水道管の凍結防止には、水を出しっぱなしにする方法が有効です。
しかし、どのくらいの量を出せばよいのか、どのタイミングで実施すべきなのか分からず、不安を感じる方も多いでしょう。
適切な対策を取らなければ、水道管が破裂して高額な修理費用が発生する可能性もあります。
本記事では、水を出しっぱなしにする具体的な方法を解説するとともに、万が一凍結してしまった場合の対処法も紹介するので、冬場の水道トラブルを未然に防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。
水を出しっぱなしにして水道管の凍結を防止する方法

水道管の凍結を防ぐために水を出しっぱなしにする方法は、正しい知識がなければ効果が得られません。
適切な水量や実施するタイミング、対策すべき箇所を理解すれば、確実に凍結を防止可能です。具体的には、以下の5つのポイントを押さえる必要があります。
各ポイントを正確に把握すれば、無駄な水道料金を抑えながら効果的な凍結対策を実施できるでしょう。
鉛筆の太さ程度の水を出しっぱなしにする
水道管の凍結を防ぐには、蛇口から鉛筆の太さ程度の水を出しっぱなしにする方法が効果的です。
具体的には、直径5~7mm程度の太さになるよう調整しましょう。水が流れ続けることで管内の水が凍りにくくなり、氷点下でも凍結を防げます。
水を無駄にしたくないと考える方も多いですが、水を節約して2~3mm程度に抑えると凍るリスクが高くなるので、注意しましょう。
そのため、水を出しっぱなしにして凍結を防止する際は、寝ている間のみ凍結のリスクがある場合におすすめです。
流しっぱなしにした水は、バケツに溜めて洗濯や掃除に再利用すると経済的といえます。
凍結リスクが高い蛇口の水を出しっぱなしにする
水道管の凍結を防ぐためには、凍結リスクが高い蛇口を優先的に出しっぱなしにしましょう。
一箇所だけの対策では、ほかの水道管が凍結するリスクが残るためです。
優先的に対策すべき場所は、次のとおりです。
- 外壁に面した蛇口
- 北側にある水回り設備
- 使用頻度が低い洗面所やトイレ
- 床下や屋根裏を通る配管につながる蛇口
内部の暖房スペースにある蛇口は、室内の暖かい空気に囲まれているため凍結リスクが低く、対策の優先度は低いです。
キッチンやトイレなど、外壁に面した給水設備を中心に、複数箇所で水を流し続けることで家全体の凍結を防止できるでしょう。
複数箇所での対策は手間がかかりますが、凍結リスクに応じた優先順位をつけることで、無駄な水道料金を抑えながら効果的に凍結防止可能です。
水を出しっぱなしにするのはマイナス4℃以下のとき
水を出しっぱなしにする凍結対策にも、必要なタイミングがあります。
気温や環境条件を正しく判断すれば、無駄な水の使用を抑えながら凍結を防止可能です。
水を出しっぱなしにすべき具体的なタイミングは、次のとおりです。
- 気温がマイナス4℃以下になる予報が出たとき
- 寒冷地でマイナス2℃以下が予想されるとき
- 風が強くマイナス3℃前後まで下がる予報のとき
- 夜間から早朝にかけて長時間氷点下が続く予報のとき
- 過去に同じ気温帯で凍結した経験がある場合
実施する時間帯は、夜間の冷え込みが始まる前の午後10時頃から、翌朝気温が上がるまで継続しましょう。
住んでいる地域の気候特性や建物の構造により凍結リスクは異なるため、初めて対策する際は慎重に判断してください。
凍結しやすい水道管
マイナス4度にならなくても、凍結しやすい水道管の条件は次のとおりです。
- 築20年以上の家
- 剥き出しの水道管
- 屋外水栓
- 北側で日中も日が当たらない
築20年以上の住宅では水道管にトラブルがあった際に、引き直しで壁の外に設置した可能性があるためです。
凍結しやすい水道管は保温材など、他の凍結防止の対策も併用しておきましょう。
お湯も出しっぱなしで凍結対策できる
お湯の凍結は、給湯蛇口から水を流すことで対策可能です。
給湯栓と給水栓はつながる配管が異なるため、給水栓のみ対策しても、給湯栓は凍結してしまいます。
給湯管は外壁沿いや屋外に設置されているケースが多く、寒冷地ではとくに凍結しやすい環境です。
対策する際は、給湯器のリモコンをオフにして、給湯蛇口から鉛筆の太さ程度の水を出し続けましょう。
出てくるのは水ですが、流れ続けることで給湯管内の凍結を防げます。
ただし、給湯器に凍結防止機能が搭載されている場合は、機能を優先的に活用しましょう。
水を出しっぱなしにすると水道管の凍結を防止できる理由
水を出しっぱなしにすると凍結を防げる理由は、流れる水が凍結しにくい性質を持つためです。
静止した水は氷点下で凍結しますが、流れている水は凍結しにくくなります。
水道管が凍結する温度は、一般的にマイナス4℃以下です。寒冷地や風が強い場合は、マイナス2℃程度でも凍結するケースがあります。
鉛筆の太さ程度の水流であれば、マイナス4℃以下の環境でも水道管内の水が停滞せず、凍結を防止可能です。
水が動き続けることで運動エネルギーが生じ、配管内全体での対流熱移動が活発になることで、配管内の温度低下を抑制できます。
水を出しっぱなしにしても凍結してしまうケース
水を出しっぱなしにしても凍結してしまうケースがあります。
適切な対策を取っていても、環境条件や配管の状態により凍結を完全に防げない場合があるためです。
凍結してしまう主な原因は、次のとおりです。
- 気温がマイナス10℃以下の極端な低温環境
- 鉛筆の太さより細い不十分な水量
- 外壁に面した配管や屋外の露出配管
- 配管が断熱されていない箇所
- 長時間の停電で暖房が停止した場合
- 配管内に既に氷の塊が形成されている状態
とくに、屋外の水道メーターや給湯器周辺の配管は、室内より気温が低くなりやすいため注意が必要です。
適切な水量と実施タイミングを守っても凍結する可能性がある場合は、保温材の使用や凍結防止ヒーターの設置など、追加の対策を検討しましょう。
凍結防止で水を出しっぱなしにしたときの料金
凍結防止のために水を出しっぱなしにすると、水道料金が気になります。しかし、実際にかかる費用を把握しておけば、安心して対策を実施可能です。
凍結防止対策がいかに経済的であるのかを確認するためにも、水道料金と修理費用を比較してみましょう。
1ヶ所で水を出しっぱなしにした際の料金
1ヶ所で水を出しっぱなしにした際の水道料金は、1晩あたり80円程度です。鉛筆の太さ程度の水流であれば、比較的少ない費用で凍結を防止できます。
具体的な料金は地域の水道料金で異なるので、鉛筆の太さ(5~7mm)で水を出しっぱなしにした場合の使用量から算出しましょう。
鉛筆の太さ程度の水流は、1時間で約60リットルの水が流れる計算です。
夜間の冷え込みに備えて7時間実施場合の使用量は、約420リットル(0.42立方メートル)になります。
水道料金は自治体ごとに異なり、1立方メートルあたり150~250円が目安です。東京都や大阪府などの都市部では比較的高めの料金設定になります。
突発的な寒波で1~2晩程度対策を実施する場合、合計200円程度の負担で済む計算です。
水道管が凍結した場合の修理料金より安い
水道管が凍結した場合の修理料金は、水を出しっぱなしにする予防費用と比較して高額です。
配管の破裂や凍結による故障の修理には、専門業者の技術が必要になります。
水道管凍結の修理にかかる費用相場は、次のとおりです。
| 修理費用 | 費用相場 |
|---|---|
| 配管の部分的な修理・交換 | 2万~5万円 |
| 配管の大規模な交換工事 | 5万~10万円以上 |
| 給湯器の凍結による故障修理 | 3万~8万円 |
| 給湯器の交換 | 10~30万円以上 |
とくに配管が破裂した場合は、壁や床を解体して配管交換をおこなうこともあり、修理費用が10万円を超えるケースも少なくありません。
1晩の予防対策が約80円であることを考えると、数日間の対策費用は数百円程度です。
修理費用よりもはるかに安い費用負担で凍結を防げるため、水を出しっぱなしにする方法は、圧倒的に経済的といえます。
凍結予防のために水を出しっぱなしにするメリット・デメリット
水を出しっぱなしにすると、凍結予防に効果的だということがわかりました。迷っている方に、水を出しっぱなしにするメリットとデメリットを紹介します。
水の出しっぱなしで凍結を予防するかどうかを検討する際の参考にしてみてください。
メリット
水を出しっぱなしにする凍結予防には、多くのメリットがあります。簡単かつ低コストで実施できるため、急な寒波への対応として優れた方法です。
水を出しっぱなしにする方法には、次のメリットがあります。
- 特別な道具や技術が不要で誰でもすぐに実施できる
- 1晩あたり約80円程度と予防費用が安い
- 蛇口をひねるだけで即座に対応できる
- 流動する水による確実な凍結防止効果が得られる
- 複数箇所の配管を同時に保護できる
- 既存の設備だけで対策が完結する
突発的な寒波が予想される際には、保温材の購入や設置の時間がない場合も多いです。
しかし、水を出しっぱなしにする方法なら、天気予報を確認した当日の夜からすぐに実施できます。
溜めた水を再利用すれば、実質的な費用をさらに抑えられる点も大きなメリットです。
デメリット
水を出しっぱなしにする凍結予防には、いくつかのデメリットも存在します。適切な対策を取るためには、短所も理解したうえで実施しましょう。
主なデメリットは、次のとおりです。
- 水道料金が通常より増加する
- 複数箇所で実施すると費用がさらにかかる
- 極端な低温環境では効果に期待できない
- 水の流れる音が睡眠の妨げになる可能性がある
- 長期間の実施には適さない
- 再利用しなければ水が無駄になる
寒冷地で長期間にわたって対策が必要な場合は、保温材や凍結防止ヒーターなどの恒久的な設備投資のほうが経済的です。
水を出しっぱなしにする方法は、あくまで突発的な寒波に対する短期間の応急処置として活用しましょう。
メリットとデメリットを比較検討すれば、自分の状況に合った凍結対策を選択できます。
水を出しっぱなしにしても凍結した際の対処法
水を出しっぱなしにしても凍結してしまった場合は、適切な対処法を実施しましょう。
誤った方法で解凍を試みると、配管の破損や水漏れを引き起こす危険性があります。
凍結した水道管への対処方法は、次の3つです。
状況に応じて最適な対処法を選べば、配管へのダメージを最小限に抑えながら凍結を解消できます。
自然解凍するまで待つ
自然解凍は、気温の上昇を利用して解凍する方法です。
自然解凍が、最も水道管への負担が少なく、水道管が破裂するなどといったトラブルが基本的に起こりません。
日中に2度以上の状態が続くのであれば、自然解凍を待ちましょう。水を出しっぱなしにしても凍結したのであれば、水が流れ始めると同時に解凍したことがわかります。
ただし、自然解凍は時間がかかる方法です。暖房で室温を高めると、解凍までの時間を短縮可能です。
ぬるま湯やドライヤーなどで温めて解凍する
自然解凍は時間がかかるので、すぐに解凍したい場合は、ぬるま湯やドライヤーなどを使って人工的に解凍しましょう。
ぬるま湯を使う場合は、水道管にタオルを巻いて少しずつ40~50℃のお湯をかけてください。ぬるま湯がタオルに残り、余熱で水道管を温め続けられます。
早く解凍したいからと、次のような方法を取ると水道管が破裂する可能性があるので、絶対にしないでください。
- ぬるま湯ではなく熱湯を使う
- バーナーなどの火器を使う
- ドライヤーを至近距離で当て続ける
水道管の凍結でぬるま湯が用意できない場合は、ドライヤーなどで水道管を温めます。ドライヤーは温風状態で少しずつ離れた位置から温めてください。
水道修理業者に相談する
水道修理業者に依頼すると、次のような方法で水道管を解凍します。
- 電気解氷
- 蒸気解氷
電気解氷は、電気を通すことで発生した熱を利用した方法です。
熱が伝導しやすい金属管のみで利用できる方法なので、樹脂製の水道管には利用できません。凍結範囲によりますが、30分程度の作業で解凍できます。
蒸気解氷は、蒸気解氷機を利用して蒸気を作り、蒸気で水道管を温めて凍結した水道管を解氷する方法です。
電気解氷に比べると少し時間がかかりますが、金属製の水道管以外も解凍できます。
水を出しっぱなしにしても凍結したときはクリーンライフへ相談
水を出しっぱなしにすれば、基本的に凍結を防止できます。温暖な地域で、普段は凍結の心配がない地域でも、特別な道具が不要なのでおすすめの方法です。
しかし、万が一凍結してしまって水道管にトラブルが生じた場合は、すぐに水道修理業者に相談してください。
水道管トラブルの対応は、自治体から認可を受けている水道局指定工事店がおすすめです。
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