近年、日本で普及が進むウォシュレット。稀に水漏れし、以下のトラブルを招く恐れがあります。
- 水道代の高額請求
- 階下への水漏れ
- 漏電・感電
水漏れトラブルの拡大を抑えるには、素早い対応が不可欠です。
今回はウォシュレットの水漏れの原因や、応急処置の方法を解説します。あわせて賃貸での対処法、業者利用時の料金相場などもお伝えしますので、参考にご覧ください。
ウォシュレットの水漏れの原因・対処方法
ウォシュレットの寿命は、7年~10年程度です。寿命がきたら、ウォシュレットの交換も検討してください。
劣化状況が著しいと、以下から水漏れするリスクがアップします。
- 洗浄ノズル本体
- ウォシュレットの横
- 温水タンク
- 給水ホース・配管
- 給水フィルター
- 操作パネル
以降では、それぞれの水漏れが起こった原因や対応方法について、詳しく見ていきましょう。
洗浄ノズルから水漏れする原因
ウォシュレットの水漏れで多いのが、洗浄ノズル本体から水がポタポタ垂れる症状です。
洗浄ノズルとは、ウォシュレット内に格納されている温水の噴出口のこと。洗浄スイッチを押した際、出たり引っ込んだりします。
洗浄ノズルから水漏れする主な原因は、バルブユニットの汚れです。以下で症状が解消されなければ、ウォシュレット内の電気系統が故障している可能性もあります。
- ノズル・バルブユニットを掃除する
- ノズルを交換する
ちなみにバルブユニットとは、「ノズルの水を出す・止める」といった役割を持つ部分のこと。修理では電気系統が関わるため、素人は絶対に触れてはいけません。
水漏れ原因がバルブユニットのようなら、必ず業者に相談してください。
洗浄ノズルの掃除方法
最近では、セルフクリーニング機能が付いているウォシュレットがあります。しかし、クリーニング機能がない機種の場合は手動で掃除します。
お掃除の手順は、以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- ノズルを出す
- ノズルを歯ブラシやお掃除シートで掃除する
『ノズル掃除』というボタンを押すと、ノズルが出てきます。ボタンがない場合は、ノズルが出た状態でコンセントを抜いてください。
洗浄ノズルの交換方法
洗浄ノズルを掃除しても水漏れが解決しないなら、ノズルの交換が必要です。保証期間なら、メーカーに連絡して無料で交換してもらいましょう。
ご自分でノズルを交換する方法は、以下の流れです。ゴム手袋をつけて行ってください。
- 止水栓を閉める
- ウォシュレットのコンセントを抜く
- ノズルを手で掴み、反時計回りに回して取り外す
- 時計回りで新しいノズルを取り付ける
- 電源を入れる
- 止水栓を開く
- 動作確認する
LIXILの場合は、ノズル先端ならご自分で交換できます。TOTOは業者やメーカーへの依頼が必要です。
ウォシュレット横から水漏れする原因
ウォシュレット横からの水漏れ原因には、水抜栓が関与している可能性が高いです。
水抜栓とは、タンク内蔵型のウォシュレットに使用されている部品のこと。正確な名称は「給水フィルター付水抜き栓」といい、主に次の場所に設置されています。
- トイレタンクの下
- 給水管とウォシュレットの接続部分
水抜栓から水漏れする主な原因は、水抜栓の割れやOリングの劣化です。どちらも自力での修理は難しいため、業者への依頼をおすすめします。
温水タンクから水漏れする原因
貯水式のウォシュレットをご使用中の場合、温水タンクから水漏れするケースもあります。温水タンクとは、名前通り「温水を貯める」機能を持つタンクのことです。
温水タンクの水漏れは、以下を理由に発生するケースが多数。
- 電気系統の故障
- ゴムパッキンの劣化
修理には本体交換、内部の部品交換などの作業を要します。あわせて電気系統に触れる必要もあり、プロの業者でなければ大変危険です。
給水ホース・配管から水漏れする原因
給水ホースや配管から水漏れした際は、「ジョイント」という接続部分の金具が緩んでいる恐れがあります。一度金具を締め直してみて、トラブルが解消されないか確認してください。
症状が改善されなければ、給水管からの水を分岐させる分岐金具が劣化・故障しているかもしれません。劣化が著しい分岐金具は、新しいものに取り換えましょう。
きちんとした技術や知識を有していれば、ご自身での交換もOK。次のような誤った対処により、水漏れの悪化を招かないよう十分注意してください。
- パッキンの型の誤り
- 金具を締めすぎ
パッキンにはさまざまなサイズがあるので、同じものを購入する必要があります。少しでも不安に感じる方は、水道修理業者に依頼するのが無難です。
給水フィルターから水漏れする原因
たいていのウォシュレットは、次のような場所に給水フィルターが取り付けられています。
- 操作パネルの下や横
- ウォシュレット内部
給水フィルターとは、水道水から不純物を取り除く役割を持つ部品のこと。長年使い続けると汚れやゴミが溜まり、フィルターが目詰まりして水漏れを引き起こす恐れがあります。
給水フィルターからの水漏れは、歯ブラシなどを用いてフィルターを掃除するだけで、解消できる可能性が高いです。
給水フィルターの掃除方法
給水フィルターは、メーカーや製品によって異なりますが、止水栓につながった部分を確認してみてください。給水管をたどると、見つけられます。
給水フィルターの掃除方法は、一般的に以下の通りです。
- 給水フィルターを取り外して、分解する
- 歯ブラシ等で給水フィルターの目詰まりを取り除く
- 給水フィルターを元に戻す
多くの場合、取扱説明書かメーカー公式サイトに、詳しく記載されています。
操作パネルから水漏れする原因
最後に紹介するのは、ウォシュレットの操作パネル・ボタンから水漏れするケースです。いずれかで水が漏れている場合、ウォシュレットの本体内部でパーツが故障している可能性を疑いましょう。
修理方法の選択肢は、以下の通りです。
- 内部の部品を交換する
- ウォシュレット自体を交換する
電気製品である操作パネルも、素人が下手に触れると火災などの大事に繋がりかねません。無理に修理しようとせず、なるべく業者を利用するよう心がけてください。
ウォシュレットから水漏れした際の応急処置
電気系統の異常によって起こり得る、ウォシュレットの水漏れトラブル。修理が必要な場合は、基本的に水道修理業者を利用してください。
本項では、業者の到着までに行うべき応急処置の方法をお伝えします。
トイレの止水栓を閉める
ウォシュレットの水漏れを発見した際は、なるべく早めにトイレの止水栓を閉めましょう。一般的に、マイナスドライバーや手で右に回せば、水が止まる仕組みとなっています。
止水栓を閉めると、水道代の高額請求を防ぐと同時に以下も予防可能です。
- 階下への水漏れ
- 漏電・感電
次の項目に該当する方は、止水栓でなく水道の元栓を閉める必要があります。
- 止水栓がないタイプのトイレを使っている
- 止水栓の設置場所が見つからない
止水栓・元栓の位置が分からない方は、あわせて以下の記事もご一読ください。
ウォシュレットの電源を抜く
次に、コンセントからウォシュレットの電源プラグを抜きます。漏電・感電を防ぐため、作業時は必ずゴム製の手袋を装着しましょう。
プラグが濡れている場合は、しっかり水気をとったうえで抜いてください。ウォシュレットの電源の抜き忘れには、日頃の掃除やお手入れのシーンなどでも注意が必要です。
水で濡れた床を拭く
ウォシュレットから漏れ出た水は、素早く拭き取取りましょう。湿気が多いトイレはさらなる湿気を呼び、カビの発生リスクを高めてしまいます。
あわせて、以下を引き起こす可能性も高いです。
- 床材の腐食
- 階下への水漏れ
水漏れに続く二次被害を招かないためには、足元の水分をできる限り取り除くことが大切です。
賃貸のウォシュレットから水漏れした際の対処法
賃貸物件のウォシュレットが水漏れした場合、対処法は下記2つのケース別に異なります。
- 部屋に備え付けのウォシュレットか
- 自分で設置したウォシュレットか
アパート・マンションなどの賃貸にお住まいの方は、本項の内容にもしっかり目を通しておきましょう。
大家さん・管理会社に相談する
賃貸に備え付けのウォシュレットをご使用中の場合、物件の所有者である大家さん・管理会社への相談が不可欠です。
連絡時は以下を把握・用意しておくと、よりスムーズに状況を説明できます。
- 水漏れの状況・原因
- ウォシュレットの写真
- 便器・タンク・便座の型番
写真はウォシュレット全体のほか、部品の状況や型番が分かるように撮影するのがポイントです。
水漏れ原因が故意によるものでなければ、修理費用の負担先は大家さんまたは管理会社になるでしょう。
自分で修理する
自分で購入したウォシュレットをご使用中であれば、管理責任は住民側に帰属するため、自分で直す必要があります。修理・交換を依頼する場合、料金の請求先もご自身となるでしょう。
修理・交換方法は、ウォシュレットの保証期間を考慮して判断してください。
- 保証期間内:販売・設置元に対応してもらう
- 保証期間外:自分で修理または業者に依頼する
保証期間内であれば、販売・設置元のメーカーや業者に無料で対応してもらえる可能性が高いです。
たとえ保証期間外であれ、火災保険の特約(電気的・機械的特約)で補償されるケースもあります。保証書は必ず保存しておき、なるべくお得に水漏れトラブルを解消しましょう。
ウォシュレットの水漏れ修理を業者に頼む際の料金相場
ウォシュレットから水漏れした際、業者を利用するメリットは以下の通りです。
- 漏電・感電などの二次被害を防げる
- 水漏れ原因を素早く特定できる
- 修理に必要な道具・部品が揃っている
- 短時間で修理が完結する
下手な対処で症状を悪化させないためにも、なるべくプロの力を頼りましょう。
以降では、ウォシュレットの水漏れ修理費用の相場を基本料金と総額、2つに分けてお伝えします。
ウォシュレットの水漏れ修理にかかる基本料金の相場
ウォシュレットの水漏れ修理を依頼する際の費用は、以下に内訳できます。
料金の種類 | 料金の相場 |
基本料金 | 4,800円〜 |
作業料金 | 3,200円~11,200円 |
部材代 | 500円〜2,000円 |
※ウォシュレット本体の交換が必要な際は、別途本体代も発生。
基本料金とは、業者利用時に最低限必要な料金のことです。ぼったくりの被害に遭わないよう、事前見積もりを通じて信頼のおける依頼先か判断しましょう。
ウォシュレットの水漏れ修理にかかる総額の料金相場
ウォシュレットの水漏れ修理では、3,200円~11,200円の作業料金も発生します。前項の基本料金を踏まえると、総額の料金相場は8,000円~16,000円程度です。
ウォシュレットの買い替えが必要なケースでは、作業難易度が大幅に変動。並行して必要なパーツも増え、部材代が高額になりがちです。
なるべく安く修理したければ、症状が悪化する前の早めの依頼を推奨します。また、以下のような作業料金以外の余計な料金がかかると、それだけ高額になります。
- 早朝・深夜の割増料金
- 出張料
作業に関係ない料金は、問い合わせ時に確認できます。
ウォシュレットの水漏れを防ぐ方法
ウォシュレットの水漏れトラブルを防ぐには、日頃の管理やお手入れが重要です。
本項では、下記4つの予防策を紹介します。
- 止水栓を適切に閉める
- トイレ室内を換気・保温する
- ノズルをこまめに掃除する
- ウォシュレットを定期的に点検する
一つずつ、具体的な実践方法を見ていきましょう。
止水栓を適切に閉める
ウォシュレットの水流は、止水栓の閉め具合によって変わってきます。水流が強すぎると、トイレ本体や部品などへの負荷が大きくなるため、適切な水流になるよう調節しましょう。
水流による負荷をかけ続けた場合、ウォシュレットの各部品が劣化・損傷してしまう可能性が高まります。
水流が強いときの調整方法は、止水栓を時計回りに回すだけ。洗浄の強度が選べるボタンがあれば、ボタンを押してウォシュレットの水圧を調整することも可能です。
トイレ室内を換気・保温する
電化製品であるウォシュレットは、高温多湿の環境に不向きです。水漏れの発生リスクを抑えたければ、以下の方法をもとにトイレ室内の空気を循環させてください。
- 定期的に窓を開ける
- 換気扇を回す
冬場は、内部の水が凍結する恐れがあります。凍結対策として有効なのは、トイレ室内を保温する方法です。
トイレ室内に暖房がないご家庭は、ウォシュレットの凍結予防機能をご活用ください。古い機種をご使用中であれば、排水管や便器内の水抜きをする手もあります。
水抜きの実施前は、必ずウォシュレットの取扱説明書に目を通しておきましょう。
ノズルをこまめに掃除する
ウォシュレットで最も水漏れが生じやすいノズルは、こまめな掃除が大切です。2週間に一度程度の掃除を心掛け、ノズルの清潔な状態を維持しましょう。
ノズルは電気で作動しているため、安全性を確保したうえでの掃除を心掛けてください。具体的には、以下の必要があります。
- ウォシュレットの電源を切る
- コンセントを抜く
掃除の手段は拭き掃除。ノズル洗浄ボタンを押してノズルを出した後、柔らかい布などで気になる汚れを拭き取りましょう。
歯ブラシはノズル本体を傷つけかねないので、使用を控えるのが無難です。掃除後は再度ノズル洗浄ボタンを押し、ノズルを収納し直してください。
ウォシュレットを定期的に点検する
ウォシュレットは、電気で作動する精密機器。定期的な点検により、水漏れの発生リスクを抑えましょう。
点検の頻度は、3年に一度程度が目安です。主な点検箇所には、次のようなものがあります。
- 給水フィルター
- 脱臭フィルター
- 脱臭カートリッジ
- 便座クッション
また、以下のような最低限の点検は、毎日実施するのがおすすめです。
- 水漏れが発生していないか
- ウォシュレットが正常に動作しているか
いずれもご自身で対応して問題ありませんが、自信がなければ業者に依頼するといいでしょう。
ウォシュレットの水漏れで困ったときは
ウォシュレットから水漏れする原因、応急処置の方法などを紹介しました。
ウォシュレットの水漏れトラブルは、日頃のお手入れ次第で防げるケースも多数。適切に管理し、発生リスクを抑えましょう。
修理のご依頼を検討中の方は、『クリーンライフ』にお気軽にご連絡ください。365日24時間素早く駆けつけ、水漏れの症状にすぐさま対応いたします。