キッチンや洗面所の蛇口の掃除方法を詳しく説明します。蛇口は汚れた手で触ることが多く、意外に汚れやカビが蓄積しやすいアイテムです。
キッチンの蛇口は特に、汚れが食べ物に入ってしまうこともあるので清潔を保ちましょう。毎日のお手入れはクエン酸や重曹を使えば、万が一食べ物に接触しても安心です。
掃除で徹底してピカピカにする方法や注意点も解説するので、参考にしてみてください。
蛇口の汚れの種類を知って掃除を始める
蛇口に付着する主な汚れは、以下の通りです。
- 黒カビ
- 水垢
- ぬめり
- 赤カビ
- 油汚れ
それぞれの性質を知って、効率よく掃除しましょう。
黒カビはアルカリ性
黒カビは黒っぽい色をした、湿気のある場所にすぐにできやすいカビです。黒カビそのものには、毒性がありません。しかし、黒カビが放出する胞子は、気管支炎喘息などのアレルギー反応の原因です。
黒カビは除去しても黒い色が残るので、漂白しておきましょう。黒カビはアルカリ性なので、酸性の洗剤で掃除します。
水垢はアルカリ性
水垢は、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムといった、ミネラル分が蓄積してできる白っぽい汚れです。放置していると少しずつ蓄積し、ウロコ状に模様が増えていきます。
水垢はアルカリ性の汚れですが、石鹸カスや皮脂汚れと混じると湯垢になり、酸性の汚れに変化します。
ぬめりや赤カビは酸性
汚れを放置すると、細菌が増えてヌルヌルとした感触のぬめりが広がります。このようなぬめりは、「バイオフィルム」と呼ばれ、悪臭の原因の一つです。
中でもピンク色の赤カビは、「ロドトルラ」という酵母菌が増殖したぬめりです。赤カビは「かび」と名前についていますが、カビの一種ではありません。このようなぬめりは、酸性の性質をもっています。
手垢・ハンドクリーム・油汚れなどは酸性
蛇口のハンドルやレバーは手で触るため、手垢やハンドクリーム、化粧品などが付着するほか、キッチンの蛇口は油汚れが蓄積していきます。
油分を含む汚れは、中性洗剤でも落ちやすいのですが、もともと酸性の汚れなのでアルカリ性の洗剤が効果的です。
クエン酸スプレーで蛇口の黒カビや水垢を掃除する方法
クエン酸は酸性の物質で、有毒性のある黒カビを中心に、水垢といったアルカリ性の汚れに作用します。クエン酸は食用も販売されていますが、工業用、または掃除用のクエン酸を用意してください。
クエン酸水スプレーの作り方
100均などで購入できるスプレーボトルに水200mlとクエン酸小さじ1を加えて、よく混ぜ合わせます。
10日前後は保管できますが、カビができやすいため、光の当たらない低温の場所に保管してください。蛇口汚れ以外に、トイレの便器周辺の掃除など用途は広いので、できるだけ早く使い切ってしまいましょう。
クエン酸水を使った日常的な掃除方法
クエン酸水を使用する蛇口の掃除方法、用意するものは次の通りです。
【用意するもの】
- クエン酸水(スプレーボトル)
- スポンジ
【蛇口掃除の手順】
- 蛇口全体にクエン酸水を吹き付ける
- 濡らしたスポンジで拭き取る
食器洗いが終わったときに蛇口も掃除する習慣があれば、汚れが蓄積しません。特に蛇口の設置部分は汚れが溜まりやすいので、きれいに保つのを心がけましょう。
クエン酸水をパックして頑固な汚れを落とす掃除方法
蛇口にこびりついた落ちにくい汚れなら、クエン酸水のパックがおすすめです。
【用意するもの】
- キッチンペーパー
- 食品用ラップ
- ぞうきん
- クエン酸水(スプレーボトル)
- 輪ゴム、またはセロテープ
- 古い歯ブラシ
【蛇口掃除の手順】
- キッチンペーパーにクエン酸を吹き付けて柔らかくして、蛇口に貼り付ける
- 貼り付けたキッチンペーパーの上から、再度クエン酸を吹き付ける
- ラップをキッチンペーパーの上から蛇口全体を包む
- ラップを巻いたまま1時間〜2時間放置して、パックする
(ラップを輪ゴムかセロテープで落ちないように固定する) - 1時間〜2時間後、キッチンペーパーとラップを外す
- 巻き付けていた濡れたキッチンペーパーで全体を拭き取って、汚れを除去する
- 吐水口の部分は歯ブラシで汚れを取り去る
- 水を全体にかけたあと、ぞうきんで拭き取って仕上げる
吐水口が外れるタイプの蛇口なら、吐水口だけクエン酸水につけておくと、汚れが取れやすくなります。
頑固な黒カビにハイターを使う蛇口の掃除方法
キッチンハイターは、以下の効果が期待できます。
- カビ落とし
- ヌメリ落とし
- 除菌
- 漂白
黒カビの色が残ってお困りの場合にも効果的です。以下で、ハイターを使った蛇口の掃除方法を解説します。
キッチンハイターで蛇口をパック
以下を用意し、キッチンハイターで蛇口を掃除しましょう。
【用意するもの】
- キッチンペーパー
- キッチンハイター
- ぞうきん
【蛇口掃除の手順】
- 蛇口にキッチンハイターをスプレーする
- キッチンペーパーを貼り付ける
- 約10分間、放置する
- 水をしっかり流して、ぞうきんで拭き取る
10分以上放置すると、金属部の変質が起きる可能性があります。
蛇口の吐水口をつけおき洗い
吐水口を外せるタイプなら、つけおき洗いがおすすめです。
【用意するもの】
- キッチンハイター
- キッチンペーパー
- ぞうきん
- プラスチックの容器(吐水口が入る大きさ)
【吐水口掃除の手順】
- 吐水口をプラスチックの容器に入れ、キッチンハイターを吹きかける
- キッチンペーパーで包んで、その上からもう1度キッチンハイターを吹きかける
- 10分間放置する
- たっぷり水を使って洗う
- ぞうきんで拭き取り、蛇口に吐水口をはめる
吐水口がなくならないように、プラスチックの容器に入れておくと安心です。汚れがついていたら、柔らかめの歯ブラシでこすりましょう。
キッチンハイターを排水口に流す際の注意点
キッチンハイターを排水口に流す際は、水をしっかり流しましょう。原液や原液に近い濃いキッチンハイターは、金属部分のサビや変質の原因になります。
また、キッチンハイターが排水管に残っていた場合に、クエン酸水など酸性の液体を流すと、有害なガスが発生してしまいます。
重曹を使った蛇口の油汚れや赤カビに適した掃除方法
ハンドクリームや手垢、油汚れには、重曹を使いましょう。重曹は食材としても使用される、無害な物質です。
重曹水の作り方
100mlのぬるま湯(50度くらい)にティースプーン1杯の重曹を入れて溶かして、スプレーボトルに入れておきます。
重曹水は消臭効果があるので、生ゴミなどが臭うときにもおすすめです。
重曹水を使った掃除方法
重曹水を使い、蛇口の汚れを落とす手順や用意するものを紹介します。
【用意するもの】
- スポンジ
- 重曹水の入ったスプレーボトル
- ぞうきん
【蛇口掃除の手順】
- 蛇口の汚れのある箇所に重曹水を吹き付ける
- スポンジで汚れを除去する
- 蛇口の汚れが残っていたら、重曹水をもう1度吹き付けてスポンジでこする
- 蛇口の汚れが落ちたら、水で洗い流してぞうきんで水分を拭き取る
重曹が残るとざらざらした感触が残るので、たっぷりの水でよく洗い流しましょう。
ピカピカにしたい場合に歯磨き粉を使った蛇口の掃除方法
研磨剤が入った歯磨き粉は、こびりついた水垢などを落とします。歯磨き粉は研磨剤が入っていますが、歯のエナメルを傷つけない細かな粒子なので、蛇口を傷つけにくいのです。
ステンレスのくもりもきれいに落として、ピカピカに輝きます。
【用意するもの】
- 歯ブラシ
- 歯磨き粉(研磨剤か清掃剤入り)
- ぞうきん
【蛇口掃除の手順】
- 歯磨きするときと同じように、歯ブラシに歯磨き粉をつけて用意する
- ピカピカにしたい部分をブラッシングする(歯を磨くときと同じ要領)
- 汚れが落ちたら、水で洗い流す
- 水分をぞうきんで拭き取る
歯磨き粉は傷がつきにくいのですが、歯ブラシで強くこすりすぎると傷がついてしまうので注意が必要です。
シャワーヘッドを分解して掃除する方法
シャワーヘッドタイプの吐水口は、従来の吐水口よりもつまりやすいので、お手入れの回数を増やす必要があります。表面だけを掃除していると、汚れがシャワーヘッドの細かな穴に入り込んでしまいます。
シャワーヘッドタイプの吐水口は、分解してつけおき洗いがおすすめです。
おおむね以下の手順ですが、詳しくは水栓の取扱説明書を確認してください。メーカーや型番によって、分解の仕方が異なります。
- フィルターキャップを回して外す
- フィルターやパッキンを取り外す
- ドライバーを使ってネジを緩めて、シャワーヘッドを外す
取扱説明書が見当たらない場合は、メーカーの公式サイトで水栓の品番で検索すれば掲載されています。
【用意するもの】
- 分解したシャワーヘッドをつけ込むための容器
- クエン酸水スプレー
- 歯ブラシ
- ぞうきん
【蛇口掃除の手順】
- 分解したシャワーヘッドにクエン酸水スプレーを吹きかけて、1時間程度放置する(たっぷり吹きかける)
- 汚れがこびりついた場所を歯ブラシでこすり洗いする
- 水洗いしてぞうきんで拭き、組み立てる
シャワーヘッドのつまりが原因で水の出が悪いときにもすぐ対応できるので、分解方法をチェックしておきましょう。
蛇口を掃除する際の注意点
蛇口を掃除する際には、以下の4つの点に注意して行いましょう。
- ゴム手袋をはめて手を守る
- 酸性とアルカリ性の洗剤を混ぜない
- 換気をする
- 固いたわしでこすらない
注意したい点の詳細をお伝えします。
ゴム手袋をはめて手を守る
クエン酸は食品でもあるので、危険なことはないのですが、それでも直接触ると手荒れの原因なので注意が必要です。ハイターやクエン酸などで蛇口を掃除する際は、ゴム手袋をしてください。
掃除を終えたあとに、ハンドクリームでお手入れすることも忘れないようにしましょう。
酸性とアルカリ性の洗剤を混ぜない
酸性のクエン酸とアルカリ性の塩素系漂白剤を混ぜると、塩素ガスが発生します。塩素ガスは有毒で、換気の悪い場所では呼吸器障害などを引き起こす可能性があるので、注意してください。
一緒に使わなくても、前回掃除したときの液体が少し残っているかもしれません。掃除する前に、蛇口やシンク全体を水洗いしてから始めると安心です。
換気をする
塩素系漂白剤を利用する際は、換気をしましょう。窓を開けて、換気扇があればつけておくと安心です。
塩素系漂白剤は揮発性があるので、空気中に気化した塩素が混じります。気化した塩素を吸い込んでいると、敏感な方は頭痛や吐き気などの症状が出る可能性が。
また、うっかりクエン酸など酸性の洗剤と塩素系漂白剤が混じってしまった場合も、換気をしておけば被害を最小限にとどめられます。
硬いたわしでこすらない
ステンレスに傷をつけないために、硬いたわしや研磨スポンジを使わないようにしましょう。
蛇口の表面に傷がつくと汚れが入り込んで、かびが生えてしまいます。柔らかいスポンジだけを使ってください。
蛇口を掃除して気持ちの良い水回りに
蛇口の掃除方法を、汚れの種類と洗剤の相性を含めて詳しく説明しました。飲み水や料理用の水を衛生的に保つためにも、記事を参考にして定期的な掃除を心がけてください。
こまめに掃除をしていると、蛇口の不具合にも気づきやすくなります。
もし、ガタ付きや水漏れなど気になることがあれば、『クリーンライフ』にご相談ください。年中無休で24時間ご連絡を受け付けています。