水道管が破裂する原因は、主に次の3つです
- 凍結
- 地震
- 水道管の劣化
特に寒くなると、凍結による破裂が増えていきます。今回は、破裂したかどうかの確認方法や応急処置、対処方法を解説するので、参考にしてみてください。
水道管の破裂によって、水道料金が高額になった場合の減免処置についても説明します。
水道管が破裂した際の対処方法
まずは、水道管が破裂してしまった際の、対処法を確認しておきましょう。
- 元栓を閉める
- テープや布で応急処置を施す
- 水道修理業者に相談する
順に説明していきます。
元栓を閉める
水道管の破壊で水漏れが始まったら、それ以上被害を広げないために水の流れを止めてください。
破壊した場所が1ヶ所なら、止水栓を閉めれば大丈夫な場合もあります。しかし、破裂箇所が複数という可能性もあるので、元栓を閉めた方が安心です。
元栓は、水道メーターの横にあります。マンションの場合は玄関横に設置された扉の中、戸建てやアパートなら敷地内の地面に「止水栓」等と書かれたフタがあるので、中を確認してください。
テープや布で応急処置を施す
元栓を閉めておけば、それ以上の被害は出ないはずです。しかし、水を使いたい場合もあるでしょう。また、水道修理業者が来るまでの間、どうしても水が必要になるなら、テープや布で応急処置をしておくと安心です。
破裂した箇所に古いタオルや不要の布を巻き、その上からテープを巻きます。水道管の補修に使えるテープは、以下のようなものがあります。
- 自己融着テープ
- 防水補修テープ(防水気密テープ)
- 水道用ラップテープ
配線の養生や水栓からの水漏れ等にも利用できるので、常備しておくと便利です。
水道修理業者に相談する
給水管や排水管の破裂は、ご自分では対処できません。テープや布で応急処置ができたとしても、時間が経つと剥がれてしまいます。できるだけ迅速に、業者への相談が必要です。
そのままにしておくと大量の水が流れ出し、床や壁に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。
破裂した水道管の箇所別の相談先
水道管が破裂した箇所によって、相談する場所が異なります。トラブルが起きないように、適切な相談先を知っておきましょう。
戸建てやマンションのプライベートゾーンなら修理業者
所有物件の戸建てやマンションの場合は、信頼できる水道修理業者に相談しましょう。
水道管は、隣接する家屋にもつながっているため、他の家にも影響を与えます。そのため、お住まいのエリアで水道局指定工事店に指定されている業者への依頼が必須です。
ご自分で修理しようとしたり、無資格業者に依頼したりすると法律に反してしまいます。「水道管の修理は適切な資格所持者のみできる」と水道法で規定されています。
マンション・アパートなど集合住宅の共有部分なら管理会社
集合住宅の共用エリアに設置された配管の破裂修理は、管理会社が修理代を支払い、業者に依頼します。水漏れを見つけたら、すぐに管理会社へ連絡しましょう。
プライベイトゾーンと共用エリアの境目付近ですと、どこまでがプライベートゾーンなのかわからない場合もあるでしょう。わかりづらい場合も、すぐに管理会社に相談しておくと安心です。
賃貸住宅は管理会社か大家さん
賃貸住宅の場合は、破裂の原因が劣化なら持ち主に修理義務があります。
勝手に水道修理業者を手配すると、費用を支払ってもらえないといったトラブルになります。また、勝手に依頼した業者の修理の仕方が悪いと、反対に訴えられてしまうかも。
戸建てでも賃貸なら、まずは大家さん、または管理会社に連絡して、修理について相談してください。
水道管破裂での水道修理業者の選び方
水道管が破壊すると修理費用は高額になりがちなので、修理の依頼は慎重にしましょう。次の3点を特に重視して選んでください。
- 水道局指定工事店か確認
- すぐに来るか確認
- 技術力が高いか確認
中でも水道局指定工事店であることは、外せないポイントです。
水道局指定工事店か確認
水道管の工事は、水道局指定工事店に指定されている業者のみが行えます。
水道管は他の住宅や建物にもつながっているため、間違った工事をすると他家にも影響する可能性があります。そのため、各市町村で指定されている業者への依頼が義務付けられているのです。
水道局指定工事店に指定されるためには、以下の要件をクリアして申請する必要があります。
- 指定された国家資格所持者が在籍
- 指定された機器類を完備
- 欠格要件に該当していない
水道局指定工事店は、お住まいの地域の役所の公式サイトで確認できます。しかし、水道局指定工事店でも、サービス内容はさまざま。料金やサービス内容を確認してから依頼してください。
すぐに来るか確認
水道管が破裂して水漏れがある場合は、すぐに対処が必要です。水道の元栓を閉めることでダメージを抑えられますが、水が使えません。
問い合わせ時に、どのくらいの時間で駆けつけてくれるのかを確認しましょう。土日や祝日でも2時間以内に来てくれる業者を選ぶと安心です。
技術力が高いか確認
水道局指定工事店なら、基本的に技術力に問題はないと考えられます。しかし、業者によっては駆けつけるスタッフが、新人やアルバイトの場合もあります。
実績が豊富で、社内研修をして技術力の高いスタッフが揃っている業者がおすすめです。いつでも技術力の高いスタッフが来てくれるのかを確認したい場合は、口コミが参考になります。
「すぐに再発した」というような口コミが多い業者は、避けた方がいいでしょう。
水道管破裂の修理料金の目安
水道管が破裂して、修理を水道修理業者に依頼した際の料金目安を解説します。修理の方法は大きく分けて、次の2種類です。
- 破損個所のみの交換
- 配管自体の引き直し
軽微な破裂で破損箇所のみの交換ですめば、1万円〜5万円です。しかし、破裂が進んで配管全体を交換すると、戸建ての場合で35万円~55万円かかります。
交換する配管部品や基本料金等で変わるので、依頼する前に必ず見積もりをしてください。高額になるからといって放置すると、数多くのリスクがある点も知っておきましょう。
水道管破裂を放置するリスク
水道管の修理は、料金が比較的高額になります。しかし、放置していると以下のようなリスクが発生するので、注意が必要です。
- 水漏れにより水道代がかさむ
- 壁や床でカビが発生・腐食する
- 床下浸水する
床の張り替えなどリフォームが必要になると、さらなる出費の原因になります。
水漏れにより水道代がかさむ
水道管が破裂すると、水漏れが起きてしまいます。水漏れが起きると当然のことですが、水道代が高くなるので注意が必要です。
例えば、幅2mm程度の水が流れ続けていると、約16㎥の水が無駄になって1ヶ月あたり5,500円程度の増額になります。(東京都水道局の場合)
水漏れが少量だと思っても、料金が高額になってしまうので、できるだけ迅速な対応が必要です。
壁や床でカビが発生・腐食する
水漏れがあると部屋全体で湿気が高くなり、カビの発生や腐食の原因になります。カビの発生は壁紙やクッションフロアの表面だけでは収まらず、内部の木材にもダメージを与えます。
床下や壁に利用されている木材の腐食の原因にもなるので、早めの対応が必要です。
床下浸水する
床下に通っている水道管が破裂した場合は、床下浸水の可能性があります。床下の水漏れ被害は、目につきにくいので放置しがちですが、住宅の土台が侵食される上、シロアリ発生の原因にもなります。
そのままにしていると、気づいたときには住宅が傾いてしまい、大掛かりなリフォームが必要になる可能性も。くれぐれも放置しないよう注意してください。
水道管の破裂が疑われる症状・状態
水道管が破裂していても、気づかないケースもあります。以下のような症状があれば、水道管の破裂を点検してもらうと安心です。
室内の状態
以下のような症状があれば、水道管の破裂が原因で、見えない場所で水漏れがあるかもしれません。
- シミやカビが壁や床にできる
- 壁紙やクロスが剥がれる
- 天井からの水漏れが始まる
- 湿気が高くなる
天井からの水漏れは、マンションなど集合住宅なら階上の住宅からの可能性が高いです。管理会社に連絡して確認してもらいましょう。
屋外の水道管破裂の状態
屋外の水道管は、うっかりしていると気づくのが遅くなります。
- 蛇口から勢いよく水が出ない
- 水圧が下がる
- 雨が降らなくても家の敷地内に水たまりがある
- 水道を使っていないときも水道メーターが動く
- 水道料金が高い
水の出が悪いなと感じたら、蛇口を閉めて水道メーターを確認してみましょう。
水道管が破裂する原因・事前の対策
水道管が破裂する主な原因は、次の3つです。
- 凍結
- 地震
- 水道管の劣化
起きないように事前に対策できるのは、凍結と水道管の劣化だけです。
地震への対策は難しいですが、それでも水道管が破裂した際に被害を最小限にするためにできることがあります。
元栓の位置を確認しておく
水道管が破裂したら、すぐに元栓を閉める必要があります。どこに元栓があるのかを確認しておくと安心です。
水道メーターの横に元栓があり、反時計回りに回すと閉まります。一度も動かしたことがないと、硬くなって動きにくいかもしれません。元栓を閉めてみて、水道の水が止まるかどうか確認してみてください。
凍結を予防する
気温がマイナス4度以下になると、水道管の凍結が心配されます。以下のような対策をして、水道管の凍結を予防してください。
- 蛇口の水を少しだけ出し続ける
- 水道管内が零下にならないように、布などを巻いて保護する
- 水道管に水滴がついていると凍りやすくなるので、乾いた布で拭いておく
- ヒーターを利用して水道管の凍結を予防する(水道管専用ヒーターもある)
- 水道管・トイレタンク・お風呂の水抜きをする
特に日当たりの悪い場所にある水道管は凍結しやすいので、上記のような対策をしておくと安心です。冬季に長期間の外出をする場合は、水抜きを忘れずにしておきましょう。
緊急時に頼りになる水道業者の連絡先をチェックする
水道管が破裂して急に水漏れが始まると、あわててしまい、業者選びどころではなくなります。普段から緊急時に依頼する水道修理業者を確認して、すぐに連絡できるようにしておきましょう。
賃貸の場合は、管理会社や大家さんに、緊急時にどうしたらいいか確認しておくと安心です。真夜中に水漏れが始まる可能性もあります。
火災保険内容を把握しておく
火災保険は、水道管修理の費用は保証しません。しかし、水道管破裂が原因で起きたトラブルに対しては、水漏れ保証などがあるか確認しておきましょう。
寒冷地にお住まいの方は、「水道管凍結修理費用保険」に加入しておくと安心です。
劣化が激しい水道管は事前に点検を依頼する
住宅内に使用されている水道管は、素材によって次の2種類があります。
- 鋼管
- 樹脂管
どちらも寿命は約20年といわれますが、環境によっては20年にならなくてもトラブルが起きることがあります。
住宅が築20年くらいなら、劣化の状態を水道修理業者に点検してもらうと安心です。
『クリーンライフ 』は止水・漏水調査・防水処理をしています。少しでも気になったら、お問い合わせください。
水道管破裂が原因で水道代が高くなった場合に利用できる制度
水道管が破裂したことが原因で、高額の水道料金が発生した場合に、「水道料金の減免制度」という水道料金を安くする制度があります。自治体によって異なるので、お住まいのエリアでも実施されているのか確認してください。
確認方法は以下のとおりです。
- 水道局へ問い合わせ
- 水道局公式サイトで確認
ただし、全額免除になるわけではありません。計算方法は地域によって異なりますが、水道管が破裂する前の数ヶ月間の水道使用量の平均値を算出し、その数値をもとに増加分を計算します。増加分の5〜7割が減額されます。
水道料金の減免制度が利用できるケース
以下が確認できると、減免制度が利用できる可能性があります。
- 利用者の過失が原因ではない
- 管理の仕方に問題がない
- 業者の施工ミスや製造物の欠陥が原因ではない
- 1年以内に減免認定を受けていない
- 確認しにくい水道管の破裂(地下や壁の中など)
業者の施工ミスや製造物の欠陥が確認されるのであれば、業者への賠償責任が発生します。地震等の災害が原因で、壁の中など見えない場所で水漏れが起きていたケースなら、利用可能な場合が多いでしょう。
また、申請には期限があります。水道管の破裂修理をしてもらったら、できるだけ迅速に申請書の提出が必要です。
水道料金の減免制度の利用方法
水道料金の減免制度を利用するプロセスは、以下のとおりです。
- 水道管の破裂箇所を特定
- 破裂箇所の「管理区分」を確認
- 水道局に連絡(水道管破裂を修理する旨を伝える)
- 水道修理業者に修理を依頼
- 申請書に記入して提出
破裂箇所が元栓(水道メーター)より道路よりなら管理区分は水道局、自宅側なら利用者が管理責任者です。
水道管の修復工事は、基本的に水道局指定工事店に修理を依頼することが義務付けられています。申請書に「漏水修理証明書」を添付が必要な場合は、水道局指定工事店に指定されている業者に作成を依頼してください。
水道管が破裂してお困りなら
水道管が破裂した場合の対処方法や、予防方法を解説しました。
水道管が破裂していたら、ご自分での対応はできないので、水道修理業者に相談してください。水道管修理は水道局指定工事店かどうかの確認が必要です。
業者選びに迷ったら『クリーンライフ』にご相談ください。『クリーンライフ』は全国で300以上の市町村で、水道局指定工事店に指定されている業者です。