洗濯機からの水漏れの原因と対処法を、場所別に解説します。
水漏れを放置すると、被害が拡大して床材が腐る恐れがあるので、早期対処に努めることが重要です。ご自分で簡単に解消できる場合もあります。
自分で対応、メーカーに依頼、水道修理業者に依頼した場合の費用相場もご紹介します。洗濯機の水漏れでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
洗濯機で水漏れしているときの応急処置
洗濯機からの水漏れを見つけたら、被害が広がらないように次の3ステップで応急処置をしましょう。
- 洗濯機の電源を切る
- 洗濯機の蛇口を閉める
- 濡れている箇所を布やタオルなどでおさえる
もし蛇口を閉めても水漏れが続くようなら、水道の元栓を閉めてください。
水道の元栓の場所が分からないときは、以下の記事が参考になります。
どこで水漏れしているのか確認する
応急処置をした後、どこから水漏れしているのかをチェックします。洗濯機で水漏れが多い箇所は、以下の通りです。
蛇口を閉めても洗濯機からの水漏れが続く場合は、蛇口本体や蛇口の接続部分からの水漏れの可能性が高いといえます。
【場所別】洗濯機の水漏れの原因・修理方法
洗濯機の水漏れへの対処の仕方は、発生箇所ごとに異なります。
特に水漏れが発生しやすい箇所は、次の4つです。
- 蛇口
- 給水ホース
- 排水ホース
- 洗濯機本体
ここでは4ヶ所それぞれの水漏れ原因、修理方法について解説します。
蛇口からの水漏れ
洗濯機へ送水する役割を持ち、頻繁に水圧がかかっている蛇口は最も水漏れしやすい箇所です。より細かく分けると、次の3部分いずれかでトラブルが生じています。
- 蛇口本体
- ニップル
- 壁とのつなぎ目
部位別の水漏れ原因をまとめたので、適切な対処法を見極めるうえで参考にしてみてください。
蛇口本体
ハンドルやパイプの接続部分など、蛇口本体からの水漏れは内蔵されたパッキンの劣化、もしくはナットのゆるみが原因である可能性が高いです。
ハンドル・パイプ内部のパッキンは、以下の手順で交換しましょう。
- モンキーレンチでナットをゆるめ、ハンドルやパイプ部分を取り外す
- 内蔵されたパッキンを新しいものに交換する
- ハンドルやパイプ部分を再度取り付けた後、しっかりとナットを締める
水漏れを頻発させないよう、最後にナットをしっかりと締め直すことが重要です。
修理でハンドルを外す場合は、慎重に作業します。蛇口の水漏れ修理は、以下の記事を参考にしてください。
ニップル
ニップルとは、蛇口と給水ホースを接続する役割を持つ部品のことです。ニップルには次の2種類が存在し、タイプごとに水漏れの原因が異なります。
- 4つネジタイプ
- 蛇口一体タイプ
蛇口側を4つのネジで固定する「4つネジタイプ」から水漏れしている場合、内部のパッキンが劣化しているか、固定用のネジがゆるんでいる恐れがあります。
ネジを締め直しても水漏れが止まらないなら、次の手順でパッキンの交換をしましょう。
- 蛇口からニップルを取り外す
- 接続部分のパッキンを外し、新しいものを取り付ける
- 再度蛇口とニップルを接続する
「蛇口一体タイプ」の水漏れの多くは、ナットのゆるみが原因です。モンキーレンチを使い、時計回りにしっかりとナットを締め直しましょう。
壁とのつなぎ目
洗濯機に通じる蛇口は壁内の給水管と繋がっており、接続部分から水が漏れてしまうケースもあります。
原因として考えられるのは、シールテープの劣化。長期間使っているうちにシールテープがもろくなり、壁から水がしみ出し、水漏れを引き起こしている可能性が高いです。
水栓レンチを用意して、次の手順でシールテープを交換しましょう。
- 水道の元栓を閉める
- 水栓レンチで蛇口を取り外す
- つなぎ目を歯ブラシで綺麗にする
- シールテープをはがし、新しいものを巻き直す
- 水栓レンチで再度蛇口を取り付ける
- 水道の元栓を開ける
修理前には、元栓を閉め忘れないように注意しましょう。
給水ホースからの水漏れ
蛇口と洗濯機を繋げる給水ホースも、水漏れしやすい場所の一つ。主に、次の2つの部位から水漏れしやすく、それぞれ原因は異なります。
給水ホース本体
洗濯機を長く使っていると給水ホース本体が劣化で割れてしまい、水漏れしてしまうケースもあります。
主に、10年前後使い続けた給水ホースに見られがち。あまり使っていない場合も誤って踏んでしまったり、上に重いものを乗せたりしてしまうとヒビが入り、水漏れに繋がる恐れがあるので注意が必要です。
給水ホース本体のヒビや穴から水漏れしている場合は、ホース自体を交換してください。交換せずに使い続けてしまうと、損傷箇所が大きくなると同時に、水漏れの被害が拡大する恐れがあります。
- 応急処置としては、損傷部分に防水テープを貼る方法が有効です。ただ、あくまでも一時的な対処法であることを念頭に置いておきましょう。
接続部分
蛇口と洗濯機の接続部分から水漏れしているときは、内蔵されたゴムパッキンが劣化している可能性を疑いましょう。
また、給水ホース内の汚れの蓄積により、水漏れが引き起こされることもあります。
接続部分にゆるみが見られる場合は「カチッ」と音がするまで締め直せば、容易にトラブルを解消可能です。
排水ホースからの水漏れ
洗濯機から水を排出する排水ホースから水漏れした場合も、トラブルの発生箇所によって原因・対処法が異なります。
排水ホース本体
排水ホース自体から水漏れしているようであれば、劣化が理由で本体のどこかにヒビが入っているかもしれません。給水ホース同様、外部からのダメージによって割れてしまう場合もあります。
傷んだ状態で放置し続けた場合、損傷部分から水漏れするリスクが高まるため、ホース自体を新しいものに交換して被害を最小限に抑えることが重要です。
すぐに対処できなければ、防水テープやパテを使って応急処置を行いましょう。
接続部分
洗濯機と排水ホースとの接続部分で水漏れが発生した場合は、接続が上手くできているかどうかチェックしましょう。
設置当初は問題なくとも、使っているうちに洗濯中の振動などで徐々に外れてしまうことがあります。水漏れに気付き次第、しっかりはめ直してください。
はめ直しても排水ホースが外れやすい場合は、排水ホース内でつまりが発生し、ホース内の水の通り道が細くなっているのかもしれません。通り道が細くなると、水圧が高くなりホースが外れてしまいます。
排水ホース内でつまりが発生していれば、洗濯機から取り外して掃除してください。
掃除終了後に接続する際は、「カチッ」と音が鳴るまではめ込みましょう。接続部分のゆるみが原因で、再度水漏れが発生してしまっては元も子もありません。
排水口
排水口の水漏れ時には、ゴミがつまって水の流れが悪くなっている可能性が高いです。周辺の掃除をしてつまりを解消し、水漏れの原因を断ち切りましょう。
洗濯機の排水口や排水管の掃除は、次の流れで進めてください。
- 排水口に設置された部品を取り外し、50℃程度のお湯に10分ほど浸け置きする
浸け置き後に残った汚れは、歯ブラシで落とす - パイプクリーナーで排水管内を清掃する
最後は排水管・部品ともよく洗い流し、元の位置に取り付けます。
排水口・排水管のつまりを解消する方法は、以下の記事でさらに詳しく説明しています。参考にしてください。
排水エルボ
排水ホースと排水口は、排水エルボというL字型の部品で接続されています。排水口周辺で水漏れがあるなら、排水エルボに不具合がある可能性もあります。
一旦、排水エルボを取り外して、設置し直してみましょう。その際、排水口にゴミがないか確認して、掃除しましょう。
排水口を掃除してエルボを設置し直しても水漏れが改善されなければ、排水エルボの劣化が考えられるため、新しいものに交換します。
洗濯機のホースやエルボからの水漏れ対処法は、以下の記事を参考にしてください。
洗濯機本体の底から水漏れ
洗濯機本体の底から水漏れしている場合、下記3つの部位でトラブルが発生しているケースが多いです。
- 洗濯槽
- 洗剤ケース
- ゴミ取りフィルター
原因によっては自分で直すことが困難となり、水道修理業者やメーカーへの依頼を検討する必要があります。
洗濯槽
洗濯槽が劣化して水漏れを引き起こしているときは、復旧までに複雑な修理を要する可能性が高いです。
むやみに直そうとして被害を拡大してしまわないよう、水回りのプロである水道修理業者やメーカーに相談することをおすすめします。
ある程度まとまった費用は必要になるものの、最適な対処によって水漏れトラブルを早期解決することが可能です。
修理を待つ間は、洗濯機の使用を控えましょう。蛇口をしっかりと締めた後にコンセントを抜き、水が漏れない状態にしておくのがベストです。
洗剤ケース・ゴミ取りフィルター
同じ洗濯機を長年使っていると、以下のようなつまりが生じて水漏れの原因になります。
- 溶け切らなかった洗剤が洗剤ケースに溜まった
- ゴミ取りフィルターにゴミが蓄積した
- ゴミや溶けきれない洗剤が洗濯機・排水ホースに詰まった
洗剤ケース・ゴミ取りフィルターのつまりや汚れが原因ならば、自分で対処できる可能性が高いです。それぞれを綺麗に掃除し、水漏れトラブルの解消に繋げましょう。
ドラム式洗濯機を使用中の方は、本体下に設置されている排水フィルターの内部を確認する必要があります。ゴミがつまっていたら取り除き、排水がスムーズにできる状態を維持しましょう。
洗剤カスやゴミは、洗濯機を使うほどに蓄積します。日頃から手入れする習慣をつけておくと安心です。
洗濯機の水漏れを放置するのは危険
洗濯機の水漏れを放置してしまうと、2つのリスクに直面する危険性が高まります。場合によっては近隣の方にも悪影響を及ぼす可能性があるので、よく確認してリスクを未然に防ぎましょう。
床下浸水で床材が腐る
1つ目は、漏れた水が床下浸水を引き起こしてしまうリスクです。
浸水したままの状態では床材が腐り、カビやシロアリが発生。フローリングが傷む原因となってしまいます。
洗濯機の水漏れに気付き次第、床の水気をしっかりと拭き取りましょう。
下の階に被害を及ぼす
マンションやアパートに住んでいる方は、下の階への浸水に要注意。以下のケースは、賠償金を請求される恐れがあります。
- 家電製品を故障させた
- 天井や壁にシミをつくった
万が一、洗濯機の水漏れによって近隣住民とのトラブルに発展してしまった際は、不動産の管理会社や大家さん、保険会社に直ちに連絡してください。
洗濯機の水漏れ修理の費用相場
洗濯機の水漏れ修理にかかる費用は、どのような手段で直すかによって大幅に変化します。
下記3つに分けて修理費用の相場をお伝えするので、おおまかな予算を知りたいときにご活用ください。
- 自分で修理
- メーカーに依頼
- 業者に依頼
それでは、それぞれの修理代をご紹介します。
自分で修理するときの修理代
パッキン交換やホース交換など、比較的簡単な修理は自分でも対応可能です。修理に必要な部品や工具は、ホームセンターや通販で手軽に購入できます。
作業料金がかからないため、各部品代として発生する1,000円~の出費で済むことが多いです。
メーカーに依頼するときの修理代
洗濯機の製造を手掛けるメーカーに修理してもらえば、より安心です。保証期間内であれば、無償で修理に対応してくれるケースもあるため、一度保証書の内容を確認してみてください。
保証期間切れの場合は、メーカーごとに定められた修理代が発生します。例えば、ホースの水漏れ修理をTOSHIBAやHITACHI、SHARPなどの大手メーカーに依頼するときの費用相場は、7,000円~27,000円です。
また、SHARPで排水口のつまりや排水ホースのつぶれに対処してもらう場合、11,000円~22,000円程度の出費が見込まれます。
業者に依頼するときの修理代
水道修理業者に水漏れトラブルの解消をお願いする場合、主な修理内容別の費用相場は下記のとおりです。
パッキン交換やナットのゆるみ調整 | 5,000円~ |
ホースの交換・修理 | 5,000円~ |
ニップルの交換 | 13,000円~ |
水道修理業者に依頼すると、一般的にメーカーよりも安くで済むケースが多いです。
洗濯機の水漏れ対策3つ
突然洗濯機が水漏れし、慌てないためには日頃の対策が欠かせません。ちょっとした心がけで深刻な被害を防げるので、普段から意識的に取り組むことをおすすめします。
洗濯物を入れすぎない
洗濯機には、それぞれ洗濯可能容量が定められています。規定より多くの洗濯物を洗ってしまうと、振動が増えてモーターに負担がかかり、故障を招く恐れがあるので注意が必要です。
洗濯機本体だけでなく、洗濯時に使われるホース類や部品の劣化に繋がる可能性もあります。
洗濯後に蛇口を締める
洗濯機を使い終わった後は、毎度忘れずに蛇口を締めましょう。
使用時以外も蛇口を開きっ放しにすると、蛇口内部のパッキンや給水ホースなど、各部品への負担が増えて寿命を縮めてしまう恐れがあります。
洗濯槽をこまめに掃除する
洗濯槽には、しらずしらずのうちに洗剤の残りカス、洗濯物に付着していたゴミなどが蓄積しているので、普段からこまめに掃除しましょう。
【洗濯槽の掃除方法(ドラム型・タテ型共通)】
- 洗濯槽クリーナーを洗濯槽に直接投入する
※洗剤投入口ではないので、注意 - 洗濯機の扉を閉めて、「槽洗浄コース」(ない場合は標準コース)を選んで、スイッチを入れる
- コースが終わるまで放置する
洗濯槽クリーナーはできれば、洗濯機メーカーの推奨品の方が安心です。メーカー推奨品を使わない場合も、洗濯槽専用のクリーナーを必ず使いましょう。
- カビが気になってカビキラーを入れると泡が立ちすぎて、途中で運転が止まってしまう可能性があります。黒カビが気になる場合は、衣料用の漂白剤の利用がおすすめです。
掃除後は部品同士の接続がゆるくなっていないかもチェックし、水漏れの原因となり得る要素を減らすように努めてください。
洗濯機の水漏れをすぐに解決したいときは
使用頻度が高く、しらずしらずのうちに劣化する洗濯機。時に発生し得る水漏れは、症状の悪化を防ぐためにも水道修理業者やメーカーを頼ると安心です。
依頼先に悩む場合は、私たち『クリーンライフ』にお任せください。洗濯機の水漏れにも早急に対応し、被害を最小限に抑えています。年中無休で24時間対応しているので、お気軽にご相談ください。