水回りの快適性を維持するうえで、欠かせない水道管。各家庭や公共施設に水を送る、重要な役割を担っています。
水道管でつまり・凍結などのトラブルが発生した際に、「対処法が分からない」と困ってしまう方も多いでしょう。
今回は、我々の暮らしに必須の水道管の仕組みや構造をご紹介します。水道管の主な種類をはじめ、つまりトラブルの原因・予防法なども解説するので、ぜひチェックしてみてください。
家庭に水を送る仕組みがある水道管
今日の日本において、ほぼすべての家庭や公共施設に整備されている水道管。
本項では、各家庭の水回りを支える水道管そのものの仕組み・構造のほか、日常生活で主に目にする4種類の水道管の役割などをご紹介します。
水道管とは
水道管はキッチンやトイレ、お風呂といった水回りすべてに通じており、それぞれの箇所で使う水を届ける役割を持っています。
日常生活に用いる水は、元々ダムに溜められた雨水。そのままでは口にできないため、浄水場でクリーンにされた後に水道管を通り、各家庭や施設へと供給される仕組みです。
また、私たちが使用した後の生活排水も水道管を通り、下水処理施設まで運ばれる構造となっています。一度使って汚れた水であれ、下水処理施設において再びクリーンにすることで環境を汚さないように配慮されているのです。
水道管の主な種類
家庭の水回りに必須の水道管は、主に以下の4つに分類されます。
- 導水管
- 送水管
- 配水管
- 給水管
それぞれに異なる用途があるので、水道管の仕組みをきちんと理解するためにも、しっかりと目を通しておきましょう。
導水管
導水管は、取水施設から取り入れた水(原水)を浄水場まで送る水道管です。
河川などから原水を浄水場まで送る際は、貯水池を経由。一方、地下水は浄水場まで直接送られる仕組みとなっています。
原水は管でなく、以下によって流されるケースも存在。
- 開渠
- 暗渠
- トンネル
導水管を通じて浄水場に運ばれた水は、人が飲める品質になるまで処理されます。
送水管
浄水場で処理された水を、配水場まで運ぶ役割を持つ送水管。送水管を通り、水源地から高台などにある配水池へと運ばれた水は、住宅や公共施設まで直接排水される仕組みです。
万が一、何らかのトラブルによって送水機能がダウンしてしまった場合、各家庭にクリーンな水が届けられなくなります。日常生活に欠かせない水が正常に送られないと、水回りの快適性は大きく損なわれてしまうでしょう。
配水管
配水管は配水場に貯めている飲料水を、給水される区域まで送る水道管のこと。基本的に公道の下に埋設され、住宅や施設が多いエリアでは地域全体に張り巡らされています。
効率的に配水機能が働くよう、元が太く先が細い管を採用する点も特徴です。一般的に使われるのは200mm~ですが、太い管だと口径約1,000mmになるサイズも存在します。
普段目にする水道管工事の多くは、配水管を対象とする場合が多いです。配水管は経年劣化によるひび割れ・損傷が起こりやすいほか、サビ予防のために定期的なクリーニングを要することが理由となっています。
給水管
配水管から分岐し、各住宅や建物に水を供給する給水管。道路から分岐された水道管から、住宅内・建物内にある水道管までの総称です。
先述した下記3つの水道管は公共のもので、管理責任が自治体に帰属します。
- 導水管
- 送水管
- 配水管
一方の給水管は、個人の財産です。管理責任は家主に帰属するため、一戸建て住宅でトラブルが発生した場合は個人で対応する必要があります。
マンションやアパートのような集合住宅では、管理会社が責任を負うケースが多数。まずは大家や管理会社に相談し、修理の依頼先などを検討する必要があります。
臭いの発生を防ぐトラップの種類
排水管または排水口の一部に水を溜めて塞ぐことで、害虫・悪臭が屋内に入るのを防ぐ「排水トラップ」。水回りの衛生面を維持できるのは、トラップがきちんと機能しているためといえます。
トラップは、主に次の3種類に分別することが可能です。
- ワントラップ
- ドラムトラップ
- 管トラップ
各トラップの仕組み・構造を見ていきましょう。
ワントラップ
ワントラップは排水口の器とつながる排水管に円筒を差し込み、お椀をひっくり返したような形状のパーツを被せたもの。キッチン、浴室などの水回りで目にすることが多いです。
器と円筒の隙間に封水を溜める仕組みとなっており、手入れのしやすさが大きなメリット。封水は水位が上がった際、真ん中の円筒に溢れる形で排水管へと流れ出します。稀に、封水がなくなってしまうトラブルが起きることもあります。
ドラムトラップ
浴室に使われることが多いドラムトラップは、排水口がドラムのような形をしたトラップです。封水を溜める器の下部には汚水を受け入れるための管、上部には汚水を下水へと流すための管が設けられています。
排水口から注がれた水は、配水管を通じて封水と合流する仕組み。多くの水を溜めておくことができ、封水がなくなってしまう恐れがない点は安心です。
一方、自浄作用がないためにつまりトラブルが起こりやすい、というデメリットは押さえておく必要があります。
管トラップ
配管が曲がっている管トラップは、以下の3種類に分別可能です。
- Pトラップ
- Sトラップ
- Uトラップ
多くの家庭に設置されているトラップで、次のような特徴を持ちあわせています。
- あまりスペースを取らない
- 自浄作用がある
ワントラップ同様、封水がなくなる恐れがある点に注意が必要です。
水道管の水圧の仕組み
水道管の太さは「口径」といい、各住宅内には比較的口径の細い水道管が引き込まれています。
水道管の水圧は口径によって大きく変化。毎月の水道料金にも影響を及ぼすので、2つの関係性をしっかり押さえておくことが大切です。
水道管の口径と水圧の関係
現在使用される、水道管の口径は豊富に存在します。主に一般家庭で使われているのは、下記の3つです。
- 13mm
- 20mm
- 25mm
中でも主流なのは20mm。水道管の口径を決める権利は各自治体に帰属し、中には13mmの管を新設していない地域もあります。
一方の水圧とは、水を上へと押し上げる力のことです。地面に埋設された水道管から、住宅2階・3階部分までの給水を支えています。
同じ水量を流した場合、口径の細い水道管ほど水圧が高くなることは覚えておきましょう。太い水道管を使用するのであれば、より水圧を増やす必要が生じます。
水道管の口径で変わる水道料金
水道管の口径は、毎月の水道料金にも影響を及ぼします。口径が太い管では水圧を増加する分、水道料金が高額になりがちです。
長年同じ家に住み続けていると、経年劣化によって水道管の交換が必要になってきます。同時に口径を変えようか悩んでいる方もいるかもしれませんが、毎月の水道料金をじっくり考慮して決断してください。
住宅内に設置される水道管・止水栓の仕組み
続いて、住宅内に設置される水道管(給水管)と止水栓の仕組みを解説していきます。
水道管の管理責任を誰が負うかは、水道メーターの設置場所によって決定。水道メーターから住宅内の給水管までは、家主に管理する義務が生じます。必要な修理や工事があれば、きちんと対応しましょう。
蛇口の水をコントロールする止水栓
水回りの構造において重要なのが、蛇口の水をコントロールする役割を持つ止水栓。
つまり・水漏れなどが発生して修理が必要になった際は、まず止水栓を閉め給水をストップする必要があります。前もって、設置場所を確認することが重要です。
止水栓は大きく3種類に分けられ、開閉する方法によって呼び名が異なります。
- ハンドル式
- キー式
- ドライバー式
最も主流なハンドル式は、素手で回して容易に開閉できるタイプ。キー式の場合、専用の止水栓キーが必要です。
ドライバー式は、主に屋内の止水栓に使用されています。ハンドルがないため、マイナスドライバーを使って開閉してください。
【住宅タイプ別】止水栓の設置場所
止水栓の設置場所は、住宅タイプによってさまざま。一戸建ての場合、下記に設置されていることが多いです。
- 玄関門扉の付近
- 玄関ポーチの横
- 駐車場内・庭のどこか
上記いずれかに「量水器」「止水栓メーター」などと書かれたメーターボックスがあるので、見つかったら中を確認してみてください。
マンションやアパートなどの集合住宅では、メーターボックスが玄関近くの壁に埋め込まれています。
止水栓がボックス内にある点は、戸建て住宅と共通。複数の水道メーターがある場合は、フタ裏などに自身の部屋番号が書かれたものを確認しましょう。
水道管つまりが発生する仕組み
普段から以下をはじめ、さまざまなものを流すためにトラブルを頻発しがちな水道管。
- 料理カス
- 油汚れ
- 紙おむつなどの固形物
本項では水道管つまりの原因、予防法などに触れながらつまりトラブルが発生する仕組みに迫ります。
水道管つまりの原因
水道管つまりの多くは、通常流すべきでないものを流してしまうことによって発生します。
トイレでいえば、「紙おむつなどの固形物をうっかり流してしまった」など、無意識に行っている行動が原因になっているパターンが多いです。キッチンでのつまりトラブルの原因も、無意識に流している油汚れかもしれません。
水道管のつまりやすさは、住宅タイプによっても左右されます。一般的に、マンション・アパートなどの集合住宅は縦向きの管の多さゆえにつまりにくいです。
一方の戸建て住宅には、横向きの管が多数。水の勢いが弱いために汚れが付着しやすく、つまりトラブルを引き起こしやすいのです。
【水回り別】水道管つまりを防ぐ方法
水道管つまりの主な原因は、水回り別に異なります。
いずれの水回りにおけるつまりトラブルも、日頃のちょっとした心がけで発生リスクを多少軽減することが可能。以降で水回り別の水道管つまりの予防法をご紹介するので、いざというときに参考にしてみてください。
キッチンでの水道管つまりの予防策
粘性が高く、水道管の内部に付着しやすい油汚れ。冷えると固形化し、後から流れてくる食べ物のカスなどをせき止めてしまう恐れがあります。
使用済みの調理器具、食器などに付いた油分はキッチンペーパーで丁寧に拭き取ってからシンクに置き、なるべく排水口に油汚れを流さないように気を付けましょう。
ただ、注意しても多少の油分は流れてしまうもの。あわせて以下を行い、つまりトラブルのリスクを抑えるようにしてください。
- シンクの半分程度までお湯を張る
- 勢いよく流し切る
用意するお湯の温度は、40℃~50℃を目安にしましょう。可能ならば、週に一度ほど実施するのがおすすめです。
お風呂での水道管つまりの予防策
お風呂での水道管つまりは、以下によって発生します。
- 人のアカや毛髪
- 石けんカス
- 油分を含む整髪料
アカや油分は排水パイプ内に雑菌を繁殖させる原因となり、ぬめりが生じた部分に毛髪や石けんカスが付着。徐々に水の通り道を細くしていき、最終的には完全に管をせき止めてしまいます。
入浴時に抜けた毛髪、石けんカスなどは適宜捨てるようにし、排水口に流れていかないように気を付けましょう。深刻なつまりを予防するには、パイプクリーナーで定期的なお手入れをする方法も有効です。
洗面所での水道管つまりの予防策
洗面所では、以下によって水道管つまりが発生しやすいです。
- 油分を含む整髪料や化粧品
- 毛髪やヘアアクセサリー
毛髪やヘアピン・ヘアゴムなど、固形物は絶対に流さないように注意してください。
洗面所を脱衣所としても使用する家庭では、衣類に付着したゴミやホコリがつまりを引き起こす恐れもあります。ヘアキャッチャー部分はこまめに掃除して、ぬめりや汚れが蓄積されないように努めましょう。
トイレでの水道管つまりの予防策
トイレでは基本的に排泄物とトイレットペーパー以外、流さないことが重要。水に溶けることを謳った商品であれ、一度に大量に流そうとするとつまりの原因になり得ます。
また、排便後は洗浄水量「大」で流すのもポイント。「小」で流すと水量不足で流し切れず、つまってしまう恐れがあるからです。
トイレでの嘔吐も、なるべく避けるようにしてください。人が食べた物には固形物や油分が含まれるため、水道管つまりの発生リスクを高めてしまいます。
水道管凍結を防ぐ水抜きの仕組み
冬場の気温が零下になる地域では、水道管凍結のリスクと隣り合わせ。万が一、凍結した水道管が破裂してしまうと業者に高額な料金を支払い、修理してもらわなければなりません。
本項では凍結予防に有効な不凍水栓の仕組みや、水抜きの具体的な手順をご紹介。水道管凍結は寒冷地以外でも発生する恐れがあるため、前もって目を通しておくと安心です。
水道管凍結は不凍水栓で予防
不凍水栓とは、凍結防止機能を備え付けた水栓のこと。水抜きハンドルを使って水栓内の水を除去し、凍結を防ぐ仕組みです。
不凍水栓は、以下のような屋外によく設置されます。
- 玄関
- 庭
- 駐車場
水抜き後の水は深く埋設された管まで流され、地表近くの水道管が空になる構造。水には地中で凍らない性質があるため、不凍水栓を使えばどんなに寒い地域であっても、水道管凍結を防ぐことができます。
水抜きハンドルの使い方
続いて、水抜きハンドルの具体的な使い方を解説します。水抜き操作が必要になった際は、以下の流れで作業を進めましょう。
- あらかじめ、蛇口が閉まっていることを確認する
- 水抜きハンドルを「水抜」、または「でる・通水」と書かれた方向に回す
- 水道蛇口を開け、水抜きを行う
- 作業が終わったら、蛇口を元通りに閉めておく
水抜きハンドルを回す際は、止まるまで回し切るのがポイント。途中で回すのを止めてしまうと、地中で水が流れっ放しになってしまうので注意してください。
水道管の仕組みを知ってトラブルを予防
今回は、水道管の仕組みや構造についてご紹介しました。日常生活に欠かせない設備だからこそ、突然のつまり・凍結トラブルなどが確認された場合も、慌てず適切な対処ができるようにしておきましょう。
自力でトラブルを解消するのが難しければ、我々『クリーンライフ』にご相談ください。水道局指定工事店として最適な方法で対応にあたり、深刻な症状も早期復旧を目指します。