排水溝から水が上がってくる際に、すぐにできる対処法を解説します。
そのままにしていると、以下のようにさまざまなリスクがあります
- 逆流
- 悪臭
- 水漏れ
すぐできる対処法ばかり紹介するので、排水溝から水が上がってきたらすぐに試してみてください。
あわせて、排水溝から水が上がってくる原因や前兆、業者に依頼すべきケースもご紹介します。被害が大きくならないために、最後までお読みください。
排水溝から水が上がってくる際の対処法
排水溝から水が上がってくる際に、簡単にできる対処法を4つ紹介します。紹介する対処法は以下の通りです。
- お湯を流す
- 液体パイプクリーナーを注いで放置する
- ラバーカップで圧力をかける
- ワイヤーブラシで汚れをこそぎ取る
それでは、具体的な方法を見ていきましょう。
50℃程度のお湯を流す
ついたばかりの油汚れや大量のトイレットペーパーによるつまりなら、お湯を流して汚れを取り、つまりを解消させましょう。つまりを解消し、上がってくる水を正常な位置に戻します。
ある程度の量を一気に流したいので、バケツを用意してください。水と熱湯を半々程度で混ぜて、50℃程度のお湯をバケツに用意しましょう。
手順は以下の通りです。
- フタやゴミ受けなど、排水溝で取り外せるものを全部取り外す
- バケツでお湯を勢いよく流し込む
しばらく様子を見て、水が流れていき始めたら完了です。
効果を上げるために熱湯を使うのは、絶対にやめてください。熱湯を使うと塩ビの排水管が劣化したり、陶器製の便器が割れたりします。必ず50℃前後のお湯を使いましょう。
液体パイプクリーナーを注いで放置する
液体パイプクリーナーは、化学の力で詰まりを取る方法です。液体パイプクリーナには次の2種類があります。
- 次亜塩素酸ナトリウム入り
- 水酸化ナトリウム入り
次亜塩素酸ナトリウムを主成分にしている液体パイプクリーナーは、毛髪を溶かすので浴室や洗面台の排水溝におすすめです。
一方、水酸化ナトリウムは、油分に効果が見られます。油汚れが主なつまりの原因である、キッチンで利用されることが多い傾向です。
使用の手順を説明します。基本的には取扱説明書をよく読んで、記載されているように使用しましょう。
- 排水トラップを取り外せるなら、取り外す
- 取扱説明書に記載された規定量のパイプクリーナーを排水管に注ぐ
- 指定された通りの時間、放置する
- 約50度のお湯を少しずつ注いで、つまりの有無を確認する
規定量より多く使ったり、長時間放置しても、効果的になるわけではありません。場合によっては、逆効果になってしまう場合もあるので、取扱説明書に従うことが重要です。
液体パイプクリーナー使用後に、カビキラーなど酸性タイプの洗浄剤をすぐに使うと、塩素ガスが発生するのでとても危険です。液体パイプクリーナーを使ったあとで、すぐに別の薬剤を使わないようにしましょう。
ラバーカップで詰まったものを押し出す
ラバーカップは「すっぽん」と呼ばれて、トイレつまりによく利用されます。
キッチンや洗面台などの排水溝でも威力を発揮します。トイレ用とは別に、排水溝のサイズに合わせたラバーカップを用意しておくと便利です。
ラバーカップを使った排水溝の洗浄方法は以下の通りです。
- 排水溝のフタ・ゴミ受けなど取り外せるものは、取り外しておく
- 排水溝にラバーカップのおわん部分を密着させる
- おわん部分が隠れる程度の水をはる
- ラバーカップをゆっくりと押し、勢いよく引き上げる
- 4を数回繰り返す
つまりが取れた感触があれば、水を流してみて確認しましょう。
以下の場合は、ラバーカップは使用できません。
- 浴室でワン型排水トラップが設置されている
- 排水ホースにジャバラホースが設置されている
- 固形物が排水管に流れている
固形物は、ラバーカップで排水管の奥に押しやってしまう可能性があります。
ワイヤーブラシで汚れをこそぎ取る
ワイヤーブラシは、ワイヤーの先にブラシや丸めた金属が設置されて、排水管の奥の汚れをこそぎ取る道具です。
「ワイヤードレンクリーナー」「ワイヤー式パイプクリーナー」とも呼ばれています。家庭用ワイヤーブラシの長さは、1m〜10m程度です。
ワイヤーブラシを使った排水管の掃除方法は、以下の通りです。
- 排水管にワイヤーブラシを差し込む
- 少しずつ、排水管の奥にワイヤーブラシを押し込んでいく
- 動かなくなったら、回転・押す引くを繰り返して、汚れを落とす
- ハンドルを使ってさらに奥へ入れる
- 入れることができなくなったら、回転・押す引くを繰り返して、固まった汚れを落とす
- 汚れをこそぎ落とした感触があったら、ワイヤブラシを引き抜く
- 水を流してみる
排水管がジャバラホースの場合は、ワイヤーで穴を開けてしまう可能性があるため、使用できません。
強度の高い柔軟性のあるタイプを選びましょう。排水管はカーブが多いため、強度のないタイプは折れてしまい、排水管の中にとどまってしまいます。
排水管の汚れ除去については、以下の記事で詳しく説明しています。
排水溝から水が上がってくる原因
排水溝から水が上がってくる原因は、以下のようなことが考えられます。
- 油汚れや毛髪などが原因の排水管のつまり
- 汚水桝のメンテナンス不足が原因のつまり
- 排水管が劣化してヒビがある状態
- 大雨で下水が処理できない状態
ご紹介した対処法で解決しない場合は、汚水桝や排水管の劣化などが原因と考えられます。それぞれの原因について、説明していきます。
油汚れや毛髪などが原因の排水管のつまり
排水溝から入り込んだ汚れが蓄積して、排水管が詰まると排水溝から水が上がってくる原因になります。つまりの主な原因を水回り箇所ごとに見ていきます。
台所 | ・石鹸カス ・水垢 ・生ごみ ・固形物(洗剤のキャップや爪楊枝など) |
浴室や洗面所 | ・石鹸カス ・毛髪 ・水垢 ・固形物 |
トイレ | ・大量のトイレットペーパー ・吐瀉物や排泄物 ・水に流せると書かれた製品 |
洗濯機 | ・石鹸カス ・繊維 |
つまりの原因になるものが排水溝に入らないように、注意しましょう。
特にキッチンの排水管は詰まりやすいので、以下の記事を参考にしてこまめに掃除しましょう。
汚水桝のメンテナンス不足が原因のつまり
汚水桝(排水枡)とは、住宅内からの排水を一旦溜めておく桝(ます)です。汚水桝は、住宅の水回りごとに設置されており、以下のような役割があります。
- 汚物を公共の下水に流さない
- 汚物や生ごみの悪臭が漏れない
- 排水管のつまり点検が簡単にできる
汚水桝のつまりは、さまざまなトラブルの原因です。
マンションなどの集合住宅は、管理会社が定期的にメンテナンスをしていますが、戸建ての場合は、忘れてしまうことも。メンテナンスをしていないと、トラブルが生じる可能性があるので、確認してください。
汚水桝について知っておくと、トラブルの原因を特定しやすくなるので、以下の記事を参考にしてください。
排水管が劣化してヒビがある状態
排水管の劣化も、排水溝の水が上がってくる原因の一つです。ヒビだけではなく、サビやつなぎ目のずれなども原因になるので、チェックしてください。
排水管のトラブルは、ご自分での対応は難しいでしょう。特に見えない箇所にトラブルがあるなら、水道修理業者に点検・修理を依頼してください。
排水管のトラブルは、設置して20年程度から増えます。また、大きな地震が原因で排水管にトラブルが生じる場合もあります。
大雨で下水が処理できない状態
台風等で大雨が降ると、下水道で汚水を処理できないために、排水溝から水が上がってくることがあります。
大雨が原因の場合は、待っていれば改善されることがほとんどです。大雨の間は、できるだけ水を使わないようにすると、逆流を抑えられます。
逆流については、以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
排水溝から水が上がってくるなら業者に相談
以下のようなケースは、水道修理業者への相談をご検討ください。
- 排水溝から水が上がってくる原因がわからない
- ご紹介した対処法を試しても改善しない
- 汚水桝の問題があるようだ
- 築20年以上の住宅で、排水管が古い
- 地震後、排水溝から水が上がってくるようになった
上記以外のケースでも、不安な場合はすぐに相談してみましょう。
業者への相談がおすすめの理由
水道修理業者へ相談するのがおすすめの理由は、以下のようにさまざまです。
- 排水溝から水が上がってくる原因がすぐにわかる
- そのほかのトラブルになる可能性を回避できる
- ご自分で対処するよりも短時間で解消する
- トラブルが悪化しにくい
- 汚いものを触ったり、悪臭を我慢したりしなくて済む
ただし、相場料金を知って、適正価格で運営する信頼できる業者を選びましょう。
業者に依頼した場合の相場料金
排水溝から水が上がってくる場合に、業者に修理を依頼した際の作業内容と相場料金を一覧表にしました。
作業内容 | 相場料金 |
軽微なつまりの解消 | 5,000円〜8,000円 |
薬剤による洗浄 | 8,000円~15,000円 |
排水管の部品交換 | 3,000円〜10,000円 |
排水ホースの交換・新設 | 10,000円~30,000円 |
汚水桝の掃除 | 1ヶ所につき2,000円〜 |
汚水桝の交換 | 1ヶ所につき40,000円〜 |
管内カメラ等による排水管の調査 | 20,000円〜 |
排水管の高圧洗浄 | 27,000円〜 |
排水管のトーラー洗浄 | 30,000円〜 |
業者によっては作業料金以外に、以下のような料金が加算されます。
料金項目 | 相場料金 |
見積もり料金 | 0円〜 |
基本料金 | 0円〜5,000円 |
出張費用 | 0円〜4,000円 |
早朝・深夜・休日の割増料金 | 0円〜8,000円 |
キャンセル料金 | キャンセルする時期により変動 |
以上のような料金は、作業に関係なく加算されるので、問い合わせ時に確認可能です。
排水管の交換が必要になる場合は、以下の記事が参考になります。
業者選びに失敗しないためのポイント
水道修理業者を安易に選ぶと、手抜き工事や高額請求といったトラブルを招く可能性があります。以下のポイントを押さえて、信頼できる業者を選びましょう。
- 水道局指定工事店か確認する
- 口コミを確認する
- 実績があるかを確認する
- 複数の業者に相見積もりする
以下の記事でさらに詳しく説明しているので、業者選びに悩んでいる方は参考にしてください。
賃貸で排水溝から水が上がってくるなら管理者に相談
賃貸のアパート・マンションにおいては基本的に、普通の使い方で排水溝から水が上がってくるのであれば、修理代は大家さんの負担です。
勝手に業者を呼ぶと、修理代を請求できなくなる可能性があります。また、アパートやマンションでは、管理会社が指定している業者がある場合もあるので、勝手な水道修理業者への依頼はNGです。
- ただし、契約によっては、排水溝や排水管のトラブルは入居者が対処すると決められている場合もあります。契約書を確認してみて、相談してください。
入居して間もない時期に、排水溝から水が上がってくるなら、迅速に管理会社・大家さんといった管理者へ連絡してください。入居して間もない場合は、管理者が対処してくれます。
連絡せず放置して悪化すると、責任が入居者側になる可能性があります。修理業者に入られるのが嫌だと思わず、すぐに対処してもらいましょう。
排水溝から水が上がってくる前兆・サイン
排水溝から水が上がってくるサインを知っていると、重篤なトラブルになる前に対応できます。ちょっとでも気になることがあったら、すぐに排水管の掃除をするなどして対処してください。
ゴボゴボといった変な音がする
シンクやお風呂、洗面所で水を流すと排水管から「ゴボゴボ」というような変な音がするのは、水が流れにくくなっている証拠です。
排水管の掃除をしてみて、それでも改善しないようなら、業者に相談してみましょう。
掃除をしても臭いが気になる
排水管内で汚れが蓄積し、バクテリアが増加すると悪臭がひどくなってきます。異臭を放置すると、さらに本格的に詰まってしまい、排水溝から水が上がってくる可能性があります。
液体パイプクリーナーを注いで、排水管内を洗浄してみましょう。パイプクリーナーに含まれる次亜塩素酸ナトリウムは消毒効果も期待できるので、異臭を抑えられるかもしれません。
液体パイプクリーナーを使っても、すぐに気になる臭いの再発を繰り返すなら、水道修理業者に相談してください。
悪臭対策は、以下の記事を参考にしてください。
水がなかなか流れない
水を勢いよく出すと、シンクやボウルに水が溜まって、排水に時間がかかるなら、排水管に汚れが蓄積して水が通る箇所が細くなっています。
水が流れにくい状態で放置すると、排水溝から水が上がってくるようになるかもしれません。排水溝が臭くなる可能性もあるので、水がなかなか流れないと感じたら、すぐに排水管の洗浄など対処しましょう。
排水溝から水が上がるトラブルでお困りなら
排水溝から水が上がってくる場合の、対処方法をご紹介しました。
そのままにしていると逆流の可能性もあるので、迅速な対応が必要です。ご紹介した方法で改善しない場合は、水道修理業者に相談しましょう。
業者選びに迷ったら、実績の多い『クリーンライフ』にご相談ください。電話のほか、LINEやメールでの連絡が可能です。
熟練のスタッフが、現地で点検・見積もりをしています。見積もりまでは無料なので、お気軽にご相談ください。