排水管から水漏れする原因や対処法を解説します。
排水管から水漏れしているのは汚水なので、住宅へのダメージも重症です。できるだけ迅速に確認して、対処しましょう。排水管の水漏れの確認方法や、応急処置もわかりやすく解説していきます。
見える箇所の排水管なら、ご自分での対処が可能な場合もあります。被害を最小限に抑えるためにも、記事を参考にしてみてください。
排水管の水漏れを確認する方法
排水管は、使った水を流すための配管です。排水管から水漏れするのは汚水で、悪臭やカビ・雑菌の増加などが起きる原因になるため、できるだけ迅速な対応が必要です。
しかし、排水管は壁や床に隠れている場合が多く、水漏れに気づきにくいケースもあります。
ここでは、排水管からの水漏れがあるのかどうか、確認方法を解説していきます。
水道メーターを確認する
「水漏れ箇所がわからない」「どこからか水漏れがある」という場合は、まず水道メーターを確認してください。
住宅内の蛇口を全て閉めて、水を使っていない状態にしているのに、水道メーターのパイロットが動いていたら、水道管からの水漏れです。
パイロットが動いていないのに水がにじみ出ていたら、排水管からの水漏れなので排水管をチェックしましょう。
水たまりを確認する
雨が降り込んでいるわけではないのに、水たまりができていたら、水漏れの可能性があります。
水たまりを白い布で拭いてみてください。以下のように、布についた水の色で、どこから水漏れしているのか判断します。
- キレイな水なら水道管
- 色がついていたら排水管
布に色がついていたら汚水が漏れているので、排水管からの水漏れです。
異音がないか確認する
見える箇所に水漏れがなく、壁や天井などに水漏れのしみがあったら、耳を澄ませて異音がないか確認しましょう。
「シュー」といった水や空気が漏れるような音がしたら、排水管か給水管にヒビが入っている可能性があります。そのほかの異音でも、何らかのトラブルが生じている可能性が。
見えない箇所の水漏れは、ご自分での対処が難しいので、業者への相談がおすすめです。
排水管から水漏れするときの応急処置
排水管からの水漏れがあるときに、被害が広がらないための応急処置を解説します。
止水栓を時計回りで閉める
水漏れしている水回り箇所の水を使わないようにして、それ以上被害が広がらないようにします。うっかり水を使わないよう、止水栓を閉めておくと安心です。
【止水栓の設置場所】
水回り箇所 | 止水栓の場所 |
---|---|
トイレ | 給水栓がタンクに入る途中、タンクの横や床 |
お風呂 | 蛇口の下に2ヶ所 (それぞれお湯と水) |
洗面所 | 洗面台の下の物入れの中 |
キッチン | シンク下 |
洗濯機 | なし ※止水栓を閉める代わりの対策:洗濯機を使わない |
止水栓の形状は以下の3種類です。
- ハンドル式
- 外ネジ式
- 内ネジ式
ハンドル式は、手で回します。ネジ式はどちらもマイナスドライバーが必要です。いずれの止水栓も、時計回りに回して閉めます。
止水栓の設置箇所や用途、動かないときの解消法などをわかりやすく以下の記事で説明しているので、参考にしてください。
テープを巻く
キッチンのシンク下や洗面台下の見える箇所にある排水管からの水漏れなら、補修テープなど防水性のあるテープを巻き付けましょう。テープを巻きつけておけば、数時間は排水管を使えます。
以下のようなテープがおすすめです。
- 防水補修テープ
- 仮補修テープ
- 自己融着テープ
- シリコーン自己融着テープ
ダイソーなどの100円ショップ、コーナンなどのホームセンター、通販サイトで購入できます。ホームセンターや通販サイトでは、500円〜です。
補修テープがない場合は、ビニールテープでも可能です。いずれにしても応急処置なので、できるだけ迅速な修理が必要です。
タオルやバケツで水を受け止める
テープがない場合はタオルやバケツで排水を受け止めて、床などが濡れないようにしましょう。大量に水を使うと受け止めきれないので、できるだけ少量の水を使うようにしてください。
水を使うたびに、タオル・バケツの交換が必要になっていないかを確認しましょう。床が濡れないように注意が必要です。
【濡れた箇所を見つけたときの対処法】
- 乾いた布でしっかり拭き取る
- 換気をよくする
- アルコールスプレーで消毒する
排水管から水漏れしているのは汚水なので、雑菌が増えないように注意しましょう。
賃貸の場合は管理者へ連絡
賃貸住宅にお住まいの方は、応急処置をして管理者に連絡してください。勝手に修理業者を呼ぶと、トラブルになる可能性があります。
以下のような場合は、大家さんが修理費用を支払ってくれるかもしれません。
- 経年劣化で排水管に破損箇所ができた
- 前入居者の利用の仕方に問題があった
しかし、勝手に修理をすると、支払い分を請求するのは難しくなります。
また、以下の2つも忘れないでください。
- 賃貸契約書を確認して、トラブルがあった場合の事項を読む
- 火災保険を確認して、水漏れ被害について確認する
もし、修理業者を呼ぶように管理者から指示されたら、領収書を保管しておきましょう。
排水管から水漏れする3つの原因・対処法
排水管からの水漏れの原因は、主に次の3つです。
- 排水管のつまり
- ナットのゆるみ
- 排水管の破損・劣化
原因と対処法を解説します。
排水管のつまり
排水管からの水漏れの主な原因は、排水管のつまりです。排水管が詰まると内部が圧迫されて、排水管の接続部などから水漏れが始まります。
排水管つまりの原因は、以下の一覧表を参考にしてください。
水回り箇所 | 主なつまりの原因 |
---|---|
キッチン | 油汚れ 食べカス 洗剤 |
お風呂 | 毛髪 石けん 皮脂 |
洗面所 | 毛髪 石けん 固形物(キャップ・ピアスなど) |
トイレ | トイレットペーパー・排泄物 ティッシュペーパー 吐瀉物 固形物(文房具・タオルなど) |
洗濯機 | ほこり・ゴミ 糸くず 砂・泥など衣服の汚れ |
以下の記事で、さらに詳しく排水管のつまりの原因を水回り箇所ごとに解説しているので、参考にしてください。原因を知っておくと、つまりの予防をしやすくなります。
排水管のつまりを除去するだけで、排水管への圧迫がなくなり、水漏れが解消する可能性があります。つまりの解消法をご紹介します。
対処法1:すっぽん(ラバーカップ)を使う
排水管のつまり除去で、おすすめの道具はラバーカップです。ラバーカップは、ドンキホーテなどのディスカウントショップ、カインズなどのホームセンター、ドラッグストアで1,000円前後で購入できます。
選ぶ際の最も重要なポイントは、カップの大きさです。カップが排水口より一回り大きいサイズのラバーカップを選びましょう。
【ラバーカップを使用した排水管つまり解消法】
- ラバーカップのカップを排水口に密着させる
- カップが隠れる程度に水をためる
- ラバーカップをゆっくり押し、一気に引く
- 3を数回繰り返す
- 水を流してみる
以下の記事で、ラバーカップの種類や選び方、利用の際の注意事項を解説しているので、参考にしてください。
対処法2:真空式パイプクリーナーを使う
真空式パイプクリーナーは、ラバーカップよりさらに吸引力のあるつまり解消道具です。カップの交換が可能なので、排水口に合わせられます。
真空式パイプクリーナーは、コーナン・カインズといったホームセンターや通販サイトで1,000円〜3,000円で購入可能です。アタッチメント(カップ)の種類・数によって値段が上下します。
【真空式パイプクリーナーを使ったつまり解消法】
- カップを排水口に密着させる
- カップが隠れる程度の水を加える
- レバーを引き上げる・押し下げるを繰り返す
- 排水管内からボコっという詰まり解消の音が聞こえたら終了
以下の記事で、真空式パイプクリーナーの選び方や注意点を解説しているので、参考にしてください。
ナットのゆるみ
キッチンのシンク下や洗面台下の排水管は、ナットで接続しています。ナットが緩むと、そこから水漏れが始まります。
排水管を長年使っていると、少しずつナットが緩んでいき、水漏れが始まるケースが少なくありません。また、地震などの衝撃でもナットが緩みます。
ナットが緩んでいないか、確認してみましょう。
対処法:ナットを締め直す
ナットが緩んでいたら、締め直します。樹脂製の排水管なら手で締め直せ、特別な道具は不要です。軍手をつけて作業すると、力を入れやすくなります。
ナットがかたくて動かない場合や金属製の排水管の場合は、モンキーレンチやスパナーを利用しましょう。
ナットが斜めになって水漏れしている場合は、一旦緩めたあとで、位置を水平に保ちながら締め直してください。
排水管の破損・劣化
排水管の寿命は、以下のように比較的長いです。しかし、状況によって短くなります。
排水管の素材 | 寿命の目安 |
---|---|
亜鉛メッキ鋼管 | 約20年 |
炭素鋼鋼管 | 20年〜25年 |
塩ビ管 | 約30年 |
鋳鉄管 | 35年〜40年 |
ポリエチレン管 | 30年以上 |
【寿命が短くなる要因】
- メンテナンス不足
- 凍結
- 熱湯を流す
- つまりの放置
- 地震などの衝撃
また、接続部のパッキンの寿命は、10年~15年程度です。パッキンが劣化してきたら、交換して水漏れを防ぎましょう。
対処法1:パッキンを交換する
パッキンの劣化が水漏れの原因なら、パッキンを交換します。
パッキンは排水管の太さにあわせて、選びましょう。カインズやコーナンといったホームセンター、通販サイトで、200円〜で購入可能です。
サイズは、主に以下の3種類です。
- 38mm
- 32mm
- 25mm
【パッキンの交換方法】
- パッキン交換する排水管の下にタオルなどを敷いて、床を養生する
- ナットを緩めて、外す
- 古いパッキンを外す
- ナットの汚れを歯ブラシ等でこすり落とす
- 新しいパッキンを設置する
- 再度、排水管を組み立てる
水を流してみて、水漏れが解消されたかどうかを確認して終了です。
古いパッキンが癒着してくっついているときは、マイナスドライバーなどでこすって完全に除去しないと、水漏れは止まりません。
対処法2:排水管を交換する
排水管が劣化して、ヒビや穴から水漏れしていたら排水管の交換が必要です。
【必要な道具】
- ウォーターポンプフライヤー
- プラスドライバー
- 軍手
- 雑巾
- 洗面器
- 新しい排水管
新しい排水管は、もともと設置されている排水管と同じサイズのものを用意します。
【排水管の交換方法】
- 床が濡れないように、排水管の下に洗面器を置く
- 排水管を固定しているナットを外す
- 床部分で排水プレートを固定しているネジをプラスドライバーを使って外す
- 排水プレートを上に持ち上げて、外す
- 排水管を引き上げて、取り外す
- 排水管に設置されている黒いゴム(防臭ゴム)を外す
- 新しい排水管を設置する
水を流して、水漏れが解消したか確認してください。
排水管の交換に失敗すると、水漏れがさらにひどくなるので注意が必要です。
凍結で破損するケースもある
排水管や給水管は、凍結すると破損する場合があります。凍結すると水の体積が増えて、配管内部を圧迫するためです。
-4℃以下で次のような状況では、凍結しやすいので注意が必要です。
- 夜間に水を流さない時間が長い
- 留守にしている
- 排水管が屋外に設置されている
凍結して水が流れなくなり、すぐに解凍しようとして熱湯を流してしまうと、排水管が破損します。解凍したいときは、排水管が破損しにくくなる以下の方法がおすすめです。
- 50度前後のお湯をかける
- ドライヤーの温風をゆっくりかける
- 自然解凍を待つ
排水管が凍結した場合の対処法を、以下の記事でわかりやすく解説しています。排水管の破損を防止するために、参考にしてください。
排水管の水漏れ修理を業者に頼むケース
排水管の水漏れは、自分で対処が難しいケースがほとんどです。特に以下のような場合は、水道修理業者に相談しましょう。
- 水漏れ箇所が確認できない
- 床下など、見えない場所から水漏れしている
- 大量の汚水の水漏れで悪臭がある
- 対処したが水漏れが直らない
排水管の水漏れを放置すると、住宅にもダメージを与えるので、できるだけ迅速な対応が必要です。
排水管の水漏れ修理の費用相場
排水管からの水漏れ修理の費用目安をご紹介します。排水管の水漏れ修理は、修理内容によって金額が変わります。
【作業料金の目安料金】
修理内容 | 料金相場 |
---|---|
つまりの除去 | 8,000円~ |
部品の交換 | 3,000円~ |
配管の工事 | 20,000円~ |
排水管(パイプ)の交換 | 10,000円〜 |
排水管の交換 | 100,000円~ |
排水桝の清掃 | 8,000円~ |
パッキンなど部品の交換や軽度のつまり除去であれば、低価格で修理できます。
作業料金以外に、業者によっては下記の料金が加算されます。
項目 | 相場料金 |
---|---|
基本料金 | 0円~5,000円 |
見積もり | 0円~ |
夜間・休日の割増料金 | 0円~10,000円 |
出張料金 | 0円~5,000円 |
水漏れの修理料金は、基本料金と作業料金、部品代の合計金額です。特に排水管の引き直しは高額になるので、複数の業者で相見積もりをして、適正価格の業者に依頼してください。
排水管の水漏れを防ぐ方法
排水管の水漏れを防ぐには、つまりが生じないようにすることが重要です。以下の方法で、排水管が汚れないように気をつけましょう。
- 油をなるべく流さない
- 髪の毛や食品カスを流さない
- 液体パイプクリーナーを定期的に使う
それぞれについて、説明します。
油をなるべく流さない
キッチンの排水管のつまりの原因は、主に油汚れです。排水管が詰まると水漏れを招く場合があるため、油を直接シンクに捨てないようにしましょう。
油汚れは水に溶けにくいため、少量でも蓄積していきます。シンクに汚れものを置く前に、キッチンペーパー等で汚れを拭き取るようにすると、排水口に入る油の量を抑えられます。
以下の記事で、油汚れでつまりが生じた場合の対処法や予防法をわかりやすく解説しているので、参考にしてください。
髪の毛や食品カスを流さない
髪の毛や食品カスが排水管に流れると、詰まって破損し、水漏れが発生しやすくなります。
排水口につまりの原因を流さないように、以下を実行してください。
- 嘔吐するときに便器や洗面台を使わない
- 余った食材を便器等に捨てない
- 食品カスや毛髪が排水口に入らないように、排水口ネットを設置する
排水口ネットは、使い捨てタイプが便利です。ダイソーなどの100円ショップやファミリーマートなどのコンビニエンスストアで購入できます。
排水口ネットは、ダイソーで45枚セット、ファミリーマートでも25枚セットが100円とリーズナブルです。毎日交換することをおすすめします。
液体パイプクリーナーを定期的に使う
液体パイプクリーナーを排水管に注いで、汚れが蓄積しないようにしましょう。液体パイプクリーナーを使う頻度は、以下の通りです。
水回り箇所 | 使う頻度 |
---|---|
キッチン | 週に1〜2回 |
お風呂・洗面台 | 2週間に1回 |
洗濯機 | 月に1回 |
上記はあくまで目安です。料理をする頻度など水回りの使用頻度や、家族の人数などで変わります。
液体パイプクリーナーの選び方や使う上での注意事項を、以下の記事で解説しています。水回りごとのおすすめパイプクリーナーも紹介しているので、参考にしてください。
排水管の水漏れを放置して起こりやすい症状
排水管の水漏れを放置すると、以下が起こりやすいため注意しましょう。
- 家が傷む
- 集合住宅の場合、階下に被害が及ぶ
- 水道料金がかさむ
建物の建材や床、壁が水で傷んでしまったり、カビが発生したりする可能性があります。被害が拡大すると、修繕が必要なほど傷むことも。
また、マンションや2階以上の部屋で水漏れした場合には、階下に被害が及ぶ恐れもあります。
少量の水漏れだからといって放置していると、水道料金がかさんで高額になるケースもあるので注意が必要です。
排水管の水漏れをすぐに解決したいときは
排水管の水漏れの原因や対処法を解説しました。
排水管の水漏れを放置すると、住宅へのダメージも心配です。できるだけ迅速に修理してください。
根本的な問題解決には、プロの水道修理業者への相談がおすすめです。どの業者に依頼すべきか迷っている方は、私たち『クリーンライフ』にご相談ください。
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