この記事では、トイレつまりで水が引かないときの対処法について徹底解説します。
トイレつまりの原因にも種類があり、原因に合わない対処をすると、状況を悪化させる可能性があります。そのため、この記事を参考に、まずは自宅のトイレつまりの原因を特定しましょう。
記事後半では、水が流れない・溢れそうなときにラバーカップなどを使って対処する方法についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
トイレつまりで水が引かないときのNG行動
まず、トイレつまりで水が引かないときに、以下の行動をしてはいけないことは知っておきましょう。
- 水やお湯を流す
- 異物を奥へ押し込む
- 原因不明のまま無理に解決しようとする
知らないと、焦ってついやってしまいがちな行動ばかりです。なぜNG行動なのか、一つずつ見ていきましょう。
水やお湯を流す
水が引かない状態だと、中度~重度のトイレつまりが起きていると考えられます。そのため、水を流してもつまりは解消されず、むしろ便器から水が溢れる可能性があります。
また、お湯を流しても効果は期待できません。むしろ、熱湯を流すと便器や配管を傷め、修理費用が高額になります。
水やお湯があふれると床が濡れ、さらに状況が悪化してしまうため、避けましょう。
異物を奥へ押し込む
トイレットペーパーやお掃除シートなど、異物が原因でトイレつまりが発生している場合は、奥へ押し込んではいけません。
なぜなら、状況が悪化し、トイレつまりの解消が困難になる可能性があるからです。
特に、水に溶けない異物が詰まっている場合は、修理業者へ依頼する必要があります。奥に入ってしまうと修理が難しくなり、時間もかかるため、むやみに奥へ押し込んで流そうとするのはやめましょう。
原因不明のまま無理に解決しようとする
トイレつまりにはいくつか原因があり、原因に合った対処が必要です。原因不明のまま無理に解決しようとすると、状況が改善しないどころか、悪化する可能性もあります。
そのため、トイレつまりの原因がわからない場合は、修理業者へ依頼して調べてもらうのがよいでしょう。
トイレつまりで水が引かない原因5選
トイレつまりで水が引かないときは、主に以下5つの原因が考えられます。
- 異物のつまり
- 汚れの蓄積
- 流れる水量の不足
- 水圧の低下
- 外にある汚水桝のつまり
自宅のトイレはどの原因なのか、考えながら見ていきましょう。
異物のつまり
トイレつまりの原因でよくあるのが、異物のつまりです。異物といっても、トイレに流せる異物と流せない異物の2種類があり、それぞれ対処法が異なります。
何がトイレに流せて何が流せないのか、この機会に知っておきましょう。
トイレに流せる異物
トイレに流せる異物は、以下のとおりです。
- トイレットペーパー
- 排泄物
- トイレに流せる製品
※「水に流せる」と記載があるお掃除シート、ブラシなど
トイレに流せるといっても、一度に大量に流すとつまりが発生してしまいます。そのため、トイレに流せる異物でも少しずつ流すのが鉄則です。
トイレに流せる異物が原因でつまっている場合は、時間を置いたり、異物を取り除いたりすると解決する場合があります。
トイレに流せない異物
トイレに流せる異物以外は、トイレに流せない異物と考えて大丈夫です。トイレに流せない異物の例を、以下に挙げました。
- スマートフォンなどの固形物
- オムツやナプキン
- トイレに流せないペットのトイレ砂
トイレに流せない異物が原因のつまりの場合、自力で対処するのは困難です。
目に見える位置にある場合は取り除いてもよいのですが、無理に対処すると状況を悪化させ、時間も費用も余計にかかってしまいます。
そのため、トイレに流せない異物が詰まっている場合は、速やかに修理業者へ依頼しましょう。
汚れの蓄積
トイレの汚れが蓄積すると、塊になって水の流れを妨げるケースがあります。
特に、排水管の汚れは、家庭の掃除では満足に取り切れない場合があり、汚れが蓄積しているケースも珍しくありません。
ほかに原因が思い当たらない場合は、汚れの蓄積を解消すると、トイレつまりで水が引かない状態を解決できるかもしれません。
流れる水量の不足
トイレットペーパーや排泄物を流すのに必要な水量が不足していると、うまく流れずにトイレつまりを引き起こします。
流れる水量が不足する原因はいくつかありますが、以下など、節水でわざと水量を少なくしている場合は、まず通常の使い方に戻してみましょう。
- 大便を「小」で流す
- トイレタンクにペットボトルを入れて水かさをあげている
節水しても、トイレつまりが発生しては元も子もありません。
ただ、意図せずに水量が不足しているケースもあります。その場合、トイレタンクに異常があると考えられるため、確認してみてください。
水圧の低下
水圧が低下すると、水が排水口まで到達せず、トイレがつまりやすくなります。特に、高層マンションなど、高い位置にある建物で起きやすい現象です。
自力で水圧を調整できるトイレもありますが、基本的にはプロにお任せするのが安心です。原因の調査も兼ねて、修理業者に依頼してみましょう。
外にある汚水桝のつまり
汚水桝は、生活排水を一時的に溜めておき、固形物や異物を分離する機能をもちます。建物の外にあり、マンホール型のフタに「汚水」「おすい」などと書かれています。
汚水桝がつまっていると、トイレの排水にも影響を及ぼし、水が引かない状況になる場合があります。汚水桝が詰まっている場合は、汚れを取り除きましょう。
汚水桝のつまりについては、以下の記事を参考にしてください。つまりの原因やつまり箇所を探す方法を解説しています。
トイレつまりで水が引かないときの対処法
トイレつまりで水が引かないときは、原因に合わせて以下の対処法をお試しください。
- 時間を置く
- つまりの原因を取り除く
- 蓄積された頑固な汚れを落とす
- トイレタンクを修理・交換する
- 汚水桝の汚れを取り除く
それぞれ、詳しいやり方を見ていきましょう。
時間を置く
水に溶ける異物が詰まっている場合は、時間を置くと解消されるかもしれません。目安として、30分~3時間ほど様子を見ると、異物が水でふやけて流れるケースがあります。
トイレットペーパーや排泄物を大量に流してしまった場合は、半日ほど放置しておく必要があります。
水が引かない状態で、いきなりラバーカップや真空式パイプクリーナーを使うと、水があふれて被害が拡大するかもしれません。まずは様子を見て、それでも水が引かないなら、次の対処法を試してみるとよいでしょう。
時間を置くときは、以下の記事もぜひ参考にしてください。トイレつまりが自然に治るケースや予防法がわかります。
つまりの原因を取り除く
異物のつまりが原因だとわかっている場合は、つまりの原因を取り除きましょう。
つまりの原因を取り除く方法は、主に以下の5つです。
- ゴム手袋で異物を取り出す
- ラバーカップを使う
- 真空式パイプクリーナーを使う
- ワイヤーブラシを使う
- 代用品を使う
つまりの原因を取り除くときは、トイレ周りを養生して、被害を拡大させない工夫をしてみてください。
また、トイレに流せない異物は、奥に入ってしまうと取り出すのが困難になります。
そのため、トイレに流せる異物の場合のみ自力での対処を検討し、トイレに流せない異物の場合は修理業者に依頼しましょう。
ゴム手袋で異物を取り出す
異物が目に見える位置にある場合は、手で取り出すのが最も手っ取り早い方法です。
ただ、衛生面や怪我を考えて、ゴム手袋をはめて異物を取り出しましょう。手首まで覆えるタイプのゴム手袋を、100円均一ショップなどで購入するのがおすすめです。
ただ、目視できない位置まで異物が入り込んでいる場合は、無理に取り出そうとせず、修理業者へ依頼しましょう。
ラバーカップを使う
ラバーカップ(プランジャー)は、トイレに流せる異物のつまりに有効です。
ドラッグストアやホームセンターで、1,000円ほどで購入できます。底が出っ張っているのが洋式トイレ用なので、選ぶ際は注意してください。
ラバーカップの使い方は、以下のとおりです。
- 水が溢れそうな場合はコップやバケツで汲み出す
- 水が溜まっている部分に、ラバーカップをかぶせる
- ゆっくり押し込んでカップをへこませる
- 勢いをつけてすばやく引き戻す
トイレに流せない異物に使うと、状況が悪化する可能性があるので、使用しないでください。
ラバーカップの選び方やお手入れ方法がわかる、以下の記事もぜひ参考にしてください。
真空式パイプクリーナーを使う
真空式パイプクリーナーは、ラバーカップ同様、トイレに流せる異物のつまりに効果的です。真空式パイプクリーナーは、ラバーカップに比べて吸引力が高いのが特徴です。
真空式パイプクリーナーは、ドラッグストアやホームセンターで2,000~3,000円ほどで売っています。先端に突起がついたものが洋式トイレ用です。
真空式パイプクリーナーの使い方は、以下のとおりです。
- 水が溢れそうな場合はコップやバケツで汲み出す
- 便器の水が溜まっている部分に、真空式パイプクリーナーをかぶせる
- ハンドルを引き上げた後に押し下げる
ラバーカップと同じく、トイレに流せない異物には使わないでください。
真空式パイプクリーナーについては、以下の記事もご覧ください。選び方や仕組みを解説しています。
ワイヤーブラシを使う
ワイヤーブラシを使う方法では、異物に先端を引っかけて取り出します。目に見えないところまで届くのが特徴です。
ワイヤーブラシは100円均一ショップでのほか、ドラッグストアやホームセンターでも1,000円ほどで手に入れられます。トイレ用のワイヤーブラシが売っている場合、そちらを購入すれば間違いありません。
ワイヤーブラシの使い方は、以下のとおりです。
- 便器にワイヤーブラシの先端を伸ばし入れる
- つまりの原因に引っかかったら前後させる
無理に作業すると、つまりの原因を奥に押し込んだり便器を傷つけたりする可能性があります。無理だと感じたら、すぐに作業をやめましょう。
以下の記事では、ワイヤーブラシの選び方やトイレつまりの見極め方を解説しています。こちらもぜひご覧ください。
代用品を使う
ラバーカップやワイヤーブラシが自宅にない場合は、代用品での対処も可能です。
ただ、リスクはあるので、代用品を使うのはどうしても道具を用意できず、緊急で対処が必要なときだけにしましょう。
【ペットボトルの使い方】
- 下の部分を切ったペットボトルを便器に差し込む
- 口を塞いで押し引きする
水が溢れないよう、便器の周りは養生しておきましょう。
【ビニール袋の使い方】
- ゴム手袋をはめて拳を作り、ビニール袋に手を入れる
- 便器の中で押し引きする
ビニール袋がトイレに流れないよう、押さえながら作業しましょう。
【ラップの使い方】
- 便器をラップで覆う
- 水を流してラップを両手で押さえる
ラップは水に溶けないため、トイレに流さないでください。
【針金ハンガーの使い方】
- ペンチなどで先端を輪にする
- 便器に差し込み、つまりに当たったら優しく動かす
針金ハンガーを使う際は、便器を傷つけないように優しく動かすのがポイントです。
トイレつまりを解消する方法をまとめている以下の記事も、ぜひご覧ください。
蓄積された頑固な汚れを落とす
汚れの蓄積でトイレつまりが発生している場合は、以下の洗浄剤で頑固な汚れを落としてみましょう。
- デオライトL
- トイレハイター
使い方を詳しく見ていきます。
デオライトLを使う
デオライトLは、尿石(黄ばみ)を溶解・除去して、頑固なつまりや悪臭を解消する強力な洗浄剤です。
デオライトLの相場は1,500~2,000円ほどで、ホームセンターで購入できます。
デオライトLの使い方は、以下のとおりです。
- コップやバケツで水を汲み出す
- 規定量を便器に流し込む
- 説明書きに従って放置する
- 水で流す
便器や配管を傷める可能性があるため、使用量や放置時間は説明書きに従ってください。
トイレハイターを使う
トイレハイターは、黒ずみ・黄ばみ汚れに効く洗浄剤です。ドラッグストアで数百円あれば購入できます。
トイレハイターの使い方は、以下のとおりです。
- 規定量を便器にかける
- 説明書きに従って放置する
- 水で流す
トイレハイターで便器や配管を傷めないよう、使用量・放置時間は説明書き通りにしてください。
トイレタンクを修理・交換する
水量不足がつまりの原因になっている場合は、トイレタンクを修理・交換すると解決するかもしれません。
例えば、タンク下にあるゴムフロートが機能しておらず水量不足になっているなら、交換すれば解決できます。ゴムフロートはホームセンターで、1,000円~3,000円ほどで購入可能です。
ゴムフロートの交換方法は、以下のとおりです。
- 止水栓を時計回りに回して閉める
- タンク内の水を空にする
- レバーとゴムフロートをつなぐチェーンを外す
- ゴムフロートを交換する
- チェーンをつなぐ
部品の交換は自力でできますが、トイレタンクを丸ごと交換する場合は、修理業者へ依頼するのがよいでしょう。
以下の記事では、ほかの部品の交換方法を紹介しているので、ぜひご覧ください。
汚水桝の汚れを取り除く
汚水桝がつまっている場合は、汚れを取り除いてみましょう。桶ですくったり、掃除ブラシでこすったりすると、汚れが落ちます。
汚水桝を掃除するときは周りが汚れないよう、ビニールシートで養生しておくのがおすすめです。汚れを入れるバケツ、汚れても問題のない服を準備しておくと、なおよいでしょう。
以下の記事では、準備やより具体的な掃除方法について解説しています。こちらもぜひご覧ください。
トイレつまりで水が引かないときの解消費用の相場
トイレつまりの原因がわからない場合や、自力で解決できなそうな場合は、修理業者に依頼しましょう。作業ごとの費用相場は、以下のとおりです。
作業内容 | 料金相場 |
---|---|
汚水桝の清掃 | 2,000円~10,000円 |
トイレつまりの解消(専用器具使用) | 7,000円~10,000円 |
尿石の除去 | 8,000円~10,000円 |
便器の着脱 | 10,000円~15,000円 |
トイレタンクの交換 | 10,000円〜35,000円 |
排水管の洗浄 | 10,000円〜35,000円 |
高圧洗浄 | 15,000円~50,000円 |
便器の交換 | 30,000円〜50,000円 |
基本料金や出張費、夜間・深夜料金は、つまりの程度にかかわらず発生する料金です。無料の修理業者もいるので、事前に電話やホームページで確認しておきましょう。
相場は、以下のとおりです。
項目 | 料金相場 |
---|---|
基本料金 | 0〜4,000円 |
出張費 | 0~4,000円 |
夜間・深夜料金 | 0~8,000円 |
トイレつまりの程度が重度なほど、時間がかかり料金は高くなります。そのため、修理業者に依頼するなら、なるべく早い段階で頼むのがおすすめです。
トイレつまりで水が引かないときの業者の選び方
トイレつまりで水が引かない状態の解消を修理業者に頼む場合、以下3つのポイントを確認してみましょう。
- 水道局指定工事店
- 口コミ・評判
- 料金体系
まず、水道局指定工事店を選ぶと安心です。水道局指定工事店には、一定の知識と技術をもつ修理業者が指定されるため、ある程度信頼できる修理業者を絞れます。
加えて、インターネット上で口コミや評判を調べれば、実際に利用した人が満足したかがわかります。評価コメントも見てみると、より詳しい実情を把握できるでしょう。
また、料金体系を確認し、作業ごとの料金が明確か、予算内かを確認してみてください。この3つの条件をクリアすれば、信頼できる修理業者を見つけられるでしょう。
トイレつまりで水が引かない状態が続くときは
トイレつまりで水が引かないときは、異物がつまっていたり水量が不足していたりするケースが考えられます。原因に合わせて、対処法を試してみましょう。
原因がわからない、なかなか水が引かないなど、解決しない場合は修理業者へ依頼するのがおすすめです。
私たち『クリーンライフ』は出張・見積もり費用は無料で、作業ごとの料金も明確です。原因がわからない場合でも対応いたしますので、お気軽にご連絡ください。