本記事では、キッチン(台所)の蛇口を交換する方法を解説します。キッチンの蛇口のタイプごとに、交換手順を解説するので、最後まで読めば自宅の蛇口に合った交換方法を確認できます。
キッチンの蛇口を交換する前に準備することも、分かりやすく紹介するので、参考にしてみてください。
まずは、キッチンの蛇口を自分で交換できるか判断する基準を確認して、業者へ交換作業を依頼すべきか検討しましょう。
キッチンの蛇口を自分で交換できるか判断する基準
キッチンの蛇口交換に特別な資格は必要ないため、手順が分かれば自分で交換できます。しかし、キッチンの蛇口交換には一定のスキルと工具が必要なので、不安な方は業者へ相談しましょう。
キッチンの蛇口を自分で交換する大まかな手順は、下記のとおりです。
- キッチン周りを汚さないよう養生し、作業スペースをつくる
- 止水栓を時計回りで閉めて、水漏れを防ぐ
- 古い蛇口を撤去する
- 取り付け部周辺の水垢や汚れを落とす
- 新しい蛇口を取り付ける
- 漏水チェックと試運転を行う
- 作業前の状態に戻す
なお、蛇口交換では、下記のような工具を用意する必要があります。
- 新しい蛇口
- ドライバー
- モンキーレンチ
- シールテープ
- 古い歯ブラシ
- 雑巾
上記の工具を用意して、DIYが得意な方であれば、自分でキッチンの蛇口を交換できます。日頃からDIYをしていない方や、工具が揃っていない場合は、自分で対応せずに業者へ交換作業を依頼しましょう。
賃貸の蛇口交換は管理者に相談
賃貸物件の蛇口交換は、自分で対応せずにまずは管理者へ相談しましょう。賃貸の場合は、管理会社や大家さんが修理業者を指定していたり、交換する蛇口のメーカーを決めていたりする可能性があります。
勝手にキッチンの蛇口を交換すると、規約違反になるリスクがあるので、管理者に相談して指示を仰ぎましょう。
管理者は、安く交換作業を依頼できる業者を知っていたり、交換費用を受け持ってくれたりする可能性があるので、蛇口を交換したいときはまず相談してください。
タッチレス水栓の交換は電気工事の資格が必要
レバー操作が不要で、センサーに手をかざせば洗浄できるタッチレス水栓の交換は、電気工事の資格が必要です。
タッチレス水栓は、センサーや電子制御装置が組み込まれており、これらを接続・取り外す際に電気配線が必要となるため、電気工事士の資格が必要です。
具体的には、100V電源配線作業やアース配線作業は、第2種電気工事士以上の資格が必要であり、無資格者が作業すると感電リスクだけでなく、法律違反になるため注意しましょう。
タッチレス水栓の交換は、有資格者がいる専門業者に依頼しましょう。
業者に頼む方が安い場合もある
一般的に業者へ修理を依頼するより、自分で対応したほうが費用は安く済みます。
しかし、自分で対応するより、業者に頼むほうが安い場合もあるのです。それは、自分で対応する際に必要な工具やスキルが不足しているケースです。
新たにモンキーレンチやドライバーなどのDIYで使用するような工具や、蛇口交換にしか使わないような専門工具を購入すると、業者へ頼むより費用がかかる可能性があります。
また、工具だけでなくスキルも不足している場合は、スムーズに蛇口を交換できず、水漏れれなどの不具合を起こしてしまい、余計な修理費用がかかるケースもあるのです。
自分で修理する工具やスキルが不足している場合は、初めから専門業者へ依頼したほうが、費用を安く抑えられます。
キッチンの蛇口を交換する前の準備
キッチンの蛇口を交換する前に、下記の準備をしておきましょう。
それぞれの準備を確認して、スムーズに蛇口を交換できる状態にしてください。
新しい蛇口を用意する
キッチンの蛇口を交換するために、まずは新しい蛇口を用意する必要があります。蛇口はメーカーや穴径サイズによって、取り付けできるものが限られているので、取扱説明書やメーカーのホームページを確認しておきましょう。
取り付けられる蛇口の規定を確認したら、ホームセンターやメーカーのショールームで新しい蛇口を購入して、交換の準備を進めましょう。
なお、下記の記事で蛇口の種類を詳しく解説しているので、新しく交換する蛇口を選ぶ参考にしてください。
床を養生する
キッチンの蛇口を交換する際に、周囲に傷や汚れがつかないよう養生しておきましょう。
キッチンの床に養生シートを敷いておけば、交換作業によって傷や汚れがつかないよう予防できます。養生シートがない場合は、ダンボールでも代用可能です。
【床を養生する際に必要なアイテム】
- 養生シート(ダンボールやブルーシートでも可)
- ガムテープ
- ハサミやカッターナイフ
なお、ガムテープやハサミは、養生シート(ダンボールやブルーシートなど)を重ね合わせて使う際に使用します。1枚の養生シートで対処できない場合は、シート同士のすき間にゴミや汚れが入り込まないよう、ガムテープを貼っておきましょう。
シンク下を空にする
蛇口交換の際に、シンクの下に調味料や食器・鍋などの物であふれ返っていると、作業の邪魔になります。シンク下を空にして作業を進めれば、スムーズに蛇口を交換できます。
キッチンのシンク下は、調理器具や調味料を収納していることが多いので、作業前に空の状態にしておきましょう。また、シンク下が引き出しの場合は、引き出しごと撤去しておくと作業を進めやすいです。
止水栓を時計回りで閉める
シンク下の給水管・給湯配管にある止水栓を時計回りに閉めておくと、蛇口の際に水が噴き出すトラブルを防止できます。
止水栓を閉めておくと、配管を外した際に水が噴出するリスクを防止できるので、安全に蛇口の交換作業を進められます。
止水した後は、配管の中に残った水を吐水し、作業中に水漏れが発生するリスクを軽減しましょう。なお、止水栓がない場合は、元栓を時計回りで閉めて対処してください。
キッチンの蛇口の交換方法【タイプ別】
キッチンの蛇口を交換する際は、自宅のタイプに応じた交換手順を把握しておく必要があります。キッチンの蛇口の種類は、主に下記の4つです。
それぞれ作業を始める前に、必要な道具をそろえておくことが大切です。作業手順とあわせて必要な道具を解説するので、キッチンの蛇口を交換する際の参考にしてください。
単水栓
単水栓とは、水かお湯のどちらかのみが出てくる蛇口です。配管1本のみで接続されており、水かお湯のどちらかしか出てきません。
単水栓には、温度調節機能がついておらず、蛇口をひねれば水かお湯のどちらかだけを給水するので、洗濯機や外部水栓に採用されるケースが多いです。
単水栓の交換は、1本の配管を交換するのみで作業が終わるので、比較的難易度が低い傾向にあります。しかし、水道配管の状態によってはDIYでの対応が難しいので、注意しましょう。
単水栓の交換方法
単水栓の交換に必要な道具は、下記のとおりです。
- 新しい蛇口
- タオル
- モンキーレンチ
- パイプレンチ
- 配管部分を清掃する歯ブラシ
- 配管接続に必要なシールテープ
- 配管接続に必要な金属配管用シール材
蛇口を交換する前の準備を進めた後、下記の手順で単水栓を交換しましょう。
- 古い蛇口を取り外す
- 配管周辺を掃除する
- 蛇口の接続部分にシールテープを貼り、なじませる
- シールテープの上から金属配管用シール材を塗る
- 新しい蛇口を取り付ける
- 止水栓を開けて漏水チェックを行う
- 作業前の状態に戻す
古い蛇口は素手で取れますが、固くて取れにくい場合はモンキーレンチやパイプレンチを使用しましょう。また、蛇口を取り外す際に、配管に残った水が出てくるのでタオルで吸水してください。
シールテープを巻く回数は、多くても少なくても水漏れの原因になるので、時計回りに5〜10周を目安にしましょう。水漏れがある場合は、シールテープを巻く回数を変えてください。
ワンホールタイプ
ワンホールタイプは、キッチンの天板に1つの穴が開いており、レバーつきの蛇口が出ているタイプです。水とお湯の両方を使用できますが、蛇口を取り付けるための穴が1つしかないのが特徴です。
ワンホールタイプには「タッチレス水栓」や「浄水器つき水栓」など、さまざまな種類があります。しかし、基本的な構造は同じなので、交換手順はほとんど変わりません。
ワンホールタイプの交換方法
ワンホールタイプの交換に必要な道具は、下記のとおりです。
- 新しい蛇口
- 立水栓取付レンチ
- モンキーレンチ
- タオル
- プラスドライバー
ワンホールタイプの交換では、蛇口の下にある固定金具を緩めて水栓を取り外すために、立水栓取付レンチを用意しましょう。
止水栓を閉めるまでの準備を終えた後の、具体的な交換手順は、下記のとおりです。
- モンキーレンチを使って、給水・給湯配管からホースを取り外す
- 立水栓取付レンチで、固定金具を緩める
- 古い蛇口を取り外す
- 取り付け部周辺を掃除する
- 取付穴に台座を設置する
- 新しい蛇口を取付穴に差し込む
- 逆止弁付きソケットを給水・給湯の止水栓につなげる
- ソケットに蛇口のホースをつなげる
- シャワーホースタイプの場合は、ソケットにシャワーホースをつなげる
- 止水栓を開けて、漏水チェックを行う
- 給水量を調整する
- 作業前の状態に戻す
なお、浄水機内蔵型の蛇口を交換する場合は、設置後にカートリッジの通水を行いましょう。
ツーホールタイプ(台付きタイプ)
ツーホールタイプは、蛇口が2つの取付穴から出ているタイプです。それぞれ給湯管と給水管がつながっており、水栓の内部で合流する構造をしています。
ツーホールタイプは、シングルレバーだけでなく、取付穴の上にハンドルを設置した2ハンドルタイプもあり、それぞれのハンドルでお湯と水の給水量を調整できます。
ツーホールタイプは、ワンホールタイプより配管の数が増えるので、交換の難易度は高くなります。
ツーホールタイプの交換方法
ツーホールタイプの蛇口交換に必要な道具は、下記のとおりです。
- 新しい蛇口
- 立水栓取付レンチ
- モンキーレンチ
- タオル
- プラスドライバー
- フレキホースを作成する際のパイプカッター・ツバ出し器・ハンマー
- ステンレスフレキ
- パッキン(フレキホース用)
ツーホールタイプは、蛇口本体と給水・給湯配管をつなぐフレキホースを作成する必要があるので、パイプカッターやツバ出し器・ハンマーなどの道具を用意しましょう。
事前準備を終えた後の、具体的な交換手順は、次のとおりです。
- モンキーレンチで固定しながら、蛇口側の止水栓を緩めてホースを取り外す
- 立水栓取付レンチで蛇口下の固定金具を緩める
- 古い蛇口を取り外す
- フレキホースをパイプカッターで切断し、ツバ出し器とハンマーでナットが外れないようツバ出し加工を行う
- 取り付け部を清掃する
- 新しい蛇口を取付穴に差し込み、立水栓取付レンチで締めて固定する
- 止水栓をモンキーレンチで固定しながら、給水・給湯配管をつなげる
- 止水栓を開けて、漏水チェックを行う
- 作業前の状態に戻す
なお、ツーホールタイプでも浄水機能付き水栓に交換する場合は、設置後にカートリッジの通水を行いましょう。
壁付きタイプ
壁付きタイプは、蛇口が壁から出ているタイプです。壁から給水管と給湯管が出ており、取付脚が水栓から伸びているので、交換作業は難易度が高いといえます。
比較的古いキッチンに多い蛇口タイプで、壁内の水道配管状況によっては、DIYでの交換が難しいケースもあります。
壁付きタイプの交換方法
壁付きタイプの蛇口を交換する際は、下記の道具を用意しておきましょう。
- 新しい蛇口
- タオル
- モンキーレンチ
- 配管部分を清掃する歯ブラシ
- 配管接続に必要なシールテープ
- 配管接続に必要な金属配管シール材
難易度は高いものの、単水栓の交換に必要な道具があれば、壁付きタイプの蛇口を交換できます。
基本的な準備を終えた後の交換手順は、次のとおりです。
- モンキーレンチで蛇口後部にあるナットを時計回りに緩める
- クランク(脚部)から蛇口本体を取り外す
- 反時計回しに力を入れて、クランク(脚部)を壁から取り外す
- 歯ブラシなどで給水・給湯配管を掃除する
- カッターナイフなどでコーキング剤の残りを除去する
- クランクにシールテープを時計回りに5〜10周ほど巻く
- ネジ山にシールテープをなじませる
- シールテープの上から金属配管用シール材を塗る
- 壁に新しいクランクを取り付ける
- 蛇口本体をクランクに取り付ける
- 蛇口後部のナットを締めて固定する
- 給水ホースとシャワーホースをソケットにつなげる
- 漏水チェックを行う
- 作業前の状態に戻す
- 止水栓を閉める
下記の記事で、蛇口交換の手順や注意点を詳しく解説しているので、あわせてチェックしておきましょう。
キッチンの蛇口交換の費用相場
キッチンの蛇口交換を業者に依頼した際の費用相場は、下記のとおりです。
| 蛇口の種類 | 本体価格+交換費用の相場 |
|---|---|
| 単水栓 | 5,000円~30,000円 |
| ワンホールタイプ | 20,000円~55,000円 |
| ツーホールタイプ | 15,000円~30,000円 |
| 壁付きタイプ | 15,000円~30,000円 |
| タッチレス水栓 | 75,000円~200,000円 |
| 浄水器内蔵型水栓 | 30,000円~120,000円 |
| シャワー付き水栓 | 30,000円~80,000円 |
多機能な蛇口ほど、工事費用が高くなります。また、取り付ける蛇口のサイズが異なる場合は、専用の変換アダプターを設置する費用が発生します。
下記の記事で、蛇口の交換費用の相場を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
キッチンの蛇口交換を頼む業者の選び方
キッチンの蛇口交換を業者に頼む際は、信頼できる業者を見極めることが大切です。業者選びの際は、下記のポイントを押さえましょう。
- 施工実績が豊富な業者を選ぶ
- 保証制度やアフターサポートが充実している業者を選ぶ
- 水道局指定工事店を選ぶ
施工実績や経験の量は技術力と比例するため、キッチンの蛇口交換を多く対応している業者は、安心して作業を任せられます。
また、保証制度が充実している業者を選べば、施工後に不具合やトラブルが万が一発生しても、無償または安価な料金で対応してもらえます。
さらに、自治体に認められた水道局指定工事店であれば、一定の水準以上の知識や技術を備えているので、信頼度が高いです。
蛇口交換の業者選びのコツは、以下の記事でも解説していますのでぜひお役立てください。
キッチンの蛇口をすぐに交換したいときは
キッチンの蛇口によって、交換手順や必要な道具は異なるので、適切な方法を実践しましょう。
また、自分で対応するスキルや工具が不足している場合は、専門業者に依頼したほうが、交換費用を抑えられる可能性があります。
蛇口交換を業者に頼む際は、実績やアフターサポートが充実している水道局指定工事店を選びましょう。
私たち『クリーンライフ』は、自治体から認められた水道局指定工事店であり、キッチンの蛇口の交換や修理にも迅速に対応できます。無料で蛇口交換について相談できるので、お気軽にお問い合わせください。




















































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