この記事では、マンションの排水管清掃について徹底解説します。
マンションの排水管清掃は重要であり、もししないと、つまりや水漏れが発生するかもしれません。特に、マンションだと他の住民もいるため、ご近所トラブルになるケースもあります。
なぜマンションの排水管清掃が必要なのか、どのくらいの頻度で清掃すればよいかなどを把握しておきましょう。
記事後半では、排水管清掃の流れについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
マンションの排水管を定期的に清掃する理由

マンションの排水管を定期的に清掃する主な理由は、以下の4つです。
- つまり・逆流の予防
- 水漏れの予防
- 悪臭の予防
- 配管の劣化予防
マンションも一軒家も、つまりや水漏れなどの排水管トラブルが起きる可能性がある点では同じです。
しかし、マンションには多くの住民が暮らしています。そのため、1ヶ所でトラブルが起きると、多くの住民に迷惑をかけてしまいます。住民同士のトラブルは、住んでいる人、管理者ともに避けたいでしょう。
住民同士の揉め事が起きないためにも、マンションの排水管は定期的に清掃し、つまりや水漏れなどを予防しておきましょう。
マンションの排水管清掃をしないときの影響
マンションの排水管清掃をしないと、以下の影響があります。
- 排水の流れが悪くなる
- 汚水が漏れ出し、悪臭が発生する
- 水漏れが発生する
- 排水管が劣化する
排水管に流れ込む水には汚れが含まれているため、清掃しないとどんどん溜まっていきます。
汚れが溜まるとさまざまな排水管トラブルを引き起こすため、定期的に清掃しておきましょう。
マンションの排水管洗浄を個別で頼むケース
一般的には、マンションの管理者が業者に依頼し、定期的に排水管洗浄をします。
ただ、以下のケースでは、住民が費用を負担して個別に排水管洗浄を業者に頼む必要があります。
- 管理者や管理組合実施の排水管洗浄を受けなかった
- 故意に異物や大量の油を流した
イレギュラーな事態で排水管洗浄が必要になったときは、個別で頼む必要があると覚えておくとよいでしょう。
マンションの排水管を清掃する頻度
一般的に、マンションの排水管清掃は年に1~2回するのがよいといわれています。
以下のように、築年数によって目安の回数が変わるので、参考にしてください。
| 築年数 | 排水管洗浄の目安 |
|---|---|
| 新築~築10年 | 2年に1回 |
| 築10年以上 | 1年に1~2回 |
また、シンクの下部に「ディスポーザー」と呼ばれる生ごみの粉砕機があるマンションは、1年に1回以上の排水管清掃が推奨されています。
汚れやゴミが溜まっていると、掃除が大変になるため、排水管清掃の費用が高くなる可能性があります。定期的に排水管を清掃して、きれいに保っておきましょう。
法律・自治体で規定されている清掃の頻度
排水管の清掃は、法律で義務付けられているわけではありません。しかし、排水設備の点検や管理については法律で定められています。
例えば、建築基準法第十二条には、以下の記載があります。
第六条第一項第一号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国、都道府県及び建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物(以下この項及び第三項において「国等の建築物」という。)を除く。)及び当該政令で定めるもの以外の特定建築物(同号に掲げる建築物その他政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物を除く。)の所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者(次項及び次条第三項において「建築物調査員」という。)にその状況の調査(これらの建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
引用元:建築基準法|e-Gov 法令検索
これは12条点検と呼ばれ、おおむね半年~数年おきに実施される点検です。点検周期は、特定行政庁ごとに個別に定められています。
また、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称:ビル管理法)第四条の三には、以下の記載があります。
特定建築物維持管理権原者は、排水に関する設備の掃除を、六月以内ごとに一回、定期に、行わなければならない。
引用元:建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則|e-Gov 法令検索
つまり、半年に1回以上、排水設備の清掃が必要です。半年を一つの目安として覚えておくとよいでしょう。
マンションの排水管清掃の流れ・住民への告知方法
マンションの排水管清掃は、部屋の中に作業員の方を入れて実施します。当日に慌てないために、流れを把握しておきましょう。
また、管理者の方は、住民へ排水管清掃を告知する方法も知っておきましょう。
マンションの排水管清掃の当日の流れ
マンションの排水管清掃の当日の流れは、以下のとおりです。
- 玄関や廊下、各水回り付近を片付ける
- 排水口をきれいにする
- 業者が訪問後、排水管洗浄に立ち会う
- 全室洗浄後、排水状況を確認して終了
各部屋で排水管を洗浄する際は、キッチンやお風呂などの各水回りへ立ち入って作業します。そのため、荷物を片づけておき、玄関から各水回りまでの導線を確保しておきましょう。
また、排水口にゴミが溜まっている場合は、きれいにしておくとスムーズに作業が進みます。排水管洗浄にかかる時間は、1部屋10~15分ほどです。
やむを得ず不在にする際の対処法
マンションの排水管洗浄には、住民の立ち会いが必要です。やむを得ず不在にする場合は、家族や知人に立ち会いを頼みましょう。
家族や知り合いに頼れない場合は、事前に管理者に伝えておくと、鍵を預かってもらい、代理人に対応してもらえるケースがあります。
マンションの排水管清掃は同日にまとめてやるため、1室でも実施できない部屋があると、他の部屋に悪影響を及ぼす可能性があります。どうしても不在にするときは、事前に対応しておきましょう。
住民へ排水管清掃を告知する方法
マンションの排水管清掃は、1室でも実施できない部屋があると全体に影響があるため、なるべく実施率を上げたいところです。
そこで、住民へ排水管清掃を告知する際、以下の方法を実践してみてください。
- 1ヶ月以上前に告知する
- 案内文に排水管清掃の必要性を記載する
- 口頭でも協力を依頼する
まず、住民がスケジュール調整しやすいように、1ヶ月以上前に告知しましょう。当日不在の理由としてよくあるのが「予定がある」なので、なるべく早めに告知することで防げます。
また、告知の際、案内文に排水管清掃の必要性を記載するのも効果的です。「なんとなく面倒くさい」「排水管洗浄の必要性を感じない」と思っている住民にも、実施してもらえる確率が上がるでしょう。
必要性に加え、排水管洗浄をしないリスクを記載すると、より効果的です。
よく排水管洗浄を拒否する住民には、口頭での協力依頼も検討しましょう。清掃業者と相談して、優先的に時間を決めてもらうのも一つの手です。
マンションの排水管清掃をしないリスク
マンションの排水管清掃をしない主なリスクは、以下の3つです。
- 自分で排水管清掃を頼むと割高になる
- 他の部屋でつまり・悪臭が生じる
- 排水管が劣化して水漏れする
特に、排水管清掃を見送ろうと思っている方は、必ず確認してリスクを把握したうえで、もう一度検討してみてください。
自分で排水管清掃を頼むと割高になる
マンション全体で実施される排水管清掃を拒否して排水管がつまり、排水管清掃が必要になったときは、自分で費用を負担し、清掃業者に依頼しなければなりません。
一般的に、清掃する部屋数が少ないほど割高になるため、個別で排水管清掃を頼むとマンション全体で実施される排水管清掃より高くなります。相場は30,000円ほどです。
そのため、都合を合わせる労力を考えても、マンションの排水管清掃は受けておくのがおすすめです。
他の部屋でつまり・悪臭が生じる
マンションの排水管は各部屋で共有されているため、自室で排水管洗浄をしていないために、他の部屋でつまり・悪臭が生じる可能性があります。
自分の行いで他の部屋の住民に迷惑がかかるとなると、気が引ける方もいるでしょう。住民間のトラブルになる可能性もあります。
マンションには他の人も住んでいることを、改めて考えてみましょう。
排水管が劣化して水漏れする
排水管清掃をしないと、劣化が進んで水漏れが発生する可能性があります。水漏れすると、家具に被害が及ぶかもしれません。
自室だけならまだよいですが、下の階にまで被害が拡大すると、迷惑をかけるうえ、損害賠償を請求されるケースもあります。このような将来的な影響も認識しておきましょう。
排水管の水漏れ確認方法や応急処置について、以下の記事で解説しています。水漏れを防ぐ方法もわかるので、目を通しておきましょう。
マンションの排水管清掃の費用相場
マンションの排水管清掃の費用は、一般的に高圧洗浄機を使用する長さと人件費で決められます。
費用形態は業者ごとに異なりますが、相場は以下を参考にしてください。
| 作業内容 | 料金相場 |
|---|---|
| 高圧洗浄清掃(3mまで) | 20,000円~40,000円 |
| 高圧洗浄清掃(追加1mごと) | 2,000円~4,000円 |
基本的に部屋数が多くなるほど、1部屋あたりの料金は安くなります。また、排水管の長さや形状、作業日などの条件によって料金は異なるため、注意が必要です。
詳しい料金を知りたいときは、見積もりを依頼してみましょう。
費用は住民が別途払う必要はない
マンションの排水管清掃にかかる費用は、住民が普段払っている管理費や修繕積立金から支払われます。
そのため、別途住民が清掃費用を支払う必要はありません。
ただ、個別に排水管清掃を頼むときは自腹になるため、マンション全体で排水管清掃が実施されるときに受けておくのがよいでしょう。
排水管清掃を頼む業者を選ぶポイント
マンションの排水管清掃を業者に頼む際は、以下のポイントを意識して選んでみてください。
- 水道局指定工事店である
- 費用形態が明確である
- 口コミ・評判がよい
水道局指定工事店は水道局から指定されている業者で、「給水・排水装置の工事を適切に行えるもの」とされています。排水管清掃も、プロとして適切にやってくれる可能性が高いでしょう。
また、費用形態が明確な業者を選ぶと、後々トラブルになる可能性を減らせます。詳しい料金は見積もりをとって確認しましょう。
加えて、口コミや評判を確認しておくのがおすすめです。ホームページだけではわからない実際の利用者の感想を見て判断できます。
水道局指定工事店の基準や特徴について、以下の記事でさらに詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。
マンションの排水管清掃を考えているときは
マンションの排水管清掃は、つまりや水漏れ予防のために重要です。住民の理解を得て、定期的に実施しましょう。
清掃業者に依頼するときは見積もりをとり、口コミや評判も確認しておくのがおすすめです。
マンションの排水管清掃は、私たち『クリーンライフ』でも承っています。高圧洗浄機を使った清掃はもちろん、その後の定期メンテナンスや緊急時の駆けつけまでお任せください。
法人・店舗向けサービスもありますので、ぜひ一度ご連絡ください。
































































0120-423-152