蓄積した頑固な尿石・黄ばみには、強力な尿石除去剤「デオライト」が効果的です。
ただし、成分が強力な分、取り扱いには十分注意しなければなりません。
そこで今回は、デオライトの安全な使い方を分かりやすく解説します。
デオライトの種類ごとの用途、デオライトを使う際の注意点もお伝えしますので、ご使用の前にご確認ください。
デオライトの種類と使用方法
尿石除去やトイレつまりに使用されるデオライトには、下記の4種類があります。
種類 | 用途 | 使用量の目安 | 放置時間 |
デオライトL | 軽度の尿石・表面の黄ばみ除去 | 250ml | 15分 |
デオライトSS | 重度の尿石・小便器トラップの尿石除去 | 250ml | 30分 |
デオライトSP | 重度の尿石・小便器下部の尿石除去 | 250ml | 15分 |
デオライト | 便器の壁面や内側の尿石除去 | 500ml | 1時間 |
4種類の中ですぐに購入できるのが、デオライトLです。デオライトLはAmazonやホームセンターなどで販売されており、1,000円~1,500円程度で購入できます。
デオライトL以外の製品は医薬用外劇薬に指定されており、業務用として使用されるのが一般的です。購入するには「劇物譲受書」を提出しなければなりません。
家庭で使用する場合は、デオライトLを用意しましょう。
デオライトの使い方
ここからは、デオライトLの使い方を紹介します。
【用意する物】
- デオライトL
- 保護メガネ
- マスク
- ゴム手袋
安全に作業するために、保護メガネやマスクを用意して、皮膚や目を守りましょう。
また、薬剤の臭いで気分が悪くなることもあるので、ドアや窓を開けて換気扇を回しながら作業してください。
洋式・和式トイレの場合
洋式・和式トイレにデオライトLを使う手順は、次の通りです。
- 250mlのデオライトLを用意する
- 便器に溜まった水をくみ出す
- デオライトLを便器に投入する
- 15分ほど放置する
- 汚れが落ちているのを確認したら、水を流す
デオライトの標準使用量は、1回約250mlです。大量に流せばよいわけではないので、用量を守って適切に使用しましょう。
最後には十分に水を流し、便器にデオライトが残らないようにします。ゴム手袋などの使用した道具は、適切に洗浄してください。
小便器の場合
小便器にデオライトLを使用する場合、以下の手順で作業します。
- 便器の目皿を外し、バケツなどでデオライトLに5分浸す
- ブラシで磨いて尿石を落とす
- デオライトLを便器に250ml投入し、15分放置する
- 1回の作業で落ちない場合は、一連の作業を繰り返し行う
- たっぷりの水を流す
作業を行うときは必ずゴム手袋をはめて、直接皮膚につかないように注意してください。
また、小便器の目皿は陶器でできているため、取り扱いには注意してください。地面に落とすと簡単に割れてしまうので、バケツの上で洗うとよいでしょう。
作業が終わったら1L以上の水を便器に流し、薬剤が残らないようにしてください。
デオライト使用後に中和する手順
浄化槽を使用している場合、デオライトを使った後に、中和を行う必要があります。デオライトは強酸性のため、中和をしないと浄化槽に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
中和の方法は、次の2つがあります。
- ピーピースルーを便器に投入する
- 10L以上の水を便器に注ぐ
ピーピースルーがない場合は、10Lほどの水を便器注いで、薄めることでも対応できます。
デオライトを使うときの注意点
デオライトには強力な成分が含まれているため、使う際は以下の点に注意してください。
- 塩素系の薬剤と混ぜない
- 皮膚や目に入らないように十分注意する
- 使用後はしっかりと洗い流す
安全にデオライトを使うためにも、以下で説明する注意点を必ずご一読ください。
塩素系の薬剤と混ぜない
塩素系の薬剤とデオライトを一緒に使用すると、有毒な塩素ガスが発生する恐れがあります。
塩素ガスは人体に危険を及ぼす恐れがあり、吸うと気分が悪くなったり、肺水腫を起こしたり、最悪の場合は死に至る可能性もあります。
塩素系の薬剤を使用する場合は、デオライトとは別の日に使うようにしましょう。
皮膚や目に入らないように十分注意する
デオライトを使う際は、皮膚や目に薬剤が入らないよう、保護具を着用することが重要です。
- 保護メガネ
- ゴム手袋
- マスク
上記の3点は必ず着用し、直接デオライトと接触しないようにしてください。
万が一皮膚や目にデオライトがついた場合は、すぐに大量の水で洗い流しましょう。また、必要に応じて医師の診断も受けてください。
使用後はしっかりと洗い流す
デオライトを使ったら、しっかりと洗い流して残らないようにしましょう。
デオライトが陶器を溶かすことはありませんが、表面のコーティングに影響を与える可能性はあります。
デオライトは強い酸性の薬剤なので、既定の時間を大きく超えて使用すると、コーティングがはがれる恐れがあるので注意してください。
また、タイルの目地や金属面にデオライトが付着すると、変色やサビの原因になることもあります。
デオライトはしっかりと水で洗い流し、液体が残らないようにしましょう。
デオライトで尿石が落ちないときの対処法
デオライトのような強力な薬剤を用いても、尿石や黄ばみが残ることがあります。
デオライトで尿石が落ちないときは、以下の対処法をお試しください。
サンポールを使う
トイレの尿石落としには、サンポールもよく使用されます。
サンポールの使い方は、次の通りです。
- サンポールを2回プッシュ、汚れが気になる場所にかける
- ブラシでこする
- 尿石が落ちるまで数回繰り返す
サンポールはAmazonやホームセンター、ドラッグストアなど身近な店舗で購入でき、値段も300円前後と手軽に購入できるのが魅力です。
サンポールのノズルは、便器のフチ裏にまで液が届きやすい構造になっています。デオライトの方が強力ですが、サンポールなら隅々まで掃除しやすいため、試すのも良いでしょう。
サンポールの使い方については、以下のページを参考にしてください。尿石の落とし方をより詳しくまとめています。
メラミンスポンジやサンドペーパーを使う
デオライトのような強力な薬剤を使っても落ちない頑固な尿石は、メラミンスポンジやサンドペーパーで削って落とす方法もあります。
尿石部分にクエン酸水などをかけて、サンドペーパーやメラミンスポンジでこするだけです。
ただし、サンドペーパーが使用できるのは、陶器の便器部分だけになります。
また、強くこすると便器本体を傷つけてしまう可能性が高いため、素人が行う場合は十分注意しなければなりません。
取れない黄ばみを除去する方法は、以下のページでも紹介しています。尿石を落とすトイレ掃除の方法を解説していますので、ぜひご覧ください。
専門業者に掃除を依頼する
デオライトを使っても尿石が落ちないときは、専門業者に依頼するのが賢明です。
便器の見える部分の尿石が落とせても、排水口の奥にまで付着した尿石は簡単には落とせません。また、便器の尿石を無理に落とそうとすると、便器が傷ついてしまう可能性もあります。
業者に依頼すれば、業者専用の薬剤を使用して、便器を傷つけないように尿石を除去してくれるでしょう。
高圧洗浄機などを使って、配管の尿石を落とすことも可能です。
トイレのリフォームを検討する
トイレを長く使用していると、見えない部分にまで尿石がこびりつき、トイレがつまりやすくなることがあります。
トイレの耐用年数は15年ほどといわれており、使用年数が長いと、トイレの部品にも不具合が起き始めます。
使用年数が長く掃除しても落ちないほど汚れがひどいときは、トイレのリフォームも視野に入れて業者に相談してみましょう。
最近は便器のフチがない尿石の付きにくい便器もありますので、リフォームの際は検討してみてください。
デオライトでも汚れが落ちないときは
デオライトは尿石除去に適した洗剤ですが、医薬用外劇物に指定されている種類もあるため、取り扱いには注意が必要です。
素人が使用するには危険も伴うため、作業に自信がない場合は業者に依頼することをおすすめします。
トイレの尿石や黄ばみでお困りの方は、私たち『クリーンライフ』にご相談ください。尿石が原因のトイレのトラブルにも対応していますので、お気軽に無料相談・見積もりをご利用ください。