アパートやマンションなど、集合住宅でお湯だけ出ないときは、まずリモコンにエラーコードが出ていないか確認し、どのような症状なのかを明確にしましょう。
お湯が出ないトラブルは、症状を正しく見極めれば自分で解消できるケースも多くあります。
しかし、対処を誤ると給湯器の故障を悪化させたり、余計な修理費用を負担させられたりするリスクもあるので、慎重に対処しなければなりません。
本記事では、アパートで水は出るのにお湯が出ないときの原因と対処法を解説します。
アパートでお湯が出ない場合の確認手順から修理費用の負担、入浴の代替手段まで幅広くまとめているので、ぜひ参考にしてください。
アパート・マンションでお湯が出ないときにまず確認すること

アパートやマンションでお湯が出ないときは、給湯器のリモコン表示と症状の2点を確認してください。確認するポイントは次のとおりです。
状況を正しく把握すれば適切な対処につながるので、順番に確認してみましょう。
リモコンにエラーコードが表示されているか
給湯器のリモコンに2〜3桁の英数字が表示されていれば、給湯器が何らかの異常を検知して自動停止している状態です。
センサーの異常やバーナーの故障、安全装置の作動など、エラーコードから原因を特定できます。
エラーコードが表示されている場合は、次の手順でリセットを試してみてください。
- リモコンの電源をオフにする
- そのまま1分ほど待機する
- 再度電源をオンにする
リセット後にエラーコードが消え、お湯が正常に出れば一時的な不具合だった可能性が高いです。
リセットしてもエラーコードが再表示される場合は、給湯器本体に修理が必要な故障が起きています。
どのような症状なのか
エラーコードが表示されていない場合は、お湯が出ない症状のパターンから原因を切り分けましょう。
症状は大きく3つに分類できます。
また、お湯が少しだけ出てすぐ水に変わる症状は、給湯器の加熱が不十分な状態や初期故障のサインである可能性があります。
冬場は配管の凍結、築年数が経過した物件では給湯器の寿命(約10年)も原因として考えられるので、該当する症状を確認してみてください。
アパート・マンションで水は出るのにお湯が出ない症状別の対処法

アパートやマンションでお湯が出ないときは、症状に合った対処法を試すことで自力で解決できるケースも多くあります。
お湯が出ない状況は、大きく分けると次のパターンに分類できます。
ご自身の状況に当てはまるパターンを確認し、対処法を実践してみてください。
全部の蛇口でお湯が出ない場合
キッチン・浴室・洗面所のすべてでお湯が出ないときは、給湯器そのものか、ガスの供給に問題がある可能性が高いです。
水は出るのにお湯だけ出ない状況では、ガスメーターの遮断やガスの元栓閉め忘れが原因となっているケースが多く見られます。
ガスコンロを点火してみて火がつかなければ、ガス供給が止まっていると判断できるので試してみてください。
また、冬場は給湯器内部や配管の凍結が原因となる場合もあります。症状ごとの対処法を順番に実践してみましょう。
ガスメーターの復帰操作をする
全部の蛇口でお湯が出ないときは、ガスメーター(マイコンメーター)の安全装置が作動してガスを遮断している可能性があります。
マイコンメーターは震度5程度以上の地震やガスの異常使用を感知すると、自動的にガスを止める仕組みです。
液晶窓に「ガス止」の表示や赤ランプの点滅が確認できたら、復帰操作をおこないましょう。
操作の前に、ガス臭がしないか必ず確認してください。ガスのニオイがする場合は復帰操作をせず、すぐにガス会社へ連絡しましょう。
ニオイがなければ、すべてのガス機器の運転スイッチを切り、器具栓を閉めてから復帰操作に進みます。なお、メーターガス栓は閉めないでください。
復帰操作の手順は次のとおりです。
- 復帰ボタンのキャップを左に回して外す(キャップがないタイプもある)
- 復帰ボタンを奥までしっかり押し込み、表示ランプが点灯したらすぐに手を離す
- キャップを元に戻し、ガスを使わずに約3分間待つ
3分間の待機中に、メーターがガス漏れの有無を自動で確認します。
赤ランプの点滅が消灯すればガスが使える状態に戻るので、給湯器の電源を入れてお湯が出るか試してみてください。
点滅が消えない場合は再度同じ操作をおこない、それでも復帰しなければガス会社へ連絡しましょう。
給湯器の凍結を解消する
冬場に全蛇口でお湯が出ない場合、給湯器の配管凍結が原因の可能性があります。
最も安全な対処法は、気温の上昇を待って自然解凍させる方法です。すぐに解消したい場合は、ぬるま湯を使った解凍を試してみてください。手順は次のとおりです。
- 給湯器のリモコンの運転スイッチを切る(リモコンがない機種はガス栓を閉める)
- お湯側の蛇口を少しだけ開ける
- 凍結した配管や給水元栓にタオルを巻く
- 40℃程度のぬるま湯をタオルの上からゆっくりかける
- お湯が出るようになったらタオルを外し、水分をしっかり拭き取る
熱湯をかけると急激な温度変化で配管が破損する恐れがあるので、必ず人肌程度のぬるま湯を使用してください。
なお、リンナイ製の給湯器では凍結による破損は保証期間内でも有料修理となるため、慎重に作業しましょう。
特定の蛇口だけでお湯が出ない場合
特定の蛇口だけでお湯が出ない場合は、その蛇口周辺の部品や配管に原因があると考えられます。
全箇所共通で疑われる原因は、次のとおりです。
- バルブカートリッジの故障
- サーモスタットユニットの不良
- お湯側の止水栓が閉まっている
- ストレーナーのつまり
- 給湯管内部のサビやゴミによるつまり
- 配管の凍結
お湯が出ない蛇口がキッチン・浴室・洗面所のどこかで、確認すべきポイントや対処法が異なります。該当する場所に合わせた対処を実践してみてください。
キッチンだけお湯が出ない場合
キッチンだけお湯が出ないときは、混合水栓内部のバルブカートリッジの故障を疑ってください。
バルブカートリッジは蛇口の内部で水とお湯の混合比率を調整する部品で、経年劣化やカルキ汚れの蓄積で正常に動作しなくなることがあります。
ほかの蛇口からはお湯が出るのにキッチンだけ出ない場合、給湯器本体の問題ではなく、キッチンまでの配管やフィルターに原因があるケースも考えられます。
対処法として確認すべきポイントは次のとおりです。
- キッチン水栓の止水栓が閉まっていないか
- 給湯器リモコンの電源が入っているか
- 温度設定が極端に低くなっていないか
- 水抜き栓やフィルターにゴミが詰まっていないか
止水栓や温度設定を確認しても改善しない場合は、バルブカートリッジの劣化や配管の破損が原因の可能性が高いです。
部品交換や配管の修理は専門知識が必要なので、自分で分解せず専門業者へ相談しましょう。
浴室・シャワーだけお湯が出ない場合
浴室やシャワーだけお湯が出ない場合は、混合水栓の不具合やシャワーヘッドのつまりが原因です。
混合水栓にはサーモユニットや開閉バルブ、逆止弁といった部品が内蔵されており、劣化や故障でお湯が正常に供給されなくなる場合も原因といえます。
シャワーヘッドの散水板や内部フィルターにミネラル分や汚れが蓄積し、お湯の出が悪くなっている場合もあるので、取り外して清掃してみてください。
応急的な対処法として、次の方法を試しましょう。
- シャワーの水量を全開にする
- 給湯器の設定温度を高めに調整する
- キッチンや洗面所などほかの水まわりの使用を一時的にやめる
ほかの場所で同時にお湯を使っていると、給湯器の能力を超えてしまいお湯が出にくくなる場合があります。
清掃や設定変更で改善しないときは、混合水栓本体の故障が疑われるので、無理に分解せず専門業者への相談を検討しましょう。
洗面所だけでお湯が出ない場合
洗面所だけお湯が出ない場合は、洗面台の混合水栓に内蔵されたストレーナのつまりを疑ってください。
ストレーナとは、水栓内部のフィルターのことです。ゴミやカルキが蓄積すると湯側の流れが悪くなり、お湯が出にくくなります。
取扱説明書を参照しながらストレーナを取り外し、歯ブラシなどで汚れを落としてみましょう。
フィルター清掃で改善しない場合は、洗面台下にある湯側の止水栓が閉まっていないか確認してください。
また、築年数が古いアパートでは、新築時に洗面所へ給湯配管を引いていない物件も存在します。
構造上お湯が出ない設計になっている場合は、水栓や給湯器を修理しても解決しません。
ストレーナの清掃と止水栓の確認を試しても改善しなければ、サーモスタット混合栓自体の故障が考えられるため、自力での対応は控えてください。
オール電化でお湯が出ない場合
オール電化の住宅でお湯が出ないときは、貯湯タンクのお湯切れが最も多い原因です。
オール電化では電気温水器やエコキュートを使用し、タンクに水を貯めて温める仕組みのため、使用量がタンク容量を超えるとお湯が供給されなくなります。
お湯切れが起きやすい状況は、次のとおりです。
- 来客などで普段より大量にお湯を使った
- 就寝前にまとめてお湯を使い切った
- タンク容量と日常の使用量が合っていない
リモコンで残湯量を確認し、お湯が残っていなければお湯切れと判断できます。
お湯切れの場合は「沸き増し」機能を使えば、数時間程度で再びお湯が使えるようになるので試してみてください。
一方、残湯量が十分あるのにお湯が出ないときは、給湯器本体の不具合や給水ストレーナーの目詰まりが考えられます。
給湯器周辺に水漏れがないか、水道メーターが回り続けていないかも確認しましょう。
配管からの漏水でタンク内のお湯が減っているケースもあるので、機器周辺の状態を目視で点検してみてください。
対処法を試しても直らない場合は相談する

紹介した対処法を試してもお湯が出ない場合は、給湯器本体や配管の不具合が考えられるので、専門業者による点検・修理が必要です。
給湯器の内部故障や配管の水漏れ・サビといったトラブルは、自力での解決が難しく、放置すると修繕費用が増大するリスクもあります。
住んでいる物件の種類に応じて、連絡先や対応の流れが異なるので、自分のケースに合った方法で速やかに修理を依頼しましょう。
賃貸物件の場合は管理会社や大家さんに連絡する
賃貸物件にお住まいの方は、管理会社または大家さんへ連絡しましょう。
給湯器は貸主(大家・オーナー)の所有物なので、入居者が勝手に修理業者を手配する必要はありません。
管理会社が業者の手配から現地調査、修理・交換まで対応してくれます。連絡する際は、状況を正確に伝えるために次の情報を整理しておくとスムーズです。
- 水は出るがお湯だけ出ないこと
- リモコンに表示されているエラーコード
- 症状が発生した日時
- 給湯器の製造年月日や型番
- 自分で試した対処法の内容
連絡先がわからない場合は、賃貸借契約書や重要事項説明書に記載されているので確認してください。
なお、入居者の過失でない故障であれば、修理費用は大家負担が一般的です。
分譲マンションの場合は自分で修理業者を呼ぶ
分譲マンションの場合、給湯器は区分所有者の専有設備にあたるので、修理業者の手配は自分でおこなう必要があります。
ただし、管理規約に指定業者の記載がある場合もあるため、修理を依頼する前に管理会社や管理組合へ故障の報告と規約の確認をしましょう。
業者の依頼先としては、次の選択肢が挙げられます。
- 給湯器メーカー(メーカー保証期間内の場合)
- ガス会社
- リフォーム会社
- 給湯器専門の修理業者
業者へ連絡する際は、給湯器の設置場所(ベランダや玄関横のパイプシャフト内など)と、表示されているエラーコードや症状を正確に伝えてください。
複数の業者から見積もりを取得すると、費用を比較したうえで納得のいく依頼先を選べます。
アパートでお湯が出ないときの修理費用負担

給湯器や混合水栓など、備え付けの設備が故障してお湯が出ない場合は業者による修理が必要です。その際、「修理費用は誰が負担するのか」という疑問が浮かぶ方も多いでしょう。
ここでは、アパートでお湯が出ないときの修理費用負担について詳しく解説します。
ほとんどの場合は貸主が費用を負担する
基本的に給湯器や混合水栓などの修理費用は、住宅の貸主側が負担します。賃貸住宅における設備は、貸主の持ち物という扱いになるからです。
また、設備の修理は借主の報告後、貸主側が修理業者を手配して費用を支払うという流れが多いです。修理業者の手配にあたって、借主側が日程調整や作業の立ち会いをする必要があります。
借主が費用を負担させられるケースもある
給湯器や混合水栓を含め、住宅の設備の修理費用はすべてのケースで貸主に負担してもらえるわけではありません。故障したにもかかわらず貸主への報告を怠ると、借主側の負担になる場合があります。
賃貸住宅の借主には、「善管注意義務」が適用されます。これは民法第644条に記されている、何かを委任された人に発生する義務のことです。借主は物件の一時的な管理者とみなされ、善管注意義務を全うする必要があります。
そのため、借主は住宅の設備に不具合が生じたら、迅速に貸主へ報告しなければなりません。報告を怠って他の入居者に損害が発生すれば、責任を問われて修理費用の支払い・損害賠償を求められる恐れがあります。
アパート・マンションでお湯が出ないときの注意点

お湯が出ないトラブルが発生した際は、自分で給湯器本体を分解・修理しないでください。
給湯器内部にはガスや高温の部品が含まれており、知識のない状態で触れるとガス漏れや火災のリスクがあります。
エラーコードの確認やリモコンのリセット、ガスメーターの復帰操作といった簡易的な対処は問題ありませんが、それ以上の作業はプロに任せましょう。
また、修理の連絡先にも注意が必要です。
賃貸物件の場合、自己判断で修理業者を手配すると費用が自己負担になる可能性があるため、必ず管理会社や大家さんへ先に連絡してください。
分譲マンションの場合も、共用部分の設備が原因であれば管理組合への確認が先になります。
対処の順序を間違えると余計な出費やトラブルにつながるので、連絡先と手順を正しく把握したうえで行動しましょう。
アパートでお湯が出ないときは家賃が減額される?
アパート(賃貸物件)の貸主には、借主から収益を得る権利と借主に物件を使用させる義務があります。その義務には、ただ使用させるだけでなく、物件の引き渡し後に支障がない状態を積極的に維持することも含まれるのがポイントです。
これを踏まえると、借主に過失がないのにアパートでお湯が出なくなった場合は、「支障がない状態を維持する」という義務が履行されていないのでは?という視点も生まれます。
アパートでお湯が出なくなった際、義務不履行の責任として家賃が減額されることはあるのでしょうか。
家賃が減額されるかどうかはケースバイケース
アパートのお湯が出なくなった場合、家賃が減額される可能性はあります。
民法611条には、「借主に故障の責任がないケースで賃借物が故障した場合は、使用できなくなった部分の割合に応じて賃料が減額される」という規定があるからです。
給湯器が故障しても、アパートでの生活が全般的に不可能となるわけではありません。給湯器が直るまでの期間は、アパートでの生活全体のうち、お風呂やお湯を使えない事実を各々の基準で数値化のうえ家賃を減額することになります。
しかし、賃借人が一方的に減額率を決めて主張し、トラブルに発展するリスクも潜んでいます。家賃の減額を求めたところで、スムーズかつ納得のいく金額で家賃が減額されない恐れもある点は留意すべきです。
まずは契約書を確認すべき
貸主によってはトラブルを避けるため、故障で設備が使えなくなった場合の賃料の減額率について契約書に明記しています。
また、家賃の減額割合の計算日数に含まれない「免責期間」が設定されている場合もあります。この期間中に設備が修繕されて問題なく使えるようになれば、家賃は減額されません。
お湯が出なくなった場合を含め、部屋の設備に何らかのトラブルが生じた際の対応は貸主によって異なります。まずは契約書の内容を確認してから、貸主に相談しましょう。
アパートでお湯が出ない期間の入浴方法

アパートでお湯が出なくなると、多くの場合で浴室が使えなくなります。設備が直るまでの間は、以下の方法で対処しましょう。
- 近隣の銭湯を利用する
- 近くに家族や友人が済んでいれば浴室を借りる
- 電気ケトルでお湯を沸かして使う
- ボディシートで体を拭く
それぞれの詳細を、以下で解説します。
近隣の銭湯を利用する
近所に銭湯など公共の浴場があれば、それを利用するのが確実な方法です。日数によっては入浴料で出費がかさみますが、どの方法よりもリラックスして体を洗えます。
公共の浴場が苦手なら、漫画喫茶のシャワーを使うのもおすすめです。
近くに家族や友人が住んでいれば浴室を借りる
近くに家族や友人が住んでいる場合は、浴室を貸してもらう手もあります。多少の迷惑をかけてしまう点も気に留めながら、事前に連絡のうえ状況を説明し、許可を得ましょう。
電気ケトルでお湯を沸かして使う
近くに頼れる方や施設がなければ、電気ケトルで沸かしたお湯を浴槽に溜めて体を洗う方法もあります。
しかし、浴槽いっぱいのお湯を用意するのは現実的ではないので、洗面器数杯分のお湯で体を流す程度にとどめましょう。
大量のお湯を沸かす手間を省きたい場合は、熱めのお湯でタオルを濡らし、温かい濡れタオルで全身を拭く方法も有効です。
ケトルで沸かしたお湯に水を足して適温に調整し、タオルを浸して絞れば簡易的な清拭タオルが作れます。
入浴ほどの爽快感は得られないものの、体の汚れや汗を落とすには十分な方法なので、試してみてください。
ボディシートで体を拭く
入浴そのものが難しい場合は、専用のボディシートで体を清潔に保ちましょう。汗を拭くための小さなシートだけでなく、大判・厚手の全身用ボディシートも数多く販売されています。
無香料で肌に優しい成分を配合したシートもあり、香りや肌への刺激が気になる方も安心です。
アパートでお湯が出ない状況にお困りの方はクリーンライフへ
アパートでお湯が出ない原因が給湯器や給水設備の不具合だった場合、最初に管理会社や大家さんへ連絡しましょう。
修理対応の流れや費用負担について、詳しく教えてもらえます。
指定給水装置工事事業者の『クリーンライフ』では、給湯器の修理や交換サービスも対応可能です。
給湯器の寿命は10〜15年とされており、長年使用した機器は経年劣化による不具合が起きやすくなります。
修理経験豊富なプロが迅速かつ丁寧に対応いたしますので、必要な際はお気軽にご相談ください。
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