排水管をご自分で簡単に洗浄する方法を、6つ紹介します。
お湯やペットボトルなど、すぐに準備できるものを使った洗浄方法を紹介するので、ぜひ試してみてください。
なお、キッチンやお風呂といった場所ごとに、排水管が汚れる原因・洗浄方法は異なるため、水回り別の汚れの原因も解説します。今後キレイな状態を保つためにも、参考にしてみてください。
排水管の洗浄をしないと起こりうるトラブル
排水管の高圧洗浄をしないと、以下のようなトラブルが生じやすくなります。
- 排水管のつまり
- 排水の逆流
- 悪臭や害虫の発生
- 排水管の劣化の促進
排水管内部の汚れを放置すると、さまざまな汚れがミックスされてバクテリアが生じるため、ドブのような悪臭が生じます。
蓄積した汚れが排水管を圧迫して水漏れの原因になり、排水管の劣化が促進され、破損の原因にも。排水管が破損すると、引き直しに高額な費用が必要です。
【水回り別】排水管の汚れの原因
適した洗浄方法は、汚れの原因により異なります。ここでは、水回り箇所ごとの汚れの原因をお伝えします。
キッチンは油汚れや残りカス
大家族や毎日料理を作るご家庭では、キッチンの排水管が特に汚れやすい傾向です。以下のものが排水管の汚れになりやすいので、注意しましょう。
- 油汚れ
- 食品の残りカス
- 食品の焦付き
- 水垢・カビ
上記のような汚れは雑菌が増加しやすく、ヘドロ状の汚れが増殖して蓄積します。
お風呂・洗面所は皮脂や石鹸カス
お風呂や洗面所は、以下のような汚れが蓄積します。
- 皮脂・垢
- 石鹸カス
- 毛髪
- 水垢
- 赤カビ・黒カビ
- 固形物
洗面所で洗髪する方は、毛髪・石鹸カスが排水管に特に入り込みやすいので、注意が必要です。
浴室では、以下のようにプラスチック製の小さなものが多いので、注意しましょう。
- シャンプーなどの詰め替え袋の切れ端
- 化粧品等のボトルキャップ
- カミソリの刃やカバー
トイレはヘドロや尿石
トイレの排水管に溜まりやすいのは、以下の汚れです。
- ヘドロ
- 尿石
- トイレットペーパー
- 排泄物
トイレを長い間掃除せずにいると、水を流しても取れないヘドロや尿石が排水管に蓄積します。
尿石は、尿に含まれているタンパク質やカルシウムなどが反応し、石のように固まったものです。
また、流す水が足りなかったり、大量にトイレットペーパーや排泄物を流したりすると、排水管の奥に排泄物や汚れが詰まります。
洗濯機は洗剤カスや糸くず
洗濯機の排水管には、以下のような汚れが蓄積していきます。
- 糸くず
- 泥・砂
- 皮脂汚れ
- 毛髪
- 洗剤カス
泥や砂は洗濯機の故障の原因にもなるので、下洗いをしてから洗濯機に入れましょう。
また、洗剤の入れすぎは要注意です。溶け切らなかった洗剤が、排水管に蓄積してしまいます。
排水管の洗浄方法6選
以下のような道具や薬剤を使って、自分で排水管を洗浄する方法を説明します。
手に入りやすいもの、すでに自宅にあるものを使って、排水管を洗浄してみましょう。具体的な洗浄方法を説明します。
お湯を溜めて一気に抜く
お湯の水圧を利用した、排水管の洗浄方法です。お湯の温度で、油や皮脂のつまりも落としやすくなります。
【有効な場所】
- キッチンの排水管
- お風呂・洗面所の排水管
【用意するもの】
- 排水口を塞ぐためのタオル、またはポリ袋
- 40~50℃くらいのぬるま湯
沸騰しているお湯に、お湯より少し多めに水を入れると、だいたい50℃です。手を入れて、ちょっと熱いなと感じ、10秒以上はそのまま我慢できる程度です。
【お湯を使った排水管の洗浄方法】
- 排水口のフタや目皿、トラップなど、外せるものは全部外す
- タオル、またはポリ袋で排水口をしっかり塞ぐ
- ぬるま湯をシンクやボウルに半分〜8分目程度までためる
- タオル(ポリ袋)を引き抜いて、一気に水を流す
タオルで排水口をしっかり塞いで、漏れていない状態にすることが重要です。
お湯を一気に流す方法は、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
ペットボトルで空気を送る
ペットボトルを使い、排水管を洗浄する方法もあります。
【有効な場所】
- キッチンの排水管
- お風呂・洗面所の排水管
【用意するもの】
- 空のペットボトル
排水口をふさぐ太さのペットボトルを用意します。1.5~2Lほどの大きめのサイズが空気を送り込みやすいため、おすすめです。
【ペットボトルを使った排水管の洗浄方法】
- フタや目皿などを外した排水口に、ペットボトルを差し込む
- ペットボトルを両手で押し潰して、排水口に空気を送る
- 数回繰り返して空気を送り込んだあと、ペットボトルを抜き取る
- 水を少しずつ流してみる
水が流れたら完了です。詰まっているようなら、再度ペットボトルを差し込んで、繰り返しましょう。
パイプクリーナーを注ぐ
市販の液体パイプクリーナーを注いで、排水管を洗浄する方法です。
【有効な場所】
- キッチンの排水管
- お風呂・洗面所の排水管
- トイレの排水管
- 洗濯機の排水管
液体パイプクリーナーは、1本1,000円前後でホームセンターやドラッグストア、通販サイトで購入できます。パイプクリーナーの説明書を確認し、決められた用法・容量で使いましょう。
【液体パイプクリーナーを使った排水管の洗浄方法】
- 目皿など、取り外せるものを取り外す
- 液体パイプクリーナーを排水管の壁面に沿わせるように注ぐ
- 説明書で指定された時間、放置する
- 待っている間に目皿等を古い歯ブラシで洗浄する
- 指定された時間が過ぎたら、水を流す
放置時間は、説明書通りにしてください。放置しすぎると取り除いた汚れが溜まり、詰まってしまう恐れがあります。
パイプクリーナーを使った方法は、以下の記事も参考にしてみてください。
重曹を使う
重曹は油汚れや皮脂、ぬめりなどの酸性の汚れに適しています。
【有効な場所】
- キッチンの排水管
- お風呂・洗面所の排水管
- 洗濯機の排水管
重曹はスーパー、ドラッグストア、100均などで購入できます。重曹1kgは300円程度です。
【重曹を使った排水管の洗浄方法】
- 排水口のフタや目皿、トラップなど、外せるものは全部外す
- 排水口に重曹を振りかける
- 40〜50℃のお湯を注ぎ、15分ほど放置する
- 排水口や排水管に水を注ぐ
もし排水口のフタやトラップの汚れが酷いときは、「水1:重曹3」の割合で混ぜてペースト状にしたものを歯ブラシなどでこする方法がおすすめです。
ラバーカップを使う
すっぽんとも呼ばれる、ラバーカップで排水管を洗浄する方法です。
【有効な場所】
- キッチンの排水管
- お風呂・洗面所の排水管
- トイレの排水管
ラバーカップは、500円〜1,000円前後でホームセンター等で販売しています。排水口のサイズに合わせて用意しましょう。
排水口のフタや目皿を取り除いて、排水管内が見える状態にして作業を始めます。
【ラバーカップを使った排水管の洗浄方法】
- 排水口にラバーカップのワンを密着させる
- ワンが隠れる程度の水位にする
- ラバーカップをゆっくり押し込み、勢いよく引き抜く
- つまりが解消できた感触があったら、水を流す
洗面所は「オーバーフロー口」という蛇口下にある穴を雑巾などで塞いだ後、ラバーカップを使うとさらに効果的です。
ワイヤーブラシを使う
ワイヤーブラシは長いワイヤーの先にブラシが付いて、排水管内の汚れをこすり落とすアイテムです。
【有効な場所】
- キッチンの排水管
- お風呂・洗面所の排水管
- 洗濯機の排水管
家庭用はワイヤーの長さが1m〜10m程度のタイプが、ホームセンターや通販で約700円〜2,000円で購入できます。100均でも1m以下のものが売られており、初めて試す際におすすめです。
【ワイヤーブラシを使った排水管の洗浄方法】
- 排水口の目皿等を取り外す
- ワイヤーブラシのブラシ部分から、排水口に挿入する
- ワイヤーブラシが動かなくなったら、こすり洗いする
- 水を流す
キッチンなどの塩ビ製の排水パイプは、ワイヤーブラシで破損の恐れがあるので、注意が必要です。また、奥に入れ過ぎてワイヤーが折れると、つまりの原因になります。
ワイヤーブラシの使い方は、以下で分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
排水管を洗浄する頻度は週1〜2回
どのくらいの頻度で排水管を洗浄すべきなのか、水回り箇所ごとに目安の頻度を表にまとめました。
水回り箇所 | 頻度 |
---|---|
キッチン | 週2回 |
お風呂・洗面所 | 週1回 |
トイレ | 2〜3年に1回 |
洗濯機 | 年1回 |
キッチンの排水管は、料理を作る頻度が多いほど、油を使う料理を作るほど、洗浄頻度を高くしましょう。
尿石予防に、トイレの排水管は2〜3年に1回洗浄すると安心です。洗濯機は少なくとも年1回、住んでいる方の人数が多ければ月1回は洗浄しましょう。
なお、集合住宅は、管理会社・大家さんが業者に排水管洗浄を年に1回程度の頻度で頼んでいるケースが多い傾向です。費用はマンションの共益金から支払われるため、洗浄時の支出はありません。
マンションの高圧洗浄の流れなどは、以下の記事を参考にしてください。
戸建て住宅は、3年に一度は業者に高圧洗浄を頼むと、排水管のつまり・破損の予防に効果的です。
新築住宅でも、築5年くらいから3~5年に1度の頻度で高圧洗浄を依頼しましょう。中古住宅の場合は、住みはじめに水道修理業者にメンテナンス・点検を依頼しておくと、安心です。
排水管洗浄なら業者依頼が最もおすすめ
以下のような症状が気になったら、排水管の高圧洗浄を依頼しましょう。
- 流れが悪い
- 水回りを掃除しても臭い
- ゴボゴボと異音が気になる
- 高圧洗浄を5年以上していない
放置していると、悪臭がさらにひどくなり、本格的に詰まってしまいます。害虫が発生するなど、衛生面でも問題が生じるので、少しでも気になる症状があれば対処しておくと安心です。
排水管の洗浄作業の流れ
排水管の洗浄作業の流れは、概ね以下のとおりです。
- 水回り箇所それぞれの状態を確認する
- 高圧洗浄機のノズルを各排水口に挿入して洗浄する
- 汚水桝を確認する
- 汚水桝・公共枡とつながる排水管を外から洗浄する
悪臭やつまりなど何かトラブルが発生していれば、根本的な原因を特定してから作業を始めます。
集合住宅の排水管の洗浄作業の流れ
集合住宅の排水管の高圧洗浄は、建物全体で同じ日に実施されるのが一般的です。
階下から順に作業が行われるので、自宅で待機していてください。また、作業しやすいように、水回りを片付けておきましょう。作業員の各室での作業時間は、10〜15分です。
排水管の洗浄における費用相場
排水管の洗浄にかかる費用相場をお伝えします。
高圧洗浄 | 一世帯住宅:25,000円〜 |
---|---|
二世帯住宅:35,000円〜 | |
集合住宅:3,000円〜4,500円/1戸 | |
トーラー作業 | 15,000円〜20,000円 |
パッキンの交換 | 4,000円〜 |
便器着脱 | 10,000円〜40,000円 |
高圧洗浄の費用は、排水管の長さで変わります。例えば、2階建てで1階にも2階にもトイレがあるような場合は、比較的高額です。見積もりを取って、料金に納得してから依頼しましょう。
また、頑固な汚れで時間がかかると、高額になる可能性があります。キッチンは浴室より高額になる傾向です。トイレでは、汚れがひどく便器の着脱が必要になると、高額になります。
以下の記事で、高額になる要因や安くなる方法を説明しているので、参考にしてください。
信頼性の高い業者を選ぶ方法
高圧洗浄を依頼する際は、以下の3つのポイントを押さえて信頼性の高い業者を選びましょう。
- 水道局指定工事店に指定されている
- 実績があり、技術力の高いスタッフが揃っている
- 相見積もりをして比較検討する
水道局指定工事店であることや実績は、公式サイトを確認すればわかります。水道局指定工事店とは、水道局から「給水装置・排水装置を適切に工事できる」と認められた業者です。
技術力は、口コミを参考にしましょう。相見積もりの際は料金だけではなく、アフターサービスやスタッフの対応も考慮に入れてください。
排水管の洗浄回数を抑える方法
排水管が汚れないように、以下を実行すると洗浄回数を抑えられます。
それぞれについて、分かりやすく説明します。
排水口から余計なものが入らないようにする
排水管の汚れの原因になるものが、排水口に入らないようにしましょう。
以下のような日常生活のちょっとした習慣が、排水管の汚れを予防します。
- 浴室・キッチンの排水口のゴミ受けを毎日空にする
- 排水口に使い捨てネットをつける
- 排水口周辺に小物を置かない
- 排水口に固形物が落ちたら、すぐに取り出す
- トイレに携帯電話や文房具などを持ち込まない
使い捨てネットは、100均で数十枚入ったものが販売されています。こまめに取り替えやすく、便利です。
キッチンの油汚れが蓄積しないようにする
キッチンの排水管の汚れの原因は、油が多い傾向です。油を排水口に流さなくても、皿やフライパンに付着した油が、少しずつ排水管内で蓄積されていきます。
以下のように、油汚れは前もって落とすのがおすすめです。
- 洗う前に食器類・鍋類の油をキッチンペーパーで拭き取る
- 食器を洗ったあとで、50℃くらいのお湯を流す
皿洗いをお湯ですれば、汚れが排水管に留まりにくくなります。ただし、お湯を流すときは、熱湯はやめましょう。塩ビ製の排水パイプが、変形する恐れがあるためです。
排水枡(汚水枡)のメンテナンスをする
戸建てにお住まいですと、排水枡(汚水枡)のメンテナンスを忘れがちです。排水枡に不具合があると、排水管のつまりの原因になります。
排水管が汚れないようにしていると、排水枡の汚れ防止になりますが、定期的な清掃は必要です。業者に年に一度、決まった時期に依頼しておくと、うっかり忘れてしまうことを避けられます。
ご自分でも排水枡の清掃はできますが、何年も放置した排水枡は悪臭がひどく、大変な重労働です。一度プロに清掃してもらってから、半年ごとにご自分で清掃して綺麗をキープしましょう。
排水枡の清掃は、技術的には難しい作業ではないので、以下の記事を参考に試してみてください。悪臭がひどく、服も体も汚れやすいので、清掃時は汚れても良い服装がおすすめです。
排水管洗浄のご相談なら『クリーンライフ』へ!
簡単にできる排水管の洗浄方法や、業者の洗浄の流れを解説しました。
ご自分で排水管を洗浄していても、汚れが蓄積し不具合が生じたら、水道修理業者への相談がおすすめです。
業者選びにお迷いなら、『クリーンライフ』にご相談ください。全国300以上の自治体で水道局指定工事店に登録され、全国各地に対応している業者です。
年中無休で24時間受付しています。お電話が苦手な方は、LINEやメールをご利用ください。