給水管の凍結を防止する対策、凍結する原因について解説します。給水管が凍結しないための保温材もまとめました。
寒冷地では、気温が低い状況が続くと給水管が凍結し、破損してしまう可能性があります。事前に対策をとっておかなければ、水が出なくなり生活に支障をきたすため、注意が必要です。
また、本記事では給水管が凍結したときの対処法、修理費用も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
給水管の凍結防止対策7つ
給水管が凍結しないためにはどのような対策ができるのでしょうか。主な防止対策7つを紹介します。
少量の水を出しっぱなしにする
給水管に少量の水を流し続けることで、水の凍結を防止します。一般的な目安は、水が途切れない程度の量です。
ただし、水の量が少なすぎてポタポタと落ちる程度では、かえって蛇口付近で水が凍ってしまう可能性があるので注意しましょう。
また、当然ながら、水を流し続けるので水道料金が発生します。そのため、厳冬期には一時的な対策として利用し、凍結予防アイテムの使用や水抜きがおすすめです。
水抜き栓を使う
水抜き栓とは、冬場に給水管などが凍らないようにするためのアイテムです。
寒冷地では水抜栓が設置されていることが多く、凍結防止に役立っています。水抜栓で水抜きしておけば、当然水はないので、凍ることはないでしょう。
水抜栓にはさまざまな種類がありますが、一般的な操作方法を紹介します。
- 水抜栓を閉める
- 蛇口を開けて水を出し切る
- 水が全て出たら、蛇口を閉める
給水管の凍結防止のためにも、適切に水抜きをおこないましょう。
また、温度が下がる冬に限らず、旅行や引っ越しなどで長期間給水管を使用しない場合も、水抜きをしておけば水漏れの心配がありません。
不凍液を入れる
不凍液を使うと、給水管の凍結予防に役立ちます。不凍液とは、寒冷地において氷点下でも凍結しないように作られた液体のことです。
寒冷地以外であれ、寒波の襲来前には給水管や排水管に十分な対策を施しましょう。水まわりの中でも、以下の水は凍結しやすいので注意してください。
- 排水トラップ内に溜まっている水
- トイレタンク内や便器に溜まっている水
排水トラップには、下水の臭いや害虫の発生を防ぐ役割があります。その内部に溜まった水が、凍結する恐れもあるので直接不凍液を流し入れ、トラブルを回避しましょう。
メーターボックス内を保温する
メーターボックス内は空洞になっているため、冷気が入り込みます。
そのため、濡れないようビニール袋に詰めた発泡スチロールや布切れなどをすきまに敷いて、直接冷気が当たるのを防ぎましょう。
凍結防止ヒーターを使用する
凍結防止ヒーターは、屋外の給水管などの凍結を防ぐアイテムです。メーカーにもよりますが、外気温約3℃で通電し、約10℃で停止するようになっています。
凍結防止ヒーターにはさまざまな種類があり、選び方のポイントは次の通りです。
- 配管材に適したものを選ぶ
- 必要な長さを確認する
- 凍結防止能力の特徴で選ぶ
凍結防止ヒーターを設置するときの方法や注意点は、次の通りです。
- 樹脂製やホースには使用しない
- 一定間隔を開けてゆるく巻く
- 電源とつなぐ部分は熱の影響を受けないようにする
- 使用しないときはコンセントを抜く
寿命は約10~20年といわれていますが、使用環境によっても状態は変わってくるので、10年を目安に交換を検討するといいでしょう。
給湯器を保温する
現在ほとんどの給湯器は凍結防止機能として、「凍結予防ヒーター」や「自動ポンプ運転」が備わっていることが多いです。
メーカーによりますが、どちらも0~5℃の間で凍結防止機能が自動的に作動するようになっています。
機種により機能や使用方法は異なるので、使用している給湯器の取扱説明書を確認してください。
凍結予防ヒーター
一定の温度に下がったときに自動的にヒーターが作動し、給湯器内の配管をあたためることで凍結を予防します。なお、浴槽の水が循環アダプターより5cm以上ある状態が必要です。
自動ポンプ運転
追い焚き機能がついているお風呂で水を自動で循環させて、給湯器の凍結を予防します。
ただし、給湯器と浴槽をつなぐ配管の凍結防止にはなりますが、給湯器の水道管の凍結防止には効果がありません。
給水管を保温する
室内であれば、給水管を暖房の温かい空気に触れるようにするだけで予防対策になります。
また、直接外気に触れないように給水管をタオルや毛布で巻くだけで、保温効果が得られます。簡単かつ気軽に凍結防止対策ができるので、おすすめです。給水管がむき出しになっている部分をなくせば、凍結予防効果があります。
給水管に取り付ける保温材も便利です。ホームセンターなどで購入できるので、給水管が外気に直接触れないように対策をとりましょう。露出している配管に以下の保温材などを取り付けることで、凍結予防ができます。
ライトカバー・ライトチューブ
ポリエチレンフォーム素材の配管用保温筒で、高い断熱性や柔軟性を持っているのが特徴です。筒状になっているため、簡単に取り付けができます。
柔らかいので巻きつけやすく加工しやすいですが、しわが寄りやすく、経年劣化しやすいアイテムです。
パイプガード
硬質ウレタンフォームと硬質塩化ビニル製の表面素材を合わせたアイテムで、断熱・保温効果がとても高く、耐久性があるのが特徴です。比較的加工がしやすく、10年経過してもキレイなままを保っています。
ライトカバーと比較すると3~4倍の値段がしますが、長持ちするのでコスパはいいアイテムです。
グラスウール保温筒
ガラスを主原料としたグラスウール素材でできた保温筒は、パイプガードより保温性が高く、防湿性や耐熱性も兼ね備えているのが特徴です。
加工はしやすいですが、施工は難易度が高いため、専門業者に依頼することをおすすめします。
給水管が凍結する原因
外気温が0℃以下になると、給水管が冷やされて内部の水が凍ってしまいます。特に屋外にある給水管は凍りやすいため、事前に凍結防止対策を取ることが大切です。
外気温だけではなく、強い風にも影響されるため、凍結しない気温だとしても決して安心はできません。特に寒冷地では、さまざまな要因で給水管が凍結する可能性があります。
給水管が凍結する主な原因は、次の4つです。
- 外気気温がマイナス4℃以下
- 気温が氷点下に近く、風が強い
- 給水管が屋外に設置されている
- 給水管の埋設場所が浅い
給水管が凍結深度より浅い位置に埋められている場合も、凍結のリスクは高まります。
凍結深度とは、地中で水が凍ってしまう深さを表す数値のこと。具体的には、地中の温度が0℃になる深さを指します。給水管の凍結リスクを抑えたければ、この凍結深度よりも深く埋設する必要があります。
給水管が凍結したときの対処法
給水管が凍結した場合、無理に蛇口を開けてはいけません。内部のパッキンが破損し、漏水につながる恐れがあります。
給水管が凍結したときの対処法としては、主に3つの方法があげられます。正しい知識で対処しましょう。
ぬるま湯をかける
給水管が凍結している部分にタオルや布を巻いて、ぬるま湯をゆっくりかけます。焦らず時間をかけ、給水管の凍結部を徐々に溶かすのが、おすすめの方法です。
早く凍結部分を溶かしたいからといって、直接熱湯を給水管にかけてしまうと、給水管が破損や破裂してしまう可能性があります。給水管は、急激な温度変化に耐えられないためです。
ゆっくりとお湯の温度を上げていき、凍結部分を徐々に溶かしましょう。決して熱湯はかけないように注意が必要です。
ドライヤーやカイロを使う
ドライヤーは一定温度を保てるので、給水管をゆっくりあたためる場合に効果的です。あたためる場所によっては、コードや電源の問題がありますが、延長コードで対応できるでしょう。
狭い場所では、カイロを給水管に貼ってもドライヤーと同様の効果が得られます。カイロを貼る方法であれば、その場を離れることも可能なので、ずっとその場にいる必要はありません。
業者に修理依頼する
凍結により給水管が破損や破裂、水漏れしている場合は、止水栓を閉めてすぐに業者へ連絡することをおすすめします。
自分で直そうと間違った対処をしてしまうと、給水管の状態が悪化し、二次災害につながる可能性があります。
給水管の破損など自分で対処できない場合は、迷わず専門業者に依頼しましょう。
給水管が凍結したときの修理費用
給水管が凍結したときの修理費用は症状によって異なるので、それぞれ説明します。
給水管が凍結したときの修理費用
給水管が凍結したといっても、症状はさまざまです。給水管が凍結しているだけのときと、凍結によって二次被害が起きているときでは費用が異なります。
給水管が凍結しているだけのとき
給水管が凍結しているだけで、他に破損などがない場合は、8,000円~15,000円程度が相場です。
多くの業者は、電気解氷機か高温スチーム機を使用して凍結を溶かす「解氷」という作業を行います。使用する道具の違いによる費用の差はそれほどありません。
ただし、凍結している箇所や状態によって、30,000円程度かかることもあります。
給水管が凍結により破損しているとき
給水管の凍結が原因で破損している場合は、解氷作業より費用が高額になります。
作業がしやすい場所であれば、20,000円~30,000円程度が相場です。
逆に床に埋まっている給水管などの作業しにくい場所であれば、30,000円~50,000円程度かかることもあるかもしれません。また、二次被害で水漏れなどが起きている場合は、さらに費用がかかってきます。
実際に状況を調べてみなければ修理の程度がわからないため、必ず業者に見積もり依頼することをおすすめします。
追加費用が必要なとき
給水管が破損している場合は、早急に処置が必要です。以下のようなケースをはじめ、自力でどうしようもないときには夜間や休日であれ、早めの依頼を心がけましょう。
- 止水栓を閉めても水漏れが止められない場合
- 修理箇所がわからず、どうしようもない場合
ただ、夜間や休日の依頼は特別対応として扱われ、別途追加料金が必要になる可能性があります。業者によって異なりますが、10,000円程度が相場です。
出費を抑えたければ、夜間や休日の追加料金がかからない業者を選ぶとよいでしょう。
水道料金の減免
給水管の凍結が原因で破損や水漏れが発生した場合、救済措置として減免制度があります。お住まいの地域や自治体によって異なりますが、水道料金の約2~6割を免除してもらえます。
ただし、全額免除してもらえません。すぐに修理できなかった場合は、高額な水道料金が発生する可能性があるので、注意が必要です。
給水管の凍結にお困りなら
給水管が凍結する前に対策をしておくことで、凍結予防は可能です。ただし、給水管が凍結してしまい、お困りであれば、専門業者へ依頼した方が賢明でしょう。
水道局指定工事店の『クリーンライフ』は24時間365日、給水管凍結の修理を受け付けています。
現地での調査や出張見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。