トイレの水位が下がっても特に大きな問題がなければ、そのまま放置してしまう方もいるでしょう。
しかし、トイレの水位が下がるのはトイレがつまる前兆かもしれません。場合によっては、すでにトイレつまりが起きており、放置し続けると症状が深刻化する恐れもあります。
今回は、トイレつまりで水位が下がる原因や対処法について解説します。日頃から実践できる予防策もお伝えするので、ぜひチェックしてみてください。
トイレつまりで水位が下がる時の対処法6つ
トイレつまりで水位が下がる場合、自力での修理が可能なケースもあります。
ここでは、自分でできる簡単な対処法を6つご紹介します。いざトラブルに直面した際、ぜひお試しください。
トイレの水位が下がる時の対処法1:2〜3時間ほど放置する
以下が原因のトイレつまりで水位が低下するのであれば、しばらく放置することで直る場合もあります。
- 大便
- トイレットペーパー
- 流せるシート
2~3時間ほど放置した後にバケツなどで水を流し、水位が元の位置に戻るのか確認しましょう。
流せるシートは分厚いため、半日または一晩ほど放置すると流れる可能性があります。
トイレの水位が下がる時の対処法2:トイレタンクを確認する
トイレタンクのフタを外し、水位を確認してみましょう。トイレつまりによって、タンク内の水位が下がっている場合は水を入れた後、流すと症状が改善されることもあります。
もしタンクに水が溜まらなければ、以下を確認してみましょう。
- フロートバルブが外れていないか
- 鎖が切れていないか
- 鎖が引っかかっていないか
- 浮き玉が破損していないか
フロートバルブとは、タンクの底にあるゴム製の栓のこと。最近はプラスチック製のものも普及しています。
タンク内の部品を自分で交換する際は、説明書に従って行いましょう。自分で交換できそうにないときは無理をせず、専門業者に相談してください。
トイレの水位が下がる時の対処法3:固形物が見えれば取り除く
封水が溜まっている場所に、うっかり落とした固形物が見えていれば、ゴム手袋をして取り除くとつまりが改善されて水位が正常化します。
うっかり落としたおむつや生理用品などが水を含んで排水口にとどまっていたら、水が流れやすくなります。ゴミ袋を用意して、床を濡らさないようにして処分しましょう。
トイレの水位が下がる時の対処法4:バケツで便器に水を流す
排泄物やトイレットペーパーによるトイレつまりが原因ならば、水を流すことで解決する可能性があります。
ただ、水を大量に入れると溢れる恐れがあるので要注意。まずは1L程度の水を流し、様子を見ましょう。
【バケツで便器に水を流す手順】
- バケツ(もしくは大きな容器)に水を入れ、高い位置から排水口に向かって勢いよく水を流す。
- 少しずつ水位が下がる場合、数回水を流す。
水は一気に流さず、1~2cmほどの細い線を作るように流すのがコツです。
トイレの水位が下がる時の対処法5:お湯を便器に流す
水を流してもトイレの水位が戻らないときは、お湯を流すことでトイレつまりを解消してみましょう。
【便器にお湯を流す手順】
- バケツなどでお湯を数回流す。
- 1時間ほど放置し、様子を見る。
- 放置後は再度水を流し、水位が戻るか確かめる。
用意するお湯は、40~60℃程度のぬるま湯。陶器製の便器は熱に弱く、割れてしまう恐れがあるので、70℃を超える熱湯の使用は避けましょう。
お湯を沸かして泡が少し立ち、湯気が出始めた頃の温度が40~60℃です。お湯を使用する際は、参考にしてみてください。
トイレの水位が下がる時の対処法6:ラバーカップを利用する
便器の水位が下がる程度の軽微なつまりなら、「ラバーカップ(スッポン)」が効果的です。正しい使用方法を説明します。
ラバーカップにはさまざまな種類・サイズがあるので、適切なラバーカップを用意します。
【ラバーカップを使う手順】
- 便器内の水量を調整(お椀部分が水の中に入る程度の水量)
- ラバーカップを排水口に押し当てて、しっかり密着させる。
- ラバーカップを勢いをつけて引っ張る。
ゴボゴボと音がして、つまりが改善されるまで繰り返します。最後に水を少しずつ流して、つまりが除去されたかどうかを確認してください。
汚水が飛び散る可能性があるので、周囲にビニールシートを敷き、濡れても大丈夫な服を着用しましょう。
トイレの水位が上がる・下がる原因とは?
便器に溜まっている水は「封水」と呼ばれています。
封水の水量は基本的に調整できません。封水の水位が上がっていたり下がっていたりしていると、トイレつまりなど何かしらのトラブルが発生している可能性が高いです。
トイレの水位が下がる原因を以下にまとめました。
長期間トイレを使っていない
帰省や留学などで長期間家を空けてトイレを使っていなければ、封水が蒸発して水位が下がることがあります。
蒸発で水位が下がる場合、水を流すと正常の水位に戻るケースが大半です。
洋式トイレを長期間使わないときは、フタを閉めておくと水位が下がるのをある程度防げます。
節水をしていてトイレに流れる水量が少ない
節水対策としてトイレのタンクにペットボトルなどを入れていると、便器に流れる水量が少なくなり、水位が下がるケースもあります。
また、タンク内の浮き玉に節水用品が当たることで、水量の調節がうまくいかず、水位が下がる可能性もあるでしょう。タンクの部品が破損していたために、水量が少ない場合もあります。
水量が少なくなると水位が下がる他、トイレつまりが起こるリスクも高まるため注意が必要です。
トイレットペーパーや流せるシート類が詰まっている
トイレットペーパーや流せるシート類などを大量に流してしまった場合、水位が下がることもあります。
水位が下がるのはトイレつまりが起こる前兆、または軽度なトイレつまりがすでに発生している状況です。
また、トイレットペーパーや流せるシート類が封水を吸い取ってしまい、排水している可能性もあります。これは「毛細管現象」と呼ばれ、水位が下がる原因の1つです。
特に以下の場合、毛細管現象が起きやすいので注意しましょう。
- トイレのタンクで節水対策を行っている
- 節水型トイレを利用している
ちなみに毛細管現象が起きていると、何もしていないにも関わらず水位が下がります。
異物を便器内に落とした
異物を落としてトイレつまりが起こり、水位が下がるケースもあります。
トイレに流せるのは基本的に、排泄物とトイレットペーパーのみです。水に溶けない異物を流すとトイレつまりが発生しやすいため、気を付けましょう。
以下はトイレに落としやすい異物です。
- ティッシュペーパー
- ハンカチ
- おむつ
- 尿漏れパッド・尿漏れシート
- 生理用品
- スマホ
- おもちゃ
尿漏れパッドや尿漏れシート、おむつ、生理用品は吸水性があるため、便器に落とすと膨張してトイレつまりを招き、水位が下がることがあります。
手で取れない範囲に異物を落とした場合は、無理して取ろうとせず、専門業者に相談しましょう。
便器内部が故障している
稀ではありますが、便器の故障が原因の水漏れによって、水位が下がることもあります。注意点は、集合住宅での水漏れは下の階にまで被害を及ぼす可能性があることです。
また、排水管や水道管に何らかのトラブルが生じ、水位が下がるケースもあります。
水位が下がるだけではなく、水漏れなどの異変に気付いたら、早めに水道修理業者や管理会社へ連絡しましょう。
封水も流れてしまっている(誘引現象)
誘引現象とは排水管に勢いよく水が流れ、便器に溜まるはずの封水も流れてしまう現象です。
集合住宅で排水管が他の部屋とつながり、
- 複数の部屋で同時に排水した
- 近くで水道工事が行われている
こういった場合に起こりやすい現象です。
誘引現象で水位が下がるときは、基本的に水を流すと解決できます。もし水を流しても直らない場合は、専門業者に相談してみましょう。
サイホン作用によって水が引いている
アパートやマンションといった集合住宅にお住まいですと、上の階の人が水を流したときに排水管内の気圧が下がって、下の階の便器内の水が引っ張られてしまうことがあります。これがサイホン作用と呼ばれる現象です。
サイホン作用は一時的に起きる現象なので、心配はいりません。しばらく待っていれば水位が元に戻るはずですので、少し待って水位が戻ったかどうか確認してください。
大雨で排水が追いつかない
大雨が降ると、下水に水が溢れた状態になります。トイレから流れる水は下水に入るのですが、下水に水が溢れていると逆流してしまうために、トイレのつまりが生じるのです。
トイレつまりが生じると、封水に異常が出てきます。大雨が原因で下水に問題がある場合は、対処方法はありません。水が引くのを待つだけです。
ご近所の方も同じトラブルになっているか確認すると、大雨が原因かどうか判断できます。
トイレの水位が下がるのを放置すると危険な理由
トイレの水位が下がるだけなら普段通りに使用できるため、それほど不便に感じず放置する方もいるでしょう。
しかし、水位が下がる状態を放置すると、以下のトラブルを引き起こす可能性があります。
トイレから悪臭が発生する原因になる
封水は臭いの主成分「アンモニア」を吸収し、悪臭を抑える役割も担っています。封水が減ってトイレの水位が下がると、悪臭の原因につながります。
また、封水は排水管から悪臭や虫が入り込むのを防いでいるため、水位が下がると下水臭く感じる場合もあるでしょう。
虫が湧く可能性もあるので、トイレの水位が下がると気付いたら早めに対処してください。
トイレが故障して使えなくなる
トイレの水位が下がるときは、トラブルが起きる前兆かもしれません。
今は大きな被害がなくても、水位が下がる状態でトイレを使い続けると、状況が悪化してトイレが故障する恐れがあります。
水位が下がるのは、トイレに何かしらの異常があるサインです。もし原因に心当たりがなければ、早めに水道修理業者へ相談しましょう。
近隣住民に迷惑がかかる可能性がある
トイレつまりが発生していると、水位が下がることがあります。
特にマンションやアパートといった集合住宅でトイレつまりを放置すると、下の階に水漏れする恐れもあり注意が必要です。
水漏れは高額な修理費を請求されるケースもあるため、水位が下がると判明したら放置せずにすぐさま対処しましょう。
トイレで水位が下がるのを未然に防ぐ方法
封水が減ってトイレの水位が下がると、悪臭や水漏れなどのトラブルが拡大する恐れもあります。
トイレで水位が下がるのを防ぐためにも、日頃からの予防は大切です。予防するためのポイントを紹介するので、参考にしてください。
トイレットペーパーを使いすぎない
トイレットペーパーを使いすぎるとトイレつまりが発生し、水位が下がる可能性が高まります。
一度に流せるトイレットペーパーの量は、以下が目安です。
- レバーの「大」:シングルは10mまで、ダブルは5mまで
- レバーの「小」:シングルは3mまで、ダブルは1.5mまで
もし排泄後に拭き足りないと感じたら、一度水を流してから拭きましょう。
大量のトイレットペーパーを使った際は毛細管現象が起こり、水位が下がることもあります。
ダブルのトイレットペーパーをたくさん使う方は、シングルに変えて水位が下がるのを防ぐのもおすすめです。
トイレットペーパー以外を流さない
トイレは排泄物とトイレットペーパーを流すよう、設計されています。
水位が下がるのを防ぐため、トイレットペーパー以外の異物は流さないようにしましょう。
「水に流せる」と書かれたシートも、基本的には流さないのがベスト。シートは分厚いものが多く、トイレに流すとトイレつまりを引き起こす原因になり得ます。
小さなお子さまがいる家庭では、以下のような対策をすることも大切です。
- トイレには極力ものを置かない
- トイレに鍵をかける
- 「子どもがトイレに入った」と気付くため、ドアベルを設置
便器に異物を落としてトイレつまりが発生するリスクを抑えましょう。
定期的にトイレタンクを確認する
「トイレタンクが原因で水位が下がっている」と早く気付けるように、定期的にタンクを確認しましょう。
- タンク内の水量は変わっていないか
- 鎖は外れていないか
- 部品が壊れていないか
こういったことを定期的にチェックすれば、トイレタンクが原因となるトラブルをすぐさま解決できます。
また、ペットボトルなどをタンクに入れて節水するのは避けましょう。トイレつまりが起こりやすい他、タンク内の部品が破損する恐れもあります。
トイレ掃除をする
水位が下がるのを防ぐために、トイレ掃除をすることも大切です。
尿に含まれる成分が固まり尿石ができると、流れが悪くなって水位が下がるほか、トイレつまりの原因になる可能性があります。尿石は悪臭の原因にもつながるため、こまめにトイレ掃除を行いましょう。
なお、トイレ掃除で使う洗剤は、汚れによって使い分けると効果的です。
- 酸素系のトイレ用洗剤:水垢、黄ばみ、尿石
- 塩素系のトイレ用洗剤:カビ、黒ずみ
ただし、酸素系と塩素系の洗剤が混ざると有毒ガスが発生し、非常に危険です。酸素系洗剤を使ったら、塩素系洗剤で掃除するのは別の日にしましょう。
トイレつまりで水位が下がる状態が直らない時は
トイレの水位が下がるのは何かトラブルが起きている、または起こる前兆です。
トイレつまりで水位が下がる状態を放置すると、近隣に迷惑をかけてしまう恐れもあるため、長期間放置するのは避けてください。なかなかトイレの水位が戻らず、ご自分での対応が難しい場合は、専門業者に相談しましょう。
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