水道管が凍結で破裂した場合、自分で直すのは困難です。ただし、応急処置を施すことで、被害を最小限に抑えられます。
そこで今回は、水道管が凍結で破裂した場合の対処法を分かりやすく解説します。
水道管の破裂は、見えない場所で水漏れしていると気づかないケースもあります。
凍結で水道管が破裂したときのサインもお伝えしますので、破損や水漏れの早期発見につながるよう参考にしてください。
水道管が凍結して破裂したときの対処法
水道管が凍結して破裂すると、基本的には修理業者に修理を依頼しなければなりません。
ここでは、水道管の破損による水漏れ被害の拡大を防ぐためにできる対処法を紹介します。
1.水道の元栓を時計回りで閉める
まずは止水するために、水道の元栓を閉めましょう。
元栓は、水道のメーターボックスの中にあります。戸建ての場合は敷地内の地面に、集合住宅の場合は玄関ドアの横にある扉の中にあるのが一般的です。
元栓は、時計回りに回すと閉まります。
固くて回らない場合は、無理に回すと破損する恐れがあるので、修理業者を呼んで対応してもらいましょう。
元栓の設置場所については、以下のページで分かりやすく説明していますので、ご覧ください。
元栓を閉めても水漏れが止まらないときの対処法
元栓を閉めても水漏れが止まらないときは、水道メーターが破損している可能性があります。
水道メーターが破損したときは、お住まいのエリアの水道局に連絡をしましょう。
公設の水道メーターは、原則として水道局が設置費用を負担しています。交換費用も水道局の負担となりますので、対応を依頼しましょう。
2.水道管にタオルや布などを巻く
水道管の露出している場所が破裂しているときは、元栓を閉めた後、以下の手順で破損部分にタオルや布を巻いて応急処置をします。
- 破裂した水道管の下に、水を受けるためのバケツを置く
- 水漏れ箇所にタオルを巻く
- タオルがびしょ濡れになったら、乾いたタオルと交換する
- タオルが濡れなくなるまで、タオルを交換し続ける
この作業を行うことで、水漏れ被害を最小限に食い止められます。
タオルが足りない場合は、以下の道具で代用できます。
- 雑巾
- 古布
- 新聞紙
- キッチンペーパー
また、段ボールやビニールシートを床に敷くと、バケツの代用になります。
水道管が凍結したら、落ち着いて対処することが大切です。以下のページで凍結・破裂した場合の対処法をまとめていますので、あわせてご確認ください。
3.業者(水道局指定工事店)に連絡する
応急処置ができたら、すぐに水道局指定工事店に相談してください。
水道管の修理を水道局指定工事店に依頼すべき理由は、次の通りです。
- 国家資格の保有者が在籍・施工を管理している
- 工事に必要な機器や知識を有している
- 給水管の工事に対応できる
このような理由から、お住まいの地域の水道局指定工事店に依頼することをおすすめします。
水道局指定工事店について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。非指定事業者との違いを、分かりやすく解説しています。
業者選びの重要な3つのポイント
数ある水道局指定工事店の中から業者を選ぶときは、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 見積もりを取って確認する
- 対応スピードの早い業者を選ぶ
- 実績の豊富な業者を選ぶ
見積もりは1社だけでなく、複数の業者で取って比較するのがおすすめです。
また、水道管の破裂は素早い対処が求められますので、すぐに駆けつけてくれる業者を選びましょう。
賃貸住宅の凍結による水道管破裂は入居者の責任
賃貸住宅で水道管が凍結し破裂した場合は、入居者の責任になります。
修理費用も入居者の負担ですが、まずは管理会社や大家さんに相談してください。管理会社によって対応が異なる場合があるため、指示を仰ぎましょう。
集合住宅の場合、階下に水漏れ被害が及ぶことがあります。階下に被害があった場合は、賠償責任も発生します。
一般的に、賃貸の場合は火災保険の加入が義務付けられていますので、加入している火災保険の内容を確認しましょう。
賃貸・集合住宅であっても、凍結防止の対策は必須です。対策をしておけば凍結を免れますので、以下の記事を参考に対処しておきましょう。
凍結で水道管が破裂したときのサイン
水道管の破裂は、見える場所で起きるとは限りません。
次のようなサインを見つけたら、水道管の破裂を疑いましょう。
- 心当たりがないのに水道料金が急に上がった
- 床や壁が濡れてシミができている
- 集合住宅で階下から水漏れの報告が来た
- 蛇口・トイレの水が勢いよく出てこない
このようなトラブルを確認できたら、水漏れを確認できない場合でも、業者に相談しておくと安心です。
水道管から水漏れしているか確認する方法
水漏れしているか確認する方法の一つが、水道メーターの動きを確かめることです。
家で水を使っていないときに水道メーターが動いていたら、水漏れしている恐れがあります。
水漏れを確認するときは、パイロットと呼ばれるコマ状の部分を見てみましょう。ごく微量でも水が流れていると、パイロットが回ります。
水漏れしていなければパイロットは回らないので、漏水を判断する際に確認してください。
水道管が凍結して破裂する原因
水道管が凍結すると、以下の理由で破裂することがあります。
- 水道管内で水が凍って膨張する
- 水道管が古く劣化している
水が凍ると、体積が約9パーセント増加します。水道管の中はもともと水で満たされているため、膨張すると圧力がかかり破裂してしまうというわけです。
水道管が破裂する原因と対処法は、以下のページで詳しく解説していますので、予防対策とあわせてご覧ください。
凍結で水道管が破裂したときの修理費用の相場
凍結で水道管が破裂したときの修理費用の相場を紹介します。
水道管の破裂の修理 | 10,000円~50,000円 |
見えない部分の水道管の修理 | 30,000円~50,000円 |
水道管全体を交換 | 300,000円~500,000円 |
漏水調査 | 10,000円~30,000円 |
修理料金の幅が広いのは、修理する範囲によって料金に差が出るためです。
破損した1ヶ所を直すだけなら、10,000円~50,000円程度で修理できるでしょう。
水道管の凍結・破裂は補償される?
水道管の凍結による破裂は、基本的には補償の対象外になります。
集合住宅で階下に水漏れ被害が及んだ場合、個人賠償責任保険の特約があれば、補償があります。
水漏れが起きている場合は、水漏れによってダメージを受けた部分は補償対象になるケースがあります。しかし、水道管の修理や交換に対しては、補償されません。
ただし、水道管の凍結修理費用の補償を含む保険に契約していれば、凍結によって破裂した箇所の修理に利用できます。
火災保険の適用については、以下の記事で詳しく解説しています。水道管の修理は高額になるケースがありますので、修理の前に確認しておきましょう。
凍結で水道管が破裂したときの水道代
凍結が原因で水道管が破裂して大量の水漏れがあった場合、高額の水道料金が発生することがあります。
水道代はどの程度水が漏れていたかによって変わりますが、直径5mmの水漏れであれば、1か月で5,000円程度高くなるでしょう。
水の量が多ければ高額になり、直径10mmであれば、1か月で30,000円ほど高くなる可能性もあります。
あまりにも水漏れの量が多く料金が高額になれば、請求の際に気付くはずです。
減免制度で水道代が下がる場合もある
水漏れの状況によっては、水道料金の減免制度を利用して、水道代の増額分の負担を軽減できます。
ただし、自治体によって制度の内容や利用条件が異なるため、詳細はお住まいの自治体に確認してください。
一般的な減免制度の利用方法は、以下の通りです。
- 水道局指定工事店に修理を依頼する
- 「漏水修理証明書」の発行を依頼する
- 「減免申請証明書」を用意し、必要事項を記入する
- 修理が完了したら、減免の申請書・証明書を水道局に提出する
- 審査完了後、減免分の料金が支給される
上記は一般的な流れなので、詳細は各自治体に問い合わせて確認しましょう。
減免申請には漏水修理証明書が必要な場合もあり、水漏れ修理が完了していないと行えません。
また、申請は指定工事業者が手続きを代行するケースもあります。
凍結による水道管の破裂防止対策
冬に水道管の破裂を防ぐには、凍結防止対策を行うことが重要です。
凍結による破裂防止には、以下の対処法が役立ちます。
- ちょろちょろと水を出す
- 水道管を保温する
- 水抜きをする
- 給湯器の凍結防止をする
簡単ですぐに試せる方法は、蛇口から5mm程度の水を出しっぱなしにすることです。
寒波が続くときには、水を出しっぱなしにしても凍結する恐れがあるため、水道管を保温したり、水道管の水抜きをして凍結を防ぎましょう。
水道管が凍結で破裂して相談したいときは
凍結で水道管が破裂した際の対処法を中心に紹介しました。
水道管の修理は、水道局指定工事店にしか依頼できません。自分で対処することはできませんので、信頼できる業者を探して相談しましょう。
業者選びでお困りの際は、『クリーンライフ』にご相談ください。全国300以上の市町村で水道局指定工事店に指定されており、適正価格で修理させていただきます。