そろそろ新しい蛇口にしようかとご検討中の方に、蛇口にはどんな種類があるのか、設置場所ごとに合った蛇口はどんなものなのか解説します。
さまざまな種類のある蛇口の特徴を知って、設置場所にあったものを選びましょう。種類や名称を知っておけば、業者への依頼の際もスムーズです。
本記事では、コストを抑えるために、自分で蛇口を交換する手順も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
蛇口の種類
蛇口の種類は、一般的に単水栓と混合水栓の2種類です。それぞれについて解説します。
単水栓
単水栓は、水またはお湯のどちらか一方だけが出るタイプの蛇口です。洗濯用や屋外に設置されている蛇口は単水栓が多く、シンプルな構造でハンドルやレバーを回すだけで開閉できます。
設置場所や用途によってさまざまな種類があり、「水栓コマ」または「ケレップ」と呼ばれる部品で水をせき止めています。
横水栓・立水栓
庭や駐車場で利用されている蛇口です。
横水栓は壁に設置されているタイプです。一方、立水栓は柱に設置されるタイプなので、適切な壁面がない場所でも設置できます。
万能ホーム水栓
万能ホーム水栓は、スパウトの向きを変えられる水栓です。学校の校庭に設置されていた水栓で、スパウトの向きを変えて水を飲んだ経験のある方は多いでしょう。
ガーデニングなどで、ジョウロに水を入れる場合に使いやすいタイプです。
自在水栓
自在水栓は、スパウトの向きが左右に移動するタイプです。古い住宅の台所で使用されていたため、レトロなデザインにしたい方が選んでいます。
混合水栓
混合水栓は、水とお湯のどちらも出るタイプの蛇口です。キッチンや洗面台、浴室などに設置されていて、ハンドルやレバーで温度調整をします。「バルブカートリッジ」と呼ばれる部品で水をせき止めています。
混合水栓の種類は主に、次の3種類です。
ツーハンドル混合水栓
ツーハンドル混合水栓は、水とお湯のハンドルが2つ付いている蛇口です。構造は単水栓と同じで、それぞれのひねり具合で温度調整をします。
昔はハンドルタイプがよく使われていましたが、現在はレバータイプが主流になっています。水量を調節しなければいけないので、温度調整が難しいのが特徴です。
シングルレバー混合水栓
シングルレバー混合水栓は、1つのレバーで水またはお湯の出る量や温度を調整できる蛇口です。簡単に水量と温度の調整操作ができるため、作業が多いキッチンなどに設置されています。
ハンドル操作は、左右で温度調整、上下で吐水量の調整操作ができます。ただし、上下の吐水量調整レバーは、2000年以降は上げるタイプで統一されています。
サーモスタット式混合水栓
サーモスタット式混合水栓は、一般的に浴室で使われる種類の蛇口です。サーモスタットカートリッジの性能で、設定した温度に水温を自動調節してくれます。
温度調整されたお湯が出るまでの時間が短く、一定温度を保ってくれて経済的にも優しいです。
設置場所に合う蛇口の種類
蛇口は、設置場所や取付方法によって合う種類が異なります。それぞれに合ったタイプの蛇口を選んでください。
キッチン
キッチンに合う蛇口の取り付けタイプは、次の4つです。
台付きワンホール
キッチン天板に穴を1つあけて取り付けられている蛇口です。
取り付け穴は各メーカーにより異なりますが、33~55㎜が一般的です。基本、取り付け穴のサイズは共通のため、そのまま取り替えられます。
台付きツーホール
キッチン天板やステンレスプレートに穴を2つあけ、取り付けられている蛇口です。取り付け穴と穴の間は各メーカー共通で203mmのため、そのまま交換可能です。
ただし、アパートやワンルームマンションのミニキッチンの場合は、102mmが一般的な距離になります。
壁付き
シンク上の壁に取り付けるタイプの蛇口です。水とお湯の給水管の距離が、105~225mmであれば交換できます。壁の中にある配管はそのままで、本体と取り付けの脚のみのため、簡単に交換が可能です。
分岐水栓
分岐水栓は、キッチンに食洗機を設置する際に必要な水栓です。設置されている蛇口の種類(メーカー・型番)を調べ、マッチするタイプを取り付けましょう。
浴室
浴室に適した蛇口の取り付けタイプは、次の2つです。
台付き
蛇口が直接浴槽に取り付けられているものが台付きタイプです。一般的に壁付き蛇口が多いですが、浴槽のタイプによっては台付き蛇口が使われています。
浴槽から離れている場合でも、台についていれば台付き蛇口といわれています。台付き蛇口が故障して交換が必要な場合は、「浴槽のメーカーが提供している台付き蛇口」を選んでください。
壁付き
一般的に浴室の蛇口は、壁付きタイプです。壁の中に埋められた給水管と蛇口が繋がっています。そのため、交換の際は給水管の取り付け部分と、蛇口のアーム幅が一致したものを選んでください。
また、台付きか壁付きか確認した上で、温度調整できるサーモスタットの有無を選びましょう。
洗面台
洗面台に合う蛇口は、取り付けタイプ別に次の4つです。
台付きワンホール
洗面台の天板に穴を1つあけて取り付けられている蛇口です。取り付け穴は各メーカーともに直径35mm前後で、ほとんどそのまま交換できるでしょう。
現在使用しているメーカーと同じものがおすすめですが、互換性を確認できれば、他のメーカーでも問題ありません。
台付きツーホール
洗面台の天板に穴を2つあけて取り付けられている蛇口です。取り付け穴は、ほとんどのメーカーともに直径25mm前後で、穴と穴の間は102mmになります。現在使用中のメーカーと同じものがおすすめです。
台付きツーホールも、互換性を確認できれば違うメーカーでも問題ありません。
台付きコンビネーション
台付きコンビネーションタイプは、洗面台の天板や洗面器に操作部とシャワー部が独立しているタイプです。
ツーホール水栓にコンビネーションタイプ、またはコンビネーションタイプにツーホール水栓を取り付けることはできません。
商品によって異なるため、現在使用しているメーカーと同じものがおすすめです。
シャワーヘッド付き
シャワーヘッド付きは、名前の通り先端にシャワーヘッドが付いた蛇口です。現在は、洗面台の蛇口はシャワーヘッドが主流となっています。
ワンホールまたはツーホールかに限らず、「洗面台メーカーが提供している蛇口」に交換するのが基本です。
交換できる蛇口の種類は、各メーカーに問い合わせるか、インターネットで品番を検索して調べられます。
洗濯機
洗濯機に合う蛇口のタイプは、次の3つです。ただし、洗濯機の蛇口交換の際は、ニップルと給水ホースも適したものを選ばなければなりません。
万能ホーム水栓
万能ホーム水栓は、アパートまたは古いマンションに多く設置されているタイプです。昔、二層式洗濯機は、庭で使用するような水巻き用のホースで給水していたため、万能ホーム水栓の蛇口が設置されています。
ただし、現在の全自動式洗濯機の給水ホースは、そのままだと取り付けることができません。ニップルを取り付ける必要があります。
洗濯機用ワンタッチ水栓
洗濯機用ワンタッチ水栓は、ワンタッチで給水ホースを取り付けられます。
簡単に取り付けられますが、止水弁が付いていません。給水ホースが外れてしまえば水漏れが起こるので、注意が必要です。
洗濯機用ストッパー付き水栓
洗濯機用ストッパー付き水栓は、「オートストップジョイント」ともいわれています。主に、新築マンションや築浅マンションに設置されているタイプです。
万が一、給水ホースが外れてしまった場合でも、自動で水が止まります。
屋外
屋外に設置する蛇口のタイプは、散水栓と立水栓です。違いは形状で、それぞれについて説明します。
散水栓
散水栓は一般的に、玄関回りや駐車場付近に設置する地中に埋め込むタイプの蛇口です。
利用するときにフタを開けて、ホースに取り付けなければいけません。使用頻度が高い場合は手間がかかるので、不便に思われるでしょう。
また、蛇口にホースをつけたままにすることも可能ですが、きちんとフタが閉まらず、土や枯れ葉がボックスの中に溜まってしまう場合があります。使用頻度や設置場所に合わせて選んでください。
立水栓
立水栓は、同じ屋外で使用する散水栓とは形状が異なり、地面に設置する柱型のものです。毎回ホースを取り付けなければいけない散水栓とは違い、ホースを繋いだままで利用できます。
さまざまなデザインの立水栓があるので、おしゃれなものにしたい方や使用頻度が高い方におすすめです。ガーデニングの水やりや、ペットの足洗いなどにも活用できます。
蛇口のパーツ・機能の種類
蛇口の種類以外に、蛇口のパーツのデザインや機能の種類でも選べます。
ハンドル・レバー
蛇口の水を出したり止めたりするシステムは、以下の2種類です。
- ハンドル式
- レバー式
どちらが使いやすいというわけではありません。
ハンドル式は、ひねって回すタイプ。レバー式はレバーを上下に動かして水の開閉をし、左右に動かして温度調節をするタイプです。
スパウト形状の種類
スパウトの形は、キッチンの印象を大きく変えます。主に以下のような種類があり、形状だけではなく太さでも印象が変わるのでじっくりと選んでください。
- ストレート
- L字
- U字
- グースネック
- フレキシブルスパウト
特に海外製は、おしゃれなデザインが豊富です。しかし、故障してもパーツを簡単に見つけられないことがあるので、その点も考慮して選びましょう。
機能付き
プラスアルファの機能がついたタイプの水栓です。以下のようなタイプが人気を集めています。
- 伸縮自在のホース付きのシャワーがついたタイプ
- 浄水機能付きでいつでも美味しいお水が飲めるタイプ
シャワー付きなら、キッチンのシンクや洗面台のボウル全体のお掃除が楽々です。シャワーで洗うと少しの水で綺麗になるので、節水効果も。
浄水機能付きは、たっぷり浄水を利用できます。浄水器の場所を取らず、ウォーターサーバーやミネラルウォーターよりコスパが良いのが魅力です。
蛇口の交換が必要なとき
蛇口はどのタイミングで交換が必要なのか、知らない人も多いのではないでしょうか。そこで、蛇口の寿命や交換が必要なときについて説明します。
蛇口の寿命
使い方や使用頻度にもよりますが、蛇口の寿命は約10年といわれています。多くの家庭で、10年以上使用されていることも多いのではないでしょうか。
蛇口は経年劣化するので、耐用年数を超えて使用されている場合は、不具合が起こる前に交換を検討してみてください。
蛇口の故障
蛇口の故障でよくある症状は、以下の通りです。
- 水が止まらない
- 水の出が悪い
- ハンドルが固い
- 温度調節ができない
上記の症状が出た場合は、交換が必要です。自分で交換するか業者に依頼しましょう。
蛇口の交換方法
蛇口の交換は、自分でするか業者に依頼するかの2択です。設置されている蛇口と同じタイプであれば、簡単に交換できるでしょう。それぞれについて詳しく説明します。
自分で交換する場合
蛇口の交換のみであれば、自分で行えます。自分で蛇口交換するときの手順は、以下の通りです。
交換手順
自分で蛇口交換を行うときは、必要な工具やアイテムを事前に準備しておきましょう。 新しい蛇口を購入するだけでなく、ドライバーやスパナなどの工具が必要になります。
蛇口の交換手順は以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- 交換したい蛇口を取り外す
- 付着している汚れやサビを取り除く
- 新しい蛇口を取り付ける
- 止水栓を開ける
水が出るかどうか、確認してください。
注意点
自分で交換すれば費用は軽減できますが、デメリットも把握した上で、自分で交換するかどうか判断してください。デメリットとして挙げられるのは、次の通りです。
- 交換作業が失敗すれば、別のトラブルが発生する可能性がある
- 必要な工具を準備しなければならない
- 無駄な費用が発生する可能性がある
これらに注意し、蛇口の交換を行いましょう。
業者に修理を依頼する場合
自分で蛇口を交換できない・自信がない場合は、水道修理業者に依頼することをおすすめします。交換の際にトラブルが発生する可能性もあり、スムーズに交換するには業者に依頼するといいでしょう。
相場や業者選びの注意点などを紹介しますので、参考にしてみてください。
費用の相場
蛇口の交換にかかる費用は、取り付け場所や蛇口の種類によって異なります。そのため費用の相場は幅広く、10,000~50,000円程度です。
蛇口の種類別の、交換のみの費用相場は以下の通りです。
蛇口の種類 | 費用相場 |
ワンホール混合栓 | 7,000円〜11,000円 |
ツーホール混合栓 | 10,000円〜13,000円 |
壁付き混合栓 | 7,000円〜27,000円 |
台付き混合栓 | 10,000円〜13,000円 |
単水栓 | 15,000円~30,000円 |
水道修理業者によっては、出張費や深夜・早朝・休日の割増料金が加算されることがあります。問い合わせ時に、加算されるかどうか、加算される条件等を聞いておくと安心です。
業者の選び方
業者を選ぶ際、安いだけで選んでしまうと適切な対応がされなかったり、新たに水漏れが発生したりする場合があります。口コミ評価やアフターサービスがあるかどうかなど、依頼する前に確認しておきましょう。
信頼のおける業者を選ぶためにも、さまざまな情報を精査して依頼することをおすすめします。次の項では、業者選びの注意点を紹介していますので、参考にしてみてください。
業者選びの注意点
業者を選ぶときには、以下の注意点を押さえておきましょう。
- 複数社の見積もりをとる
- 出張費や見積もりに費用が発生するか
- キャンセル料が発生するか
見積もりは、1社だけでは適正価格かどうかの判断が難しいです。そのため、複数社の相見積もりで比較してみてください。また、見積もりの内容に不明な点があれば、きちんと説明してくれる業者を選びましょう。
出張費や見積もりは無料の業者が多いですが、費用が発生する業者もあります。依頼する前に、公式サイトや電話で事前に確認してから依頼してください。キャンセル料も業者によって異なるので、なるべく費用を抑えるためにも事前に調べておきましょう。
蛇口の種類でお悩みなら
蛇口と一言で言っても、さまざまな種類やタイプがあります。設置場所や使用用途によって、適した蛇口を選ぶことが大切です。
もし蛇口の種類でお悩みでしたら、私たち『クリーンライフ』にお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが親切・丁寧に説明し、お悩みを解決します。
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