落ちにくい尿石に効果的な、トイレ掃除のやり方を解説します。
便器内や便座の裏に付着した取れにくい尿石は、性質を知ってコツをつかんで効率的に除去しましょう。
尿石の状態を軽度、中度、頑固な重度に分けて、それぞれの掃除方法を解説するので参考にしてください。あわせて、尿石がつかないための予防法も説明します。
尿石のトイレ掃除方法3選
以下のような尿石の状態にあわせて、計3つのトイレ掃除方法を紹介します。
- 軽度な尿石
- 中度の尿石
- 重度の尿石
それでは、順に説明します。
【軽度の尿石】クエン酸水を使う
軽度の尿石には、クエン酸水がおすすめです。特に小さなお子さんやペットのいるご家庭では、体に優しいクエン酸水なら、安心して使用できます。
【クエン酸水の作り方】
以下の基本量の材料を混ぜて、スプレーボトルに入れて使用します。
- クエン酸小さじ1
- 水100ml
クエン酸水は、2週間〜3週間保存可能です。できるだけ涼しい、直射日光の当たらない場所に保管してください。
【クエン酸水を使ったトイレ掃除方法】
- 黄ばみのある箇所にクエン酸水をスプレーする
- 便器の裏側や便器のフチにトイレットペーパーを貼り付ける
- トイレットペーパーの上から、クエン酸水をスプレーする
- 10分間放置する
- 水を流しながら、貼り付けたトイレットペーパーをトイレブラシでこすり落とす
- 尿石をトイレブラシでこすり落とす
できたばかりの尿石なら、以上の方法で除去できるはずです。トイレがなんとなく臭う場合にも、効果が期待できます。
そのほか、トイレの臭いが気になるときは、以下の記事を参考にしてください。
余ったクエン酸をトイレタンクに入れない!
クエン酸水が余っても、トイレタンクには絶対に入れないでください。酸性の液体を入れると、金属部分のサビなどの原因になり、部品の不具合が生じます。
トイレタンク内はカビができやすく、汚れが蓄積すると悪臭が生じるため、注意が必要です。以下の記事を参考にして、トイレタンク内の掃除をしてみてください。
【中度の尿石】サンポールを使う
クエン酸では落ちない中度の尿石には、クエン酸より酸性度の高い「サンポール」を使ってトイレ掃除します。
酸度・アルカリ度は、phの14段階の数値で表します。0に近いほど酸が強く、尿石を除去しやすくなります。クエン酸は酸度2程度ですが、サンポールは酸度1ほどで強酸性です。
便器メーカーによっては、サンポールなど強酸性の洗剤は使用できない可能性があります。使えるかどうか、取扱説明書や公式サイトでの確認が必要です。
【トイレメーカー別:使える洗剤の種類】
メーカー名 | 洗剤の種類 | 使える可能性 |
TOTO | 酸性 | ◯ |
中性 | ◯ | |
アルカリ性 | ◯ | |
研磨剤入り | × | |
LIXIL | 酸性 | ×(ただし、弱酸性は◯) |
中性 | ◯ | |
アルカリ性 | ×(ただし、弱アルカリ性は◯) | |
研磨剤入り(クレンザー) | × | |
アルコールを含む洗剤 | × | |
Panasonic | 酸性 | × |
中性 | ◯ | |
アルカリ性 | × | |
アルコールを含む洗剤 | × | |
重曹を含む洗剤 | × |
Panasonicは、上記以外にオレンジオイル入り洗剤や消臭剤の使用ができないとしているので、トイレ掃除をする際に注意が必要です。
いずれのメーカーの便器でも、便座はプラスチック製がほとんどなので、サンポールは使えません。陶器製の便器のみに使用してください。
【サンポールを使ったトイレ掃除方法】
- 便器内の水を紙コップなどで除去する
- 便器のフチや水たまりにサンポールをかける
- 2〜3分放置する
- ブラシでこすって、水をたっぷり流す
まだ尿石が残っているようなら、2〜3度繰り返してください。ただし、尿石を取るために、サンポールをかけたあと長時間放置すると、便器にダメージを与えます。用法を守って利用しましょう。
サンポールの使い方は、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
サンポール以外の尿石除去剤
サンポール以外にも、尿石除去におすすめの洗剤があります。手に入りやすいものを使用してください。
- 業務用スカッと尿石取りジェル
- デオライトL
- トイレ職人
- トレストン
いずれも強酸性なので、使用する際は換気をよくしてください。
デオライトLの使い方は、以下でまとめています。サンポールで尿石が落ちず、デオライトLを使う方は参考にしてみてください。
酸性の洗剤と塩素系を混ぜると危険
塩素系の漂白剤や洗剤と混ぜてしまうと、有毒な塩素ガスが発生するので危険です。必ず、尿石除去剤のみで使用してください。
塩素系の洗剤や漂白剤は、以下のようなものがあります。
- トイレハイター
- ドメスト
- トイレブリーチ
タンクにつけるタイプの洗剤を設置している場合は、念のために外し、水をよく流しておくと安心です。
【重度の尿石】耐水のサンドペーパーで削る
サンポールでパックしても落ちないような頑固な尿石は、表面をサンドペーパーなどでこすって尿石に傷をつけます。
再度サンポールをかけて、こすり洗いしましょう。尿石についた傷からサンポールが染み込んで、除去しやすくなります。
以下のような研磨材を利用してください。
- 研磨剤スポンジ・メラミンスポンジ
- 1000番の耐水サンドペーパー
- トイレ掃除用の軽石
研磨材で尿石を完全に取り除こうとすると、便器を傷つけてしまいます。便器に傷がつくと、傷の内部に雑菌や尿が入り込んで、尿石がつきやすくなるので注意が必要です。
頑固な尿石に傷をつけたあと、以下の方法で仕上げます。
- 1500番の耐水サンドペーパーでこする
- 再度サンポールパックをして、ブラシでこする
サンドペーパーを使うときは、便器そのものをこすらないようにゆっくりこすりましょう。
頑固な尿石の取り方は、以下の記事にまとめています。尿石が落ちにくいときは、参考にしてみてください。
プラスチック部分には使えない
サンドペーパーは、便座の裏などのプラスチック部分には使えません。プラスチックは、サンドペーパーで簡単に傷がついてしまうためです。
プラスチック部分は、サンドペーパーもサンポールなどの尿石除去剤も使えません。尿石がつかないように気をつけることが大切です。
トイレ掃除で尿石が落ちないときはプロに依頼
以下のような心配があるなら、業者への依頼がおすすめです。
- 薬剤使用が心配
- 紙やすりで傷つけないか不安
- つまり・悪臭などのトラブルを伴う
トイレつまりなら、以下の記事を参考にすれば解消できる可能性があるので、お試しください。
トイレの尿石落としを依頼できる業者
トイレの尿石落としを依頼できる業者をご紹介します。
- お掃除のプロ
- 水道修理業者
ダスキンやカジタクといったお掃除のプロ、または、水道修理業者に尿石除去を依頼できます。お掃除のプロなら、トイレ以外の掃除も依頼できる点がメリットです。
ただし、トイレでなんらかのトラブルがある場合は、お掃除のプロでは対応できないかもしれません。その点、水道修理業者なら、トイレやその他の水回りで気になる点も相談できます。
トイレの尿石落としの費用相場
トイレの尿石落としの費用相場をお伝えします。水道修理業者に依頼した場合の費用は、以下のとおりです。
作業内容 | 料金目安 |
簡易な薬剤を使用した掃除 | 3,000円〜5,000円 |
頑固な尿石除去 | 8,000円〜 |
薬剤による排水管の清掃 | 10,000円〜 |
お掃除のプロのトイレ掃除の費用を、有名な業者ごとに一覧表にしたので参考にしてください。
お掃除業者 | 料金目安(税込) |
ダスキン | 10,340円(床面積2平米未満) |
カジタク | 19,580円(洗面所こみ) |
お掃除本舗 | 9,900円 |
カジタクは、トイレ洗面所パックの利用となります。また、ダスキンは、トイレのみの料金は10,340円ですが、基本的に11,000円以上からの対応です。
料金は目安なので、必ず事前に見積もりをしてもらいましょう。トイレの面積や尿石の状態、作業時間によって料金が異なります。
尿石がトイレに付着する原因
尿石とは、流しきれなかった尿に含まれるカルシウムやマグネシウムなどが変化して、結晶化した石のような物質です。性質はアルカリ性なので、酸性の液体で中和されます。
水を流す量が少なかったり、水の流れる箇所以外に尿が飛んでしまったりすると、尿が残って尿石になるのです。
以上の原因から、以下の3ヶ所に主として蓄積します。
- 便器のフチ
- 便器のトラップ(便器の水が溜まっている箇所)
- 便座の裏側
無意識に用を足すと、以上の箇所に尿が飛び散りやすくなります。できるだけ尿が飛び散らないようにすることが大切です。
また、水が十分に流れないと、尿石がつきやすくなります。水の流れが悪いと感じたら、以下の記事を参考にして水が十分に流れるようにしてください。
男子トイレは尿石がつきやすく、注意が必要です。男子トイレの尿石つまりについては、以下の記事にまとめたので、参考にご覧ください。
トイレの尿石や黄ばみの予防方法
尿石を除去したら、二度と尿石に悩まないで済むように、尿石がつかない予防法を実践しましょう。
すぐに取り入れられる尿石予防法は、以下の3つです。
- 尿石がつかないトイレの使い方を実践する
- こまめに掃除する
- 便器にコーティングする
それぞれについて説明します。
尿石がつかないトイレの使い方を実践する
尿石がつかないように、以下を実践しましょう。
- 使用後は必ず水を流す
- 便器のフタを閉めて水を流す
- 立って用を足さない
- トイレの換気をよくする
家族の協力は必須なので、ご家族の方にも実践するようお願いしてみましょう。
特に男性は、立って用を足すことが多く、尿を周りに飛び散らしがちです。小さなお子さんも含め、必ず腰掛けるようにしてください。
もし尿がこぼれてしまった際は、その都度濡らしたトイレットペーパーで拭き取りましょう。
こまめにトイレ掃除する
尿が残っていると、尿は尿石に変化して落ちにくくなります。しかし、出したばかりの尿なら、水だけでも落とせます。汚したらその都度拭き取るようにするのが、理想的です。
しかし、家族がいると徹底させるのは困難です。毎日、中性洗剤を使って5分程度の簡単な掃除をしましょう。それでも場所によっては、尿石ができやすいので、週に1度は酸性洗剤を使って掃除すれば安心です。
トイレの流れが悪いと、尿をきれいに流せず尿石が蓄積しやすくなるので、以下の記事を参考にして対処してください。しっかり水を流すことも重要です。
便器にコーティングする
便器にコーティングすると、傷がつきにくく汚れも蓄積しにくくなります。
コーティング材には、主に次の3種類があります。
- スタンプタイプ
- スプレータイプ
- 液体タイプ
手軽な方法は、スタンプタイプやスプレータイプです。ただし、液体タイプと比較すると、効果が持続しない点がデメリットです。
液体タイプは、コーティングキットを使うか、業者に依頼してコーティングしてもらいましょう。コーティング材は、塩素系の洗剤に弱いので、ハイターなどを使わないようにすると長持ちします。
トイレ交換の際は尿石のつきにくい便器を選ぶ
尿石は主に便器のフチにつきやすいので、フチのないデザインの便器に交換すると、掃除がずっとラクになります。
また、表面に汚れがつきにくい加工を施した便器も販売されています。オートクリーニングや、泡状の水が汚れを取り除くタイプの便器もおすすめです。
トイレ掃除で尿石が落ちなくてお困りなら
尿石を落とすトイレ掃除の方法をお伝えしました。
しかし、頑固な尿石は、ご紹介した方法を試しても落とせない場合も。頑固な尿石を無理に落とそうとすると、トイレにダメージを与えてしまう可能性があるので、プロへの相談がおすすめです
私たち『クリーンライフ』では、さまざまなトイレトラブルに対応しています。
トイレの悪臭やつまりなど困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。年中無休で24時間、お電話やメールでのお問い合わせが可能です。