで貼り付けるタイプがおすすめです。
ファミリーマートなどのコンビニエンスストア、100円ショップ、ドラッグストアのプライベートブランドなどが安く購入できます。2日に1度は交換しましょう。
月に1度パイプクリーナーを注ぐ
排水管が詰まっていなくても、月に1度は排水口に液体パイプクリーナーを注いで予防しましょう。
液体パイプクリーナーによって、つまり解消と予防のための注ぐ量が決まっています。説明書を読んで、予防方法を確認して実行してください。
洗面所の悪臭予防にもなるので、おすすめです。
流れが悪い洗面所でお困りなら
洗面所の水の流れが悪い原因と、対処法を紹介しました。
しかし、どの方法でも解決しない場合は、プロの水道修理業者に相談してください。業者なら短時間でトラブルを解消し、隠れたトラブルも見つけてくれます。
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